遺産争族 #6【目的は金?生き別れの父現る!婿いびりも頂点に…遂に婿が動く!】 2015.11.26


人は皆いずれ死ぬ
(河村龍太郎)私が死んだら財産を君に託したい。
娘たちはもらうのを当たり前だと思ってる。
人の死は時に争いの種をこの世に残す
(河村恒三)全ての人間は金が欲しい。
そうじゃないと言う奴は単に意気地がないだけだ。
(河村楓)お金って…本当に人を変える力がある。
今や遺言に記されるのは金にまつわる事ばかり
(河村育生)みんなが争わなくていい遺言にしてください。
遺言。
わたくし河村龍太郎は…。
(矢幡正春)おじいちゃんは遺産を海外で医療活動を行う団体に全額寄付するそうです。
(正春)どの団体にいつ寄付するかについては河村育生に全権委任する!
(渡辺美香)あっちの婿でいれば莫大なお金がもらえるんだもん。
(佐藤華子)他のお客さんに聞こえるじゃない…。
(佐藤肇)元気そうだな。
家族をもめさせて何が嬉しいんだよ!
(正春)そういうのが気に入らねえって言ってるんだよ。
(肇)ああ…すいません。
(客)まあまあ一杯いきましょう。
(肇)はいはいすいません。
ああもうもうもう…。
(引き戸の開く音)これ…育生に渡してないのか?頂く理由がございませんから。
祝い事じゃないかよ。
父親の気持ちだよ。
父親!?借金を私に押しつけて出ていったくせに。
あの後私がどんな思いで育生を育ててきたと思ってるの!?すまん。
華子…。
立派に育ててくれて感謝してる。
芝居がかった事しないで!なあひと目だけでも育生に会えないかな?たとえ離れて暮らしていても親子の縁は切れないだろう。
だってお前あいつは俺のDNAを引き継いでるんだから。
な?
(テーブルをたたく音)何がDNAよ。
もっともらしい事言ったってもうだまされないわよ。
あなたに育生に会う資格はありません。
育生は私一人で育ててきました。
(御浜高次)おっ!大先生おはようございます。
なんですか?それ。
おはようございます。
(大野壮太)河村会長がお呼びでしたよ。
ムコ殿!フッ…。
なんなの〜?嫌な感じ。
お母ちゃん!ちょっとあんたいじめられてるんだったら私文句言ってやろうか。
ちょっと…。
小学生じゃないよ。
っていうかどうしたの?その着物。
しかもこんなに早く。
見て!ヘヘヘヘヘ…。
え?あっ決まってるじゃない。
河村のおじい様のお見舞いよ。
ああそっか。
ああ…今日はいいよ。
俺が預かっとく。
ええ?なんかまずい事でもあったの?いや…。
いや実は一昨日も来たんだけどそしたらあそこで河村家の皆さんが弁護士と話してたから遠慮したのよ。
遺言の話でしょ?もめるような内容だったの?う〜んまあ…。
もう!言いたくないんなら別に言わなくたって全然いいんだけど。
実は…。
ちょっと…。
ん?来て来て来て来て。
(華子)何?何?さっきの先生たちね遺言に立ち会ってくれた先生なんだけど俺が遺産を全額管理するように指定されたのを聞いたらしくて。
あんたが遺産を全額!?シーッ!シーッ!お母ちゃん…。
俺がもらえるって話じゃないよ。
おじいちゃん遺産を寄付するって言っててさその管理をやってくれって。
…にしたってあんた全額なんでしょ?全額よ!ぜ…全額っていくらなの?やめようこの話は。
ありがとう。
ちょっと育生!待ちなさい。
ねえ!今の遺言の話お父ちゃんに言っちゃ駄目だよ。
お父ちゃん?何言ってんの?連絡先も知らないよ。
それが来たのよ。
多分困ってるんだと思う。
あんたがいい家の婿に入ったって耳に挟んでお金を要求してくるかもしれない。
本当言うとねお父ちゃんの事言いに来たの。
いい?万が一連絡があっても絶対会ったら駄目だからね。
あんたが遺産の管理をするなんて聞いたらもう絶対よからぬ事を考えるに決まってるんだから。
(龍太郎)どうした?いえ。
お呼びですか?いつ退院出来る?まだしばらくは無理です。
しかしやっぱり病院は落ち着かん。
それに今お帰りになっても落ち着いて自宅療養出来るかどうか…。
ん?みんな遺言の内容を知ってしまったんです。
そっか…。
君の言うとおり家族が争わない遺言にしたつもりだったんだがな。
いや…全員がショックを受けてます。
正春さんは家を出ました。
よしわかった。
みんなを呼んでくれ。
遺言というのは秘密に作るもんだと思っていたがそれがもめる元になっていたのかもしれん。
この際腹を割って話し合おう。
河村家役員会の開催だよ。
話せばわかる。
そううまくいくものであろうか?
