ハラハラ刑事〜危険な二人の犯罪捜査〜 2015.12.02


(桜木)何だ原島?
(原島俊一郎)いや…。
(自転車をこぐ音)・
(少年の声)おい待てよ!遅えんだよ!
(時報のチャイム)時計裏に車両停車。
「時計裏に車両停車」多分あいつだ注意しろ。
うわあー!行くぞ。
はい。
待てー!おいっワゴン車子供を!はい。
「少女は無事保護。
外傷等なく元気な様子」「搬送先病院手配頼む」よーし捕まえろ!どけっおらっ!原島!それぐらいにしとけ!
(犯人)ああーっ!大人しくしてろ!何やってんだお前原島!こらっ!しっかり捕まえろ!動くな!手を出せこらっ!
(落下音)おいっ!
(パトカーのサイレン)所轄の仕事だ。
行くぞ!見かけたんだよさっき彼女を…。
彼女の様子がおかしかった。
仕方なかったさ任務遂行中だったんだ。
この場を離れる訳にはいかなかっただろ。
上はどうだった?
(小林刑事)上には靴しかありませんでした。
おいっちょっと待ってくれ。
封筒はなかったか?彼女は白い封筒手にしてた。
いやそれらしいものはありませんでしたよ。
(三枝刑事)これは単なる自殺ですよ。
飛び降りる瞬間を大勢の人間が目撃してたんだからね。
本庁のエリートさんが口を出すほどのヤマじゃありませんよ。
行くぞ。

(大河原賢作)顔をきれいにしといてやれ。
(小林)はい。

(電話)
(片山早紀)はい。
築地北警察署です。
(ボイスチェンジャーの声)「こんにちは」はあっ?「爆弾を仕掛けた」爆弾?「おたくの建物の中に爆弾を仕掛けたんだよ」「12時ちょうどに爆発するぞ」ちょっと…。
「刑事部屋から半径20メートルだ。
爆弾だよ爆弾」「み〜んな吹っ飛ぶさ」爆弾!?「そう。
爆弾!」
(電話の不通音)もしもしもしもし!どうしたの?爆弾です爆弾です!爆弾が仕掛けられた!!ボーン!
(広松信治)おいっみんな落ち着け!誰だ?電話受け取ったのは?はい!私です。
いいか落ち着いて。
電話を受けた状況を!変な男の声で爆弾を仕掛けたと言って電話を切ったんです。
爆弾をどこに仕掛けたと言ってた。
署内か!?はい。
あの12時ちょうどに爆発するって。
12時!他には他には何か言ってなかったか!?ええっとええっと…。
思い出せ!
(ボイスチェンジャーの声)「刑事部屋から半径20メートルだ」あっあの刑事部屋から半径20メートルって言ってました。
おいっ!刑事部屋!刑事部屋だ!ほらっ!バカヤロー!おいっ何だその子達は?社会見学です。
すぐ避難させろ!どうしたの?おいっ。
このへんの爆弾探せ!このあたりだ!不審物を探せ!何だこれは?触るな!課長!どうした?あれっあんなもん朝ありましたっけ?おいっあんなもんなかったぞ!子供を見ませんでしたか?1人いないんです。
ええっ!ああー!早く早く早く!わああーっ!何やってんの?あれっ!?何かあったんですか?課長。
何の騒ぎですか?
(広松)こんな時間に道場か!?ええ。
昼飯前の腹ごなしで。
稽古ですよ稽古。
(ため息)あっ!?何するんですか?俺の卵。
あっ!割れちゃってる。
大河原君君のか…。
どうしてくれるんですか?俺の卵。
何であんなところ置いとくんですか?もうややこしい事しないでくださいよ。
朝の特売で買っといたんだよ。
下手なとこ置いとくと割れちまうだろ。
母ちゃんや娘達にせっかく食わそうと思ったのに。
弁償するよ。
割ったの俺だから。
誰あんた?おいみんな聞いてくれ。
本日付けで本庁の捜査一課特殊班より我が築地北署刑事課に配属された原島俊一郎君だ。
着任早々とんだ騒ぎに巻き込んでしまったね。
いいえ。
さて当面誰と組んでもらおうか…。
おおおお適任者がやって来た。
適任者?何ですか?大河原君君だよ。
我が署に配属された原島君だ。
コンビを組んでくれ。
はじめまして大河原だ。
まっよろしく。
(ため息)よろしく。
まあみんなもわからない事など教えてやってくれ。
ふっははは…!それから先ほどの爆弾いたずら電話だがあまりに悪質だ。
うちの署に恨みを持った奴の犯行かもしれん。
署内電話の着信記録を調べ必ず逮捕しろ!
(一同)はい。
(藤村博久)私の留守の間につまらない騒動があったそうですね。
いや。
あれは単なるいたずらでしたので。
そのいたずらで署内全体がパニック状態ですか…。
大失態だ。
マスコミに嗅ぎ付けられてませんね?それは心配ありません。
彼はもう来ましたか?原島ですか?来ておりますが。
早速災いを持ち込んでくれたようですね。
厄病神か…。
署長。
彼は刑事としては大変優秀な人材のようですが。
優秀な人材は本庁から放り出されたりはしませんよ。
広松課長彼が何をしでかしたかご存知ですよね?はい。
(藤村)籠城事件の際に上司の制止を無視して突入。
原島!やめろ!何やってんだお前!きゃあー!
(藤村)そして犯人は逮捕したが人質の命を危険な状況にした。
やむを得ぬ状況だったとも聞いておりますが。
やむを得ぬなどという事はこの国では認められていないのだよ。
うちの署でまた同じ真似をしでかしたら私もあなたも今まで積み上げてきたものをすべて失う事になるんですよ。
ようっお前さん結婚してんのか?いいえ。
それじゃ食事に気を使わなきゃいかんだろ。
ああここ。
ここのそばうまいんだぞ。
おいっ。
(滝川光子)あっ大河原さんいらっしゃいませ。
(滝川重明)まいど。
ああええっとね。
おいっ早く来いよほら。
今日からうちの仲間になった原島君だ。
どうもはじめましてよろしく。
よろしく。
頼むね。
おいっざるでいい?ええ。
ざる2枚。
はいお待ちください。
(光子)ああご苦労さま。
(川上丈志)ただいま。
次3丁目のご隠居さん。
(丈志)はい。
いらっしゃいませ。
丈志君。
さっきは迷惑かけちゃったようだねすまん。
ああ全然平気ですよ。
ああでもよかったですね爆発しなくて。
あれ俺の大事な卵。
変ないたずらをする人もいるもんですね。
(客)ねえ。
ここ雑誌とか置いてないの?はい。
うちは置かない事にしてるんです。
(客)どうして?あんなもんデタラメしか書いてないからだよ。
(光子)お父さん!すいません。
週刊誌のデタラメな記事ってうちの親方嫌いなんですよ。
ああうまかっただろ。
悪いな割り勘で。
訳ありのようだな。
さすが元特殊班。
勘がいいなぁ。
実はあの夫婦の一人娘な一年前に自殺したんだよ。
ストーカーに付きまとわれてな。
それを週刊誌がおもしろおかしく取り上げて…。
ひでえ話だよな。
俺その飛び降り自殺の現場にいたんだ。

