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「何度見ても胸を打たれる」 ミズーリへの特攻の動画を発見 大分・宇佐市塾 来春にも公開へ

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「何度見ても胸を打たれる」 ミズーリへの特攻の動画を発見 大分・宇佐市塾 来春にも公開へ

零戦突入直後の戦艦ミズーリ。円で囲んだ部分に白煙が上がっている

 昭和20年4月、鹿児島・喜界島沖において、米戦艦ミズーリに旧日本軍の零戦が突入する様子を映した動画が、米国立公文書館に残っていた。大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」(平田崇英塾頭)が発見、解析した。ミズーリへの特攻は、その瞬間を撮影した写真が有名だが、今回の動画は別の米艦から映したもので、戦史研究家は「状況がリアルに分かる貴重な史料だ」と述べた。同塾は来年春にも公開する。(村上智博)

 映像は米海軍が撮影したものを、同塾が解析した。タイトルなどに続いて、画面の左から右に航行するミズーリが映る。

 開始から10秒後、その右舷後方から零戦が近づき、体当たりする。映像からは、対空砲火を避けるように海面すれすれの超低空を飛行する零戦や、ミズーリの右舷に白煙と炎が上がる様子が見て取れる。やがて炎が収まり、黒煙を出したところで映像は終わる。

 宇佐市塾は昨年夏、映像を入手後、映っている戦艦の特定作業に取りかかった。戦艦のシルエットと、当時の主要戦艦の側面図を丹念に比較した。長い艦首や、艦橋と煙突がほぼ一体化しているなどの特徴から、アイオワ級の戦艦であることが判明した。

 さらに詳細に分析した結果、映像が昭和20年4月11日午後2時台に、ミズーリへの特攻を撮影したものだと断定した。空母ヨークタウンから36ミリカメラで撮影されたものとみられる。

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