本当にいるんですよ!あの「幸せを呼ぶ青い鳥」が。
ようこそ!この鳥を見つけたら幸せになれますよ!ほらね。
今日は一緒に幸せを探す旅に出かけましょう。
(中村)おお〜!世界一美しいといわれる幻の鳥を追い求めて。
神秘の森の奥深くへ。
いた!いたいたいた。
どこ?どこどこ?野生生物たちの楽園には見た事もない不思議な生き物がいっぱい。
でもそう簡単にはいかなそうです。
すげえ!今回の旅の舞台は中米コスタリカ。
人口480万九州と四国を合わせたくらいの小さな国です。
野菜を売ってるんだ。
ブエノスディアス。
わ〜。
世界一美しい鳥を探すのは俳優の…コスタリカってあまりなじみのない国ですよね。
せきに効くんですか?え?食べても大丈夫?ああ〜。
ハハハハハハ!十分幸せそうな中村さんがはるばるやって来た訳は?あの実は私ですね手治虫さんのこの…「火の鳥」という作品が大好きで人が生きる事とか生命とは何だろうという事を僕が子どもの頃に多分一番初めて考えさせられた作品だったんじゃないかなという印象があって。
実はこの火の鳥のモデルになったケツァールという鳥がコスタリカには生息しているというふうに伺いましてやっぱちょっとひときわ思い入れが強いものですから是非この目でこの登場人物たちのように見てみたいと…。
中村さんが会いたいというケツァールがこちら。
赤い胸に緑の長い尾。
見た者には永遠の幸せが訪れるといわれる世界一美しい鳥です。
しかしこのケツァール実は絶滅が危惧される幻の鳥。
そう簡単には出会えません。
コスタリカはこの小さな国に全生物種の4%が住むという生物多様性一番の国。
(鳥の鳴き声)鳥だけでも900種類以上が生息しているんです。
まあのんびり行こうじゃありませんか。
おや?よ〜く見るとこんな所にも。
コウモリだと思うんですけどすごくちっちゃくて木の肌の色に…。
木に張り付くコウモリ。
コウモリだけで100種類以上いるとか。
あっイグアナ!あそこ。
爬虫類や両生類も400種類以上が生息しています。
(口笛)一たびガイドが口笛を吹くと…。
(口笛)サルが集まってきました。
顔が白いこのサルはコスタリカを代表する動物です。
近くまでサルが…あったくさん!2匹3匹も。
それにしてもどうしてこんなにもいろんな種類の動物がいるんでしょうか?その秘密は変化に富んだ地形にあります。
太平洋とカリブ海2つの海に挟まれ海岸線から3,000メートル級の山々まで気候帯も実にさまざまなんです。
世界一美しい鳥ケツァールは山あいの森に住んでいるらしい
そう聞いて緑の山と呼ばれるモンテベルデへと向かいました
しかし目的地が近づくといつの間にか辺りは一面の霧で真っ白に…。
何も見えなくなってしまいました
うわ〜でも何かさっきまでこうずっと山並みが見えてたんですけど今はちょっとガスが出てあれなんですけど逆に何かこう見えない感じが何て言うんですかね底知れなさっていうか広大無辺な感じっていうか何かじわじわと来るというか。
えらい所へやって来たなという感じがしますよね。
そうモンテベルデは年中雨と霧に包まれる雲霧林という森が広がる場所。
カリブ海側から吹きつける熱帯の湿った風が山に当たって冷やされ霧が発生しやすいのです。
絶え間ない雨と霧が生み出すこの一面緑の森がケツァールをはじめとする多くの固有種を育んでいます。
特に有名なのは鳥の種類の豊富さ。
モンテベルデはバードウオッチングの聖地ともいわれ観光客が世界中から集まってきます。
ケツァール探しは霧が出るまでの午前中が勝負。
ブエノスディアス。
ハポネ。
ケツァールですね。
