旅客機で初めて音速の壁を超えたコンコルド
マッハ2のスピードでニューヨーク・ロンドン間を
現在の半分で結んでいた
ところが問題はある音
(爆音)
超音速飛行によって発生した衝撃波が2回の爆音を生む
これをソニックブームと言う
そのあまりの騒音にコンコルドは…
飛べたのは海の上だけ
おのずと飛行ルートは限られていた
さらに燃費の悪さも手伝い…
時代はスピードよりもジャンボ化を選んだ
ところが今再び超音速に挑む男がいる
男が作ろうとしているのは…
ソニックブームを大幅に減らす機体を開発し
超音速旅客機を日本から復活させようとしている
このプロジェクトの成功は…
しかしその道は思わぬ苦難の連続
3年越しの挑戦を追った
Ihaveadreamせーの頑張るぞ!
先日ついに初飛行を果たした…
開発にはあのJAXAも協力した
そんなJAXAが主体となり取り組んでいるのが
静かな超音速旅客機の実現に向けたプロジェクトだ
吉田たちが開発しようとしている機体は…
ソニックブームを4分の1に減らすことを目指している
そうすれば海の上だけでなく
陸地の上でも超音速を出せるかもしれない
すると世界はグンと近くなる
マッハ1.6で飛べば
東京からシンガポールハワイのホノルル
オーストラリアのケアンズなどへ
現在7時間半かかる飛行時間が
およそ4時間に短縮
世界の航空事情が一変する可能性を秘めているのだ
問題はこの音
なぜこんな音が出るんだろう?
太鼓をたたくと膜が振動し空気が震えて波紋ができる
これが音波だ
音波が伝わる速さ
これがマッハ1
音速以下で飛ぶ飛行機の場合
空気を切り裂いてできた音波が機体を囲む
しかし超音速飛行では音波が機体の後ろにおいていかれる
すると音波の縁が連なるところに衝撃波が生まれる
衝撃波は機体のいろいろなところで発生し
それが合わさってN型の波形となり
地上に2回の爆音となって聞こえる
このソニックブームを減らす研究を進めている吉田のプロジェクト
おととし5月実験機を公開した
世界が待ち望む…
そんな夢が込められたこの機体
設計を手がけたのは吉田の部下である牧野好和だ
自分で設計した機体がここまでの形になったのは初めてですので確かに子どものようと言われるとそんな気持ちもいたします
最大のテーマが…
主翼と機体の後部から出る
2つの衝撃波が合わさって発生するソニックブーム
それなら衝撃波を分散したままにできれば
爆音は小さくなる
そう考えた牧野が導き出した答えは
ソニックブームの原因となる衝撃波を
あえてもう一つ発生させることだった
機体の底にうねりを作り
もう一つの強い衝撃波を発生させることで
複数の衝撃波を分散したままにする狙いだ
それを確かめる実験が計画された
気球で実験機を高さ30キロまでつり上げる
そこから落下させた実験機は35秒で超音速に達し
2分後に計測地点を通過
そのときに発生するソニックブームを計測する
南北100キロ東西70キロの広大な敷地で
実験を行うことになった
運営するのは気球のオペレーションに定評がある…
この実験であの爆音を
地上の人が許容できる程度に減らせることが実証できれば
ソニックブームの世界基準作りに貢献できる
吉田も東京から実験場にやって来た
おはようございますお疲れさま
早速牧野に進捗状況を聞く
だいぶあれだね飛ぶ状態に近づいているねこれらを外せばもう飛べる状態ですので
吉田には現場のスタッフに伝えておきたいことがあった
2002年吉田たちはコンコルドが抱えるもう一つの問題だった
燃費の悪さを改善するための実験機を設計
オーストラリアで飛行実験を行おうとしていた
ところがロケット打ち上げ直後に実験機が脱落して失敗
あの苦い経験をもう二度と繰り返したくない
今回の実験はロケットではなく気球で実験機を上げるため
気象条件が鍵を握る
テストゾーンまで気球で実験機を運ぶには
適切な風が不可欠だ
最大の敵は雨空中の計測機にも悪影響が出る
実験を行う期間に入ったが気象条件が合わず足止めが続く
東京に戻り指揮を執る吉田も気をもんでいた
半月以上が過ぎた8月16日
天候が回復し実験が再開
午前7時10分実験機をつり上げる気球が放たれた
重さ1トンの実験機が
高度30キロを目指して上がっていく
日本にいる吉田はモニターで現場の様子を見守りながら
実験の成功を祈っていた
「大丈夫きっとうまくいく」
この後実験機は急降下しながら徐々に機体を起こし
超音速で滑空
このとき発生したソニックブームを計測するはずだったのだが…
やがて機体は上下左右に振動
62秒後には制御不能に陥ったためやむなく強制的に落下させた
実験機を設計した牧野にとって信じがたい結果となった
非常に大勢の人が関わってここまでいった実験だったのでそれを最後の最後で無駄にしてしまうということで非常にみんなに申し訳ないなという気持ちが強かったですね
意気消沈する現地のスタッフに吉田はこう語りかけた
その言葉に牧野たちはリベンジを誓った
何とかここまでチームのみんなと一緒にやってこれたと
失敗の原因は飛行制御プログラムにあった
降下しながら機体を起こし超音速飛行する実験機には
戦闘機並みの高い運動性が必要になる
そこで運動性を高めた結果
両立が難しい安定性が失われてしまったという
今度は二度と同じ飛行破綻を起こしてはいけないというのが大命題ですから前回のように…
吉田が決して諦めなかったのはある確信があったからだ
手を抜いた失敗はそこで終わってしまいますが努力した結果起きる失敗は必ず糧になる
吉田はそう信じていた
1年ぶりに訪れた再挑戦の場
今回は吉田も牧野とともに現地に滞在し陣頭指揮にあたる
実験機の入念なチェックが進んでいた
