NHKニュース7 2015.12.02


小惑星探査機はやぶさ2。
今、地球にどんどん接近しています。
地上では。
こんばんは、ニュース7です。
アメリカ軍普天間基地の移設先とされている、名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消した沖縄県の翁長知事。
その取り消しを知事に代わって撤回するため、訴訟に踏み切った国。
異例の裁判で、双方の主張が激しくぶつかりました。
翁長知事は、みずから法廷に立ち、政府の対応を批判。
そして、沖縄の民意を尊重するよう訴えました。
名護市辺野古の砂浜では、きょうも工事が進められていました。
基地のゲート前では。
移設計画に反対する人たちが、抗議の声を上げました。
裁判所では、傍聴を希望する人たちが、長い列を作りました。
午後1時半過ぎ、法廷で意見を述べるため、翁長知事が裁判所に入りました。
国と沖縄県の対立は、異例の経過をたどりました。
前の知事が承認していた、辺野古沖の埋め立て。
ところが10月、翁長知事は承認を取り消しました。
これに対し、国土交通省が、知事の承認取り消しを、一時停止することを決め、防衛省が埋め立て工事に着手。
さらに国は、翁長知事に、承認取り消しの撤回を求めましたが、知事は応じません。
そこで国は、取り消しの撤回を知事の代わりに行う代執行を求めて、裁判を起こしたのです。
裁判の冒頭で翁長知事は、戦後、アメリカ軍に強制的に土地が接収されて、基地が造られた歴史に触れたうえで、沖縄がみずから土地を提供したことは一度もない。
政府は建設を強行しており、アメリカ軍施政権下となんら変わりないと述べ、政府の対応を批判しました。
その上で、裁判で問われているのは、埋め立て承認の取り消しの是非だけではない。
沖縄にのみ負担を強いるのは、正常といえるのでしょうかと述べ、沖縄の民意を尊重するよう訴えました。
一方、国の代理人は、埋め立てに当たって専門的見地から、環境影響評価が実施され、前の知事が行った承認に違法性はないとしたうえで、承認の取り消しを放置すれば、普天間基地周辺の住民の危険性が除去できなくなるうえ、日米の信頼関係に亀裂が入り、外交・防衛上、重大な損害が生じて、著しく公益を害するなどと主張しました。
そして外交や防衛に関わる問題であり、埋め立ての必要性を県知事が判断する権限はないなどと述べました。
意見陳述を終えた翁長知事は。
菅官房長官は、民主国家としての法的手続きを踏んで承認を頂いたもので、かしはないと思っているとしたうえで、次のように述べました。
生命の起源を探ろうと、小惑星を目指している日本の探査機はやぶさ2。
実は今、どんどん地球に近づいています。
そして、まさにあすの今ごろ、午後7時8分に、上空およそ3100キロまで接近します。
この3100キロという距離は、日本列島の長さとほぼ同じなんです。
ただちょっと待ってください。
はるか遠くの小惑星を目指しているはずですが、なぜ、今地球に接近しているのでしょうか。
はやぶさ2が小惑星に行くためには、地球の力がなくてはならないんです。
宇宙に浮かぶ青い点。
はやぶさ2が先月26日に撮影した地球です。
このとき、地球までの距離はおよそ300万キロでした。
その後、1秒間に30キロ余りの速さで地球に近づき、今はおよそ45万キロの距離にあります。
1年前の去年12月3日に打ち上げられたはやぶさ2。
目指すは、地球と火星の間にある小惑星Ryuguです。
水や有機物を含んだ岩石があると考えられ、岩石を持ち帰ることができれば、生命の起源にも迫れる可能性があると期待されています。
はやぶさ2を操る、JAXA・宇宙航空研究開発機構の管制室では今、重要な節目に向けた、最終確認が進められています。
それが、はやぶさ2を地球の外側を回る小惑星の軌道に乗せるため、いったん地球に接近させる作業、スイングバイです。
はやぶさ2は、地球の重力に引き寄せられ、加速します。
そして地球が太陽の周りを公転するスピードに乗って、さらに加速します。
その勢いで、小惑星が回るだ円軌道に近づける計画です。
難しいスイングバイですが、重力を利用するため、探査機の燃料を節約しながら、1秒間に1.6キロ分、つまり、時速およそ5800キロ分もの加速ができ、飛行ルートも変えられます。