(物音)うっ!はい大河原。
何!?おいっ大丈夫か!大丈夫?どうした?私がトイレから戻ってきたら倒れてて。
おいっ!片山!片山!おいっ!片山片山!
(救急車のサイレン)犯人見たのか?いいえ。
彼女に恨みがある人間に心当たりは?ありません。
片山!大丈夫だから。
なっ!早紀頑張って。
ホントにすいませんでした。
いいんだよ。
すぐに犯人逮捕してやるからな。
犯行時の事何でもいいから思い出してくれ。
一瞬振り返ったんですけど…。
確か…茶髪の若い男だったような気もします。
身長は?高梨義明。
薬の売人で現行犯逮捕。
こいつ取り調べの時に仲間の事ペラペラしゃべったから仲間からひどい仕打ちにあってな。
今でも使いっ走りの売人やってるよ。

(佐竹勝)異状なし!うっぎゃあー!おうこいつは草薙実。

(電話)ああいいよ。
出るから。
はい。
何!?
(パトカーのサイレン)頭部を殴られて気を失ったところを刺されたみたいだな。
昨日まであんな元気だったのに。
警察に対する恨みとみて間違いないなぁ。
(広松)襲われた片山早紀巡査と殺害された佐竹勝巡査は職務上の顔見知りではあるが特別な接点はない。
つまり犯人は我が築地北署の警察官を無差別に狙ってるという事だ。
今手元に配ったその資料はうちの署に恨みを持っている可能性がある人物のリストだ。
事件が事件だ。
すぐに合同捜査本部が設置され我々所轄は本庁の連中のお手伝いに回されるぞ。
その前に我々の手で犯人を挙げるんだ。
それからもう…。
おいっ!課長。
俺やっぱり1人が気楽でいいや。
相方はいらん。
2人を組ませたのは原島のためだけじゃない。
大さんあんたのためでもあるんだよ。
まあ2年前の事忘れろとは言わんがいつまでも一匹狼気取ってる訳にはいかんだろ。
どうする?応援待つか?
(辻村刑事)ふん。
そんなつもり端からないでしょう。
ふふっ…ばれたか。

(映画の音楽)せいのー。
(2人)わあー!
(銃声)辻村ー!辻村!辻村!辻村!辻村ー!!高梨義明37歳。
覚醒剤取締法違反。
現行犯だな今のなぁ。
(高梨義明)はあ?何もしてねぇよ。
訊きたい事があるんだほら。
お前昨夜から今朝にかけてどこで何やってた?えっ?知らねぇな。
(ため息)はっ?何とか言えよ。
お前おらっ!おらっ!昨夜から今朝にかけてどこで何やってた?えっ?女と飲んでただけだよ。

(店内の音楽)草薙実だな?何とか言えおいっ!来るな!何をやってんだお前…。
お前が警官刺し殺したか?
(草薙実)そんな事してねぇよ。
痛っ!だったらなぜ逃げた?ええっー!
(うめき声)原島。
こいつは違うよ。
ええっ?おいっ。
いやこいつは逃げやがったんだ。
何かある。
やめろってほら。
こいつに警官刺すような度胸はねぇよ。
そうだろ?はい。
盗みか?はい。
ああ…空き巣に入りました。
ああっ!真面目になるって俺と約束したよな。
はい。
すいません!もうしません!許してください!この程度の野郎だよ。
お前さん荒っぽいなぁ。
もう少し穏やかにできんもんかね。
普通にやってるつもりだ。
あれが普通かよ。
手加減が必要な連中じゃねぇだろう。
しかしなぁ今回の事件に関してお前さんが張り倒した連中全員シロだよ。
あんまり無茶するとここも追い出されるぞ。
それならそれで仕方ねぇさ。
まあまあそう言うなよ。
俺の相方になった以上そう簡単にクビになってもらっちゃ困るんだよ。
ちょっと付き合ってほしい場所があるんだ。
行こうか。
(ため息)おいっ。
はっ?ここだ。
何なんだよ。
入ればわかるから。
いや俺帰るよ。
何言ってるんだよ。
いいからいいから。
何だよ。
いいんだよ。
はん?おいっ帰ったぞ!
(ため息)
(大河原しずか)おかえりなさい!はいただいま。
どういう事だ?うちのしずかかわいいだろう。
どういうつもりだ!おいすごむなよ。
しずか怖がるだろう。
ねえ。
ああ…。
こんばんは。
こんばんは。
パパの仕事仲間の原島さんだ。
一番下の娘なんだ。
(ため息)
(大河原香織)こんばんは。
こんばんは。
次女の香織。
花の高校3年生。
カッコイイでしょ?うん。
おいおい!まあまあいいじゃないか。
なっ!
(大河原美佐子)みんな何やってんの?食事の仕度手伝ってちょうだい。
あっいらっしゃいませ。
どうも。
うちの母ちゃんだ。
ちょっと美人だろ?美佐子っていうんだ。
原島さん。
はい。
遠慮なさらないでくださいね。
はい。
女ばかりでビックリしたろ。
実はこれで終わりじゃないんだ。

