(トランペット)
(蝶子)今日も繁盛しますように。
たのんまっせ。
(お多福)蝶子はんせいだい働きようようしまつして…。
ついに関東煮屋を開きました。
女将熱かん。
は〜いただいま。
はいいらっしゃいませ!お好きな席座っとくなはれ。
はい。
よっ。
(らっきょ)ビール。
それと竹の子もらおか。
へえ。
あんた竹の子。
(柳吉)ちょっと竹の子切れてまんねんけどな。
…さよか。
ほな結構です。
すんまへんなあ。
うちの人愛想なしで。
ほな。
はい!何や夫婦かいな。
へえまあそないなようなもんで。
えらい訳ありみたいやな。
興味津々でんなあ。
新聞記者やもんで。
あらほなうちの宣伝記事書いとくなはれ。
(らっきょ)そら女将のサービス次第やな。
ほな気張らんとあきまへんな。
フフフフ。
蝶子はんの明るい接客が受け柳吉はんのお料理もさすが食い道楽の面目躍如でなかなかのもんと店はよう繁盛しとります。
残りもんで堪忍や。
(種吉)残りもん上等やおおきに。
晩に皆で食わしてもらいまっさ。
ま皆いうてもお母ちゃんと2人やけどな。
信一材木屋でしっかり奉公してるやろか。
あいつのこっちゃうまい事やってるやろ。
そういうたらなあそこの旦さん死なはってな。
え河童のおっさんかいな?ああ。
そらまにぎやかな葬式やったで。
若いめかけぞろぞろ出てきた。
フフ。
ほな今は小河童が旦はんかいな。
そういうこっちゃ。
フフ世も末やな。
ハハハハ。
お帰り。
(お辰)何や蝶子来てたんかいな。
お帰りお母ちゃん。
あのな関東煮の残り持ってきてくれよったんや。
今日の夕飯豪勢だっせ。
あ〜こんなもんよりお金持ってきてくれへんか。
お父ちゃんにええ材料仕入れさせたいねや。
わいは何もそんな事言うてへん。
悪いこっちゃけどなお母ちゃん。
店の稼ぎは皆あの人一人前の男にするためのお金や。
誰にも恥じる事のない立派な商売人になったて梅新のお父さんに見せなあかんのや。
ハッ。
何が一人前や!あんたが一人稼いで開いた店の大将に納まってるだけやないか。
あの人はな計算が早いんや。
それに代書がでけるぐらいに達筆なんや!もうけんかやめときて!けんかしたかて腹減るだけやろが。
すんまへん。
お〜。
(松川)維康やないか。
松。
鶴やん。
(鶴田)久しぶり。
そやな。
何や食いもん屋始めたとは聞いてたけどここかいな。
お前らこそ何こないなとこでうろうろしとんねん。
たまには花月で落語でも聞こうか言うてな。
そら結構やな。
ああなあ。
うん?うちのもんと会う事あるか?どないな様子や。
なんぞ変わった事あれへんか?何やまだ家に未練でもあんのんか?てっきり好きでこないなでたらめな暮らししてんのやと思うてたで。
でたらめちゅう事はないやろ。
おやじがどない言うたかてわいは嫡男や。
家の縁は切れへんわい。
何や?
(番頭)ほな行て参じます。
(定七)へえ早うお帰りやす。
(一同)早うお帰りやす。
えっ…。
若旦さん…?どういうこっちゃ。
はあ…。
藤子の婿取り話が進んでるてどういうこっちゃ言うてんねん!何が何でもわいをのけもんにする気か。
ええ!おい!ついてきなはれ。
どうもお待っ遠さんでございます。
ゆっくりお話しできはりましたやろか。
(藤子)へえおかげさんで。
藤子…。
(桐介)こちらは?兄です。
お兄さん?あ〜例の勘当されはったお人だすか。
どちらさんで?こちら船場の鳳堂さんの次男さん。
いとさんの婿にお迎えするお方だす。
初めまして。
(番頭)ちょうど今日がお二人の顔合わせやったんだす。
びっくりしますがな。
ここの料理人さんがちゅう房から出てきはったと思た。
何やミナミの方で店やってはるとか。
関東煮屋や。
関東煮…。
アハハハハえらい奔放に生きてはりまんな。
私らとてもまねできゃしまへんわ。
羨ましい限りだす。
まご心配なく。
お兄さんに代わって私が維康商店を仕切りますよって。
せいだい関東煮屋繁盛しますように。
(番頭)若旦さん若旦さん!何や!あんさんはお堅い家にはなじまんお人だす。
そないな家に生まれたんはホンマ因果なこっちゃ思います。
そやけどわても番頭として店を守らんなりまへん。
堪忍しとくれやす。
はいお待っ遠さん。
あ〜いらっしゃいませ。
そこどうぞ。
ビール頂戴。
へえ。
女将ビールまだか?はいただいま。
たこ頂戴。
たこ?たこはすんまへん。
今日はおまへん。
え〜。
ホンマどこ行きよったんやろな大将。
どこでっしゃろなあ。
心当たりあれへんのかいな。
らっきょさん取材やったらお断りでっせ。
失礼しました。
ホンマどこ行きよったんや。
それっきり柳吉はんは何日も帰ってきませんでした。
(小河童)おら!もっときびきび働かんかい!
