3つの視点で自動車産業の変化を捉える
近い将来、車の世界が大きく変わるであろうことは、もはや誰もが認識するようになった。インターネットが普及してIT全盛となってから、世の中の新陳代謝が一気に進み、さまざまな産業の組み換えやプレーヤーの入れ替わりが起こっている。
中でも、家電産業はすっかり様相が一変し、かつては世界を席巻したソニーですらも、今は完全にフォロワーの立場に甘んじている。シャープに至ってはまさに崖っぷち、風前の灯のような状態だ。
それは、家電の定義や中身、作り方が変化する大きなうねりに機敏に反応できなかった帰結でもあるが、このような大きな変化が次に予測される産業の筆頭が自動車だろう。
自動車産業の変化は、大きく以下の三つの視点から捉える必要がある。
一つ目が、従来のガソリン車やディーゼル車から電気自動車や水素燃料車などに向かう「エネルギー源の変化」という視点。
二つ目が、人が運転するだけでなく、人工知能による自動走行車が出現する「車のIoT化やインテリジェント化」という視点。
そして三つ目が、所有する経済からシェアする経済(Sharing Economy)への移行や、高齢化に伴う自家用車離れによる新しい交通システムの出現に見られる「経済モデルの変化」という視点だ。
上記三つの視点のすべてにおいて、風雲児ともいうべき存在は、何といっても米テスラモーターズ(Tesla Motors、以下テスラ)だろう。
テスラは開発スタイルも独特
日本では、東京の南青山と大阪の心斎橋にショールームを構える。2010年10月、アジア初となるテスラのショールームを南青山にオープンした直後、初期の「ロードスター」に試乗させてもらった。従来の車とはまったく異なるその時の体験は強烈だった。
そして昨年、セダンタイプの「モデルS」が日本でも発売されたが、今年の初め、そのモデルSを三日間ほど借りて試乗する機会を得た。
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