(大河内仁恵)ただいま。
(美佐子)おかえんなさい。
おかえりなさい。
おかえり。
ほらもう1人。
(香織)父さんの同僚の原島さん。
(仁恵)こんばんは。
こんばんは。
長女の仁恵。
デザイン会社で働いてる。
なかなかの美人だろう。
まあ早く嫁に行けと言ってるんだけれどどうも父親を見てるせいか理想が高くて困る。
あっはっ…。
何バカな事言ってるの。
仁恵あなたも食べちゃいなさい。
うん。
原島さん。
はい。
うちの人と一緒じゃ大変じゃないですか?もうカアーッとなったら見境がなくなってしまう人だから。
おいおい今はそんな事ないって。
ご覧のとおり家庭を大事にするアットホームな刑事だよ。
無茶はしてないよ。
なあ。
ええ。
あんまり食が進まなかったようだな。
いえいえ…。
口に合わなかったか?いえいえ。
うまかったですよ。
ただ家族団らんっていうのがどうも苦手で…。
どうして俺の事連れて来たんだ?お前さんがあんまりピリピリしてるんでちょっとクールダウンしてもらおうと思ってなぁ。
あんただってホントは随分やんちゃなんだろう?さっきの男だってビビッてたじゃないか。
俺はお前さんと違って自分を抑えようと努力してるんだ。
女房や娘達にも心配かけたくないんだよ。
(ため息)家族か…。
ふん。
俺にはそんな枷は何もない。
家族愛とか親子愛とかそんなものが俺には何にもないからここまでやって来れたんだ。
聞いてるよお前さんの事…。
ただいま!犯人は警察官に恨みを持つ男だった。
警官なら誰でもよかったんだよ。
許せないはずだなぁ。
無差別に警察官を殺すような奴は。
家族愛とか親子愛などないと言ったがお前さんそれを誰よりもわかってるようだな。
じゃあなきゃそんなふうにお前さんの中で親父さんもおふくろさんも生きてないさ。
今回の一連の事件なぁうちの署に恨みを持ってる人間の犯行というより俺に対する恨みを持ってる奴のヤマかもしれん。
あんたに対する恨み?うん。
矢口隆三知ってるよな?ああ。
政財界に多大な影響力を持つ財界の大物か。
その愛人の子が3か月前に強姦未遂事件を起こした。
相手の女性に大金を払って事件を揉み消したが俺がちょっと小突いちまった。

(矢口隆俊)浮かない顔してますね。
矢口。
うん?これっやめなさい!こらやめなさい!間違った親の愛を受けて育ったかなり屈折した野郎で俺を恨んでる事だけは間違いない。
勘か?ああ勘だ。
久しぶりだな矢口。
うちの署の警官殺されたの知ってるよな?はははっ!何にやにや笑ってんだよ。
ご愁傷さま。
何?ご愁傷さま!昨夜から今朝にかけてお前どこで何やってた。
ふふふ…!だってさ警察官殺されたからさ何かおかしくて。
はははは!ふざけてんのかこの野郎。
おかしいでしょ?だって。
あんたらよく似てるわ。
ふふふ…。
矢口とりあえず署でゆっくり話聞こうか。
うん?厳重に抗議しときましたから。
はいわかりました。
(広松)証拠もないのに引っ張ってきてどうするんだ。
お前達のやってる事はもうメチャクチャだよ。
頭を冷やせ!頭冷やせよ。
わかってんのか!以上だ!はい。
原島が早速やってくれたようですね。
弁護士から私宛てに厳重な抗議がきてますよ。
申し訳ありません。
原島と大河原を組ませたそうですね。
(藤村)どういうつもりですか?大河原は2年前の事件があってやっと大人しくなったんですよね。
原島なんかと組ませて変に刺激をして以前の姿に戻ってしまったらどうするつもりですか?本庁が本格的に動き出し合同捜査本部の設置が決まりました。
原島と大河原が足を引っ張らないようにしっかりと管理しておいてくださいよ。
私は昔の大河原にはほとほと手を焼きました。
でも嫌いじゃありませんでした。
何をおっしゃりたいんですか?ああいう刑事が今の警察には必要なのではないでしょうか?ふっ…おもしろい事を言いますねあなた。
ああいう刑事は今の警察には必要ないんじゃないですか?
(藤村)あなたの考え方はよくわかりました。
2人が問題を起こした時には喜んで責任を取るという事ですね。
覚悟できております。