(一同)へい!わいを誰や思てけつかんねや。
河童横丁一の材木屋のあるじやぞ。
あの人なもう7日も帰ってけえへん。
(信一)7日…そら長い。
セミやったら死んでるとこや。
ちゃかさんといて。
すんまへん。
あんた梅新へ様子見てきてくれへんか?謹んでお断りします。
何で?そないなとこ行ってもし別れる気の先方に顔でも見られたら気ぃ悪いやろ。
あの人別れる気やろか。
僕に聞いたかて知らんがな。
女心の分からん子やな。
ほな女心の分かるお母ちゃんに話しいな。
お母ちゃんはもっと分からん。
わての顔見たらあの人の悪口かお金の無心なんやさかい。
そらもっともな母心や。
え?お金で苦労してきた人やさかいな。
娘が柳吉はんみたいな人に振り回されてんのはそら気に入らんで。
(おきん)・「待てど暮らせど来ぬ人を」・「宵待草のやるせなさ」おきんさんやめてえな。
何や人のうちに押しかけといてわてがわてのうちで何歌おうが勝手や。
・「今宵は月も出ぬそうな」
(三味線と太鼓)
(草楽)ハハハハハ…。
ハハハハハ…。
ハハハハハハ…。
(トランペットの音と笑い声)
(トランペットの音)
(三味線と太鼓)おう。
おいちょ…ちょい待て。
ちょい待ちい。
待てやおばはん。
蝶子。
何?一遍別れよや。
いやいや待ちいな。
ホンマに別れる訳やあれへんで。
梅新行ってな毎日おやじに膝詰めのじか談判しとったんや。
「藤子に婿養子取らせんのはええ。
わいが廃嫡になんのも道理や。
そやけどな廃嫡になろうがならんでももらうだけのもんはもらわんと納得がいかん」とこない言うてな。
てこでも動かなんだ。
でその前におやじが言う事にはな…。
お父さんの言う事には?気にしたらあかんで。
「あないな女と一緒におるようなやつに金渡したかて死に金同然や。
結局女にだまされて取られてまうのが落ちや。
金が欲しいんやったら女と別れえ」とこうや。
嫌や!いやいやそこでな…。
そこで一番芝居を打つこっちゃ。
芝居?「別れた。
女も別れる言うとります」とこんなん言うておやじうまい事だましてもらえるだけのもんもろうたろ。
どないして?明日な店のもんがここに来るさかい「別れまっさ」ときっぱり言うたってほしいのや。
え?そやから芝居やで。
ホンマの気持ちで言うこっちゃあれへん。
そやろ?そやけど…。
心配すな。
金さえもろたらなわいもじきに戻ってくるがな。
ほな一遍家戻らな。
(戸の開閉の音)どうぞ当てて下さい。
いや結構だす。
若旦さんから話は聞いてます。
きっぱりと別れる気ぃにならはったそうで。
まあ今更婿養子の話はなしにはできまへんけど若旦さんが心入れ替えはんねやったら結構な事だす。
何でっか?若旦さんがぐずぐずはっきりせなんだばっかりにあんさんにもご迷惑をおかけしました。
手切れ金というたら聞こえは悪いかもしれまへんがどうぞ納めとくなはれ。
手切れ金?これあの人が?いえこれはわてが独断で。
帰っておくんなはれ。
は?帰っておくんなはれ!わてはあの人と日本一の夫婦になりまんねん!別れる気ぃなんぞこっから先もあらしまへん!
