NHK高校講座 地学基礎「大気の構造」 2015.12.02


開管に比べ…
(関口)雲はいいですな〜ぷかぷか浮かんでてさ。
んっ?あのキラキラしてるのあれUFOじゃないの?ん〜隊長。
しっかりして下さいよ。
地球調べ隊の隊長なんですから。
ほかに何かする事あるでしょうに。
地球調べ隊の隊長だから今日のテーマをじっくり観察してんじゃないよ!んっ?今日のテーマですか?そうです。
今日のテーマはこの空なの。
ふ〜ん。
まあ空ってのはいろんな表情を持ってて面白いよね。
まあそうですね。
いろんな形の雲があって朝とか夕方には赤く染まって見てて飽きないですよね。
実はですな…大気ですか?はい。
そこで今回はですね大気に注目致します。
おっ。
テーマは「大気の構造」です。
まずは大気っちゅうものがどんなものなのか確認しておきましょうか。
はい。
こちらをご覧下さいませ。
おっ。
これは…う〜ん。
本当地球はきれいな星ですね。
きれいだね〜。
うん。
ところで垣内隊員。
この写真でいうと…えっ!どこだろ…。
分かんない?うん。
実はねこのうっすらさ何か青く光ってるじゃん。
はい。
これが大気です。
ええっ!薄っ。
そうなのよ。
この青く光っている所我々のいるこの地表からおよそ100kmくらい。
地球の半径でいったらたった60分の1ぐらいしかないんです。
う〜ん。
まあこんなに薄くてもこの大気が…う〜ん。
私たちが生きていけるのも大気があるおかげですよね。
はい。
という事で今日のキーワードはいつものように3つですよ。
はい。
まずこれ。
ほんでこれ。
でこれ。
はい。
まずはこの「大気の組成」からいってみようか。
隊長。
はい?大気の組成って……って事ですよね?そういう事ですな。
ちなみにさ垣内隊員は大気に一番多く含まれてる成分って何だと思いますか?やっぱり酸素じゃないですか?そうきちゃう?うん。
違うんですね〜。
んっ?ほとんど窒素ですね。
そうなんですよ。
えっ。
現在の地球の大気の成分ってのは水蒸気を除きますと窒素が78%で一番多くて酸素に至っては21%。
本当だ〜。
何かちびっとありますね。
これは何かって言うとアルゴンとかね二酸化炭素に至ってはなんとなんと0.04%っきゃないんですね。
へ〜意外。
二酸化炭素ってそんなに少ないんですね。
はい。
このね大気の組成は現在地球上で生きている私ら生物にとってとってもいいバランスなんですよこれでも。
でもですよ最近は二酸化炭素の量が増えてきたっていいますよね。
いうよね〜。
地球温暖化に関係してんじゃないかとかね議論されてますわね。
うん。
だけどもともとがなんとこの0.04%でしょ。
っちゅう事は地球規模で見たらその…ちょっとしか増えてないって事になる訳ですよ。
という事はそれほどこの……って事ですよね。
そういう事。
いい事言いますね。
じゃあ次のキーワードいきましょか。
はい。
次のキーワードはこちら…垣内隊員さ大気圧って聞いた事ある?気圧っていうのはよく聞くんですけどそれとは違うんですか?一緒です。
あの…簡単にいえば…空気の重さですか?ええ。
空気には一応ちゃんと重さってものがありましてですねその空気の重さで私たちはいつも押されてんですよ。
ちょっと待って下さい。
はい。
ん〜。
全然感じないですよ。
あっ今感じてみた訳ね。
そうです。
いや大気圧っていうはあの…体の外からだけじゃなくてですよ内側からもかかってるんでまあ感じないのは当たり前なんですけどね。
そっか。
ふだん…うん。
1気圧ってどれくらいの圧力なんですか?想像つかないよね。
うん。
例えばで言うとね…。
これですね。
うわ〜ちっちゃ。
1cm角の紙切れです。
この1の紙の上に1kgのおもりが載っている時の圧力が1気圧なんです。
えっこんな小さい所に1kgですか?はい。
じゃあですよ今私の体1平方センチ当たりにも1キロ1キロ1キロ…ってそんなにおっきい圧力がかかってるって事ですか?そういう事ですよ実際。
本当に。
え〜。
ほんでねこの気圧は高さつまりあの…高度によって変わるんですよ。
んっ?どう変わるんですか?それ調べてくんのがあんた垣内隊員のお仕事でしょうに。
そっか。
分かりました。
じゃあ高度が変わると気圧はどうなるのかっていうのを調査してきたいと思います。
行ってきま〜す。
行き先は任せていい訳ね。
垣内隊員がやって来たのは…。
静岡県三保の松原にやって来ました。
という事でここで待ち合わせをしてるんですけど…。
あっ先生〜。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
調査に同行してくれるのは…ここは海がある場所ですね。
標高が0mと高度が一番低い場所なんですね。
ここでまず気圧を測って。
はい。
でその気圧が高度が上がるにつれてその値がどう変わっていくのか調べてみましょう。
はい。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
気圧測定の前に覚えておこうね。
…という単位で表す。
では早速ここ標高0mつまり高度0mの気圧を測定。
