(池田)亜紀さんは一人で生きていける強い人ですから。
すいません。
(亜紀)やめてよ。
(武司)いいじゃねえかよ。
(亜紀)ちょっと。
やめてよ!女はね幾つになったって女なの。
(純一)結婚は考えられないな。
お母さんの言うことをむげにはできないんだよね?
(萠子)それが私の人生だから。
(沢田)好きな人の役に立ちたいんです。
(碧)もう俺の心配はいいからさ母ちゃん男つくれよ。
(純一)困ったことになったね。
(亜紀)何これ?
(純一)しばらく休んでもらえないか?
(文夫)えっ?「一人で温泉に来てます」?
(萠子)亜紀みたいな性格は追い詰められちゃうと何するか分かんないっていうか。
(文夫)確かにあの手の強いタイプほど折れると弱い。
生き方にしなやかさが足りないというか。
(文夫)まったく。
人騒がせなやつだな。
(いびき)
(くしゃみ)
(くしゃみ)
(文夫)ヘッ…。
(亜紀)何だこりゃ?うん?
(くしゃみ)・
(賢三)おかえんなさい。
(文夫)おお。
ただいま。
マスター。
これお土産ね。
(賢三)ありがとうございます。
(文夫)はい。
はい。
(亜紀)ご心配おかけしました。
(萠子)ホントだよ。
(萠子)崖につり橋に揃えた草履に練炭ってさ。
そりゃ誤解するよ。
もう。
(亜紀)奇麗な景色と旅館のレトロな雰囲気をね伝えたかったんだよ。
(萠子)あの後さ携帯もつながんなくなっちゃうしホント私焦ったんだからね。
(亜紀)ホントにごめん。
だって眠かったんだよ。
酔っぱらっちゃったから。
(萠子)でどうだったの?
(亜紀)何が?何?とぼけちゃって。
高山さんだよ。
(亜紀)高山さん?
(萠子)えっ?会ってないの?
(亜紀)何のこと?
(萠子)いや。
昨日亜紀のメッセージ見てたらさヤバいって思って。
そしたら隣にいた高山さんがさ迎えに行ってくれたんだけどな。
(亜紀)そんなバカな。
だってあの高山だよ?いや。
でも心配してたよ。
(亜紀)気持ち悪い。
まさか。
そんなんあるわけないじゃん。
(萠子)おかしいな。
確かにお店出てったんだけどな。
まあ亜紀が無事だったんだったらまあいいや。
あっ。
ごめん。
亜紀。
じゃあまたね。
うん。
またね。
まさか。
ねえ?
(純一)《お母さんと俺どっちが大事なの?》いらっしゃい…。
(萠子)何だ。
(田代)どうも。
(萠子)「どうも」じゃないよ。
(田代)あれ?ご機嫌斜めですね。
何かありました?
(萠子)別に。
あなたに関係ないでしょ?
(田代)萠子さんのことなら何でも知りたいです。
すいません。
仕事中なんで。
・
(女性)すいません。
(萠子)いらっしゃいませ。
(女性)カーネーションの花束が欲しいんですけど。
(萠子)かしこまりました。
何色系の花にしましょうか?
(女性)えーと。
明るくて爽やかな感じがいいかな。
(萠子)はい。
じゃあピンク系で。
(女性)あっ。
お願いします。
(萠子)はい。
(純一)突然だけど来週から経理に異動してくれないか?ちょっと待って。
これどういうこと?
(純一)まだパワハラの件は調査中だ。
ただ相手のカメラマンは問題のある人物のようだし。
このまま君に休んでもらうのも会社としては問題でね。
だからって異動するってこと?
(純一)しばらくは他の部署で働いてみるのもいいんじゃないか?しばらくはって戻れるってこと?
