はじめに
これは 【その2】ドリコム Advent Calendar 2015 1日目の記事です
【その1】ドリコム Advent Calendar 2015 - Adventar はこちら
自己紹介
ID: arihhです
主にサーバーサイドのエンジニアをやっており、今は主に雑用をやったりしています
本日のお話
今のプロジェクトのカンバンに改善を入れてみたらカンバンの改善が加速した話です
前提
このカンバンの話はいわゆるスマホゲームの運用の話です。
リリース前の開発フェーズや小人数・自動化の運用には向かないかもしれません。
また、写真のカンバンは撮影用に作ったもので実際のカンバンとは異なります
従来のカンバン
スペースはストーリー、ToDo、Doing、Doneの4分割です。
ストーリーにはストーリーIDと達成したい目的が書いてあり、朝会で本日のタスクをToDo→Doingに移動し、タスク完了分をDoneに移動する方法を取っています。
従来のカンバンの問題点
- 付箋を書くコストが高い
- 先行タスクが完了しているのかどうかわからない
- 終盤になるとDoneに大量のタスクが重ねられるため、そのタスクがDoneにあるのか、そのタスクはそもそも管理されているのか朝会で何度も確認することが発生する
ひとことで言うと見えにくく、現状のステータスを理解するのにコストがかかりました。
改善へ向けて
着目すべき点はストーリーに対して似たようなタスクが発生するという点です。
運用フェーズにあるものについてはそれは特に顕著で、
例えばゲームで一つのイベントをリリースするには
- イベントの方針を策定する
- データを作成する
- 画像を作成する
- 開発環境へデータを投入する
- テストを行う
- 本番へデータを投入する
- 告知を記載する
のような工程を行います。
現行のプロジェクトではこれが複数本同時に動くことになります。
これらの付箋張り出しをやめ、マグネットで管理(社内名:オセロ管理)するという方針を進めました
改善:オセロ管理
タスク管理を横長のマグネットでマトリックスで管理し、付箋管理をやめたものです
マグネット
マグネットを3cm x 1.5cmくらいにカット
- マグネットは横にするとToDo。
- 縦にするとDoing。
- 作業が終わったら裏返す。白くなったらDone。
- そもそも作業がない場合(None)はオセロを取り除く。
というステータスの管理に使います。
メリット
- 付箋のコストと書くコストの削減
- タスクの漏れがなくなった
- このストーリーではこのタスクやらなくていいの?という確認ができる
- タスクがどこまで完了しているかわかりやすい
- カンバンのスペースもコンパクトになる
- 仕組み化されているのでPMが交代しても品質が落ちにくい
デメリット
- 付箋では貼る位置や重ねることなどで先行するタスクやほぼDoneなどを表現できたが、オセロでは見えない。
- 付箋と違い担当者・期日などを書く欄はないのでそこを管理するのは向いていない
- タスクの追加のときは列を追加する必要がある
- 他のストーリーとの関連付けの表現が弱い
オセロ管理を始めたあと改善が加速した話
オセロ管理はチーム内には好評価でした。
しかし、それ以外にも大きな効果がありました。
それは従来の方法に変更が加わったことにより、改善案を出しやすくなったということです。
- オセロの項目を細分化したほうがよいのでは?
- カンバンにマイルストーンを書くとタスクの期限がわかるのでは?
- ここの残チケットの件数があるとわかりやすいのでは?
改善案はできるかぎり早く採用すると当然フィードバックを早く得られ、
結果、さらに改善が進むということなりました。
なお、直すときは直すこと前提なので、
「試しにこれでいく」というときには結構雑に作りました。(速度重視)
正式にこれでいく!という手応えを感じてから直していきました。
さらなる改善と現在のカンバン
とはいえ、すべてのストーリーを上記のオセロ管理でできるわけがなく(ストーリーによってToDoが大きく変わる傾向のあるストーリーがある)、オセロ管理が難しいストーリーは以下のような管理を行なっています。
フィードバックででたものを採用、取捨選択を行い、従来の方式からオセロ管理を経て現在(半年ほど)ではこのようなカンバンになっています。
現行のプロジェクトでは以下のようなことが高い効果がありました
- マイルストーンの日付をわかるようにする
* たとえばテスト開始日を明記することで開始日を厳守するようにする - 付箋をコンパクトにしてあまり使われない情報を減らす
* ホワイトボードのスペースの節約と付箋が重なる現象を減らすなどで視認性が向上
まとめ
- カンバンの付箋を捨ててオセロ管理するとよかった
- とりあえずまず直す。早くフィードバックを得られて問題点が見える
* 直すときは雑でもいい。fixしてからしっかりなおす。 - 改善を繰り返す流れを作るとフィードバックも集まるのであとは自然に改善していく
最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
これを実戦するときには何度も直すので
ホワイトボードクリーナーは自分専用のものをもつのことが大事です。
アドベントカレンダー2日目は @mitaku さんです。