働く女性が損をする!?
子どもを産んだ女性が働き続けようと思えば、仕事中に子どもの面倒をみてくれるベビーシッターは不可欠だ。働いて所得を得るために雇うのだから、その費用は常識的には「必要経費」だろう。
ところが日本では、頑なに経費として認めない方針が貫かれている。だから、働く女性は、税金や社会保険料を払った後の可処分所得で、ベビーシッター代を払わなければならない。働いて得られる手取りの給料よりも、ベビーシッター代の方が多いなどという逆転現象が頻発している。
「働き続けるためには仕方ない」と諦めている女性も少なくない。それでもベビーシッター代を賄える稼ぎがあればいい。給料が低かったり、シングルマザーだったりすれば、ベビーシッターを雇うこともできず、仕事を辞めなければならなくなる。
安倍晋三首相は就任以来、「女性活躍促進」を政策の柱に掲げてきた。ベビーシッター代やハウスキーパー代を必要経費として所得から差し引く「家事支援税制」は、働く女性を支援する強力な切り札のひとつとして議論が続いてきた。
そんな中で、首相に近い塩崎恭久厚労相が官僚に強く指示、厚生労働省の2016年度の税制改正要望に組み入れられるところまでたどり着いていた。税制改正に盛り込まれて実現すれば、子どもを産んだばかりの働く女性にとって朗報になるはずだった。
ところがである。自民党で税制を議論する税制調査会が、11月30日に会合を開いて固めた2016年度の税制改正の骨格では、ベビーシッター代の所得控除はあっさり先送りされたのである。
一部の議員の中から、「女性の活躍を目指す政府の方針に逆行する」といった異論が出されたこともあり、「見送り」ではなく、「長時間かけて検討する」としたが、霞が関用語からすれば、いずれも「やらない」という事である。
なぜ、安倍首相が「女性活躍促進」を掲げているのに、自民党税調が反対するのか。
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