(純一)残念だが約束はできない。
・
(玲子)失礼します。
社長。
間もなくプライムオンラインの林さまがおみえになります。
(純一)分かった。
取りあえず今は新しい部署で頑張ってくれ。
じゃあ。
よし。
こんにちは。
・
(賢三)いらっしゃい。
(せきばらい)
(せきばらい)どうも。
(文夫)どうも。
あっ…。
あのう。
昨日何だか温泉にまでわざわざ駆け付けてきてくれたって聞いちゃったんですけど。
何のことです?うん?何か勘違いしてるんじゃないですか?ですよね?だいたい僕が何であなたのとこに駆け付けなくちゃいけないんですか?飼い犬じゃあるまいし。
そんな言い方しなくたって。
それこっちが聞きてえんだよ。
あっそうか。
まさかあれですか?あんなことがあったから妙な誤解をしてるんじゃ?妙な誤解?妙な。
妙妙妙…。
違いますよ。
そんな。
私は別にそんな…。
ならよかった。
うん?まさか本気にしてんじゃないかと。
まさか。
私だっていい大人ですよ。
そんな1回や2回ぐらい。
色々ありますよ。
気にしないでください。
もう忘れてましたから。
よかった。
よかったよかった。
ああー。
うんとうんと。
あっ。
これだ。
はい。
これあげます。
何ですかこれ?これねあれ。
お土産です。
あのう。
今までいた仕事ちょっと外れることになっちゃったんでそのご挨拶とちょっとご報告?ああ。
そうですか。
それにしても温泉まんじゅうっていうのはこれワンパターンだな。
できればかまぼこの方がよかった。
あっ。
ワンパターンですいません。
うん?うん?うん?ああ。
いやいや。
うん?あっ!?あっ!?何てことするんですか?
(賢三)はいはいはい。
ちょっとマスタータオル。
すいませんねホントに。
ホントにもう。
ホントすいません。
いや。
いいです…。
いいですよ…。
そんな隠さなくたっていいじゃないっすか。
僕は作品が出来上がるまでは誰にも読まれたくない主義なんです。
そういうふうに言われると余計見たくなるなこれ。
ああ。
もう近づかないで。
そういうがさつな人が近づくともうパソコンがバグる可能性がある。
がさつですいませんな。
(賢三)この方ね最近調子がいいんですよ。
へえー。
ホントに何てことするんだ。
(賢三)いらっしゃい。
(池田)こんにちは。
(池田)すいません。
出直します。
あっ。
ちょっと待ってください。
あのう。
私もう気にしてないんで。
大丈夫なんでこれからは普通にしてください。
(池田)ありがとうございます。
いえ。
(池田)僕もどう接すればいいか分からなかったから。
はい。
これからは友達ということで。
そうですね。
友達か。
・
(ドアの開く音)ジャジャン。
(萠子)よっ。
よっ。
あれ?みどりは?
(萠子)うん?今日ね家のことが忙しいから来れないって。
あれ?そっか。
はい。
これ。
ありがとう。
お邪魔します。
食べよう食べよう。
わあ。
おいしそう。
あちあちあち…。
うまい!だね。
こりゃうめえな。
うん。
でもさ…。
うん。
亜紀はもう大丈夫なの?うん。
あっ。
でも今日ね一日中久しぶりの休みだったの。
だから掃除したり洗濯したりちくわ風呂入れたりもうリフレッシュ。
でもさまさか池田さんに振られるとはね。
いい人だったのに。
うん…。
私たちって何でこううまくいかないのかね。
ホントだよね。
だってファッションにも気ぃ使ってお肌や美容にいいこといっぱいしてさ結構頑張ってると思うんだけどな。
やっぱりさあれだよ。
うわべだけじゃ駄目なんだよ。
年齢的にもさ。
じゃあもう何やっても無駄ってこと?まあね。
まあ分かっちゃいたんだけどさ。
うん。
生涯独身っていうのがだんだんこうまあリアルになってきちゃったよね。
えっ?