これ何だか分かりますか?気圧計なんです。
気圧計。
はい。
初めて見たかもしれないです。
今日の気圧を測ってみましょう。
はい。
読んでみて下さい。
これ目盛りを読めばいいんですよね。
はい。
手前なので…1,015。
hPaですね。
hPa。
はい。
ちょっと今日曇ってんですけどあそこに富士山が…。
あるんですね。
あるんですよ。
へ〜。
あの富士山の5合目まで行ってね高度とともに気圧がどう変わるのかを調べていきましょう。
おおっ。
富士山に登るんだ。
行ってきま〜す。
まずは高度500m付近を目指します。
標高500mの場所に来ましたね。
はい。
やって来ました。
はいここでの気圧を測ってみて下さい。
954hPa。
そうですね。
という事はさっきの海岸よりも下がってますね。
気圧が下がりましたね。
うん。
調べ隊更に上を目指します。
高度は975m。
気圧は905hPaです。
高度およそ1,500m。
気圧は845hPaになりました。
そしてやって来たのは…。
ジャン。
…っていう事で先生。
はい。
ここの…。
(2人)標高は…。
2,150ですかね。
そうですね。
では気圧を読んでみましょう。
はい…はいそうですね。
では垣内さん。
はい。
ここまでの測定結果で高度と気圧の関係を考えてみて下さい。
はい。
…うん。
隊長。
調査の結果をまとめましたよ。
ジャン。
これ見て下さい。
おっ。
高度が上がっていくとほら気圧はだんだん下がっていく事が分かりました。
お〜。
よく調べてきましたね。
ちゃんと調べてきましたよ。
でも隊長…案外簡単な話なんです。
ふ〜ん。
これ見てもらおうかな。
はい垣内隊員が最初に測定した三保の松原ではまあ上にこの青く描いてるのが空気の量だとしますよ。
はい。
ねっほんで今度富士山の5合目行ったじゃない?行きました。
じゃあこん時はどうなる?はっあ〜。
はい量だけ見て下さい。
あ〜減った。
減ったんですよ。
うん。
そういう事です。
なるほど。
じゃあ……って事なんですね。
そういう事なんですね。
じゃあ次のキーワードいっちゃおうかな。
次のキーワードは…。
今度は大気の温度つまり気温に注目するんですね。
そっすよ。
うん。
垣内隊員…ん〜まあ富士山に登った時に感じたんですけど高度が上がるにつれてどんどん寒くなってったんですよ。
だから大気中では高度が上がるにつれて気温は下がるんじゃないかなと思います。
うん。
正解と言いたいとこですが半分ですね。
半分ですか?半分なんですよ。
実はね気圧と違ってこの…気温の場合はそう単純にいかないんですな。
う〜ん。
これご覧下さいまし。
はい。
はい。
これはですね高度と気温の変化を記した図なのね。
垣内隊員が登った富士山はここ。
ほらやっぱり高度が上がるにつれて気温ほら下がってるじゃないですか。
うん。
このくらいの高度までは垣内隊員の言うとおりな訳ですよ。
ところがこの更に上空が問題なんですな。
うん。
こちらをご覧頂きましょ。
何か出てきた。
よいしょ。
ここが富士山より高いエベレストの高度です。
あれっこれここから気温がこう上がってますよね。
ええ。
でその先からはまたこう下がってでまた上がって何ですかこれ。
ややこしいやね。
ややこしい。
大気の温度変化のしかたはとても複雑な訳なんですけども高度によって変わっちゃう訳ね。
はい。
で温度変化のしかたによって名前が付いてんの。
4つの部分に大気は分かれるんです。
え〜我々のいる地表から順に言うと対流圏そして成層圏中間圏熱圏といいます。
これ4つの部分でどうしてこんなに違ってくるんですか?順番に説明していきますかね。
はい。
まず一番地表に近いこの対流圏。
ここではね…じゃあこの次の成層圏では何で逆になっちゃうんですか?それが。
ここにはあるものがあるからなんですね。
何だ?それは何か。
あ〜。
オゾン層です。
へえ〜。
オゾン層って…そう。
実はオゾン層っていうのはほかにも働きがございまして…へえ〜。
でその熱が周りの大気を暖める。
だから成層圏では高度が上がると気温も上がっちゃうんですね。
なるほど。
でもその上のこの中間圏になるとこのオゾン層の影響がなくなるんで高度が高くなるほど気温がまた下がってく訳ですな。
ああそっか。
ほんでほんでこの熱圏では太陽からのエネルギーの高いX線などを直接吸収するので気温がとっても高くなるんですね〜。
う〜ん。
大気の層って結構複雑ですね。
ええ。
ところで隊長。
はい。
私富士山に登った時にこの大気の層の様子も観察してきたんですよ。
へえ〜。
すごくきれいだったんで隊長にも見せてあげますね。
それは楽しみですね。
富士山5合目から見る大気はどんな表情を見せてくれるのでしょうか。
朝5時。
東の空が赤く色づいてきました。
夜が明けてきましたね。
ね〜きました。
きれい〜。
もうすぐ太陽昇ってきます。
で太陽が昇る前に高い雲が朝焼けで赤くなってますよね。
はい。
あの雲が対流圏の一番高いとこの雲なんですよ。
う〜ん。
対流圏って10キロ余りあるんですがその高い雲からこうやって色がついてくる。
へえ〜。
まさに対流圏をこう…見てるんですね。