うん。
ケツァールを見ると幸せになるっていう話を聞いたんですけど…。
ガイドはモンテベルデで生まれ育ちこの森を知り尽くした…ケツァールを求めいざ森の奥へ。
いた!どこ?どこどこ?早速森の住人がお出迎え。
あれ何ですか?あの動物は。
びっくりした〜。
目が合いました。
雲霧林の中は普通の森とはちょっと様子が違います。
普通に木だと思ったんですけど上の方見たら本当だシダだこれ。
20メートルの巨大なシダ。
そしてならではの特徴も。
土に根を張らず霧を頼りに育つ着生植物。
その一つランも500種類以上が見られます。
こう…くっついてるものとかはやっぱり日本では見られない感じの森ですよね。
とても何かこう…不思議な感じがします。
霧によって守られた奇跡の森。
木々を傷めずに森を楽しめる工夫が随所に施されています。
これは高さ30メートルのつり橋。
地上からでは見つけにくい鳥も観察できます。
うわ〜高っ!壮大なランドスケープですね。
すごい。
橋の上で発見したのは…?赤いやつですかね?ケツァール?もう本当に一瞬ケツァールかなと思ったけどでもちょっと尻尾が短かったから…。
ケツァールがこれでこれだ。
あ〜おなかが赤い。
(ビクトリーノ)ファミリア。
ファミリア。
ケツァール惜しかった…惜しかった。
シー!幸せの鳥までもう一歩。
次に向かうはケツァールがやって来るとっておきのスポットだとか。
すると突然ハーネスを装備させられた中村さん。
何をするんでしょうか?おお〜!高さ200メートルに張られたワイヤーで森から森へ一っ飛び。
木の実を食べに来るケツァールを探しに行きます。
もともと研究者たちが移動手段として使っていたこのキャノピー。
今では人気のアトラクションです。
出る前はびびったんですけどいざ出た瞬間にあとはもう爽快で…すごく楽しかったです何かもう。
ビクトリーノとこれで2人で空を飛んだアミーゴなんで2人でケツァールを必ず見れると思います。
再び森を歩く事1時間。
ビクトリーノさんの足が止まりました。
ああ何かありますね。
なってますね。
緑色の…何かこう細長い実が。
これがあれ…ケツァールが好きな実?アグアカティージョはモンテベルデの豊かな森を作り上げている大事な木。
そしてこの木にとってもケツァールは大きな存在だとか。
まさに火の鳥のイメージのように森をより豊かにするための大事な役割を担ってるんだなという事はケツァールと火の鳥のイメージとちょっと重なるというかフィットしてるんだなっていう。
何かそこはちょっとこうぞわっとするというか…うん。
鳴き声だけでも聞こえるといいんですけどねケツァールの。
しかし大好物の前でいくら待ってもケツァールはやって来ません。
日が高くなるにつれまた霧が立ちこめこの日のケツァール探しはここまで。
この森と霧の向こうのどこかにいるんでしょうねきっと。
神秘の森を守る大切な鳥ケツァールは古来より神が宿る平和の象徴としてあがめられてきました。
先住民にはこんな伝説も残っています。
モンテベルデは自由と平和の鳥ケツァールに出会える観光地として発展してきたそうです
何かいろんな森のアトラクションとかがあるんですね。
キャノピー以外にも自然を楽しむさまざまなツアーがありました
実はコスタリカはエコツアー発祥の地なんだとか。
せっかくなんでちょっと体験してみる事に
初ラフティング。
結構速いですね流れが。
想像していたよりも激しい濁流
でもこれが意外と快感でした
大自然を目いっぱい感じて遊ぶ。
たまにはいいもんですね
フ〜!
(歓声)は〜いや最高ですね!
