はじめに
このエントリは「地方在住ITエンジニア・アドベントカレンダー 2015」の1日目の記事です。
地方在住ITエンジニア(元・地方在住も可) Advent Calendar 2015 - Adventar
このアドベントカレンダーは「地方と仕事」をテーマに、有志のITエンジニアが自分の思うところを綴っていくアドベントカレンダーです。
トップバッターとして、僕も「プログラマの僕が東京ではなく田舎に住む理由」というタイトルで何か書いてみようと思います。
あなた誰?どこに住んでて何してるの?
僕は伊藤淳一と言います。
今は兵庫県西脇市っていうところに住んでます。
西脇市はこんなところにあります。
都会 or 田舎で答えるなら「田舎」になると思います。
とはいえ、「超」が付くほどの田舎ではないので、日常生活には全く不自由しません。
今はソニックガーデンという会社でRubyプログラマをやってます。
ソニックガーデンは東京の渋谷にある会社です。
僕は毎日自宅でリモート勤務しています。
田舎ってIT関係の仕事あるの?
西脇市近辺でIT関係の仕事を探すとなるとちょっと難しいと思います。
ソニックガーデンに入る前は西脇市内の外資系企業で社内SE(社内プログラマ)をやっていましたが、その会社も今は無くなってしまいました。
大阪や神戸に行くと多少選択肢は増えますが、個人的な感覚ではレガシーなSIerが多い印象です。
モダンなスタイルで開発をしているベンチャー企業も皆無ではありませんが、数えるほどしかない気がします。(個人的な観測範囲では)
というか、僕みたいに「Rubyで開発がしたい!!」と思っているような人だと、面白そうな会社はほとんど東京に一極集中してるのではないでしょうか。
そういう意味では西脇に住もうと、大阪に住もうと大差は無い気がするんですが、どうでしょう?
なので、モダンな現場で仕事がしたいと思ったら東京へ行くしかありません。
もしくは、僕みたいにリモートで働くか、のどちらかです。(極論)
東京が何でも一番?
前述の通り、ITエンジニアとしてモダンで面白そうな現場で働きたいと思ったら、東京に住むのが一番です。
東京に住めば、日本のどの都市よりも豊富な選択肢を手に入れることができます。
また、面白そうな会社が多いだけでなく、東京ではIT系の勉強会が毎晩あちこちで開催されますし、大きなITカンファレンスも頻繁に開催されます。
情報収集の面や技術者同士の交流をする上でも、東京は日本で一番恵まれた都市です。
だがしかし!!
それだけで終わってしまうと、プログラマやITエンジニアは東京近郊に住むしかない、東京近郊でしか生きていけない、ということになってしまいます。
また、技術者としてはベストな都市であっても、生活する上で、そして家族と暮らす上で必ずしもベストな都市だとは限りません。
もちろん、「生活の面でも首都圏に暮らすのがベストだ」と考える人はたくさんいるでしょうが、「技術者にとって東京がベストだ」という考えに比べると、人によって意見が分かれると思います。
僕が田舎に住もうと思ったきっかけ
僕は生まれも育ちも大阪です。
最初に就職したSIerも大阪で、将来自分が田舎に住むとは思っていませんでした。
転機が訪れたのは長男の誕生です。
妻の実家が兵庫県西脇市にあり、長男が生まれる前後は僕も妻の実家に泊まっていました。
生まれて間もない長男を抱っこしながら家の周りを散歩しているときに、
「あ~、田舎っていいなあ。子育てするなら広々とした空と、豊かな自然の中で育てたいなあ」
とふと思い付き、「よし、こっちに引っ越しちゃおう!」とほとんど勢いで移住しました。
田舎(特に西脇市)に住むメリット
田舎暮らしにはメリットとデメリットがありますが、僕にとってはメリットの方が大きいです。
これは「田舎だから」というよりも「西脇市だから」という理由の方が大きいかもしれません。
僕が「あ~、西脇に住んで良かった」と思う点をいくつか挙げてみます。
- 自然が豊かで四季の変化が明確に感じられる。
- 庭付きの広い家に住める。(大阪では考えられない!)