あ〜そうなんだあれ。
雲は普通対流圏でしか発生しないんです。
そして日没。
だいぶ暗くなりましたね。
暗くなって気温もだいぶ下がりました。
ねえ。
富士山の上にもうっすら雲があるんですね。
あります。
富士山が3,776m。
はい。
あの雲はもっと高いですよね富士山の3倍くらいあるんです。
ええ〜!3倍?そう。
だから10キロよりも上。
まあ大体ね12キロぐらいっていうのが対流圏の範囲にね雲があるんだその高さがイメージできますよね。
うん。
富士山に来るとね。
対流圏の現象だけではありません。
熱圏の現象も見る事ができるんです。
これは…流れ星が光って見えるのも熱圏の現象です。
あっ初めまして。
(武田)初めまして。
どうもよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先生。
面白いもの見つけてきました。
あ〜持ってきちゃいましたか。
持ってきちゃいました。
南極行かれたんですか?ええ。
南極観測隊やってました。
あ〜そうなんだ。
ここで私はいろんな観測を頼まれて例えば二酸化炭素の濃度を測るとか雲の高さとか量とか測ったりえ〜あとはね空気の汚れ測ったりいろんな観測をねここでやったんです。
じゃあ空は話題に満ちてんですか?ええ。
もういろんな事があります空。
えっオーロラ以外で言ったら例えばどんな事が…。
いや〜もうじゃあこれ見て下さい。
はい。
何か…。
南極の雲です。
えっこれ着色してなくて?いやこうやってね色がついて見えるんですよ。
もう空が澄んでるから本当に雲が美しく見えて対流圏のいろんな雲が見えるんですけども…。
まだある?南極にはこの雲これは日本にない成層圏の雲。
あれっ?そこでは雲できないんじゃなかったでしたっけ?ええ。
日本ではできないです。
極地方にはできるんです。
えっどういう理屈なんですか?それは。
ええ。
あの…冬の間太陽があたらないので極夜といってどんどんどんどん寒くなるから成層圏にも雲ができると。
へえ〜。
この雲ができるとオゾン層が破壊されてオゾンホールができるっていうね。
この観測もすごく大事なんですよ。
怖いですね。
じゃあ…きれいだけども。
そうですね。
ほかにもあるんですよ。
はい。
うわ〜何これ。
これも何すか着色なし?ええ。
この雲なんですね。
これ南極昭和基地で私が初めて見つけた…あれっ成層圏よりも上でしたよね。
もっと上です。
高度が80キロ〜90キロの高さにできる雲。
極じゃないとこでは絶対に雲なんかできないんですよね。
ああないですないです。
大気の楽しい現象…。
あっ出たオーロラ。
うんやっぱりね。
やっぱりオーロラも。
う〜んこれは年間50日以上見ましたけどちょうど昭和基地の上が…オーロラがちょうどね通ってく場所なんです。
あれっこれどこの高さにあるんでしたっけ?これ100キロ以上です。
そうでしたよね。
うん。
ですから…。
熱圏。
そうそう熱圏でした。
そう。
今日やった大気のねあの…構造の中で対流圏の雲成層圏の雲中間圏の雲熱圏のオーロラ流星も人工衛星も見れるってまさにね観察には最高の場所ですよ。
南極お見それしました。
私今まで上に行ったらどんどん気温は下がるだけだと思ってたんですよ。
うん。
したら違いましたね。
あんなね上ったり下がったり。
上がるの?みたいな。
いやそうなんですよ。
多くの人がそう思ってるんじゃないですか?すごいびっくりしました。
でもう一個すごいのはあれあの…圏っていう事でね層になってたけども飛行機でもさこうきれいに何で平らに同じ高さに雲があるんだろうってずっと不思議だったけど。
そうですね。
ああいうふうにこう層になってくれてるからあそこで収まってんだもんね。
うまい事できてるわね空っつうのはね。
できてます。
高度0mでの…2015/12/02(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「大気の構造」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
地球の大気はほかの惑星と違い、地球史の中で変化してきた。また、地球の大気には、独特な組成と複雑な構造がある。この地球の大気を正しく知ることが気象を学ぶ入り口だ。地球の大気は目には透明だが、昼間は太陽の光によって青く輝いて雲が発生し、夜にはオーロラや流星などの発光現象が見られる。大気の観測や観察の結果を用いて、大気の構造を正しく理解しよう。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】武田康男
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【出演】日本教育大学院大学客員教授…武田康男,【語り】市川展丈

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趣味/教育 – 中学生・高校生
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