ワシントン=五十嵐大介
2015年12月1日02時32分
国際通貨基金(IMF)は30日の理事会で、加盟国にお金を融通するための「特別引き出し権(SDR)」と呼ばれる仮想の準備通貨に、中国の人民元を追加で採用することを正式に決めた。人民元は、来年10月に五つ目の構成通貨として正式に採用され、ドル、ユーロ、ポンド、円と並ぶ「主要通貨」の仲間入りを果たす。
IMF加盟国は、出資額に応じて仮想通貨であるSDRを割り当てられている。経済危機に直面してお金が必要になった国は、そのSDRと引き換えに、ほかの加盟国からドルやユーロなどの構成通貨を融通してもらえる。今年は構成通貨の5年に1度の見直しの年で、中国が人民元の採用を求めていた。
構成通貨入りの条件としては、その通貨を持つ国や地域の「輸出額の大きさ」と「通貨が自由に取引できるかどうか」の二つが判断基準だ。中国は「輸出額」の条件は5年前にすでにクリアしており、取引の自由度についても基準を満たしたと判断した。
ラガルド専務理事は30日の声明で「理事会の決定は、世界の金融システムに中国経済を融合させるうえで重要な一里塚となる」とコメントした。(ワシントン=五十嵐大介)
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