(2人)うわっ!?おおっ…。
・でっ電話電話だ!電話しろ!・うん…。
(小林)亡くなった女性は小泉百合さん32歳。
半年前に結婚したばかりなのに1か月前に離婚してます。
離婚原因は夫の浮気。
離婚した事でかなりナーバスになっていたようです。
三枝は?遺書などは見つかりませんでしたが今お聞きになったような事を苦にしての自殺の線が有力かと思われます。
自殺か…。
小林。
(小林)はい。
他殺事故その両面で継続捜査してくれ。
(小林)はい。
本庁の人間ですね。
ああ。
原島。
お前ここにいたのか。
ああ。
お前さんも捜査に加わるのか。
頼むから足を引っ張る事だけはやめてくれよ。
皆さんも大変だな。
こういう男と組まされるとは。
彼はチームワークを乱すから気をつけたほうがいいですよ。
ご忠告ごていねいにありがとうございます。
(舌打ち)
(広松)このたび当署管内において連続警察官襲撃という日本警察に挑戦とも言える重大事案が発生した。
現時点でわかっている詳細はこの資料に書いてある。
以上です。
警視庁の桜木です。
(川辺)川辺です。
警官殺害は市民に多大な不安を与えひいては警察機構への信用失墜にもつながる大事件である。
(携帯電話)
(携帯電話)もしもし?
(仁恵)「お父さん?」おお仁恵か。
どうした?変な車に後をつけられているの。
何っ!?場所は!墨田通り浜崎橋の近く。
仁恵!!おいっごめん!仁恵!!おい。
仁恵が男に襲われた!場所は!墨田通りの浜崎橋!
(パトカーのサイレン)矢口だ!原島!来たら殺すぞ。
お前誰にナイフ向けてるんだ。
それ俺の娘だ。
ちょっとでもケガさせてみろ。
お前生かしておかんぞ。
そこどけー!
(矢口)どけ!殺すぞ。
ホント殺すぞ!どけ。
どけ!うん!うっ!仁恵!うわっ!うわっ…!今度は無罪放免って訳にはいかないぞ。
ぐっ…!があ…!仁恵ケガないな?どこにもないな?うん。
おい矢口。
(ため息)そう。
爆破予告の電話したのも婦警殴ったのも全部俺。
大河原さんあんたのせいだよ。
俺に対する復讐か?それで何の罪もない婦警を襲ったり警官殺したりしたのかお前。
いいや。
殺してなんかいねぇよ。
嘘つくな!ホント!
(矢口)まあ確かにあの警官は死んでもいいような野郎だけどさ残念ながら殺したのは俺じゃありません。
死んでもいいような野郎ってのはどういう意味だ?あんたらさ自分達の仲間の事は何にも知らないんだね。
俺の周りの女達ねあの野郎に随分ひどい目に遭わされてたんだよ。
いい?あいつはね薬や盗みで捕まえた女達をそれをネタに金を脅し取ったり強引にやっちゃったりしてたんだよ。
おまけによその女達の裸の写真無理やり撮って脅し続けてたんだって。
嘘つくなよ矢口。
昨夜自殺した女いたろ?それがどうした?その女もねあの警官に脅されてたらしいよ。
まあ噂だけどね。
ミツさん昨夜自殺した女の資料見せてくれ。
はい。
はい。
小泉百合…旧姓篠宮百合…。
知ってるのか?彼女自殺に間違いないのか?そこなんですがねどうもはっきりしないんですよ。
腕に小さな引っかき傷がありました。
誰かともみ合った時にできたのかもしれませんね。
他殺の線もありか…。

(ドアの開く音)あっこんちは。
もういいかな?あっどうぞどうぞ。
いらっしゃいませ。
ざるちょうだい。
はい。
まいど!いやぁもう大変だよ。
次から次へと事件が起きて。
そうみたいですね。
殺された佐竹って警官知ってるでしょ?緑町の交番のおまわりさんですよね?真面目で親切なおまわりさんだったのにあんな事になるなんてね。
小泉百合さん…あっ旧姓篠宮百合さんか。
彼女も昨夜亡くなったの知ってる?ええびっくりしました。
彼女とは最近会ってるの?いえ真理子が亡くなってからはまったく…。
でもホント驚きました。
彼女が自殺するなんて。
それがどうも自殺とは限らないみたいなんだよなぁ。
(丈志)ただいま。
あっご苦労さま。
おおこんちは。
いらっしゃいませ。

(携帯電話)はい大河原。
(ボイスチェンジャーの声)「今回の事件から手を引け」誰だ?誰だお前さん。
「言う事を聞かないと大変な事になるぞ」ほう…どう大変な事になるのか教えてもらいたいな。
「すぐに教えてやる」おい危ない!止まれ!おい!来るな!おい来るな!おい…!ああ…。
原島さん…。
容体は?まだ意識が朦朧としてるみたいで。
ああ…。
(美佐子)あなた。
父さん危ない真似や無茶はしないって言ってたのに。
どうしてこんな事に…。
原島さんのせいじゃないの?原島さんが来てから父さん今まで以上に張り切り出しちゃって…。
香織!原島さん父には私達が付いています。
あなたは仕事に戻ってください。
父もそう願っているはずです。
お願いします。
原島さんこれ主人の手帳です。
何かのお役に立てば。
主人はあなたと出会ってからどこか生き生きしていました。
だから主人のためにも犯人を必ず見つけてください。
私達家族全員そう願っています。
大河原さんあんた何を調べようとしてたんだ?多喜川…。
実はなあの夫婦の一人娘1年前に自殺したんだよ。
乃木坂…。
おい…。
昨夜飛び降り自殺した女の資料見せてくれ。
えっ?どうしたんだ?確かめたい事がある。
何を確かめるってんだ?大河原さんが何を調べていたのか知りたいんだよ。
襲われた訳もそこにあるかもしれない。
小林…。
はい。
1年前多喜川っていうそば屋の娘が自殺したそうだな。
ああ。
何か知ってる事があったら教えてくれ。
ストーカーに付きまとわれて苦しんだ揚げ句築地新大橋公園の近くのビルから飛び降りた滝川真理子だな。
築地新大橋公園…。
よっぽど追いつめられていたんだろうなかわいそうに。
ストーカー男の倉田滉一は3日後に滝川真理子の後を追うようにして自殺した。
自殺?後追い自殺なんかするから三流の週刊誌がおもしろがって飛びついて好き勝手にデタラメな記事を書き並べたんですよ。
(客)〔ねえここ雑誌とか置いてないの?〕はいうちは置かない事にしてるんです。
どうして?あんなもんデタラメしか書いてないからだよ!その資料も見せてくれ。
まさか1年前のそれも関係してるって言いたいのか?頼む!はいどうぞ。
おい見ろよこれ。
1年前に自殺した滝川真理子と昨夜自殺した小泉百合は同じアパレル会社に勤めてた。
滝川真理子は親会社から出向で来ていた男猪瀬健司と交際してた。
しかし真理子は広報部の同僚倉田滉一から度重なるストーカー行為を受けてた。
(三枝)その倉田滉一って奴は恋愛経験がほとんどなくて付きまとえばいつか彼女が振り向いてくれると信じきってたような奴だ。
真理子がストーカーの事を相談していた人物が2人いる。
1人は会社の先輩篠宮百合。
昨夜自殺した小泉百合だ。
真理子が相談していたもう1人の人物緑町交番勤務の巡査佐竹勝…。
あの殺された佐竹か?どういう事ですか?刺殺された佐竹勝とビルから転落死した小泉百合2人はいずれも1年前自殺した滝川真理子に関係してたって事だな。
ええいらっしゃいましたよ刑事さん。
どんな話しました?この前亡くなった小泉百合さんと1年前に自殺した滝川真理子さんとの関係を訊かれましたけど…。
すいません禁煙なんですけど。
ああ…。
2人はどんな関係だったんですか?百合さん確かに真理子さんの事心配して相談にのってたけど結局真理子さんが亡くなって百合さんすぐに真理子さんの恋人だった猪瀬さんと付き合ったんですよ。
あの親切に相談にのってたのって何だったの?って感じ。
なんだ最初から彼が目的だったんじゃないのってみんなで盛り上がったよね?ねえ。
倉田さんをけしかけてストーカーにしたのも百合さんじゃないかって誰か言ったっけ。
えっ?小泉百合が倉田をけしかけた?いや噂ですよ噂。
でも倉田さんて全然恋愛とかに疎いから簡単にコントロールされちゃうよね。
そう…。
どうぞ。
ありがとう。