(笑い声)荒々しい自然に優しく包まれてる感じですね。
何だかよく言ってる事の意味が分かりませんけどそんな感じです。
ブエノスディアス。
ブエノスディアス。
ケツァール探しの合間にちょっとうれしい出会いもありました
あっ。
これハチドリですかね?カフェの店先に世界一小さい鳥ハチドリが集まっていたんです。
すごいたくさん。
きれいですね。
わ〜。
ハハハ近い。
へえ。
きれいな色。
紫色。
いろんな色がいるんですね紫とかグリーンとか。
こんな身近な所で。
ああ来た来たまた来た。
野生のハチドリが見れるなんてすごい不思議。
いやきれいですね本当にきれい。
うわ〜。
ここで毎日エサをあげていらっしゃるんですか?
豊かな森の恵みを感じたひとときでした
モンテベルデがケツァールの森として知られるようになったのはある一人の人物がきっかけでした。
それは60年以上前この地を緑の山と名付け歴史を見つめてきた長老です。
ブエノスディアス。
ウィルフォード・ギンドンさん84歳。
妻のラッキーさんと息子のベニートさんと出迎えてくれました。
家の中にはリスが。
ギンドンさん一家は動物や自然を守りながら共に暮らしてきました。
さすが生物多様性一番の国。
更にこんな同居人も。
あ…。
籠にいたのはナマケモノ。
母親を亡くした子どもを保護したんだそうです。
ナマケモノの赤ちゃんって初めて見ました。
しかもこんな間近で…。
かわいい。
動物と一緒に自然と一緒に暮らしているという感じなんですね。
一家の歴史にはモンテベルデの全てがあります。
実はギンドンさん夫妻は1950年に移住してきたアメリカ人です。
当時は朝鮮戦争の真っただ中でした。
1948年の内戦で国が疲弊したコスタリカは翌年憲法で軍隊を廃止する事を定めました。
ギンドンさんはそこに魅力を感じたのです。
ここへいらした頃は本当に何もなかったと思うんですけれどもどういう暮らしをなさってたんですか?木の生えた土地には価値がなかった時代。
経済の立て直しを図ろうと牧畜が勧められます。
モンテベルデには次々と人が移り住み伐採を繰り返しました。
そして今ある森の半分ほどが失われ牧草地に姿を変えていったのです。
変化が起きたのは1972年。
生物学者の調査である貴重な生き物が危機に瀕している事が分かったのです。
それを知ったギンドンさんは森を守ろうと考え始めます。
一緒に保護活動を始めたエラディオ・クルスさん。
聖なる鳥ケツァールを守りたいとギンドンさんの呼びかけに応じました。
「牧草地を買い取り森に戻そう」。
時代の逆を行くギンドンさんたちの活動に農家はなかなか耳を傾けてくれませんでした。
この時説得の切り札となったのがあのケツァールでした。
開発をやめた土地は霧に助けられ僅か40年で奥深い森へ。
森が再生する事でケツァールが増えケツァールによってまた森が広がる。
森をよみがえらせた世界一美しい鳥は観光客を引き寄せその収益がまた森の保護につながる。
今では国土の4分の1が自然保護区となりました。
珍しい動植物の楽園が保たれたコスタリカは生物多様性を売りにした観光立国となったのです。
実は生物多様性を守る事は私たち人間の未来ともつながっているんです。
この研究所ではコスタリカ中の生物を記録しています。
標本の数は現在400万点。
ここでは昆虫や植物から未知の成分を抽出し新しい薬や化粧品バイオエネルギーなどを生み出すための研究も行っています。
こうした生物資源には日本や欧米の製薬会社大学が関心を寄せ実際にビジネスが生まれているのです。
コスタリカでは今でも毎週のように新種が見つかり続けているとの事。
ここには私たちの暮らしを変える可能性が眠っているのかもしれません。
どうしてコスタリカの人たちはこんなに自然を大切に思えるのだろうか?
聖なる鳥ケツァールによってよみがえった森でその答えを知る手がかりに出会いました
実はここ地元の学校が管理している森なんだそうです
時々鳥の声が聞こえますけどそれをもう大体どういう種類の鳥かという事をみんな大体もう分かってきているんですか?