話せば余計にこじれるのが世の常
しかも事は遺産である
金である
隣に座っている家族より取り分が少なければ腹が立ちただでもらえるものに群がるのが人間なのだ
さてこの男はいつまで金に興味がないなどと言っていられるのだろうか?

(口笛)
(矢幡月子)マーくん…マーくんからメールが来たって本当!?
(南リエ)社長宛に「探さないで下さい。
会社は退職致します」と…。
どうして?私にはなんの連絡もないのに…。
来週の役員会で依願退職と発表します。
退職?
(月子)待ちな…!いや待って…待って…待ってやってください!あの子もね今きっと混乱してるんですよ。
本人の意思です。
本気なわけないじゃない。
ああ…!
(吉沢貴志)あっ常務!痛っ…。
社長。
ああ見えて正春さん大変よくやってくれてました。
私が捜して連れ戻します。
それまで待って頂けませんか?彼は会長の部屋を盗聴しました。
役員の末席にいる者が不法行為とは…。
経営者としても親族としても目をつむる事は出来ません。
いくらなんでも…死神でも冷たすぎよ。
お義兄さん…お義兄さんお願いします。
お義兄さんお願いします。
お願いします。
(携帯電話)ちょっと手…手…!
(携帯電話)はい。
えっお義父さんが?えっ!?はいはいはい…。
(龍太郎)やあ…よく来たね。
今日はみんなと腹を割って話し合おうと思って呼びました。
だから…誰からでもいい。
正直に言ってみなさい。
(恒三)お義父さんそんなふうに言われるとみんななかなか口を開けるものではありませんよ。
じゃあ君から言いなさい。
会社では容赦ないそうじゃないか。
お体は大丈夫なのでしょうか?大丈夫じゃないから遺言をしたためたんでしょ。
ではひと言だけ。
常軌を逸した遺言だと思いましたね。
お父さん私たちどれだけショックが大きかったか。
全額寄付だなんて聞いた事ない。
私たちそんなに親不孝だった?寄付は珍しくはない。
国に相続税として取られるよりマシだと考える人も少なくはない。
(凜子)いや…だからってその管理をよ育生さんに全額委ねるっていうのは…寂しすぎるよお父さん。
私たち娘3人もいるんだよ?おじいちゃんが遺産の事言い出してからみんな仲が悪くなっちゃった。
なのに…全部育生に管理しろだなんて育生の身にもなってよ。
育生くんも迷惑だと思っているのかな?あ…僕は…。
お義父さんがせっかく設けてくれた機会なんだから思った事を言いなさい。
僕は…おじいちゃんの本当の気持ちが知りたいです。
医者をやってると人はいつどんな事で命を落とすかわからないって思います。
もし万一の事があった時本当に全てを寄付していいんですか?家もなくなるしお義母さんたちも悲しみます。
おじいちゃんは本当にそれで満足なんですか?私もどんだけ考えてもよくわからない…。
ねえ一体どうしてなの?お父さん!親子だからはっきり言うけどあんまりの仕打ちよ。
私たち娘をさ…大事な娘をないがしろにしてきっとお母さんだってさ草葉の陰でね怒ってるわよ!