(ため息)
(矢口)〔あいつはね薬や盗みで捕まえた女達をそれをネタに金を脅し取ったり強引にやっちゃったりしてたんだよ〕
(携帯電話)はい。
(仁恵)「原島さん?父が父が…」原島さん…。
ははは…。
よっ!随分心配かけたみたいだな。
もう大丈夫だよ。
まだ安静にしてろって言われてるの忘れないでよ。
わかってるよ母ちゃん。
1+1=29×9=81だろ。
ほらもう大丈夫じゃないかよ。
なあ?ちょっと2人っきりにしてくれ。
あっはい。
じゃあ…。
あっどうも。
じゃあみんな。
うん。
(ため息)死んじまったかと思ったよ。
ああ生きてますよ。
死んじまえばよかったのにな。
はい。
原島ちょっと調べてほしい事があるんだ。
何だよ?佐竹の部屋にあった。
さすが元特殊班だな。
あんたの足取りを追ってたらここにたどり着いただけだ。
そうかやっぱり佐竹か。
ああ…。
あいつストーカー被害に遭って救いを求めてきた滝川真理子さんに相談にのる振りをして裏ではこんなひどい事をしてやがったんだな。
小泉百合もやさしい良き相談相手という顔とは別の顔を持っていたようだ。
真理子さんから恋人を奪うためにストーカーの倉田滉一をけしかけた可能性があるって事だろ?もしかしたら小泉百合はその事で佐竹に脅されていたのかも。
こんな事までしてやがって…。
最低な野郎だな。
1年前飛び降り現場に真っ先に駆けつけたのは近くを巡回してた佐竹だったそうだな。
ああ。
遺書はなかったと報告書にはあった。
しかし俺は見た。
彼女が白い封筒を手にしていたのを…。
それが遺書だとしたらどうだ?そこに佐竹や小泉百合の事が記されていたとしたらどうなる?そうか…。
それを佐竹が隠した…。
立派な隠ぺい工作だな。
ああ。
ただ問題なのは佐竹と小泉百合が相次いで死んだって事だ。
それだけじゃない。
その事を調べてたあんたまでこんな目に遭った。
もし滝川真理子を愛している人間が彼女の死の真相を知ったとしたら…。
彼女を死に追いやった連中を許してはおけないだろうな。
そこまで彼女を愛していた人間ってのは…。
家族…。
両親…。
(2人のため息)1年前もうちょっときちっと捜査してればな…。
俺の責任だよ。
あんたは少しゆっくりしてろよ。
あとは俺がやる。
あんまり家族に心配かけんなよ。
なっ?おいおい原島!あんまり無茶すんなよ。
おう。
1人になるのはもうご免だからな。
うん。
ああ?何だよ?何だよ!何だよ。
お前こそ死んじまえ。
次は死んじまえ。
おう死にますよ。
楽になるから。
おい頼むぞ!
(光子)ああいらっしゃい。
ああいらっしゃいませ。
お2人に伺いたい事があります。
何でしょう?2日前の晩と4日前の晩どちらにいらっしゃいましたか?えっ?2日前の晩は小泉百合さん旧姓篠宮百合がビルから転落死しています。
4日前の晩はうちの佐竹勝巡査が刺殺されています。
それが何か?あっ2日前も4日前も遅くまで仕込みやってましたよね?ああそうだな。
外には出なかったんですか?ええ。
出ませんでしたよね?俺も一緒だったから間違いないですよ。
そうだったわね。
昨日の午後3時頃大河原が事故に遭いました。
何者かに襲われたようです。
大河原さんが?ええ。
重体でしたが今は意識を回復しています。
どうして大河原さんが?それはわかりません。
ただ今回の事件に関係しているはずです。
刑事さんあんたさっきから何を我々に聞きたがってるんですか?もしかして我々が疑われてるんですか?我々が大河原さんを襲ったとでも言うんですか?どうして…どうして私達が百合さんやおまわりさんを殺さなきゃならないんですか?
(重明)そうだよ。
殺す理由なんてないよ。
小泉百合と佐竹巡査があなた方のお嬢さんを自殺に追い込んだ可能性があるからです。
どういう事だよ?それ。
あくまでも推測ですから詳しい事は言えません。
推測でものを言うなよ!昨日の午後3時頃どちらにいらっしゃいましたか?丈志片桐さんのところの丼下げて来い。
ああすいません。
いってきます。
その時間ならこの店にいましたよ。
客も何人かいたから訊いてみな。
そうですか。
どうした?親方や女将さんが疑われてるんですか?いやぁ参考までに話聞きに来ただけだ。
でも親方も女将さんも関係ないと思いますよ。