(鳴き声)でもちくわがいるから独りじゃないな。
ごめんな。
ちょっと亜紀。
うん?あんたさ池田さんに振られて自暴自棄になってんじゃないの?そういうわけじゃないけどさ。
よく考えてごらん。
年齢的にもさ何度も何度も恋愛とかさ出会いがあるわけじゃないんだよ。
そりゃそうだけど。
うん。
私は嫌。
何が?やっぱり結婚したい。
あのね。
結婚っていうのはねエネルギーかなり使うからね。
きっと。
まあね。
恋愛だけじゃないよ。
人生生きてりゃねいろんなことあるよ。
楽しまなきゃ駄目だ。
じゃあさあんた。
努力するのもさ奇麗になるのもさ諦めちゃうってことなの?まあそりゃ男のためにやってるわけじゃないからね。
じゃあ何のためよ?それは…。
うん。
自分のこと好きでいるためかな。
くさっ。
もうちょっとにおうよ。
くさいね今のね。
すごいくさい。
ヤバい。
ちょっとごめんごめん。
間違えた間違え…。
ちくわ!どうしたそれ?あっ!?ちょっと。
天才的。
よいしょ。
よし。
(みどり)彼女の妊娠のこともう一度向こうの親御さんと話してきた。
(みどり)後のことはこっちでやるからもう構わないでくれって言われた。
(昴)そんな。
(陵)そんなの大人の勝手な理屈だろ。
(みどり)あんたは黙ってなさい。
(みどり)昴。
あんた本気で彼女のこと好き?
(昴)えっ?
(みどり)どうなの?
(昴)本気で好きだよ。
子供もちゃんと育てる覚悟はある。
(みどり)よし。
(みどり)これ使って。
(みどり)向こうのご両親ととことん話し合おう。
時間はかかるかもしれないけど。
(みどり)母ちゃんね二十歳で結婚してあんた産んで。
そりゃ苦労もいっぱいしたけど。
でも一度も後悔なんかしたことないよ。
(みどり)本気で大事な人なら絶対に手放しちゃ駄目。
ありがとう。
(陵)超かっけえ。
(和歌子)そうそう。
お兄ちゃまのところ今度3人目の男の子が生まれるんですって。
(純一)そうですか。
(和歌子)純一さん。
そろそろ結婚とか考えてみたら?いつまでもふらふらしてないで地に足を着けてほしいってお父さまそうおっしゃってたわ。
何か結婚しない訳でもあるんですか?会社も軌道に乗ってるところなんで今はまだ。
(和歌子)お父さま。
世間体がよくないって気になさってたわ。
お兄ちゃまみたいに早くいいお嫁さんもらってお父さまと私を安心させてちょうだい。
分かりました。
仕事ありますんで帰ります。
・
(ノック)
(萠子)いらっしゃいませ…。
(田代)どうも。
(萠子)何だ。
また来たの?
(田代)毎日来ますよ。
(萠子)暇だねぇ。
ちゃんと仕事しなさいよ。
(田代)レンタル彼氏は辞めたので今はフリーターです。
(萠子)フリーターっていうか無職でしょ。
(田代)まっ。
そうですね。
(萠子)何でそんな能天気でいられんの?普通悩むでしょ?将来のこととか。
(田代)昔から物事にあまり執着しないんです。
こだわりがないというか。
そうですか。
お幸せですね。
(田代)萠子さんは悩んでるんですよね?お母さんのこと。
(萠子)えっ?
(田代)前にちらっと言ってましたよね。
(田代)手ごわいって。
ああ…。
そうだっけ?
(田代)もしかして彼のことで文句つけられました?
(萠子)ねえ。
だいたい何であなたとそんな話しなきゃいけないの?
(田代)僕はいいですよ?
(萠子)私は嫌です。
(田代)まっ。
時間は毎日たっぷりあるので。
結構です。
もう来ないで。
(田代)じゃあ僕と飲みに行ってください。
はっ?