- 子どもたちと外でいっぱい遊べるし、家の中で大騒ぎしても近所迷惑にならない。
- 地元の食材が豊富で、食べ物も美味しい。
- 意外と西脇市には「何でもある」。日常生活を送るだけであれば、市外へ行かずに生活できる。
- クルマさえあれば都会より便利。距離的には遠くても、クルマで行けばあっという間に目的地へ行ける。(都会は逆に、信号と渋滞と駐車場の空き待ちのせいで、近くてもパッと行けない印象)
- 大阪や神戸にもクルマで1時間で行ける。大きな買い物をしたり、好きなアーティストのライブを観に行ったりすることもできる。
- アマゾンや楽天のおかげで、そもそも家の外へ出なくても欲しいものが手に入るようになっている。
- 最近「Miraie(みらいえ)」という立派な複合施設ができた。子育てをする環境も充実してきている。
また、最近では西脇市の地方創生会議に委員として呼んでもらったり、妻と一緒にトークイベントに出演させてもらったり、市役所の方々や市長さんとの距離も近づいてきました。
良くも悪くも「小さなまち」なので、人と人との距離も非常に小さくなります。
おそらく大阪に住んでいたら、こんなふうに市役所の方や市長さんと直接接する機会もなかったでしょう。
市役所の方や市長さんと直接意見交換できるというのは、「自分の手が届く範囲に地方自治体があり、自分の意見で自分の住んでいる町が変わるかもしれない」という面白さがあります。
「自分にとって一番の町」は状況によって変わってくる
前半では「技術者にとってベストな都市は東京」と述べ、後半では「普段の生活や子育ての面では西脇の方がメリットが大きい」と述べました。
結局のところ、「何をとっても、誰にとっても全部一番」という町は存在しません。
僕が独身でひたすら最新の技術だけを追い求めたい、と考えているのであれば、東京に住むのがベストです。
しかし「家族と暮らす、子どもを育てる」という目的ができた現在では、東京よりも今住んでいる西脇の方が僕にとってはるかに素敵な町です。
僕は技術者としての生活ではなく、家族と暮らし、子どもを育てる生活に重点をおきました。
これが僕の田舎に住む理由です。
技術者としてのやりがいと田舎暮らしを両立させるリモートワーク
さて、「やっぱり田舎がいいね!」となっても、仕事がなければ生活できません。
冒頭で述べたとおり、西脇市近辺にはIT系の仕事はほとんどありませんし、大阪や神戸まで出かけても自分がやりたいと思う仕事の選択肢はほとんど増えません。
西脇で暮らす場合は地元で別の業種に就くか、大阪や神戸で「本当にやりたいこととは違うんだけど」と思いながらSIerの仕事をするしかないのでしょうか?
そんなとき、第三の選択肢として挙がってくるのがリモートワークです。
僕が所属しているソニックガーデンをはじめ、最近ではリモートでも働ける企業がちょっとずつ増えてきました。
うまくやれば、田舎暮らしを楽しみつつ、技術者として自分のやりたいことをとことんやれる環境を同時に手に入れることができます。
実際僕はそんな感じでリモートで働きながら田舎暮らしを満喫しています。
まとめ
というわけで、このエントリでは僕が田舎でプログラマとして働く理由と、その理由に関連するよもやま話を書いてみました。
かれこれ12~13年、プログラマとして働いてきていますが、状況としては今が一番恵まれていると思います。
田舎に住んでて良かった!リモートで働けて良かった!
しばらくこのスタイルを手放したくないので、突然仕事を失ったりしないよう、これからも精進していきます。
このエントリが僕と同じように「家族が生まれて考え方がちょっと変わってきた」「田舎に住んでみようかな」と考えている人の参考になれば幸いです。
全国移住ナビに僕の体験談が載っています!
本文で「市役所の人と接する機会が増えた」と書きましたが、そのつながりから「全国移住ナビ」というサイトに僕の体験談を載せてもらいました。
以下の西脇市のページにアクセスし、画面をスクロールしていくと、下の方に「体験談から探す」というボタンがあります。
それをクリックすると一覧の中に僕の移住体験談が掲載されています。(なぜか直接リンクが張れないという不親切設計・・・)
西脇市は都市部からの移住者も大歓迎しています。
興味がある方は西脇市役所に連絡を取ってみてください。
僕に直接相談してもらうのもOKですよ~。
「地方在住ITエンジニア・アドベントカレンダー 2015」は参加者募集中です!
「地方在住ITエンジニア・アドベントカレンダー 2015」はスタートしたばかりです。
明日以降も面白いエントリがどんどん続きます!
また、後半は結構空きがあるので、多くの方のご参加をお待ちしています。
みなさん、よろしくお願いします!
他にもアドベントカレンダーを立ち上げています
リモートワークや子育てエンジニアのアドベントカレンダーもあわせて立ち上げています。
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