俺ずっと一緒にいましたから。
それより真理子さんの恋人の事は調べたんですか?猪瀬健司か?そうです。
(丈志)真理子さんとすごく仲良かったですからね。
あっこんな事は考えたくないけどもしかしたら復讐したのかも。
復讐?
(猪瀬健司)何か?猪瀬健司さんですよね?ええそうですけど。
ちょっとお話伺いたいんですが。
何ですか?健ちゃんどうしたの?何でもないよ。
中で待ってて。
何なんですか?一体。
ちょっと…。
ああ…もしかして小泉百合の自殺の事ですか?それだったら俺は知りませんよ。
彼女とは弾みでちょっと付き合っただけですから。
それは滝川真理子さんが亡くなった直後ですよね。
ええそうですよ。
彼女が強引に言い寄ってきたんでそれでまぁ何となく。
ふっ…。
いや本当にそれだけですよ。
彼女と半年後に結婚するんです。
今から2人で旅行なんでもういいですか?ああ旅行ですか。
どちらへ?山中湖です。
彼女の別荘で休暇を過ごすんですよ。
もういいでしょ。
これが?丈志の部屋にあったのか?今日見つけたの…。
丈志の奴…。
俺は1年前にも何もできなかった。
ダメな父親だ。
せめて最後くらい父親らしくしないとな。
お父さん。
俺はいいんだよ。
俺は。
だが丈志は違う…。
猪瀬健司はシロ。
ああ。
今は婚約中で相手はあの菱田観光の一人娘。
順風満帆。
とても昔の恋人の復讐をするとは思えない。
両親はどうだ?一応アリバイはあるが引っかかる点もある。
何だ?小泉百合と佐竹巡査を殺す動機を訊かれて俺は簡単に説明した。
小泉百合と佐竹巡査があなた方のお嬢さんを自殺に追い込んだ可能性があるからです。
どういう事だよそれ!あくまでも推測ですから詳しい事は言えません。
推測でものを言うなよ!親ならもっと詳しく知りたい事じゃないのか?ああ。
詳しく聞くまでもなくすでに知っていたって事か。
(ノック)あれ?どうしたんですか?ご主人と奥さんは?さあ…1時間ぐらい前に出かけましたけど。
どこに?聞いてませんけど…。
(携帯電話)はい原島です。
原島!どこにいるんだ!すぐ署に戻って来い!犯人が自首して来たんだ。
自首?旦那が佐竹と小泉百合を殺害したらしい。
奥さんに付き添われて自首して来たんだ。
大河原刑事に鉄パイプを落とした事も認めている。
さあ行くぞ。
すいませんでした。
動機は何ですか?・原島。
ちょっと待て原島。
昼間あなたがおっしゃったとおりの事ですよ。
娘の復讐です。
私は真理子の父親ですから。
佐竹巡査を殺害した時の状況を詳しく教えてもらえますか?よく覚えてません。
かなり興奮してましたし。
2日前の晩も4日前の晩も店で仕込みをしてたと言ってましたよね。
はい。
確かに仕込みはしておりました。
でもときどき休憩したり外に出たりもしていたんです。
家内と丈志の目を盗んで2人を殺しに出かけたんですよ。
あなたが1人でやった事なんですねぇ。
はい。
私は父親ですから。
主人の言ったとおりです。
私も丈志君も何も知りませんでした。
昼間刑事さんが帰られてから主人に本当の事を聞かされました。
そして自首を勧めました。
ご主人の行動にはまったく気づかなかったんですか?はい。
主人もそれだけの事をする以上必死の覚悟だったと思います。
子供のためなら親ってどんな嘘だってつけるしどんなお芝居だってできる。
そういうもんですよ。
子供のためなら親は何だってできる。
確かにそのとおりだ。
(ため息)
(ため息)どうした?やけにあっさりしてないか?うん?犯人はあんたを襲ってまで逃げ延びようとしたほどの奴だ。
それが奥さんに説得されたぐらいで自首してくるなんておかしくないか。
それに殺害時の状況の証言が曖昧すぎる。
よく覚えてません。
かなり興奮してましたし。
誰かをかばってるっていうのか?ああ。
自分の子供以外に体張ってまでかばう相手がいたってのか?おい。
誰が撮ってるんだ。
うん?この親子3人で写ってる写真だよ。
そりゃ例えば通りすがりの人とか。
こんなに何枚もか?誰か一緒にいたっていうのか?川上丈志か…。
おお…。
こいつ身寄りがなくてな。
中学卒業して八丈島から出てきて多喜川で一生懸命働いて…。
あの2人を実の親のように慕っていたなぁ。
家族同然だったんだ。
親父さん息子のような丈志をかばったって事か。