(田代)一度だけでいいです。
そしたらもう来ません。
(みどり)うん?うん?うん?
(みどり)あっ。
はいはい…。
はい。
(沢田)もしもし。
あのう。
沢田です。
碧君ってもう帰ってますか?
(みどり)いえ。
まだですけど。
(沢田)今繁華街の夜間パトロールに来てるんですが。
さっき碧君が例のバイト先の近くで年上の女の人と腕を組んで歩いていて。
えっ?
(沢田)追い掛けたんですけど見失ってしまって。
(萠子)ホントにこれっきりにしてよ。
(田代)はい。
(萠子)あんまりくっつかないで。
(萠子)1m以上離れてね。
(田代)分かりました。
(萠子)近い。
(田代)すいません。
(萠子)あっ。
やあ。
(田代)お久しぶりです。
(純一)どうも。
ああ。
ちょうど帰るとこだったんで。
ごちそうさま。
じゃあ。
(萠子)では。
(田代)難しい問題ですね。
(萠子)考えてみればさ確かに彼の言うとおりなのよ。
全部母の言いなりに生きてきて。
こないだなんかさ「助けて」っていうから帰ったんだけど全然大したことなくて。
(田代)そうですか。
お母さんはきっと萠子さんのことを自分の分身だと思ってるんですよ。
(萠子)えっ?
(田代)自分ができなかったことを娘である萠子さんにしてもらいたいと思ってるんです。
だから結婚しても絶対に手放さない。
むしろ子供だけつくって戻ってきてもらいたいと思ってるかもしれない。
(萠子)それ母も昔同じこと言ってた。
何で分かんの?
(田代)何となく?フフッ。
(萠子)ふーん。
(田代)大切なのは萠子さんがどうしたいかじゃないですか?一生このままでいいのか?それとも変わりたいのか?まあ確かに。
まずはお母さんに断ることから始めたらどうですか?断る?
(田代)うん。
萠子さんはお母さんの所有物ではないということを分かってもらうんです。
お母さんの望みには応えられないとそうはっきり言ったらいいじゃないですか。
いや。
無理だって。
そんなことできたら最初っから悩んだりしてないって。
(田代)そうでしょうか?そう決め付けてるのは萠子さん自身じゃないですか?まっ。
それができないのなら一生そのままということです。
あっ。
そうだ。
これ知ってます?これ。
こうやってくるくる丸めて。
はい。
アヒルになるんですよ。
グワ。
(萠子)何それ?
(田代)いいですね。
その笑顔。
(萠子)えっ?落ち込んでる顔は見たくないです。
(田代)そうそう。
その笑顔。
フフッ。
グワグワ。
(萠子)グワ。
あっあのう。
今日からお世話になります。
中原亜紀と申します。
よろしくお願いします。
頑張ります。
(社員)あっ。
危ない危ない。
(社員)おっ。
すいません。
よいしょ。
(社員)あっ。
これの入力もお願いします。
よし。
合った。
(社員)中原さん。
はい。
(社員)これ営業部に届けてほしいんですけど。
はい。
分かりました。
(社員)あとMC部に領収書取りに行ってほしいんですけど。
はい。
分かりました…。
MC部か…。
失礼します。
(美和)中原さん。
お久しぶりです。
(圭子)仕事復帰されたとは聞いてましたけど…。
そう。
あのう。
今日からね経理部にね。
(玲奈)そうなんですか。
あっそうだ。
あのう。
領収書取りに伺いました。
(美和)あっ。
今出しますね。
はい。
(美和)よろしくお願いします。
うん。
(美和)あのう。
わざわざありがとうございました。
ううん。
あのう。
例のアプリはどう?順調?