衛星を遠くの天体に送るためには、欠かせない技術です。
では、はやぶさ2はいつごろ、どのように見えるのでしょうか。
こちらは東京での見え方です。
日没後、西の空に現れ、徐々にスピードを上げながら、午後6時45分ごろ、北極星の近くを通過。
午後7時前、東の空へ抜けていきます。
こちらは札幌での見え方。
天気がよければ、全国で観測のチャンスがあります。
JAXAによりますと、10等星から15等星ぐらいの明るさだということで、肉眼では見えないものの、比較的大型の望遠鏡で、撮影できる可能性があるということです。
国内最大級の望遠鏡がある、北海道名寄市の天文台です。
あすは、悪天候が予想されていますが、雲が一瞬でも切れるチャンスを狙って、観測を目指します。
あすの地球接近。
緊張と期待の時が近づいています。
数々の隠蔽を行っていたことが明らかになりました。
熊本の製薬会社が、国が承認した内容とは異なる方法で、血液製剤を製造していた問題。
会社側は国の検査で不正が発覚しないよう、製造記録を変色させて、作成時期を古く見せかけるなどしていました。
調査した第三者委員会は、重大な違法行為で、常軌を逸した隠蔽体質だと厳しく指摘しています。
血液製剤の分野で、国内シェアのおよそ3割を占める、熊本市の製薬会社、化血研・科学及血清療法研究所は、12種類の血液製剤のおよそ30の工程で、国が認めた内容とは異なる方法で製造していたことが分かっています。
会社では、第三者委員会で調査を進め、きょう、調査結果が、厚生労働省の部会で公表されました。
それによりますと、不正は40年ほど前に始まったほか、国の検査で不正が発覚しないよう、幹部の指示で、数々の隠蔽が行われていたことが明らかになりました。
具体的には、製造記録に紫外線を当てて変色させ、作成時期を古く見せかけていたほか、承認を受けずに勝手に添加した成分について、出納記録を改ざんしていたということです。
第三者委員会は、重大な違法行為で、常軌を逸した隠蔽体質だ。
問題の根幹は、少々ごまかしても大きな問題ではないという研究者のおごりだと、厳しく指摘しています。
厚生労働省は近く、化血研に対し、立ち入り検査を行ったうえで、業務改善命令を出すことにしています。
化血研はこれまでの取材に対し、医療現場を混乱させてしまい、申し訳なく思います。
再発防止に全力で取り組んでいきますと話しています。
先月の総選挙で、アウン・サン・スー・チー氏率いる野党が圧勝したミャンマー。
きょう、現政権を率いてきたテイン・セイン大統領が、選挙後初めて、スー・チー氏との会談に応じ、政権移行を円滑に進めることで合意しました。
先月の総選挙。
スー・チー氏率いる野党NLD・国民民主連盟は、争われた議席のおよそ8割を獲得し、圧勝しました。
議会の議席はあらかじめ4分の1が軍人に割り当てられていますが、全議席で見ても、NLDはおよそ6割を占め、歴史的な政権交代が実現することになりました。
ただ、過去の軍事政権時代の選挙では、NLDが圧勝したにもかかわらず、軍が結果を無視したこともありました。
今回、スー・チー氏は、軍事政権の流れをくむ現政権を率いてきた、テイン・セイン大統領に書簡を送り、選挙後の国民和解のための話し合いを呼びかけてきました。
そしてきょう実現した、テイン・セイン大統領との会談。
来年3月末に予定されている新政権の発足に向けて、具体的な協議を進めていくことで双方が合意しました。
スー・チー氏の側近で、NLDの最高幹部、ニャン・ウィン氏は、今後の政権運営に自信を示しました。
ただ課題もあります。
軍との関係の構築です。
ミャンマーの憲法では、国防や警察などを担当する重要閣僚は、軍の司令官が任命することになっていて、軍が引き続き、政治的な影響力を保っています。
このため、スー・チー氏はきょう、ミャンマー軍のミン・アウン・フライン司令官とも会談。
会談後、司令官はよい協議だったと述べたということです。
また政権が移行しても、スー・チー氏は外国籍の家族がいるため、現在の憲法では大統領になることができません。
この発言について、ニャン・ウィン氏は。
軍との協議を進め、スー・チー氏の大統領就任を目指して、憲法改正を実現させたいという考えを示しました。
次です。
技術の進歩によって、近い将来、なくなる仕事。
こう聞いて、どんな仕事を思い浮かべますか?