(凜子)もっとはっきり言いなさいよ!お父さん私たちあの遺言書き直してほしい。
(凜子)娘として納得出来ない。
わからんのか?それが理由だ。
え?遺産をやらんと言った途端どうして?許せない!納得出来ない!って…。
(龍太郎)なあおかしいと思わないか?私が稼いだ金だぞ。
どう使おうと自由じゃないのか。
それを…もらうのが当然だってそんな顔して親を罪人扱いして。
罪人だなんて…。
「児孫のために美田を買わず」だよ。
西郷隆盛ですか。
…なんでしたっけ?作物がたくさん取れる土地を買うと子孫のためにならないという詩だ。
(恒三)要するに財産を残すと安心していい加減な生活をするからかえって子孫のためにならないという意味だよ。
そのとおり!さすが恒三くんだ。
しかしそんな理由で全額寄付ですか?信じられない。
意地悪言わないのお父さん。
育生くん。
私の遺産全てを海外で困ってる人病気で苦しんでる人に寄付してください。
こんな成金でも死して名を残せる。
うん…まさに一石二鳥だね。
ハハハ…。
申し訳ありません出来ません。
家族に金を残したくないから…だから寄付したい。
困ってる人にやってくれ…。
病気の人を馬鹿にしてませんか?お金で尊敬は買えない。
おじいちゃん…傲慢ですよ。
育生くん。
よくぞ言ってくれました。
そういう事が言える君だからこそ任せる気になったんだ。
改めて頼むよ。
最後の親の務め果たさせてくれ。
腹が立ったんだ。
お金があって家族もいるのになんでもっとうまくやれないのかなって。
世の中にはそう思ってもどっちも持てない人がいるのにふざけんなって…。
ふ〜ん。
それだけ?ハハ…参ったな。
フフフフ。
これでもバツイチなんで。
親父がねお母ちゃんに会いに来たらしい。
えっ!別れたお父さん?俺と嫁さんに会いたいって言ってたって。
どうして会わないの?私なら全然いいよ。
会ってみたい育生のお父さん。
今も…金に困ってるようだったらしい。
多分それが目的だから一生会う気はないよ。

(ドアの開く音)やめなさい!火事になったらどうする!?うう…うう…!どうせ人手に渡るのに。
やけを起こすんじゃない!見苦しい。
だったらなんとかしてください!あなた会社を継いで大きくしてくれたわ。
遺産の事ぐらいなんとでもする力はあるでしょ?相続は最も解決しづらい紛争だ。
昔から内戦に終わりはないと言うからな。
ひとごとみたいに…。
あなただってこの家の一員なのよ?お願い!私にはあなたしか頼る人がいないの。
ねえ…お願いします!男がなんとかしてくれるわけないじゃん。
(凜子)アーユーレディー?フ〜!お母さんの形見。
あっ!ワーオ!わ〜!あ…お…おお…!おっとっとっと…。
すいません突然。
(金沢利子)ご用件は?河村のみんなは祖父の遺言に賛成していません。
でしょうね。
何か方法はありませんか?ありません。
(店員)いらっしゃいませ。
(利子)コーヒーを1つ。
かしこまりました。
遺言は故人の遺志です。
本人が自ら書き換える以外に内容を変える事は出来ません。
それはわかってます。
でも…正春くんは家を出て会社も辞めると言ってるそうです。
このままじゃ河村の家は本当にバラバラになってしまいます。
どんなに素晴らしい遺言でもいがみ合う家族もいれば適当な遺言でも残された家族が受け止めて助け合う事もあります。
ちょっと…無責任じゃないですか?あなたは弁護士として祖父に遺言を勧めたんでしょう?強いて言うならあなたが楓さんと離婚するかあるいは法律に触れる犯罪でも犯せば遺産の管理者として不適格という事になり遺言は書き換えられるでしょうが…。
冗談はやめてください。
では聞きますが…育生さんはどうしてほしいのでしょう?寄付をやめて河村家の血縁で分け合えばいい?それともご自分にも分け前が欲しい?僕は遺産は望んでません。
家族が争う事のないようにしてほしいと祖父に頼みました。
争わない家族なんていません。
この仕事をしているといつも思います。
家族というものは支え合うものではない争うものなんです。
それが自然の姿なんです。
そんな…。
あなたはどうしてそんなに家族にこだわるのですか?お金は一切いらない。
そしてみんなに仲良くしてほしい…。
そんな事本当に思ってるんですか?おかしいですか?かなり不自然ですね。
両親は金が原因で離婚しました。
(肇)「ある日ことりはいいました」「どうしてわたしはおかあさんとぜんぜん似てないの?」どういう事!?私が…私が保証人になってるじゃない!うるさいな…。
勝手な事言うなよ!お前だって喜んでたじゃねえかよ。
駄目になったら責めるのか!?殴るの?殴るんだったらお金ちょうだい!わかったよ。
金出しゃいいんだろ。
ハハハ…。
あれ?