(ノック)はい。
どうしました?丈志君は?出かけてますけど…。
部屋見せてもらいます。
あっ…。
丈志か…。
どうしたっていうんですか?小泉百合と佐竹を殺したのはあんたのご主人じゃない。
丈志だ。
知ってたのか…?知ってたんだな?ごめんなさい…。
丈志はどこだ?丈志はどこにいる?竹芝桟橋駅に向かってます。
私が逃がしました…。
原島だ。
佐竹勝と小泉百合を殺害したのは川上丈志だ。
川上丈志は今竹芝桟橋駅に向かってる。
了解!
(光子)こうして家族そろって食卓囲めんのももう少しなのねぇ。
そうなるとお父さんお母さん寂しくなるんじゃないの〜?な〜に言ってんだい。
若い娘にないつまでも家にいられたんじゃ世間体が悪いんだよ。
ははっ強がりばっかり。
ねえ〜!おっ丈志。
はい。
お前よ彼女とかいるのか?うん?えっ?ははっいねぇだろうな!親父さん!勘弁してください。
お前クソ真面目だしよ。
何で…。
真理子…!
(2人の嗚咽)家内がしゃべったんですか?ああ。
川上丈志の身柄はまもなく拘束される。
おい!大丈夫なのか?じっとしてらんなくて…。
親父さん何もかもぶちまけてくれよ。
悪事を隠してやる事が親の愛情なのか?違うだろ?ここ何日か丈志の様子がおかしかった。
夜1人で出かけたりもしていたんです。
家内に訊いたら同じように感じてました。
丈志は家内にだけはホントの事を話したらしいんです。
自分がやったって。
それ聞いて俺は真理子と丈志の父親としてかばうしかないと思ったんだ。
俺がすべての泥を被るつもりだったんだ。
丈志が自分がやったと言ったのを親父さん直接聞いた訳じゃないの?はい。
家内から聞きました。
でも真理子の遺書を丈志は持ってたし。
おっ待て!おいやめろ!来るなー!丈志もうよせ。
お前なんかに俺の気持ちがわかってたまるか。
真理子さんが自殺した時俺倉田をこの手で殺したかったよ…!けどあいつは死んでしまった。
俺は1か月前に知ったんだ。
真理子さんを一番苦しめたのは誰かっていう事を!親方と女将さん俺を養子にしてくれるって言ったんだ。
俺と親子3人で真理子さんの分も強く生きていこうって言ってくれたんだ…。
俺は真理子さんが遺した便箋を女将さんにもらってずっと大事に持っていた。
そこには真理子さんが遺した最後の文章が遺されていた。
遺書にはストーカーの倉田に苦しめられた事だけじゃなく信用していた小泉百合に騙された事や交番の佐竹に救いを求めたのにしつこく言い寄られて強引に関係持たされた事が書かれていて…。
俺は佐竹に確かめたんだ。
(丈志)真理子さんに何をしたんだよ!?おい!誰に向かって口きいてるんだよ。
ええっ?お前や両親が頼りねぇからあの女は俺のところに相談しに来たんだよ。
ええっ?あの女が死んだのはなぁ情けがねぇお前のせいなんだよ!ああーっ!ああー!いいか?お前みたいなクズがな何言ってもな警官であるこの俺が信用されるんだよ?ははは…!ああっ…。
ああっ?射殺されねぇだけでもありがたく思え。
なっ?
(丈志)真理子さんのためにあいつを殺そうと思った。
だから爆破予告や婦警さんが襲われたと知ってそれに便乗したんだよ!佐竹を襲ってやろうとしたらちょうど…ちょうど他の奴が殴ってくれたんだ!小泉百合も同じだよ!あいつも許せないから殺したんだ!大河原さんにケガさせたのも俺だよ。
脅すつもりだったのに急に子供が走ってきたから…。
危ない!おいっ!悪いのは俺だよー!うおーっ!ああっ!ああっ…ああっ!
(携帯電話)はい。
「原島か?」ああ。
「川上丈志は?」今身柄を拘束した。
そうか。
だがな原島俺はどうも気に入らねぇ。
おかしくねぇか?ああ俺もどっかすっきりしない。
母親だよ。
えっ?「母親。
女将さんだよ」役割がなさすぎるんだよ。
「丈志がやったと知った時なぜ自分が罪を被ろうとしない?」なぜ旦那にだけ罪を被らせる?すべては母親の芝居と嘘…。
そうだ。
滝川光子は俺達ばかりか旦那まで欺いた。
それは子供のためだ。
命を懸けて娘の復讐を果たしたんだよ。
終わってない…。
まだ終わってない。
おい!終わってればこんな真似をする事はない。
ああそうだ。
滝川光子の復讐はまだ終わってない。
「何かやらかそうとしてるんだ」「旦那を自首させたのも丈志を逃がして嘘の自白をさせたのも何もかも自分が助かるためじゃない」復讐を遂げるためだ。
丈志!おい丈志。
どうしたんですか?おい原島何やってんだ?お前じゃないんだな!?お前じゃないんだな!滝川光子は何をしようとしてるんだ?それが親孝行のつもりか!?身寄りのないお前を実の息子のように愛してくれた母親への恩返しのつもりか!?答えろ…!答えてくれ!滝川光子は復讐するつもりだ。
これ以上罪を重ねさせるつもりか!?彼女の犯行止められるのは彼女救えるのはお前しかいないんだぞ!猪瀬健司…女将さんは猪瀬健司の別荘にいます。
来い!おい!原島!原島さん!何すんだ!?おい原島待てよ!そいつは被疑者なんだぞ!おい原島!
(パトカーのサイレン)何考えてんだバカ野郎!山中湖だ。
そうだよ山中湖!滝川真理子の元恋人の猪瀬健司だ。
奴は今婚約者の別荘に向かってるはずだ。
住所調べてくれ。
滝川光子は必ずそこに現れる。
わかった。
俺も向かう。