(セミしぐれ)あんた。
あほんだら。
お前のせいで何もかんもめちゃくちゃや。
そうかてな…。
そうかて…番頭はん手切れ金みたいなもん持ってきはったんやで。
わて…それもろてしもたらそれっきりあんたと縁が切れてまうような気ぃして…。
しょうもない。
それもろたらわいのもろた金と二重取りでええやないかい。
ちょっとは欲出さんかいや。
すんまへん。
あんた…もうどっこも行かへん?金ももらえへんかったんやからどこにも行きようあらへんやないか。
よかった。
よかった。
柳吉はんが戻って半年ほどたちました。
お待っ遠さん。
残念やなあ。
あのまま失踪しとってくれたらなんぞおもろい記事書けたのに。
らっきょさんいつまで言うてなはんのや。
(戸が開く音)信一。
どないしたんや?珍しい。
えらいこっちゃ。
お母ちゃんが倒れた。
お医者さんに診てもろたらえらい悪いみたいや。
何してんねん。
はよ行たれ。
うう…。
(戸が開く音)蝶子。
お母ちゃん!あほ。
蝶子には言うな言うたやろ。
そないな訳にいきまっかいな。
お母ちゃん大丈夫か?苦しないか?こんなもん何十年の貧乏暮らしに比べたら痛い事もかゆい事も…。
お母ちゃん!お辰悪い事言わへん入院しよ。
あほな事言いな。
どこにそないな金があんねん。
お金やったらわてが…。
(お辰)あかん!…蝶子。
お母ちゃんに切ったたんか忘れたとは言わさんで。
柳吉はんを一人前にすんのやろ。
はよ帰り。
お母ちゃんはあんたを当てにする気ぃはあれへん。
(ラジオ出囃子)あ〜もう今日は看板でっせ。
あの…ちょっとええか?お松。
おおはよ座れ座れ。
何やどないしたんや?今日はそないにめかし込んで。
やっぱり知らなんだんか。
何がやねん。
今日藤子さんの婚礼やったんや。
それいけんで。
店同士のつきあいがあるからなわいらも一応祝い言いに行てきた。
さよか。
おお…。
おっ。
そやけど殺生やな。
なんぼ勘当や言うたかてやで妹の婚礼にくらい呼んだかて罰当たらんやろ。
別にどうでもええわい。
・
(藤子)お父さん。
(半兵衛)うん。
おかげさまで無事に婚礼が終わりました。
そうか。
お父さん私が身内になりましたからには何もご心配なさりませんよう。
維康商店は安泰だすよってどうぞ安心して養生に専念しておくれやす。
たのんまっせ。
へえ。
失礼致します。
(戸が開く音)ただいま。
お帰り。
どやった?うん…思たより元気そうやったわ。
さよか。
信一が大げさやねん。
お店どやった?一人で切り回せたんか?
(倒れる音)あっ…。
あんた!あんた!あんた!痛痛たたた…。
え!どこ?痛い!痛い!あんた!あんた!
(ベル)
(医者)腎臓結核でんな。
当分入院してもらわんと命の保証できまへんで。
いずれ手術もせんなりまへん。
あの…。
お金はなんぼほどあったら足りますやろか?病院代は怖いほどにかさみ蝶子はんはやむなく店を売りました。
(三味線と歌声)おきんはんから100円借りて夜はまたヤトナに出たけども「焼け石に水」。
お金はな〜んぼあっても足りまへんでした。
どうぞおたの申します。
たくさんとは言いまへん。
もうやめておくんなはれ。
おたの申します。
このままやったら手術かてでけしまへん。
どうかどうか…。
そらでけん相談だす。
好き勝手して家出ていかはったお人が病気になった。
それで何でうちの大事な金をやらんとあきまへんのや。
くれとは言いまへん貸しておくなはれと…。
そないなもん当てにできますかいな。
こない言うたらあれだすけどな自業自得だす。
この家の身代は私が預かっとります。
あなた方には指一本触れて…。
指一本触れてほしないのはこっちのこっちゃ!言うときますけどな人の生き死にが懸かってるのにそないな言いぐさ…。
ろくな死にようしまへんで!わ〜。
どこや?おばはん!どこ行ったんやあいつ。
(戸が開く音)おい…。
(文子)お父ちゃん!文子…お前どないしたんや?叔母ちゃんが連れてきてくれはったんや。
そうか。
大丈夫?お…どうっちゅう事ないわピンピンしとるわ。
