ご機嫌いかがですか?「上方落語の会」小佐田定雄でございます。
今回のゲストは2遍目の登場でございます。
タレントの河島あみるさんです。
よろしくお願いしま〜す。
前回出て頂きまして落語好きや言ってたけど。
大好きです。
でもなかなか子どもがちっちゃいのでゆっくり見る事ができないので今日は存分に楽しんで帰りたいと思います。
今日のね登場する桂三金さんと桂しん吉さんまことに多趣味な人なんですよ。
2人とも。
そうなんですか。
特にまず最初に登場する桂しん吉さん。
これは鉄道ファン。
鉄ちゃん。
そうでございますよ。
だからね自分で鉄道をテーマにした落語をこしらえたり電車の中で落語をやったり…こういう事やってますのや。
じゃあ趣味をしっかり仕事に生かしてらっしゃるという事なんですけれどもじゃあ今回のネタも鉄道ネタですか?と思たらね今日は「ふぐ鍋」というお噺なんですよ。
あっ「ふぐ鍋」。
でもまあこれも考えたら「鉄やなあ」言うたりなんかしてね。
ではしんちゃんどうぞお願いします。
(拍手)え〜ありがとうございます。
桂しん吉の方で一席おつきあい頂こうとこういう事ですけども。
え〜だんだんと涼しくなってまいりましてですねまあこれから秋が深まってまいりますと食べるものがまことにおいしい時期でございましてね。
寒くなってまいりますと私個人的に鍋というのが非常に楽しみでございましてね。
まあこの日本人に生まれてよかったなと思う一つでございます。
そのタイミングがね。
まあいろんな鍋があるんでございますけどもこの中でなかなかお目にかかれない鍋ちゅうのもございましてね。
いわゆるこのふぐ鍋ってやつでございます。
てっちりとか申しますけどあれがまあ食卓にパッと出てくるというのを夢では見る事はあるんですけどね。
なかなかほんまに目の前に出てくる事はございませんが。
てっちりとか申しますけどもてっちりとまあ関西では普通に言うておりますがこれは実はしゃれ言葉やそうでしてね。
てっちりというのはしゃれ言葉。
どういう事かっちゅうとこの鉄のちり…鉄のちりでてっちり。
まあふぐの鍋ですよね。
で鉄の刺身てっさ。
これはふぐのおつくりの事を指しますが鉄っていうのがイコールふぐなんですね。
これが鉄とふぐがイコール。
これが一瞬分かりませんがこれは鉄砲の鉄やそうでして。
鉄砲ね。
で何で鉄砲やねん。
これはですね鉄砲はバンと撃ちますと獲物が弾に当たって死ぬんでございます。
でこのふぐというのは食べるとたまにあたって死ぬんでございますね。
だからてっちりとこういうふうに鉄砲というててっちりというそうでございますけども。
あんまりよそで言わん方がええかもしれませんけどもね。
一応こういう事らしいんでございますが。
まあしかし何が魅力か。
ねえ。
もちろんおいしいのはあるんですが毒があるといいますこの毒でございます。
たまにあたって死ぬというぐらい怖いんですけどもまたこのお値段が張るもんでしょ。
ね。
お値段が張って毒があるのを昔は粋がって平気で食べに行く人がおったりなんかしましてね。
そういう人が横手にいてたりしますとあの人かっこええなと映ったようでございましてね。
だからまあちょいちょい粋がって行く人があったりしたそうですが一般的にはすごくやっぱり怖がられてましてね。
テトロドトキシンという猛毒やそうでございますが。
これが天然物しかない世の中。
昔は皆そうでございます。
ふぐというたらイコール毒怖い死ぬとこういうふうに連想がすぐ働いたんやそうでございますが。
それぐらい今よりもちょっと怖がってたいうぐらいの時分の話でございますが。
「こんにちは。
こんにちは」。
「お〜おまはんかいな。
大橋さん。
長い事顔見せなんだがどないした?まあまあこっち入んなはれ」。
「いや〜ご無沙汰を致しまして。
実はねあの田中はんのお供でね温泉巡りをさして頂きましてな」。
「ほう温泉巡りか。
そらよかったな。
