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【異論暴論】
正論1月号きょう発売 ■パリ同時多発テロ リベラリズムがイスラムに敗北する日 ベストセラー『服従』を追う現実
10月の初めだったか、政治学者の岩田温氏から電話があった。
「ウエルベックが書いた『服従』という小説を読まれましたか」
「読んでません。どんな本ですか」
「フランスでテロが多発して、イスラム政権ができるというストーリーなんですよ。欧州ではかなり売れたそうですが、この間、日本でも翻訳が出たんです」
まだ、パリ同時多発テロが発生する前だったが、読んでいないのは恥ずかしいので早速購入してみた。
各地でテロが多発するフランス。極右政党とともに、穏健なイスラム政党が支持を集めるようになり、この2党で大統領選の決選投票を争う。極右を避けたい既存の保守政党も社会党も、「穏健」であることを理由にイスラム政党を支持し、イスラム政権が誕生する。その結果、フランスはイスラム化し…。
自由を重んじる一方で、国家や宗教の意識が希薄になってきた民主国家の体制がいかに脆弱(ぜいじゃく)か。日本人も読む価値ありと思い、岩田氏に論考執筆を頼んだら、しばらくしてパリでテロが起きた。(菅原慎太郎)
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