可決後に改めて評価されつつある修正の中身
-大きな混乱の中で採決された安保関連法案ですが、山田議員が所属する日本を元気にする会は、途中から立場が変わっています。山田太郎議員(以下、山田):今回の安保法案については、「原案賛成」か「廃案」か、という2択のように見えてしまっていました。しかし、実は「対案」と「修正」という選択肢があったのです。そして、我々「日本を元気にする会(以下、元気会)」は「修正」という選択肢を取りました。「修正」というのは、構造上、原案に賛成した上で変えるということになります。これに対して、「対案」というのは、原案を引っ込めて別の案を採用しなさいということですから、「廃案」に近いと言えるでしょう。
―「廃案」のように、旗色を鮮明にした方が盛り上がりやすいですし、支持も受けやすい傾向があると思います。今回の元気会の対応についても、修正に回ったことでTwitter上などで「この裏切り者」といった批判も受けたと思いますが。
山田: 私たちの判断は、今回の騒動が落ち着いてから非常に評価され始めてきたと感じています。最近は修正協議に反対していた政党ですら「あの附帯決議があるんだから、今度の参議院選挙で逆転させれば、自衛隊を出さなくて済むんだ。ついでに法律まで変えてしまえばいいんだ」と言いだしているぐらいです。
「おいおいおい」と。あの時、あなた達は「そんなことをしても意味がない」とか言っていたはずなのにと思います。実際には、我々も一度で合意文を作成したわけではありません。一段ずつ階段を上って、与党とすりあわせながら実現していったのです。
-与党と具体的にどのような調整を行い、どのような成果を勝ち取ったのでしょうか。
山田:私たちは、"入口論(例外無き国会の事前承認)”と一緒に"中口論(定期的な再承認)”"出口論(事後検証)”というのを出しました。
一番強く主張したのは、事後検証を行うという"出口論”です。私は以前からイラク戦争はおかしいと思っていました。大量破壊兵器もないのに戦争を起こしてしまうという誤りを国家が犯しておいて、謝罪すらない。挙げ句の果てに、「大量破壊兵器がないことを証明出来なかったフセインが悪い(悪魔の証明)」などと言い出すわけです。こうした事態を防ぐためにも事後検証が必要だと考えました。
実は出口論については、早い段階で与党側と合意ができていました。5~6回のやり取りがあったのですが、事後検証というのは、おそらく与党内でも意見として出ていたでしょうし、「当然だよね」という空気を感じました。ただ表立ってそれを言う人がいなかっただけだったので、これは付けてもいいんじゃないかという空気でした。
次のステップは、活動途中での報告と派遣の中止、撤退を可能にする"中口論”を実現させることでした。正直にお話しすると、"例外なき国会の事前承認”は当初は厳しいと思っていたので、私の本丸はこの"中口論”でした。国会から「帰ってこいよ」と言われれば、いつでも撤退させることが出来る。事後承認だといって政府が勝手に派遣を決めたとしても、"中口論”の部分が実現していれば、極端な話、「1日で戻ってこい」ということもできなくはありません。現実的には、事前承認よりも厳しい制約とも考えられるわけです。
ただ、国会が撤退を判断するためには、適宜報告をさせなければいけません。そのため、「180日にごとに国会に報告させる」という条項を付けました。自衛隊としては、非常にめんどうくさいので、これを一番嫌っているようです。180日ということは、実質120日ぐらい経過したタイミングで報告書を作成する必要があるので、非常に実効性があると考えています。この"中口”が実現したことで、自衛隊の海外派遣をいつでも国会が中止させることができるようになったのです。
政府原案では、国会の再承認は「存立危機事態」にしか必要ありませんでした。「重要影響事態」についてはそもそもなく、PKOや共同対処事態については「2年ごと」となっていますが、多くのミッションは1年ごとの計画なので、現実的にないも同じです。つまり、私たちが求めていた"中口”がまったくなかったので、「これはマズイよね」と思ったわけです。
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