どこへ行ってたんや?」。
「あっちこっちいろいろと回らして頂いて。
初めに参りましたんが北海道の…ご存じでございますか?登別温泉っちゅうとこ行てまいりました。
それから白浜へ行きましてね。
で草津から道後へ行て熱海を回って指宿へ」。
「どんな順番やねんおい。
けったいな回りようやな」。
「順番はうろ覚えでございますけどそういうとこいろいろと回ってまいりました」。
「そうかそらよかった」。
「でただいま申しました北海道で私買うてまいりました。
いいえもうつまらんもんでおますけど私わざわざ買うてまいりましたんでよかったらどうぞ」。
「北海道で買うてきてくれたん?えらいすまんな。
へえ〜奈良漬け。
何買うてきたん。
北海道で売ってへんやろ。
え?そこ回ったんかい奈良行った時に。
いちいちこんな気ぃ遣いな」。
「何をおっしゃいますやら旦さん。
もう我々日頃から無事暮らしていけるのは皆旦さんのおかげでございます。
もううちのもんにも始終言うとります。
『旦さんのうちの方へ足向けて寝たりしたらいかんで』。
こう言うております。
そう!旦さんのお写真をねお仏壇ところへ飾りまして線香立ててチ〜ン」。
「そな気色悪い事しいないな。
けどええところへ来たな」。
「ええところっていいますと?」。
「いやこんなもんもろたさかい言うのやないけどもうん今ちょっと奥でな今からこんな事でもしようかいなと思て段取りしてはったんや。
あんた差し支えなかったらちょっと上がって一杯つきあえへんかい?」。
「え!さようでございますか。
私がこちらで一杯頂ける。
さよか。
いやいや私ね今日はこっちでゆっくりさして頂こうと思って参りました。
え?何でございます?差し支え?そんなもんおととし辺りからず〜っとおまへんので。
もう今日はここでのんびりしよう思て参りました」。
「ああそうか。
ちょうどよかった。
ちょっと待ってや。
奥どんな具合や?お〜そうかそうか。
もうちょうどええらしいさかいなほな遠慮せんとこっち上がんなはれ」。
「さようでございますか。
ほんなら失礼を致します。
いや〜しかし何ですな。
こちらいつ寄して頂いてもお座敷がピシッと片づいておりますなあ。
うちらなんかとえらい違いだ。
ごみ箱を蹴倒したみたいになってますんでな。
こら気持ちが違います。
あ〜これはこれは奥様でございますか。
長らくご無沙汰を致しまして。
あらまた今日は一段とおぐしの具合がよろしゅうございますな。
へえ何でございます?私のお土産…。
あほらしい。
大層なお土産ってなもんではございません。
ほん塵結んだようなもんでお礼言うて頂きますとかえって損がいくてな事で。
また相変わらずお美しい。
ダ〜」。
「やかましいなほんまに。
べんちゃらはええさかいそこ座んなはれ。
にぎやかな人や。
まあまあまあ早速やがこれひとついこか」。
「あら!旦さんのお酌で恐れ入ります。
ほんならひとつ頂戴致します。
へえすんまへん。
ほんならお言葉に甘えて。
すんまへん。
お〜っとっとっと。
おおきに。
なら頂きます」。
「あああ〜こらなかなか結構なお酒でございます。
え?いやいやいやいやまあまあまあ…ですか?ほんならもう一杯頂きます。
へえすんまへん頂きます。
あ〜っとっとっと。
へえすんまへん」。
「あ〜。
こらなかなか結構ですな旦さんちなみにこれは何ちゅう銘柄でおました?今のお酒は。
はあ。
清酒…ほう清酒福息子。
なるほど。
はあ〜なかなか上品な感じがしておりますなこれね。
あっ旦さんこれこのわたと違いますの?私これ大の好物でこれさえあったらほか何も要りまへん。
頂きます。
頂戴します」。
「うんうんうんうん」。
「何をやってん?」。
「いやこら結構ですな。
こら上等な。
ちょうどええ塩加減で」。
「まあまあまあなあそら喜んでくれんのはええけどもそんなもんでずっと飲んでられへんがな。
いやあの〜おまはん鍋はどないやな」。
