【釣り】

　シーバスが産卵を控えて餌を荒食いする晩秋。私のホームグランドである神奈川・相模湾に流入する河川では、１１月になるとアユの産卵も始まり、河口に近い砂利場に集結する。アユは１年でその一生を終える年魚で産卵後、しばらくすると死んでしまう。この産卵後に精根尽きて弱り流されてくるアユは、シーバスにとっては格好の餌となる。いわゆる「落ちアユパターン」だ。山の恵みであるアユと、海の恵みであるスズキ、この双方がそろうからこそ楽しめる釣り。相模川の落ちアユパターンは、私が１年で最も楽しみにしているゲームの一つだ。　（神奈川県茅ケ崎市・久保田剛之）（12月2日 紙面から）