カラパイア

　どうした、自動販売機大国ジャパン。とか思ったわけだが、こんなどでかい自動販売機を設置することができるのは、やはり国土面積が広くなくちゃ無理ゲーだな。いやまて、でも日本だって地方なら？

　2015年11月、アメリカのテネシー州ナッシュビルに世界初となる車の自動販売機が設置された。世界最大のビジネス誌「Forbes（フォーブス）」で信頼できる会社として5位にランクインした米中古車自動車業界大手、Carvana社がコインを投入することで車がでてくる5階建ての自動販売機を完成させたのだ。
　

Carvana – Car Vending Machine

　世界初の車の自動販売機は、コインで作動する全て自動化の巨大な自動販売機である。この自動販売機の登場で、今後の車業界の購入に関わるプロセスは大きな影響を受けることになるだろう。

　車を買いたい人は、オンラインで購入したあとに自動販売機から車を受け取れるシステムになっており、全てが自動化され、面倒な書類作業やセールスマンは不要となった。

　「差別化に欠けた車産業は、価格の低い車で客寄せをし、お店に来たお客を小部屋に連れて行き彼らの必要のない数百万の車を売りつけて利益を上げるというコスト構造に陥っている」とCarvana社の最高経営責任者であるアーニー・ガルシア氏は語り、コスト構造の差別化を図るためにこの自動販売機を完成させたのだという。

　車の受け取り方法は至って簡単だ。自動販売機のキオスクで自分の名前を選び、Caravana社の特製コインを入れると、機械が始動する。



　この新しい双方向体験ができる自動販売機は、ガラス張りの5階建てとなっており、一度に中古車20台を置くことができる。

　購入した車を受け取るには、自動販売機のコントロールパネルで自分の名前を入力し、コインを入れる。後は、機械が全てやってくるのだ。



　ガラス張りの美しい自動販売機はウェルカムセンターも併設している。車を20台収容でき、3つのデリバリールームがある。全自動化ステムでタワーから各デリバリールームへ車が運ばれる仕組みとなっている。

　そして、自動販売機が該当の車をタワーから運び出し、購入した客が待つ顧客専用のデリバリールームまで機械が運んでくれる。購入した客は、その後一週間に渡る試乗期間が与えられる。その期間内なら返却も可能ということだ。企画から完成まで総額約368億円かけたCarvana社はこれからもアメリカでの規模拡大を狙っている。

　「この自動販売機は画期的な発明だ。ただし自動販売機を叩いてもゆすっても車はでてこないからね」 っと語るのはCEOのアーニー・ガルシア氏。

　Carvana社は、オンライン上で購入した中古車を購入者の家まで届けるサービスも行っているが、この世界初の画期的な自動販売機は車のオンライン購入を促進するためのマーケティングである。Carvana社は自動販売機を試したいという人のためにナッシュビルまでの交通費として200ドルまでの航空券も提供しているそうだ。

via:Car vending machine in Nashville could put salesmen out of business

　確かにコインを入れたら車がウイーンとでてくる自動販売機を見るだけでも楽しそうだ。アメリカではカーディーラーとのやり取りが結構めんどくさくて、「いくらまでなら出せる？」から始まって、いちいち「ちょっと上司に相談を」とかいって後ろにひっこんで、「この値段ならどうだろう？」とか、「その値段ならこっちの車はどうだい？」とかいうやり取りを数回やって、こっちが疲れ果てて、じゃあもういいや、この値段でっていう妥協の線を伝えると、「おめでとう！君の言い値で車を手にすることができるよ！」というまでの、お約束みたいな駆け引きをやらなきゃならないので、それが面倒くさい人には画期的だろう。

▼あわせて読みたい
日本多数、世界の変なものが買える自動販売機25


それでもあなたは激安Tシャツを買いますか？ドイツで行われた自動販売機を使った社会実験


ラーメン・うどん自動販売機の中身、いったいどうなってるの？


自動販売機でジュースを買うと、全力支援してくれるカワウソのピースくん


幸せを呼ぶコカコーラの自動販売機