「何でございます?」。
「おまはん鍋は食べるかい?」。
「あっ鍋でございますか。
私あんまり歯は丈夫な方やおまへんねんけど」。
「あんた鍋かじる気かいな。
違うがな。
ここにこういう用意がしてある」。
「最前から気になっておりました。
やっぱりお鍋に限りますな」。
「ああ。
ぬくもるさかいな。
もうぼちぼち出来てると思うけど蓋取ってみよう。
お〜ええ具合に湯気上がったるわ。
もうな鍋は遠慮したらうもない。
どんどんやっておくれ。
わしに遠慮せんと気ぃ遣わんとどんどん箸つけておくれ」。
「さようでございますか。
こちら呼ばして頂いて。
お酒からお鍋まで頂戴できるやなんてこらええとこへ来ましたこれね。
おお〜。
ちょっと旦さん。
今日これどういうご趣向でございます?」。
「え?」。
「今日は一体何のお鍋です?」。
「まあ…何でも構へんがな。
うん。
まあまあ食べたら分かるがな」。
「いや食べたら分かるてなもんでおますけどもう〜大体がこれ何のお鍋?」。
「うん…まあとりあえず食べえな」。
「ええとりあえず何のお鍋?」。
「何を言うてんの。
やったらええがな」。
「いや頂きますねんけども今日はどういうご趣向かいなと思いまして」。
「『ご趣向かいな』て大層に…。
見たら分かるやろがな。
分からん?分からんて言うたかて…。
白菜も入ってるやな。
シイタケも入れてあるしエノキにちゃんと豆腐も入れてあるやろ?」。
「ええ。
お野菜やらお豆腐は見て分かってまんねんけども…。
あっここです旦さん!鍋の真ん中にちらっとこう顔出してますわな。
で私の方こうじ〜っと見てここでニコニコってほほ笑んでおられますけど。
旦さんこここ…これ何でんねん」。
「え?何?あっそれかいな。
そらあの…鉄やがな」。
「えっ?旦さんこれ鉄ですか?鉄てあの?軍艦造る…?」。
「何でやねん。
あんなもんなんぼ炊いても軟らこうならんがな。
あれやん」。
「何です?」。
「あ〜ふぐや…」。
「はい?」。
「ふぐや…」。
「どっか破れてはりまんのか?声漏れてまっせ。
はっきり言うとくなはれ。
聞こえまへんでした。
もういっぺんあんじょう言うとくなはれ。
何ですって?はあはあはあ。
ふ…ふぐ?ふぐ?『ふぐ』てあのふぐ?あっさようか。
それやったら初めから『ふぐ!』と言うてくれはったらええのに『ふ…』てな事言うさかい分からしまへんがな。
なるほどふぐですか。
あ!ちょっと私家に思い出した用事ありますんでここらでちょっと失礼を」。
「おいこらこらどこ行くねん。
最前差し支えない言うとったがな」。
「いえあの差し支えはないんでございますけどもいやあのふ…ふぐと伺いますとちょっとこのご辞退をさして頂きたい」。
「は〜何でや」。
「いやあのまだ食べる時期が早いような気が致します」。
「何を言うてんねや。
こんなもん今早い事あれへんで。
山口行ったら年中食ってんねや。
今から一番うまいねん。
今が旬や」。
「いや〜その時期と違いまして。
私のせがれでございます。
ね?次の春学校卒業致しましてもう旦さんのお計らいで就職先も決まりましてもうありがたい事でございまして家内中大喜びでおましてな。
まあこれも3〜4年もたちますというとぼちぼち生活の方も安定してくるやろと思われますんで。
まあ『破鍋にも綴蓋』てな事言いますんで適当な嫁を持たしてでまあ孫の顔の2〜3人もこう見て『あ〜生きててよかったな』とこない思てからこれ頂戴さして頂きます」。
「そんな時分まで炊いてられへんがな。
今ええ具合や。
今食べたらどないや」。
「いや〜昔から申します。
『ふぐ鍋や鯛もあるのに無分別』てな事言いますんで私のところはちょっとこう…」。
「あんたこれ怖いの?怖いんかいな。
情けないな。
きょう日誰もそんな事言うてへんがな。
あ〜分かった分かった。
わしが請け合うさかいにちょっと食べてみなはれ」。
「いやもう私のところはお酒とこのわたさえあったらほか何も要りまへん」。