(美和)あっ。
はい。
今のとこ。
うん。
そっかそっか。
じゃあ…。
えー。
失礼します。
頑張って。
あっ。
(圭子)中原さん。
お気の毒ですよね。
(玲奈)また一から仕事覚えんのはきついよね。
(圭子)さっきも気まずくて気まずくて。
(沙織)いっそのことすっぱり転職でもすればいいのに。
(圭子)ホントですよね。
何でしないんだろう?逆に。
(玲奈)私だったら辞めちゃう。
(圭子)ですよね?
(玲奈)やってらんないよね?あーっ。
すいません。
忘れ物しちゃった。
えーとねえーとね。
ありました。
こちらです。
自分の席だったからさ。
フフフ。
若いころだったらねすぱっと辞めて転職してたかもしれない。
でも今はここまでやってこれた仕事に対して愛情もあるし責任もある。
もちろん会社だから代わりの人間はたくさんいるかもしれない。
だけど…。
簡単にねそう引き下がれないんだよね。
やだ。
ちょっと。
暗いよ。
じゃあどうも。
頑張って。
失礼いたしやした。
(碧)お疲れさまでした。
お先に失礼します。
(碧)カオリさん。
お待たせ。
(カオリ)あっ。
(碧)待った?
(カオリ)大丈夫。
あっ。
ちょっちょっ…。
(碧)ごめんね。
待たしちゃって。
(カオリ)ううん。
大丈夫。
(碧)大丈夫?
(カオリ)おなか減ってる?
(碧)おなかすいた。
(カオリ)おなか減ったよね。
何食べたい?
(みどり)えっ!?ちょっと。
ちょっと待って。
ちょっちょっちょっ。
ちょっと待ちなさい!碧!
(碧)えっ?母ちゃん。
(碧)痛っ。
母ちゃん悲しいよ。
悔しいよ。
碧がこんなことするなんて。
(碧)いや。
こ…これはさあのさ。
(みどり)ねえ。
話そう。
(碧)えっ?
(みどり)家でじっくり話そう。
(碧)だってカオリさん…。
(みどり)来なさい!
(碧)母ちゃん。
ちょっと。
カオリさん…。
えっ?母ちゃん。
・
(ドアの開く音)
(賢三)いらっしゃい。
こんばんは。
何かおなかすいちゃった。
何かここのお薦めパスタ下さい。
(賢三)ごめんなさい。
今日パスタ終わっちゃった。
ちょっと。
何で用意しといてくんないんですか?
(賢三)すいません。
まったく。
(賢三)そうだ。
代わりといっては何ですが近所のラーメン屋の割引券があるんですよ。
よかったらどうです?ラーメン。
行ってないな最近。
おお。
虎のラーメンか。
しょうゆか塩か迷うんだよな。
聞いてない。
腹減ってきたな。
(賢三)どうぞ。
ありが…。
えっ?2枚も!?
(賢三)はい。
いいの?えっ?じゃあ一緒に行きましょうよ。
(賢三)私店があるから。
大丈夫です。
行こうか。
えっ?ちょっ…。
何で?えっ!?おっと。
はい。
どうぞ。
ああ。
結んでますね。
もう食べる気満々ですよ。
はい。
どうぞ。
はい。
ではでは…。
いただきます!いただきます。
ああー。
おいしそう。
久々。
うん。
うん!うん!うまい。
うまい!ねえ?うん。
うん。
ここはねギョーザもおいしいんですよ。
じゃあ頼みましょうよ。
ギョーザ。
店長。
ギョーザ2人前。
(従業員)はいよ。
イェーイ。
おごりね?ええええ。
こういう店あんまり来ないでしょ?あんまり来ないですね最近は。
来るんですか?うん。
よく来ますよ。
うん?一人で?ええ。
寂しい。
ここはねおいしいからいつもこうやって混んでるんですよ。
分かります。
この味はね。
おいしいもんね。
ああー。
おいしいなこりゃ。
フフフ。
仕事は?はっ?経理部なんだって?うん。
まあ経験ないからね。
ちょっと慣れないですけどね。
恋も仕事も失うとはなかなか悲惨だ。
