銀行APIが教えてくれたフィンテックにも必要な「横ではなく外を見る」視点
- フォロー状態
私がPayment APIを実装した銀行が日本でも欲しい!と心から願っていることは先日以下の記事に書きました:
2015年。そう、ついに今年、ようやく日本の銀行がAPIについて話し始めました。でも。。また今回も何かが違うのです。彼らの話に出るAPIとは、バランス(残高)や、取引履歴トランザクションの取得がメイン...
by Takao Asayama 朝山貴生 2015-11-27 19:12
世界でも一般向けにまでフル機能APIを公開している銀行は非常に少ないので、同じ絵を見ているに違いない、と日本の金融機関やフィンテック周りの方達と話していましたら、どうも話が食い違っているということに気づきました。
それは、彼らがお手本のように挙げる例が、Crédit Agricoleという銀行なのです。確かに、同行はAPIを公開しておりますし、2012年にはそれを利用したアプリケーションマーケットを公開しております。
しかし、どうも違うのです。実際にそのAPIを見ていると違和感があります。
アプリケーション開発者も登録制であり、送金も登録済みの相手にのみ。各methodの仕様を見ている限り概念が少し古い感が否めず、よく見れば2012年のバージョン1からアップデートもされていません。なるほど納得。
では、何故このCrédit Agricoleというフランスの銀行の一時代古いAPIが、「銀行APIの先進例」として各所で取り上げられるのでしょうか。私が調べたところ、その理由は「Crédit Agricoleがまず日本語で紹介された」からという残念な結果に。要するにその情報が業界で未だに出回っているから、ということです。
次に、我々の #ビットコイン や #ブロックチェーン 業界で先進例としてあげられる、ドイツのFidor銀行を見てみましょう。
フランス語のドキュメントしかない先ほどのCrédit Agricole比べると、Fidorは英語でドキュメントが用意されています。各メソッドも明確且つ簡潔で、APIもかなりRESTfulと言えるでしょう。ドキュメンテーションもいかにもそれっぽい。
ここで注目すべきはPaymentのメソッド。
nickname
email address
mobile phone number
twitter nickname
account identification
宛に送金できるのです。なんとtwitterのアカウント宛にも送金できるという仕組み。
同銀行はビットコイン対応にも積極的で、取引所でのリアルタイム送金などにも対応していますし、API更新も頻繁。これぞ先進例ではないでしょうか。
そうです、最新の情報を得ようと横を見ていても、実は数年落ちのものを先進として取り扱っていることが少なくありません。日本でも真のフィンテックを確立するには、横ではなく、是非我々と一緒に外を見る視点を持ちましょう。
最終更新日:2015-12-01 02:20
コメント (0)