こんなみすぼらしい格好やけどな。
なお父ちゃん。
うん?いつ家に帰ってきはんの?すぐに帰ってきはるわ。
ホンマ?文子ちゃん叔母ちゃん喉渇いたわ。
看護婦さんに言うてお茶もろてきてくれるか?ええよ。
勝手な事ぬかすなや。
こないな事になってまだ何を言うてはりますの。
どうせわいのおった場所にはあのけったくその悪い養子がおるんやろがい。
うちには戻れんでもせめてお父さんのお怒りが解けたら文子ちゃんとは暮らせるかもしれんやおまへんか。
そのかわり蝶子とは別れえ言うんやろがい。
(ベル)去ね!とっとと去んであのけったくそ悪い養子とちちくり合うとけ!そうだすか!ほなもう金輪際帰ってこんで結構だす!お兄さんがおらんかて誰も困りませんさかい!叔母ちゃんホンマにお父ちゃん帰ってきはるやろか。
腎臓のご病気が治ったらな。
あの…。
維康商店のいとさんやおまへんか?長い事挨拶も致しませんで。
いえ…。
叔母ちゃんはよ行きましょ。
こないな事して頂く訳には…。
お姉さん…。
お姉さんの苦労はお父さんもこのごろよう知ってはります。
「よう尽くしてくれとる」。
こない言うてはります。
(文子)叔母ちゃん!ほな。
おおきにありがとうございます。
おおきに。
あんた起きてるか?寝てんのんか。
(ノック)維康さんお電話が入ってます。
へえ。
こちらです。
すんまへん。
もしもし。
・
(信一)お姉ちゃん。
信一。
・お母ちゃんが…もうあかんかもしれん。
あんたお母ちゃんが危篤や。
行てくるさかい。
水くれ!え?水や。
おばはん水くれ。
わてお母ちゃんとこ…。
水!親が大事か…わいが大事か…どっちやねんおばはん。
水や!はよ持ってこんかい!お姉ちゃんすぐ来るで。
蝶子…。
わてに構わんと…維康さんとこ行たり。
病院で御飯炊きも不自由なこっちゃろ。
うちで…重湯やらほうれんそうやら炊いて持って帰りや。
蝶子…。
蝶子…。
(お辰)蝶子…。
蝶子…。
(ノック)
(看護婦)お電話入ってますよ。
…はい。
(ドアが閉まる音)・「世間渡らば豆腐のように」どないや?柳吉はんの具合。
うん手術はうまい事いったわ。
もうすぐ退院でける思う。
ああそらええあんばいや。
お見舞い金や。
いや…そないな事…。
いやこれお父ちゃんから違う。
お母ちゃんからや。
お母ちゃんなこっそり郵便局の保険入っとった。
でな葬式に来てくれはった人らに山菓子出してで香典返しの義理果たしたら200円ほど余ってな。
これその半分ぐらい。
このお金であんじょう柳吉さんの養生したれってそういうこっちゃ。
わて…。
わていうたら…どんだけ親不孝なんやろな。
お母ちゃんはこないにわての事思てくれてんのに…。
あほ。
親が子を思うのは当たり前や。
蝶子は…まあええ年になったけどなお母ちゃんにしてみたらいつまでも子どもやったんやで。
おおきに。
こちらでございます。
柳吉はんは湯崎温泉で出養生する事になりました。
費用は蝶子はんがヤトナで稼いで仕送りです。
よ〜っ!こない言うたら何やけど…まあ一人の男のためにようやりますわ。
お待たせしました。
小河童!小河童言うな。
どういうこっちゃ?見て分からんか?わいがこの座敷借り切ったんや。
ハハ。
またそないな見え張って。
やかまし。
はよ酌せえ。
へえへえ。
どうぞ。
飲みようがあさましいねん。
ほんまもんのぼんぼんちゅうもんはなどないな場末の店でも悠々と…。
おいこらど貧乏。
誰がど貧乏や。
ヤトナみたいなもんよりなもっと割のええ仕事があんで。
何や?めかけや。
わいがめかけにしたる言うてんねん。
何や…不満なんか?え?ああれか!正妻やないと不満なんか!ど厚かましいやっちゃな。
わいを誰や思てけつかんねん。
小河童。
そやから小河童言うな言うねん。
知ってるやろ?わてには心に決めた人が…。
あんなやつのどこがええねん!とっくに梅新の家勘当されてんねやろ。
お前に稼がして食わさして何もかも面倒見さしといて…。
あげく…親の死に目にもあわさんてな極悪非道やないかい!おおきに。
え?