日々、進歩し続けるロボットの技術や。
人工知能。
今や、さまざまな分野に活躍の場を広げています。
機械や人工知能によって、代わることが可能だとする職業はなんなのか。
気になる分析を民間の調査研究機関がまとめました。
10年から20年後、今、日本で働いている人の49%の職業は、代わることが可能だとしています。
すでにロボットが人間並みに活躍している現場があります。
埼玉県にある工場です。
従業員と並んで働くのは、ユーロくん。
最新鋭の人間型ロボットです。
薄いシールも楽々と。
これまでは人間でないと難しいとされていた作業です。
目に当たる部分には、高性能のカメラがあります。
みずからの判断で動き回って作業します。
銀行の相談業務も今や機械です。
福島県の地方銀行のホームページ。
行員は人工知能です。
こんなやり取りも。
このサービス、多い月には2000件程度の利用があるということです。
機械や人工知能によって代わることが可能だとする職業。
こちらが、民間の調査研究機関が確率が高いとした235種類のうちの、主な100種類の職業です。
601種類の職業について、必要な知識や技能を数値化したデータをもとに、コンピューターが分析しました。
ただ、社会情勢の変化などは考慮されていないということです。
具体的にはこちら。
スーパーの店員やタクシーの運転手、ホテルの客室係などが、機械や人工知能によって代わることが可能だとされました。
このほか経理の事務員や、会計監査の係員など、事務系の仕事も入っています。
技術の進歩で近い将来、なくなる仕事があるのか、関心を集めそうです。
過去にはさまざまな仕事が、生まれては消えていきました。
女性の花形職業といわれたタイピスト。
昭和40年代には、速記者を含めて、9万人近くが働いていました。
そして昭和40年には、16万人以上いた電話交換手。
電話は手動でつないでいました。
自動交換機が出来たことで、次第に減っていきました。
一方、今回の分析では、機械が代わるのは難しいとした職業もあります。
医師や教師、観光バスガイドなど、人とのコミュニケーションが重要な仕事です。
映画監督や音楽家など、創造性が特に必要な仕事もこれに当たります。
今回の分析。
私たち人間はどう備えればいいんでしょうか。
次です。
言論の自由を巡って、憂慮の声が上がっています。
いわゆる従軍慰安婦の問題で、韓国国内の一般的な認識は、実態と異なるなどと著書で指摘した韓国の大学教授。
ソウルの検察は、秩序の維持などのためには、言論の自由や学問の自由は制限されるとし、教授を名誉毀損の罪で在宅起訴しました。
きょう、この教授が記者会見し、不当な起訴だと訴えました。
おととし、韓国で出版された、帝国の慰安婦。
著者は、セジョン大学のパク・ユハ教授です。
いわゆる従軍慰安婦の問題を生んだ原因は、日本の植民地支配にあるとする一方で、女性たちが慰安婦になった経緯はさまざまであり、20万人の少女が、日本軍に強制連行されたとする韓国国内での一般的な認識は、実態と異なると指摘しました。
執筆の目的について、パク教授は、きょうの会見で次のように説明しました。
しかし。
パク教授の主張に反発の声が上がり、去年6月には、元慰安婦の女性9人が、虚偽の内容を広めて、歴史認識をわい曲し、名誉が毀損されたとして、教授を告訴。
ソウルの検察は先月、秩序の維持などのためには、言論の自由や学問の自由は制限されるとしたうえで、元慰安婦たちの名誉を傷つけたなどとして、パク教授を在宅起訴したのです。
日本やアメリカの有識者は、言論の自由を封じるものだと抗議しました。
韓国国内にも、憂慮する声が広がっています。