(華子)どうやって…!一度でいいから金なんかに壊されない仲のいい家族に身を置いてみたいとずっと思ってました。
まるで復讐…ですね。
あなたは金なんていらないと言う事でお金に復讐してるんですよ。
金に縛られたくないあなたが多額な遺産の管理者になる。
これはあなたにとって最大の試練かもしれませんね。
どう?調子は。
いいですよすごい。
ほっ!出発?今夜の便でね。
よいしょ!ロスに戻るわ。
なんかほら遺言の事でさ疲れちゃった。
そんなに慌てなくても…。
それにさこれ以上いると本気でケンカになっちゃうでしょ。
私お姉ちゃんともめたくないのよ。
凜子!お姉ちゃん大人げなかったと思ってるわ。
自分でもどうしていいかわからなくなって…。
そりゃそうだよ。
だってずっと面倒見てきたお父さんがよお姉ちゃんに1円も遺産を残さないなんてそんなの…裏切りとしか思えない。
ごめんねお姉ちゃん。
あんなお父さんを押しつけちゃって。
凜子…。
ウフフフフ…。
ありがとうお姉ちゃん。
(陽子)うう〜っ!よしっ!じゃあさ向こうの友達にお土産買ってくるから。
うん。
じゃあね!行ってくるよ。
(凜子)じゃあね。
(においを嗅ぐ音)
(においを嗅ぐ音)
(においを嗅ぐ音)ん?ナフタリン?ハッ!
(陽子)ない!時計もない。
ない。
ああ…ない。
ない…。
あの女…!
(ノック)育生!えっなんで…?私がここにいると知って訪ねてきてくれたの。
育生…育生だ。
うん。
あ…勝手にすまん。
今は静岡に住んでるんだが明日まで東京だったもんだからひと言お嫁さんにご挨拶しようと思って。
アハハ…。
あ〜立派になったなあ。
楓さんも素晴らしい方だ。
安心したよ。
ハハ…。
すまん。
今さら何言ってるんだ…だよな。
邪魔したな。
これ…。
あっ…。
本当にすまん。
待ってください!ねえお義父さん帰っちゃうよ。
どうも。
おう。
あの…そうだ!これからうちに来ませんか?はあ?うちで話そうよ!せっかく会いに来てくれたんだもん。
いやでも…。
このままさよならなんてよくないよ。
あ…。
(陽子)どうぞ。
ただ今お茶を。
いやいやすぐに失礼しますからお構いなく。
もうすぐ主人も戻りますから。
結構なものを…。
あっ!あらごめんなさい。
ああ…。

(口笛)ハハ…。
しかしいい家だな〜。
(せき払い)座ったらどうですか?ああ!そうだな。
子供みたいだ。
ハハハハ…。
おっ!これもいい椅子だな〜。
ええ?あ〜すげえ。
(恒三)随分急だな。
だって無理やりにでも連れてこなきゃ帰っちゃいそうだったんだもん。
25年ぶりに会ったんだよ?また会えなくなったら悲しいじゃない。
一体何をしに来たんだ?え?25年も会わなかった父親が突然会いに来るなんて何か理由があるんじゃないか?どうぞ。
ああ…。
はい!あ〜!ようこそいらっしゃいました。
楓の父です。
母の陽子でございます。
改めまして育生の父の佐藤肇です。
式にも参加せず今頃になってご挨拶に参りました事お詫び申し上げます。
堅苦しい挨拶はこのくらいにしてさあどうぞどうぞ。
はい。
いや〜すっごいごちそうだな。
育生はいつもこんないいもの食べさせてもらってるのか。
いいな〜。
父ちゃん1人だからいつもラーメンだよ。
ハハハハ。
育生くんからはお父様のお話は聞いた事がないのですが…。
私はかつてサンセイ証券の墨田支店におりまして。
いろいろあって今は静岡の田舎に戻ってささやかな塾をやってます。
(肇)これ…。
すいません。
お前の名前を借りたよ。
ハハ…。
未来を担う子供を育てるとは…やりがいのあるお仕事だ。
いや最初は食うために家庭教師を始めたんです。