まだ仕事は失ってませんけど。
フフフ。
池田さんとはホントに友達でいいんですか?しょうがないじゃないですか。
だって振られちゃったんだから。
あなたがあの店に来づらくなるんじゃないかと思いましたが杞憂でしたね。
あなたの神経はずぶといようだ。
それとも何も考えていないのかな?はっ?ちゃんと考えてますよ。
私だって。
どうやってこれから生きていきゃいいのかなとかね。
年齢的にも。
それにもう体力的にも。
まああなたにはあんまり関係ないと思いますけどね。
「バラは美しく咲くのではない」バラ?「一生懸命咲いてるから美しいのだ」何?突然。
『ライムライト』のチャプリンのせりふですよ。
始まった。
まあ肝心なのは生きざまだってことです。
あーあ。
まあすっぴんでも内側から外側ににじみ出るような魅力を醸し出すことですね。
んなこと言ったってどうすりゃいいんですか?まずは素の自分で向き合うしかないんじゃないですか?素の自分ね。
あなたのすっぴんはそこそこ見られるのか?それとも目を背けたくなるようなものなのか?どっちかな?そういうところがへ理屈ですね。
こしょうかけましょか?ああ。
入れてください。
はい。
失礼します。
店長。
ギョーザまだ?すいません。
(碧)だからただのソフレだって。
(みどり)ソフレ?
(碧)添い寝フレンド。
ただ添い寝をするだけ。
(みどり)添い寝?
(碧)うん。
(みどり)えっ?ちょっと。
全然意味が分かんないんだけど。
(昴)何か最近はやってるらしいね。
(みどり)えっ?
(陵)あれでしょ。
眠るまで一緒にいてあげるってやつでしょ。
(碧)そうそうそう。
だからラブホテルに入ったからっていやらしいことはしていません。
(みどり)どうしてそんなことするの?それは…。
好きだからです。
(みどり)えっ!?
(昴)なのに添い寝だけ。
(陵)プラトニックだね。
(碧)俺がまだ高校生だからそういう関係にはなれないって。
彼女が。
あのう。
すごく真面目な方なんです。
(みどり)あのねラブホテルに連れ込んでおいて真面目も何もないでしょ。
ねえ?あの人幾つ?あんたより全然年上っぽかったけど。
(碧)だから何?俺さ年上の人といると落ち着くんだよね。
(昴)年上好きか。
(みどり)どこがいいの?
(碧)同年代の女の子ってさ何か自分のことしか考えてないっていうかさ。
まあ振り回されることが多いけど年上の人って包容力があるんだよね。
(昴)うわ。
何か分かる気がする。
(みどり)でもさ。
でもさ周りの人が見たらさそれ何て思われるか…。
(碧)そんなの関係ないよ。
そこに愛があればいいんだよ。
2人の問題でしょ。
愛。
(昴)俺もそう思う。
周りがとやかく言ったってしょうがねえよ。
2人が愛し合ってるならどんなに年の差があっても俺は応援するぞ。
(碧)ありがとう。
(陵)俺も応援する。
世間体なんてくだらないよ。
ねっ。
(昴)ああ。
そうだ。
でもさ大人になるとそんなに単純にいかないんだよ。
(昴)大人って。
碧。
まだ高校生だけど。
あっ。
碧ね。
(一同)うん。
(みどり)そうそうそう。
碧。
碧。
碧君ね。
(昴)大人になったな。
碧も。
(みどり)ちょっと。
(みどり)ちょっとすいません。
もしもし?
(沢田)あっ。
沢田です。
その後どうですか?碧君は。
(みどり)ええ。
(沢田)あのう。
急で申し訳ないんですけど今からちょっとだけ出られませんか?近くまで来てるんです。
(みどり)えっ…。
(沢田)すいません。
こんな時間に。
(みどり)いえ。
(沢田)その後どうなってるかどうしても気になって。
(みどり)好きみたいです。
(沢田)えっ?