きょうはパク教授に続き、韓国の有識者らも会見。
192人が連名で発表した声明が読み上げられ、検察に対し、起訴を取り下げるよう求めました。
ニュースを続けます。
おととい、営業運転を開始した、JR山手線の新型車両でトラブルが相次ぎ、その日のうちに、運転を取りやめたことについて、JR東日本の冨田哲郎社長が陳謝しました。
医療費の抑制に向けて、厚生労働省はきょうの中医協・中央社会保険医療協議会で、医薬品の特許が切れたあとに販売される、価格の安い後発医薬品、いわゆるジェネリックの使用を促進するため、現在、原則として新薬の60%とされているジェネリックの価格を、50%に引き下げるよう提案し、大筋で了承されました。
政府は、ジェネリックの使用割合を、現在の50%程度から、2020年度までのなるべく早い時期に80%以上に引き上げるとする目標を掲げています。
秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまは、中米のエルサルバドルとホンジュラスの公式訪問に出発されました。
眞子さまの外国公式訪問は初めてです。
エルサルバドルとホンジュラスは、ことしが日本との外交関係樹立80周年に当たり、眞子さまは、大統領を表敬訪問するほか、昼食会や晩さん会の席で、日本との友好関係の発展を願うスピーチをされます。
また、記念行事などに出席したり、世界遺産に登録されているマヤ文明の遺跡を視察したりして、今月12日に帰国される予定です。
午後6時からのニュースで、眞子さまの帰国の予定日を、来月12日とお伝えしましたが、正しくは今月12日でした。
失礼しました。
プロ野球で守備の優れた選手に贈られる、ゴールデン・グラブ賞の表彰式が行われました。
表彰式では、各ポジションで受賞した両リーグ合わせて18人の選手が紹介されました。
大リーグ挑戦を目指す広島のエース、前田健太投手は、4年連続5回目の受賞。
今シーズンはリーグトップの15勝。
随所で好プレーを見せました。
一方、パ・リーグのサードは、ソフトバンクの松田宣浩選手が3年連続4回目の受賞。
今シーズンは全試合に出場し、ガッツあふれるプレーで、攻守で2年連続日本一に貢献しました。
海外を含めたフリーエージェントの権利を行使し、去就が注目されています。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
あさってにかけて、天気は荒れる見通しです。
まずあすは、全国的に風が強まります。
これは2つの低気圧が発達をしながら、日本付近を通過するためです。
また雨も強まりそうです。
雨、風ともに強まってくるんですね。
そうです。
その雨の予想ですが、あすは特に、通勤・通学の時間帯は関東付近で本降りの雨となるでしょう。
そして最も注意が必要なのは、北海道です。
北海道の太平洋側は、日中、夜にかけても雨雲がかかり続けまして、あすの夕方にかけて多い所、80ミリもの雨が予想されています。
積もっていた雪も加わって、低い土地が浸水したり、土砂災害が起きるおそれもありますので、お気をつけください。
ではあすの全国の天気です。
2015/12/02(水) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽基地巡る対立が法廷に 国と沖縄県の主張は? 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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