それが性に合ってたのか子供たちの成績がぐんぐん上がって…。
あっいただきます。
今では自宅を開放して教室にしています。
いい先生なんでしょうねえ。
そんな…たいした事ないですよ。
どれほど彼らの役に立ってるのか…。
でもね去年は医学部に入った子も出ましてね。
やりがいのある仕事だって実感してます。
もう1個。
すごいねお義父さん。
(恒三)いや〜さすが育生くんのお父上だ。
彼も大勢の患者さんのために日々頑張っていますからね。
私はいつも感心しているんですよ。
そんな…。
育生が思いっきり働けるのは皆様のご協力があるからです。
父親として感謝しております。
育生は幸せ者です。
(陽子)そんな!お父様もう…。
もういいんじゃない?ああ…すいません。
なんか頭を下げる事しか出来ませんで。
お姉ちゃん!私のトランクどこやったの!?
(凜子)あっ…。
育生のお父さんなの。
あっ!ああ…。
楓の叔母の凜子です。
ああ!どうも。
ようこそ〜。
どうも。
こんなおきれいな叔母さんまでおられて…。
素敵な大家族でうらやましいです。
ごゆっくりされてください。
(肇)はい。
(凜子)お姉ちゃんちょっと…。
ちょっと!どうも…。
ウフフフ…。
(陽子)何?開けなさい。
でなきゃ渡さない。
わかったわよ!どいて。
死体でも入ってたりして〜。
(凜子)はい!
(陽子)やっぱり…。
(陽子)が花に…あっ大島…。
(陽子)時計に宝石も…。
贅沢出来なかったお母さんが唯一買った値打ちのあるものなのよ。
知ってるわよ。
清水って呼んでたもんね〜。
これはお母さんがお父さんの面倒見る代わりにって私にくれたの。
そんな事は聞いてません。
着物がもったいないから今度ロスのレセプションで着るのよ私が!何がレセプションよ!口だけで仕事してるふりするんじゃないわ。
口だけ?これでもね必死に仕事してきたのよ!?専業主婦に何がわかるのよ。
専業主婦専業主婦ってあんた馬鹿にするけどねこの家を追い出された時食べていけるのは誰かしらね?私なら家政婦でも介護の仕事でも出来るわ。
あんたなんてもう水商売出来る歳でもない。
賞味期限過ぎの女よ!ママ?おばちゃん?何やってるの?うん。
姉妹の縁を切るとこ。
(頬をたたく音)痛い!痛い!何するのよ!
(凜子)キャーッ!やめて!何するのよ!痛い!ちょっと待って!待って!何するのよ!やめてーっ!
(言い争う声)そろそろ失礼したほうが…。
(恒三)ええ…。
ああーっもう!あーっ!お騒がせしました。
ああいえ…。
うちは今最悪なんです。
仲のいい素敵な大家族なんかじゃないんです!おばちゃん!お義父さんに言う事じゃないでしょ。
いいじゃないのよ!
(凜子)あのですねこんな事になったのはうちの父が全財産を娘である私たちに残さずお宅の息子さんに全てを任せると指名したからなんです!はあ〜!んんっ!ごゆっくり。
とんだ事で…。
お金持ちにはお金持ちのお悩みがあるんですね。
いや金持ちというほどじゃありません。
いや…私ら庶民にはうらやましい限りですよ。
実は東京に来たのは金策なんですよ。
塾に入りたいっていう問い合わせが最近多いんですが自宅じゃ限界があります。
3階建てぐらいを建ててにぎやかにやりたいなと思ったんです。
そうですか…。
でも無理でした。
なかなか出資をしてくれる人もいなくて。
田舎のおっさんの塾じゃ無理ですよね。
自分の非力さを痛感しました。
でも分相応にやっていこうって腹が据わりました。
それが似合いなもんでね。
やめてください。
え?意地汚いまねしないでください。
すいません。
今のは忘れてください。
送ります。

(華子)あら!え?たっちゃん!