準備万端あとは気象条件が整うのを待つばかりなのだが…
吉田にインタビューしていると…
(スタッフ)ありがとうございました雨男なんだなあ
実は吉田自他ともに認める…
前の年もこの場所でインタビューを始めたとたん
雨が降り始めた
雨は実験の大敵だ
このときはまだ冗談が言えていたのだが…
毎日実験場のスタッフから翌日の天気予報が伝えられる
だが気球で実験機を運ぶのに適した風が吹き
なおかつ雨も降らない日がなかなかやって来ない
吉田たちはすがれるものには全部すがり
実験日和の訪れを待った
しかしひと月近くが経過しつらい決断を余儀なくされる
実験ができないまま撤退
世の中に神様がいるとしたらですね前向きにとらえる気持ちになってましてそれは何だろう
吉田はスタッフに問いかけた
するとみんながいろいろなアイデアを返してきた
失敗と延期
2年続けて苦汁をなめながらも皆前向きだった
うちのチーム全員が持ってました
そして今年の夏
3度目の正直吉田たちはスウェーデンに入った
6月末から1ヵ月近く待った後
ついに天候に恵まれ実験がスタート
ソニックブームの基準を検討する国際会議に間に合わせるには
これがラストチャンスだ
・321セパレーション
超音速旅客機復活に向けた世界初の実験が始まる
・321・321セパレーション
高度24キロまで降下機体を徐々に起こしていく
おととし異常飛行が起きた難所だ
機体のカメラの映像と
それをもとに飛行状態を再現したCGを見てみる
超音速飛行で機体を起こしても
上下左右に揺れることはない
高い運動性を保ちながら
安定性も改善した
牧野も食い入るように見つめる中
いよいよソニックブームの計測に入る
計測地点をマッハ1.39で通過
3度目の挑戦でようやく実験は成功
衛星回線で記者会見が開かれた
正直言ってホッとしてますすごくホッとしてます正直直前は本当にドキドキしてたんですけども予定したとおりの軌道を飛んでいく様子を見て本当に胸が熱くなりましたね
3ヵ月後計測したソニックブームの解析結果が発表された
実験で得られたデータを解析した結果
JAXAの次世代超音速機はソニックブームを
コンコルドの4分の1に抑えられることが実証できた
再現した音でその差を聞き比べてみよう
まずはコンコルド
次にJAXAの超音速機
ソニックブームによく例えられるのが…
(雷鳴)
近くに落ちたこの雷の音が
遠くの雷鳴ほどになったという
こういう技術で…
この結果がソニックブームの世界基準の礎となるかもしれない
吉田とともに18年夢を追いかけてきた牧野
吉田から多くを学んできたという
起きてることを正直にまず見ると逃げないってことですかねそれがまず第一だと思います吉田さん今回成功できて本当によかったと思っています世界にも日本の技術をアピールすることができましたずっと一緒に夢見ていた超音速旅客機の世界が近くまで来ていると実感していますこれからも一緒に超音速の研究を続けていってくださいいやあ〜あの…頼もしいですねそう思ってくれているのがうれしいですね多分次彼らが主体のプログラムが立ったときでも何かあっても彼らは諦めずにやっていけると思いますので
世界の空へ日本から超音速旅客機を復活させる
夢の実現まで2人は決して諦めない
たとえどんな困難が待ち受けようとも
次回はごく普通の主婦が起こした
経営の立て直しはもちろん
なんと最も困難な後継者不足も解決させた
成功の鍵となったのは…
女性社長ならではのユニークな改革が
スーパー町工場を生み出した
ナレーターは彼にバトンタッチ
詳しくは番組ホームペーシまで
2015/11/29(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【坂口憲二▼日本から、コンコルド以来の“超音速旅客機”復活を!】
騒音を大幅低減へ〜JAXAが挑む世界初の実験に密着!
詳細情報
番組内容
“マッハ2”=時速2450kmのスピードで、世界の都市を現在の半分の飛行時間で結んでいた超音速旅客機「コンコルド」。しかし、雷のような爆音“ソニックブーム”が生じるため航路は限られ、燃費の悪さも手伝って、2003年に引退に追いやられた。
このソニックブームを大幅に低減できる機体を設計し、超音速旅客機を日本から復活させようと挑んでいるのが、吉田憲司率いるJAXAの開発チーム。
番組内容2
実現すれば、現在7時間半かかる目的地に、4時間で到着!
世界の航空事情が一変する可能性を秘めている。
“静かな”超音速旅客機。前人未踏のその開発の道のりは困難を極める。
ソニックブームを減らせることを実証する世界初の実験にこぎつけるも、失敗、そして延期。
『努力した結果起きる失敗は、必ず糧となるー』
そして今夏、“3度目の正直”で挑んだスウェーデンでの実験結果はー?
出演者
【ドリーム・メーカー】JAXA D-SENDプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 吉田憲司(57歳)
【ナレーション】坂口憲二
音楽
小田和正「やさしい雨」
関連URL
【番組HP】
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
【twitter】@yumetobiplus
http://twitter.com/yumetobiplus
【facebook】
http://www.facebook.com/yumetobiplus
制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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