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【プロ野球】

現役か引退か 黒田、揺れる心境語る

2015年12月1日 紙面から

松原徹さんをしのぶ会に出席した広島・黒田=都内のホテルで(佐々木彰尚撮影)

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 広島の黒田博樹投手(40)が30日、揺れ動く胸中を激白した。東京都内で開かれた日本プロ野球選手会の故松原徹事務局長をしのぶ会に出席。来季去就に関して「難しい」と、素直な心中を吐露した。今後は12月前半をメドに、交渉役の鈴木清明球団本部長(61)と会談する予定。それまで自問自答しながら現役続行か、引退か、進むべき道を探る。

 言葉を発しながらも心は悩み、感情は揺れた。現役続行か、引退か。迷う黒田が隠すことなく本心を語った。

 「今年に入る前、野球人生最高のモチベーションで帰ってきた。最後のつもりで今まで以上に、やってきた思いがある。なかなかそれを超えるものを探すのが難しい。悔いのないように決めたい」

 繰り返す自問自答。自宅のある米国から、先週初めに再来日した。以降は球団行事に参加しながら、時間の許す限り頭を悩ませた。親交の深い新井と食事し、多くの人に相談して助言を請うた。12月前半をメドに鈴木球団本部長と会談する予定。答えはまだ出ない。

 現役続行の条件として、黒田は「心技体」の充実を強調する。特に重要視するのは「心」だ。「自分は気持ちで動くタイプだと思う。『体』を動かすのも『心』。そうじゃないと体もついてこない」。昨年までは広島復帰か、メジャーか所属先で悩んだ。来年は41歳。体力の限界が近づくからこそ心を求める。

 「どこに移籍するか、というものじゃない。どういう気持ちで野球をするのか。チームのためになりふり構わずマウンドに立った。来年も同じくらいの気持ちで立てるか。1年、年を取って、41歳の体で何ができるのか」

 今季推定年俸は4億円。鈴木本部長との電話などでの交渉で「金額についての話は一切ない」と言う。「やる以上は評価されるのは、プロとして大事なこと」と前置きした上で、再度強調したのは「モチベーション」。昨オフ、メジャーからの20億円超のオファーを蹴って復帰。金銭で「心」が左右されることはない。

 現在はトレーニングにも「身が入らない」と苦笑いする。「僕を待ってくれる人がいる」と、おとこ気復帰から1年。特別なシーズンだったからこそ「超えないといけない」と、今年以上の戦う理由、覚悟を求めている。決断まで残り10日前後。心は日々迷い、揺れる。 (田中政行)

 

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