(渡辺達哉)あっおばちゃん…。
これ持って帰ってください。
僕は研修医だし奨学金の返還があるのでこれが精いっぱいです。
遺産を任されたというのは管理を頼まれただけで自分で使えるわけじゃありません。
すいませんビールお願い出来ますか?
(達哉)あっはい。
(肇)グラスは2つで。
(達哉)はい。
どうぞ。
ありがとう。
怒るとのどが渇くもんな。
僕はいいです。
いただきます。
あ〜。
お父ちゃんなお前に金を無心に来たわけじゃない。
金策っていうのは本当だがそれとこれとは別だよ。
お前が医者になったって聞いて嬉しくてな〜。
最近歳を感じるからお前に会って後の事を頼もうと思ったんだ。
後?静岡の家。
(肇の声)たいした家じゃないが東京と違って土地は広いし海が見える。
お前に出来なかった分子供らに一生懸命教えてきた家だ。
俺が死んだらお前にいく事になる。
処分をすれば500万ぐらいにはなるからそれをお母ちゃんに渡してほしいんだ。
離婚したからお母ちゃんには何一つ残してやる事が出来ない。
それじゃ申し訳ないんでね。
アハハ…。
河村さんのところに比べたら鼻クソみたいなもんだけどこれだって遺産だよ。
金が身近になると身内も金目的に見えるって言うが…。
寂しいよな。
(肇)よし!楓さん大事にしろよ。

(引き戸の開閉音)これ。
受け取ってもらえないかもしれないから自分が東京を離れてから渡してくれって。
あの人の事…親父って呼べなかった。
お父ちゃんとも呼べなかった。
もう会えないのに…。
そんな事ない!会いに行けばいいじゃない。
婿に入ったばっかの頃はさ金の話が不愉快だった。
軽蔑してた。
でもそれは金が人を変えるって思い込んでたからだったんだな。
金が全てだと思ってたのは…俺自身だったんだ。
育生…。
俺もう…金に復讐はしない。
ゼロに戻るよ。
ついてきてくれる?どこまでも。
(陽子)今なんて…?遺言をお受けすると決めました。
「児孫のために美田を買わず」って言われてもおじいちゃんの真意だと思えませんでした。
みんなの気を引きたいだけじゃないかって。
でも今日父に会って…おじいちゃんを信じようと思いました。
覚悟を決めました。
遺言の内容をしっかり受け止め責任を持って然るべきところへ寄付をします。
(凜子)は〜ん。
結局そうきたか…。
は〜ん。
なるほど。
どこ行くの?頼んだじゃないなんとかしてくれって。
このままじゃ育生さんにこの家を取られちゃうのよ?育生が取るんじゃないよ。
は〜あ…。
無駄無駄。
この人おかしいから。
黙れ!
(恒三)落ち着きなさい!家なんかなくなったって会社が安泰ならそれでいいじゃないか。
都心にマンションでも買えばいい。
家なんか…?私はここで育ったのよ。
(陽子)この家は私の歴史全てなの。
これが消えたら私が私でなくなるのよ!知った事か!こっちは舅に気を使いながら必死で会社を守ってきたんだ!私の苦労も少しはわかってほしいな!俺の苦労…俺は努力した…。
あなたはそうやっていつも自分ばかり…。
一度も私の気持ちなんか考えた事もない!ママ…。
離婚してちょうだい。
ああ…いつでもしてあげますよ。
本気にしてないのね。
河村龍太郎の娘婿という肩書き。
それを失ったあなたに何が出来るの?甘く見てるとひどい目に遭うわよ。
ハッ…ハハ…。
ハハハ…。
ハハハ…。
(凜子と陽子と恒三の笑い声)
(凜子)最高!最高〜!
