これからも楽しく体操を続けましょう。
それではこのあともどうそお元気にお過ごし下さい。
3時になりました。
ニュースをお伝えします。
20年前に起きたオウム真理教による東京都庁の郵便物爆破事件で、殺人未遂のほう助の罪に問われた菊地直子元信者に2審の東京高等裁判所はテロ行為を認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残るとして、1審の懲役5年の判決を取り消し無罪を言い渡しました。
判決の言い渡しは先ほど午後3時前に終わり、菊地直子元信者は、現在、裁判所の地下の部屋で弁護士と面会しているということです。
オウム真理教の菊地直子元信者は、平成7年に東京都庁で郵便物が爆発し職員が大けがをした事件で、爆薬の原料の薬品を教団の元幹部らのもとに運んだとして殺人未遂のほう助の罪に問われました。
事件後に特別手配され3年前に逮捕されるまで逃亡を続けていて、裁判では無罪を主張しましたが、1審の裁判員裁判で懲役5年の判決を言い渡され控訴していました。
きょうの2審の判決で東京高等裁判所の大島隆明裁判長は、1審で有罪の根拠となった教団の元幹部の井上嘉浩死刑囚の証言について、不自然に詳細かつ具体的で信用できないと指摘しました。
そのうえで、教団の実行犯が人を殺傷するテロ行為を行うことを菊地元信者が認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残ると言わざるをえないとして、1審の判決を取り消し無罪を言い渡しました。
判決の言い渡しは午後3時前に終わり菊地直子元信者は、現在、裁判所の地下の部屋で弁護士と面会しているということです。
菊地元信者のほかに特別手配されていたオウム真理教の元信者のうち、高橋克也被告は1審で無期懲役の判決を言い渡され控訴しているほか、平田信被告は1審と2審で懲役9年の判決を言い渡され、上告しています。
きょうの2審の判決について、東京都庁の郵便物爆破事件で指を失う大けがをした元職員の内海正彰さんは、菊地元信者は長年逃亡生活を続けていて罪の意識を十分持っていたはずです。
無罪判決はそういった事実を法廷という場でしっかりと立証できなかったということで誠に残念ですと話しました。
判決のあと菊地元信者の弁護士は取材に対し、すばらしい判決だと思いますと述べました。
そして菊地元信者の弁護士は、このあと午後3時過ぎから記者会見することになりました。
それでは東京高等裁判所前から中継です。
午後1時半から始まった判決の言い渡しは先ほど終わりました。
グレーのスーツ姿で法廷に入った菊地元信者は、証言台の前に立つと硬い表情で真っ直ぐ裁判長を見ました。
そして無罪が言い渡されると、身じろぎせず立ったまま静かに聞いていました。
法廷には地下鉄サリン事件の遺族の高橋シズヱさんも傍聴に訪れていて、判決が言い渡されると傍聴席からはざわめきが上がりました。
菊地元信者は、涙を流しながら判決の理由を聞いていて、言い渡しが終わると深く一礼して法廷をあとにしました。
菊地元信者は、17年にわたって逃亡を続けましたが司法の判断は事件への関わり方を考えると罪には問えないという結論になりました。
それではスタジオ、社会部の清永デスクに聞きます。
なぜ2審の東京高裁の判決は一転して無罪となったのか教えてください。
大島裁判長は次のように指摘しています。
教団の実行犯が人を殺傷するテロ行為を行うことを認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残る。
おそらくポイントはこの認識ということばだと思います。
どういうことかといいますと、裁判の中で菊地元信者は、爆薬の原料の薬品を教団の元幹部のもとに運んだということが罪に問われたんです。
弁護側は運んだこと自体を認めているんですね。
ただそれが爆弾に使われるものとは分からなかったということで無罪を主張しているんです。
そしてきょうの判決は、爆弾に使われる認識があったとは言えないと判断されたことになるんです。
それから判決の言い渡し先ほど終わったんですが、この中では、1審は当時、地下鉄サリン事件があったことなどから社会で事件を起こすことがありうると認識していたということも根拠の1つにしたんですが、きょう大島裁判長はこうした推論は積極的とは言えないと判断したというふうに指摘しています。
さらに当時のオウム真理教という教団の内部の状況についても指摘しています。
当時オウムというのは外の世界と隔たった施設が置かれていて、こういう中で生活をしていた信者の立場を考慮すると、事件についてあらかじめ認識することはできたかどうかは疑問だと述べているんです。
あともう1点、菊地元被告の裁判では、いわゆる上司だった井上嘉浩死刑囚が1審の段階で証人として証言しています。
この中では、菊地元信者が爆薬の原料を運んでいた際に逮捕されたら終わりだという趣旨の話をしていたなどと証言していて、これはいわば検察側の主張に沿う内容だったわけです。
しかし、きょうの判決というのはこうした証人の証言も退けて認識はなかったという結論を導き出したのです。
改めて今回のこの事件そして裁判の経緯のポイントをまとめてください。
オウム真理教による一連の事件では200人以上が起訴されたわけなんですが、この中で菊地直子元信者は教団では陸上競技部に所属をしていわば教団の広告塔としての役割も担わされていました。
そして地下鉄サリン事件などのあと全国の教団施設に一斉に警察の強制捜査が入ったあと姿を消し特別手配されていました。
そして平成18年ごろからは横浜市の会社で知り合った男性と神奈川県相模原市などで一緒に生活していたことが明らかになっています。
ここでは櫻井千鶴子という偽名で介護施設の会社で働き訪問介護の仕事もしていました。
裁判では無罪を主張していたのですが1審は懲役5年を言い渡していました。
それから今1つ情報が入りました。
判決の最後に大島裁判長は菊地元信者を証言台の前に立つように促し次のように述べました。
審理した結果、故意がないということで法律的には無罪となりました。
ただし客観的にはあなたが運んだ薬品で重大な犯罪が行われ、指を失った被害者は出ています。
客観的には重大な犯罪があって大きな被害が出ていると述べています。
あなた自身が分からなかったとしても教団の犯罪を生んだことを心の中で整理してほしいと思いますとことばをかけて法廷を終えたということです。
大島裁判長はこの中で、事件としての重大さを指摘したうえで法律的には無罪であったというふうに述べたというふうになります。
菊地直子信者の今回の無罪判決につきまして東京渋谷で聞きました。
これだけ騒がせて事件の社会的影響も大きいので有罪かなと思っていました。
びっくりしました。
複雑な判決ですね。
お伝えしていますように20年前に起きたオウム真理教による東京都庁の郵便物爆破事件で、殺人未遂のほう助の罪に問われた菊地直子元信者に2審の東京高等裁判所はテロ行為を認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残るとして1審の懲役5年の判決を取り消し無罪を言い渡しました。
オウム真理教の菊地直子元信者は、平成7年に東京都庁で郵便物が爆発し職員が大けがをした事件で、爆薬の原料の薬品を教団の元幹部らのもとに運んだとして殺人未遂のほう助の罪に問われました。
裁判では無罪を主張しましたが1審の裁判員裁判で懲役5年の判決を言い渡され控訴していました。
きょうの2審の判決で東京高等裁判所の大島隆明裁判長は、1審で有罪の根拠となった教団の元幹部の井上嘉浩死刑囚の証言について、不自然に詳細かつ具体的で信用できないと指摘しました。
そのうえで、教団の実行犯が人を殺傷するテロ行為を行うことを菊地元信者が認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残ると言わざるをえないとして、1審の判決を取り消し無罪を言い渡しました。
2015/11/27(金) 15:00〜15:16
NHK総合1・神戸
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