(みどり)年上の女の人のこと本気で好きになったみたいで。
うちの子。
(沢田)ああ。
(みどり)笑っちゃいますよね。
子供だからまだ分かってないんです。
年の離れたカップルがどう思われるかってこと。
(沢田)どう思われるんですか?いい年して若い男にうつつを抜かしてバカみたいって思われるんです。
(沢田)本人同士が好きだったら問題ないんじゃないんですか?子供たちもそう言ってました。
あっ。
私そろそろ戻らないと。
(沢田)ああ。
お送りします。
(みどり)あっ。
大丈夫です。
失礼いたします。
(沢田)みどりさん!
(沢田)俺みどりさんのことが好きです。
(沢田)みどりさんは俺のこと嫌いですか?
(みどり)嫌いなわけじゃないです。
でも私の一番大事なのは子供たちだから。
それでもいいです。
おやすみなさい。
《あなたのすっぴんはそこそこ見られるのか?》《それとも目を背けたくなるようなものなのか?》《どっちですかね?》あっ。
ちょっといい?あのう。
ちょっと聞きたいんだけど。
(玲子)何でしょうか?この前のカメラマンのことなんだけど。
(武司)そうそうそうそう…。
はい。
(武司)はい。
じゃあちょっと休憩。
(武司)いいね…。
(女性)ありがとうございます。
(武司)いい恋愛してんの?次も頼むね。
(武司)何?こないだの続きでもしたくなった?聞きたいことがあったから来ただけ。
このメール。
あなたがやったんでしょ?
(武司)ああ。
それあんたの会社の人にもやたら聞かれたけどさ俺じゃないよ。
えっ?
(武司)そんなカッコ悪いことするかよ。
でも…。
これもあったんだけど。
何か知ってるんでしょ?教えてよ。
(武司)何?あんた何か困ってんの?仕事外された。
(武司)ふーん。
何か知ってたとしてさ俺があっさり教えると思うの?あなたそこまで悪人じゃないでしょ?
(武司)あんたに何が分かんの?写真見れば何となく分かる。
根っからの悪人じゃないってことが。
(武司)根っからのお人よしだなあんた。
お願い。
本当のことを教えて。
(亮介)あっ。
中原さん。
ちょっといい?
(沙織)何ですか?会議室借りていい?
(美和)あっ。
はい。
来て。
(沙織)何ですか?いきなり。
単刀直入に聞くけどこのメール立花さんが送ったんでしょ?
(沙織)誰に聞いたんですか?カメラマンから写真買ったんでしょ?
(沙織)だとしても私が送ったっていう確実な証拠はないですよね?フリーメールから送ってたとしたら警察でもないかぎり調べられないわけですし。
じゃあ違うってことか?
(沙織)はい。
そっか。
うん。
立花さんが違うっていうふうに言うんだったら…。
うん。
信じます。
ごめんね。
忙しいのに呼んじゃって。
失礼しました。
偽善者。
えっ?そういうとこが嫌い。
大嫌い!だからやったんです。
これでいいですか?この際だから言いますけど中原さんっていつまでも女でいようとしてて痛いんですよ。
いいかげん諦めておばさんらしくしたらどうですか?じゃないとバカな若い男がだまされてこっちが迷惑するんです。
諦めておばさんになれってことか。
そうです。
《まずは素の自分で向き合うしかないんじゃないですかね》分かってますよ。
えっ?人はねいろんな生き方があるの。
若さとか関係なく女は女であるべきだって思ってる。
若さには張り合えないからこそせめて大人の魅力くらいは持ってなきゃいけないって思ってる。
じゃなきゃさ立花さんだってこれから年を重ねることが楽しみにならないでしょ?奇麗事言わないでください。
・
(ノック)
(純一)中原。
(純一)どうした?何かあったの?ううん。
何にもない。
あのう。
今ちょっと相談受けてただけだから。
そう。
ならいいんだけど。
何でですか?何が?社長に言えばよかったのに。
立花さんだって言ったでしょ?証拠がないって。
ごめんね。
ホントに。
ありがと。
(亮介)何かあったんですか?うん?何にもない。
何にもない。
あのう。
ちょっとね立花さんにちょっと言い忘れたことがあったから。
仕事の邪魔してごめんね。
じゃあ。
(純一)例のカメラマンから君とは何もなかったという確認が取れた。
えっ?
