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碧志摩メグ:公認巡る騒動通じ全国区…行政お墨付きが問題

毎日新聞 2015年12月01日 14時00分

右から碧志摩メグ(マウスビーチマリボン事業部提供)、五十嵐マイ(伊賀市NINJAフェスタ実行委員会提供)、太秦萌(京都市交通局提供)
右から碧志摩メグ(マウスビーチマリボン事業部提供)、五十嵐マイ(伊賀市NINJAフェスタ実行委員会提供)、太秦萌(京都市交通局提供)

 海女萌(も)えキャラクターは是か非か−−。来年の伊勢志摩サミット開催地・三重県志摩市で勃発した「碧志摩(あおしま)メグ」の市公認を巡る騒動。地元海女らを巻き込んだ議論の末、公認撤回で一応の決着を見た。日本が世界に誇るアニメ文化の興隆とともに、各地の地域おこしに一定の役割を果たしてきた萌えキャラたち。メグは何が問題とされ、これからどこへ向かうのか。【井口慎太郎】

 ◇他キャラは静観

 騒動を、各地の萌えキャラたちはどう見たのか。

 伊賀忍者で知られる同県伊賀市の「伊賀上野NINJAフェスタ実行委員会」が公認するくノ一の萌えキャラ「伊賀嵐(いがらし)マイ」は、碧志摩メグの「親友」という設定。2人とも同じ会社が制作しており、容姿や雰囲気が似ている気もする。ただしマイには批判の声はないといい、実行委は「現役海女が意見を寄せたメグに対し、こちらは忍者が実在しないので」と環境の違いを語る。

 地下鉄通学する女子高生キャラ「太秦萌(うずまさもえ)」などを生かし、公共交通の利用促進を目指す京都市交通局。制作時には「公共の場で不特定多数の人の目に留まるので、スカート丈などは慎重に見極めた」。碧志摩メグについて担当者は「他市の話なので……」と思わぬ余波を嫌ってか、静観の構えだ。

 ◇海女にも賛否

 そもそも萌えキャラが多数いる中で、なぜ碧志摩メグが問題視されたのか。それは「市公認」という行政のお墨付きがあった点だ。

 公認撤回を求める署名活動を行った市民グループは「行政が、未成年の女性を性的なものとして表現し、市役所などの多くの公共の場所で公開していることは問題」と批判した。

 地元海女の間には「民間なら構わないが、市公認には強く反対する」「宣伝効果があるなら今のままでもよいのでは」と賛否があった。運動が進むとともにインターネットを中心に議論が起こり、「表現の萎縮につながる」と公認維持を求める声もあったが、制作会社が「メグに共感していただける皆様と力を合わせる舞台に進みたい」と公認撤回を申し出る形で騒動を決着させた。

 ◇コラボ提案多く

 こうして「次の舞台」へと進んだ碧志摩メグだが、騒動を通じ、結果的に知名度は全国区となった。

 公式ホームページは、公認撤回の発表直後はアクセスが集中してサーバーがダウン。現在は「志摩市非公認」を前面に掲げて伊勢志摩のPRに余念がない。サミットに向け多くの企業からコラボ企画の提案も受けているといい、グッズ販売なども検討するという。

 大人たちの騒ぎを知ってか知らでか、メグは自身のツイッターで「伊勢志摩マンガ・アニメサミットもしたいなぁ」と明るく振る舞っている。

 ◇碧志摩メグ騒動◇

 海女漁が盛んな志摩市の観光PRなどに役立てようと、イベント会社「マウスビーチ」(三重県四日市市)が制作して昨年10月末にキャラが誕生。日本一の海女を目指す17歳との設定だったが、「胸の形がはっきり分かり、衣装の裾もはだけるなど、性的な部分を過剰に強調して不快」などと批判の声が上がり、公認撤回を求め、海女ら309人分とインターネットで集まった約7000人分の署名が市に提出された。市は当初、「個人的な感じ方の問題」として撤回しない方針だったが、9月末に現役海女24人と制作会社を交えた話し合いを実施。会社が公認撤回を申し出て、市は11月5日に撤回を発表した。

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