毎週行われる課外授業。
どこにどんな鳥がいるか生態系が崩れていないか専門的な調査を継続して行っています
こうした授業は実は内戦後の政策が関係しているとの事。
「兵士より多くの教師を」そんなスローガンが掲げられ教育に力が注がれた結果だというのです
何になりたいとか夢は?そっか〜。
森に入るとどんな気持ちになる?
(通訳)自由な気がする。
あ〜…自由な気がする?
自由を感じるという言葉を不思議がっているとジョニーさんが家に招いてくれました
何でも見せたいものがあるんだとか
スペイン植民地からの解放の日。
どこの家でも子どもと一緒に灯籠を作り祝いの行事に参加するんだそうです
この3色は何の色なんですか?
独立し自分たちの手で軍隊を放棄する事自然を保護する事を選んだコスタリカの人たち。
それが穏やかな日常と森への愛着を生んだのかもしれない。
そう感じました
コスタリカが自由を獲得したという事と軍を放棄したという事とジョニーさんたちのように自然を守ろうとしているというこの3つの事が僕はとてもつながっているように感じるんですけど。
(歌声)あれだけの数の人が独立記念の日を祝うっていうのがすごくすてきな事だなって。
何かこうそういう習わしをずっとみんなで大切に守って多分ああやって子どもたちにも受け継がれていくんだろうなって。
それはコスタリカの平和であり自然を守るという気持ちであったり家族とか町の絆であったりそういうものを守っていくという事につながるんだろうなっていうその何かこう…象徴のような行列に思えました。
まだケツァールには出会ってないですけど…ひとまずでもモンテベルデで何かこう…まあケツァールと並ぶくらい大切なものをたくさん見たり聞いたり感じたりできたなって思います。
まあ見たいですけどね。
ハハハハハ!中村さんの旅も残すところあと1日。
最後にどうしてもケツァールを見たいと向かったのは標高3,000メートル級の山。
地球の裏の日本からケツァールを見たくてここまで来ました。
ここはジェイソンさんの家族が経営するケツァールに一番出会えるロッジなんだとか。
おじいさんが始めたロッジジェイソンさんはその3代目です。
こちらは?一家はこの山でケツァールが大好きなアグアカティージョの木を植林してきました。
お客さんにケツァールを見て幸せになってもらいたいという亡き祖父エディさんの思いを引き継いでいるのです。
翌朝6時家族が植林したという森へ。
ジェイソンさん鳴きまねでケツァールを呼び始めました。
(鳴きまね)すると…。
(鳴き声)
(鳴き声)わっ!ケツァールです!追い求めていた幻の鳥がついにその姿を現しました。
美しいですねとても。
森を守り自由と平和の象徴とされてきた聖なる鳥です。
驚きと感動と…その自然の偉大さみたいなものが一緒くたにこう押し寄せたというか。
さすがだねジェイソン。
いや〜ああ今見えるねちょうど日の光を浴びてエメラルドの輝きを…。
モンテベルデの豊かな森の礎を築いた…夫婦でコスタリカに移住して64年。
ここを離れようと思った事は一度もないといいます。
2015/12/02(水) 14:05〜14:53
NHK総合1・神戸
地球イチバン セレクション「世界一“美しい鳥”を探せ!」[字]
幸せを呼ぶ鳥を求め、野生生物の楽園へ!地上200メートルを滑空し、濁流を下る。ハチドリやナマケモノ、100万匹のウミガメと出会い、幻の鳥がつむぐ物語を堪能する旅
詳細情報
番組内容
見た者には永遠の幸せが訪れると言われる鳥ケツァールを求め、俳優・中村靖日さんが野生生物の楽園へ。目指す鳥が住むのは、一年中霧に覆われ一面真っ白の神秘の森。地上30mのつり橋を渡り、高さ200mに張られたワイヤーを滑空、濁流を下り、幻の鳥を探す。生物多様性イチバンの国で、ハチドリやナマケモノ、オマキザル、そして100万匹のウミガメの一斉産卵との出会いも!【ナビゲーター】役所広司
出演者
【ナビゲーター】役所広司,【旅人】中村靖日
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:17652(0x44F4)