(純一)社内の調整がまだだからすぐにMC部にってわけにはいかないが。
よかった。
(純一)それと。
高山先生からご指名があった。
ご指名?
(純一)あれ?聞いてない?連絡があったんだ。
高山先生から。
君を担当に戻してくれって。
君の理解不能な言動は予想もつかない方向にアイデアを広げてくれるんだって。
・
(賢三)いらっしゃい。
あっ。
いない。
(賢三)ああ。
ついさっき出てったところですよ。
何かねあきの橋の方に散歩に行くって。
分かりました。
ありがとうございます。
(賢三)はいどうも。
高山さん!あっ!?あっ!すいません。
またハイヒールなんて履くから。
確かに。
走るには何か向いてないです。
で何の用ですか?あっ。
そうだ。
あのう。
社長から聞きました。
担当を私に戻してくれっていうふうに言ってくれたみたいで。
ありがとうございます。
いや。
別にあなたのためにやったわけじゃありません。
いや。
そうですけど。
でも…。
ありがとうございます。
じゃあ失礼します。
おやすみなさい。
2015/11/26(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>オトナ女子 #07[字][デ]
「負け女からの逆転」
篠原涼子 吉瀬美智子 鈴木砂羽 谷原章介 江口洋介ほか
詳細情報
番組内容
亜紀(篠原涼子)を心配して温泉宿まで駆けつけた高山(江口洋介)。酔って寝ている亜紀を見て、そのまま立ち去ろうとするが…。翌日、萠子(吉瀬美智子)と電話をした亜紀は、高山が亜紀のメッセージを見て店を飛び出して行ったことを聞く。亜紀は、駆けつけてくれたと聞いた、と高山を問いただすも、「妙な誤解をしているんじゃないか」と言われてしまう。するとそこに池田(平山浩行)がやって来て…。
番組内容2
一方、萠子の店には、連日、田代(丸山智己)が来ていた。嫌がる萠子をよそに話し続ける田代。すると、一度だけでいいから一緒に飲みに行ってくれたらもう来ないと言い出し…。
その頃、みどり(鈴木砂羽)は沢田(千葉雄大)から、次男・碧(矢部昌暉)が年上の女性と腕を組んで歩いているところを見た、と連絡を受ける。後日、バイト終わりの碧をこっそりつけたみどりは…。
番組内容3
ある夜、亜紀は高山に、別の部署に異動して悪戦苦闘していることを話す。その後、高山の話を聞いた亜紀はある決意をして…。
出演者
中原亜紀: 篠原涼子
大崎萠子: 吉瀬美智子
坂田みどり: 鈴木砂羽
栗田純一: 谷原章介
高山文夫: 江口洋介
工藤美和: 市川実和子
立花沙織: 平山あや
前川亮介: 吉沢亮
沢田健太: 千葉雄大
池田優: 平山浩行
山岡伸治: 斎藤工(友情出演)
霜田賢三: 池田成志
他
スタッフ
【脚本】
尾崎将也(『結婚できない男』『梅ちゃん先生』他)
【プロデュース】
中野利幸(フジテレビドラマ制作センター『ディア・シスター』『ラスト・シンデレラ』他)
【演出】
田中亮(フジテレビドラマ制作センター『医龍4』『ラスト・シンデレラ』他)
関野宗紀(『ディア・シスター』『医師たちの恋愛事情』他)
【主題歌】
中島美嘉「花束」
【制作】
フジテレビジョン
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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