(三味線)・「顔見りゃ苦労を忘れるような」・「人がありゃこそ苦労する」そういうこっちゃ。
お前はすっかり貧乏こじらせとんな。
死ぬまで治らへんかも分からんわ。
ん!おはようございます。
ああおはようさん。
あっ旦那はんとこ行くんか?へえ。
わての仕送りでは宿の払いが精いっぱいでっしゃろ。
せめてあの人の好きな出雲屋のまむしやら戎橋の昆布やら食べさしてやりたい思いまして。
そら精つくしええがな。
郵便小包かてばかにならん。
あんたが持っていって顔見せたるのが一番やで。
おおきに。
行ってらっしゃい。
行ってきます。
・
(宴会で騒ぐ声)こちらでございます。
・
(騒ぐ声)こちらで。
え?さどうぞ。
お入り下さい。
へえ…。
(騒ぐ声)あんた!これどういうこっちゃ?あんた…毎日魚釣りして寂しく暮らしてんのと違たんか?ほな失礼致します。
待ってんか!いつからこないな調子ですのんや?いや…あの…。
答えなはれ!1週間ほど前から…毎日。
1週間!?そないな金がどこから湧いてきましたんや!?タバコ代にも事欠いてるはずでっせ!大阪の梅田新道いうとこへちょいちょい電話してはりましたけど。
梅田?あんたまさか…。
藤子に…妹に無心したんや。
妹さんにて…。
あほ!台なしやないかいな!何がやな!わてはな…わては自分の腕一つであんたを出養生させてんのや!そやからこそヤトナしてしまつしてこの襟の垢染みんのもいとわん。
苦労のしがいがある。
梅新のお父さんにも胸張れる。
それを…妹さんに無心なんぞしてくれてわての苦労も水の泡やないかいな!何をむすっと黙ってんのや。
言い分があんのやったら言いなはれ!フン…。
何や!言い分なんぞない!お前の言う事がもっともや。
そやけどな…わいはお前のそのもっともな言いようが気に食わんのや。
はあ?「わてが働いてます。
わてが食わしてます。
わてが養生さしてます。
身ぃ粉にして尽くしてます」。
己のかい性の上にどっかり腰据えて偉そうにもの言うてんのが気ぃ食わん言うとんねんじゃ!ようそないな事…そのわてのかい性を…。
ああそやそやそや!お前のそのかい性をさんざん食いもんにしてきたわいが言う筋のこっちゃないわい。
筋やない事を…言わしてんねや。
お前が言わしてんねや。
何であん時手切れ金受け取らへんかったんや。
金もろて別れたらよかったやないかい。
その金でお母ちゃん助けたったらよかったやないかい!ようそんなひどい事…。
うっうっ!う〜!う〜!最初っから苦労せえへんわ。
そないな事でけたら…。
最初っから…。
(泣き声)しゃあないやないか。
わいは男やねん。
ややこしい家に生まれた…ややこしい男やねん。
(泣き声)別れりゃそれで済むものを別れられへんあほ2人。
蝶子柳吉2人の道行きまだまだ見守ったっておくなはれ。
勝手に死にさらせ!このくそおやじ!出ていきなはれ!たかが場末の安カフェーやおまへんか。
文子ちゃんの事引き取らはったら?アハハハハハハ!とんだ笑いぐさでっせ。
おい何で蝶子を連れていけへんねん。
日本の魂米のうまみを最大限引き出した…2015/11/27(金) 01:08〜02:06
NHK総合1・神戸
JOBK放送開始90年アンコール 土曜ドラマ 夫婦善哉(2)[解][字]
蝶子(尾野真千子)と柳吉(森山未來)は関東煮屋を始め、二人で精を出す幸せな毎日が訪れるが、柳吉の妹藤子(田畑智子)が婿養子(大東駿介)を迎え、最悪の天敵が現れる
詳細情報
番組内容
蝶子(尾野真千子)と柳吉(森山未來)は、関東煮屋を始める。2人で精を出す毎日が蝶子は幸せだったが、柳吉は妹・藤子(田畑智子)が婿養子・桐介(大東駿介)を迎え、父・半兵衛(岸部一徳)が完全に自分を切り捨てたことを知る。さらに、蝶子の母・お辰(根岸季衣)が倒れ、柳吉も腎臓を患って入院。手術代がかさみ、蝶子は店を売りに出す。母の死に目にも会えず、再びヤトナで働く蝶子のもとに父・種吉(火野正平)が現れる。
出演者
【出演】森山未來,尾野真千子,火野正平,岸部一徳,田畑智子,大東駿介,平田満,青木崇高,茂山逸平,桂吉弥,麻生祐未,草刈正雄
原作・脚本
【原作】織田作之助,【脚本】藤本有紀
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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