(広松)「別荘の場所がわかった。
住所言うぞ」「山中湖村平野朝霧台4の5の2だ」あと車にあるものは僕が運んどくよ。
ありがとう。
じゃあコーヒー淹れてるわ。
うん。
ああ…どうも。
何ですか?こんなとこで何してんのよ?いい別荘じゃない。
お金持ちのお嬢さんと婚約したんだって?真理子が死んでまだ1年なのに…。
あなた1年前真理子が苦しんでた時何してくれた?他の女と遊び回ってたんでしょ!?それだけじゃない!百合さんにあなた真理子がいなかったら君と付き合うのにって言ったんだって!?彼女それ真に受けて倉田けしかけて真理子追い込んだのよ!いや…あれは軽い冗談で…。
軽い冗談…!?私の娘があんたなんかの軽い冗談で何で死ななきゃいけないのよ!あんた達みんなで真理子追い込んだのよ。
絶対許せない…!だから殺したのよ!百合さんも同じ。
(百合)殺さないで…!お願い…。
猪瀬が私に言ったの。
真理子さんいなければ私と付き合うって。
だから…。
あなたの事を真理子はいつもいい先輩だって…。
許してー!ああっ…!ああっ!
(光子)あっ…!うわっ!?最後はあんたよ。

(猪瀬)うわっ!女将さん!来ないで!!私が責任とるのは人殺した責任じゃない。
真理子守ってやれなかったダメな母親として責任とって死ぬの!女将さん!そんな事して誰が喜ぶんだよ?あんたがしてる事は天国にいる娘さんの魂汚してるだけじゃないのか。
(パトカーのサイレン)女将さん早まんないでくれ。
来ないで!家族ってのはたとえ死んでも残された家族の中に生き続けるんじゃないのか。
あんたがここで死ねば娘さんも一緒に死ぬ事になるんじゃないのか?娘さんのために生き続けてくれ。
どんなにつらくても生き続けてくれよ…!ここに息子もいるだろ!女将さんごめんなさい…。
俺がバカだったんだよ。
俺が女将さんに便箋を見せたり佐竹にひどい目に遭った事を話さなければこんな事にはならなかったんだよね…。
(丈志)俺のせいだ…。
こいつ俺に猪瀬健司が怪しいって話してきたんだ。
なぜだと思う?こいつはこれ以上あんたに犯行を重ねさせたくないから猪瀬健司の名前を出してわざと警察にマークさせたんだ。
警察の目が光ってりゃあんた猪瀬に近づく事はできないからな。
あんたこいつと親子3人で生きていこうとしてたんだろ?丈志お前そう言われてうれしかったんだよなぁ。
3人で生きてってくれよ。
やり直してくれよ…。
女将さん…!
(光子と丈志の嗚咽)ご苦労だったな。
頭大丈夫なのかよ?お前…。
じっとしてられると思うか?ふっ。
無理だろうな。
はい…。
随分勝手な行動ばかりしてくれたな!はい。
私も厳しく言い聞かせてるんですがどうも彼が言う事をきいてくれなくて。
はっ!?ちゃんと始末書書いとけよ。
返事!はい…。
まっ何はともあれ事件は解決した訳ですからよかったんじゃないんですか課長。
はっそれはそうだな。
まっ今後気をつけます。
はい!おはようございまーす!おう片山もう大丈夫なの?はいご心配おかけしました。
無理しないで休んでたほうがいいんじゃないか?もうじーっとしてられなくて。
交通事故の最大の原因は駐車違反なんですよ。
バシバシ取り締まらないと。
はい!こいつねたまにスピード違反してるよ。
えっ?やってない…何それ!?やってるじゃん。
えっ?俺公務中公務中だから。
ダメですよ!やって…。
課長おはようございます。
おはようございます。
(矢口)あっ暴力デカさん達じゃないっすか。
おそろいで。
拘置所に送致か?はい。
(矢口)ところでさ俺の証言で連続殺人犯逮捕された訳でしょ。
つまり捜査協力って事で俺は減刑される訳だ。
はははっ!何笑ってんだよ!おい早く出てきても同じだぞ。
ああっ?俺が何度でもぶち込んでやる。
ふっ…ははっ何言ってんだよ。
原島!原島!おい連れていけほら。
はい。
ほら来い。
指指すな!矢口君矢口君。
ああっ!?あのね君みたいな社会のクズは無理に出ようとしないでいつまでもいつまでも塀の中にいてもらってもいいんだよ。
そうそう。
はいいってらっしゃい。
この野郎バカにしやがって…。
すぐ出てきてやるからな覚えとけよ!おい覚えとけよ!はははっ!ははは…!
(藤村)原島と大河原の勝手な行動は問題です。
厳しい処分が必要ですね。
2人を一刻も早く切り離してください。
その必要はありませんよ。
何!?君はわかってるのか?確かに事件は解決した。
しかし殺された佐竹はとんでもない不祥事をしでかしていたんだぞ。
それがどういう事を意味するか君はわかってるのか?我が署に対する信用の失墜。
そうだ。
そして署長の出世が絶たれた。
そんな事…。
とにかく原島と大河原を何とかしたまえ。
これ以上問題起こされたらどうなる?今回の事件はあの2人がいたから解決できたんですよ。
当分はあの2人にはコンビを組ませます。
何だと!?かつてない最高のコンビ誕生を一緒に喜びませんか?署長。
私はね。
はい。
この署で終わるつもりはないんですよ。
はい。
これ以上問題を起こさないでください。
失礼します。
ふっ…!・
(パトカーのサイレン)原島!何してんだ?お前こんなとこで。
はーっははは!いやぁ何もしてねぇな。
日本橋の銀行で強盗事件だ。
あっお前今日非番か。
銀行強盗…。
どうする?ああ…。
どうしよう…かなぁ。
ごめん!ちょっと遅くなっちゃった。
仁恵!お父さん!お前何してるんだ?こんなところで。
何よ…いいじゃない私が誘ったのよ。
お前からこんな奴誘ったのか?ええそうよ!原島!お前も誘われたからってほいほいやってきたのか?こんな奴って言うなおい!おいちょっと待て!仁恵!ごめん事件なんだ。
また今度!ええ〜!?帰ったらなゆっくり話あるからな。
いいか?ごめんな!いいから事件なんだから早く行くぞ!行っちゃえ行っちゃえ!いいなお前!いいか?仁恵わかってるな!いってらっしゃい!あっ手振ってる。
原島お前いつからうちの娘と?あんたが心配してる事は何にもないんだから安心しなさいよ。
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これは「シンデレラ太秋」というブランド柿で2015/12/02(水) 14:00〜15:51
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ハラハラ刑事〜危険な二人の犯罪捜査〜[再][字]

原島刑事(高橋克典)と大河原刑事(大杉漣)の名コンビが警官殺しと2人の美人OLの転落死の真相に迫っていく。

詳細情報
◇出演者
高橋克典、大杉漣、遠山景織子、あいはら友子、小沢和義、根岸季衣、不破万作、田山涼成

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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