「ゲゲゲの鬼太郎」などの妖怪漫画で知られる漫画家の水木しげる(みずき・しげる、本名・武良茂=むら・しげる)さんが、30日朝、東京都内の病院で死去した。93歳だった。

 1922年生まれ。鳥取県境港市出身。43年、召集されラバウルへ。米軍の空襲で左腕を失う。46年、復員。紙芝居画家を経て58年「ロケットマン」で漫画家デビューした。

 幼い頃から妖怪に興味を持ち、「河童(かっぱ)の三平」「墓場鬼太郎」など、一貫して妖怪を描き続けた。代表作「鬼太郎」は、68年から2009年にかけ6作もテレビアニメシリーズが作られた。戦争体験に基づいた「総員玉砕せよ!」「コミック昭和史」「水木しげるのラバウル戦記」など、戦争を告発する漫画でも名作を残した。

 1993年、境港市に鬼太郎や妖怪のブロンズ像を並べた「水木しげるロード」ができ、人気の観光スポットになっている。水木さんと妻武良布枝さんをモデルとしたNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送された2010年には、過去最高の372万人が訪れた。同年、文化功労者に選ばれた。