(凜子)お義兄さんもお姉ちゃんも初めて夫婦に見えた〜!
(凜子)イエーイ!
(凜子と陽子と恒三の笑い声)何がおかしいんですか…。
一体何がおかしいんだ!!あんたら…馬鹿だ!馬鹿!俺も馬鹿だ…。
育生…。
ママを置いていくの?楓!
(月子)ごめんなさい急に呼び出したりして。
(吉沢)いいえお嬢さんのためでしたら。
今ね凜子から電話があったの。
育生が父さんの遺言を受け入れるって宣言したって。
やっぱり!遺産の管理人になればいくらでも抜け道がありますからねえ。
こうなったらあの男追い出すしかないわね。
追い出す?彼が遺産の管理者として不適格っていう事になれば遺言そのもの自体が駄目になる可能性があるでしょ?かもしれません。
どんな汚い手を使ってもいいからあの遺言をなしにして!もし願いを叶えてくれたら私筆頭株主になってお義兄さんなんか排斥してやる。
そして…あなたを社長にします。
私が社長!?月子さんではなくて?あなたのほうが適任よ。
はい!
(アナウンス)「電源が入っていないためかかりません」
(ため息)
(笑い声)明日食事でも行かないか?本気で今回の相続について話そうじゃないか。
本気?遅いわ。
私はずーっと本気であなたと別れたいと思ってた。
口にしなかったのはあなたに反省してもらいたかったからよ。
昨日まで従順だった妻が突然別れようって言ったら驚くでしょ?そのために毎日我慢してたの。
(笑い声)
(笑い声)ああ…。
育生…。
親子がもめ兄弟がもめ夫婦がもめ…
家族に火種は尽きない
中でも一番強い火種はやっぱりお金
(ノック)はい。
おお…心配で戻ってきてくれたのか。
おじいちゃん。
遺言の事で頼みがあります。
私の気持ちなら変わらんぞ。
「児孫のために美田を買わず」だ。
なら僕にください。
え…?寄付はやめて僕に遺産の全てを譲ると遺言を書き換えてください!
ああ嘆かわしや…
金はこの男までも変えてしまったのだろうか
まことに…ご愁傷さま
(恒三)君は金が欲しかったのか?どうしちゃったの?育生。
(月子)最初からお金が目当てで楓に近づいたのね。
(陽子)力を合わせなきゃね。
育生が遺産を相続するならありがた〜く頂いて2人で贅沢して暮らしたいわ。
2015/11/26(木) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
遺産争族 #6【目的は金?生き別れの父現る!婿いびりも頂点に…遂に婿が動く!】[字]

「10億の遺産は全額寄付、その管理は育生(向井理)に全権委任する」衝撃の遺言内容に、河村家は大混乱に!そんな中突然、生き別れの育生の父・肇(光石研)が現れて…?

詳細情報
◇番組内容
“ムコ入り”した研修医・育生(向井理)。そこには“遺産”を巡っていがみ合い、欲望にまみれた一族がいた!—育生と楓(榮倉奈々)の幸せな結婚が引き金となり、家長である龍太郎(伊東四朗)のにぎる約10億円の資産を巡り、「家族」は「争族」へと変貌していく。金を巡る骨肉の争いが、「家族」の本当の姿をあぶりだす!果たして遺産は誰の手に?愛憎にまみれた新しいホームドラマ誕生!
◇出演者
向井理、榮倉奈々、余貴美子、室井滋、板谷由夏、真飛聖、渡辺いっけい、岸本加世子、岸部一徳、伊東四朗
◇脚本
井上由美子
◇演出
松田秀知
◇音楽
沢田完
◇主題歌
いきものがかり『ラブとピース!』(EPICレコードジャパン)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】服部宣之(テレビ朝日)、峰島あゆみ(テレビ朝日)、霜田一寿(ザ・ワークス)、池田禎子(ザ・ワークス)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/isansouzoku/
☆Twitter
 https://twitter.com/isan_sozoku
☆Instagram
 https://instagram.com/isan_sozoku/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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