「ほんまにもう難儀な人やな」。
「そんな怖い顔しはらへんでもね。
私にお構いなく旦さんどうぞお召し上がりを」。
「まあわしかて食いたいけど気色悪い」。
「ちょっと待っとくんなはれ。
何ですて?気色悪い?」。
「まあまあまあなぶっちゃけた事言うとないやわしもふぐってなもんが初めてでな。
う〜んでこれよそからのもらいもんなんじゃ。
まあまあ確かなとこから来てるさかい間違いはないと思うけどもどうも気色が悪いしな。
う〜ん。
でまあここにふらっと誰ぞが来たらやなまあちょっと食べさしといてうん。
でまああと大丈夫やったら家族で食べようかなってな事今言うてたとこやったんや。
まあまあ遠慮せんと食べなはれ」。
「ちょっと待っとくんなはれ。
ほな私実験台と違います?」。
「まあまあまあそない大きな声出さいでも…。
けどあんたやった事ないんかいなほんまに。
あっちこっち行てるいうて今聞いてたさかいいける思うたがなこれな。
う〜んこれええ具合に炊けてはんのに手つけられへんってのは情けないな。
ほんまに…。
えらいすまん。
台所が最前からうるさいねん。
これ!静かにしなはれ。
どないしたんや」。
「あの〜旦さん。
いつものおこもが参りまして『お余りをお余りを』とこない言うてますの。
何もないっちゅうたんですけどなかなか帰らんもんやさかいつい大きな声出して…」。
「え?いつものおこもはん来てんのかいなまた。
しつこいなあ。
あのなお前うちにお余りってな…。
あるがな。
あるわ。
ちょっと待たしとき。
どうや大橋さん。
おあつらえ向きに裏口におこもはん来てんねや。
な?これちょっと食べさしてで大丈夫やったらわしらが食べるっちゅうのはどうや?」。
「なるほど。
さすが旦さん腹黒い」。
「腹黒い?」。
「ご名案でございます」。
「ほなちょっと待たしとき。
今分けてあげるよってにな。
ええ具合に炊けてるさかいないくつか身を取ったろこれ。
底の方にぎょうさん沈んでる。
ほ〜れ見てみい。
お〜出てきた出てきた。
あ〜アッハハ。
う〜んなるだけこの毒の多そうなとこをな。
あ〜よっしゃ。
この白菜とシイタケと入れといたろか。
こんなもんでええか?ええか?ヘヘヘヘ」。
「おかしな声で笑いなはんな」。
「ほなそこのポン酢入れたってくれるか?あ〜よっしゃよっしゃ。
ほな渡すで。
ええな?ほんならなこれ熱いうちにおあがりっちゅうて渡したり。
はよ食べっちゅうねんで。
大橋さん。
我々ここにおったらいかんがな。
ちょっとあんた表行って様子見といなはれ」。
「あっそうでんな。
ほな行てきます」。
「しっかり見ておいでや」。
「へえ。
旦さん行てきました」。
「お〜ご苦労はんご苦労はん。
どんな具合やった?」。
「上首尾です。
へえ。
分からんようにベチャッとつけていきましたら横町にお堂がおまっしゃろ?あのお堂の前座り込みよった。
あっ座ったなっちゅうの見届けてから知らん顔してぐる〜っと回ってまいりますとあれ食べてぬくもったんでっしゃろなあそこ座ったまま…。
ちゅうて居眠りをしておりました」。
「居眠り?そのまま息引き取ってはるってな事はないか?」。
「大丈夫です。
フニャフニャ〜ッと寝言言うとりました」。
「寝言?」。
「ええ。
『ああ…あ…しびれる〜』。
うそうそうそ。
冗談です。
気持ちのよさそうな顔して寝とりました」。
「ああそう。
ほなこれ大丈夫?」。
「ええ大丈夫でおます」。
「ほな食べようか」。
「へえ食べまひょ」。
「食べなはれ」。
「へえどうぞ」。
「どうぞやあれへんがな。
今あんた見てきたんやさかいあんた先食べなはれ」。
「いやいやいやいやいや私が旦さんを差し置いて先呼ばれるやなんて。
それは人の道に外れる」。
「何をぬかしとんねん。
最前このわた勝手に食うとったやないかほんまに。
分かった。
ほんならもう今のでこれが大丈夫やっちゅう事はっきりしたんや。
ほなあと口入れるきっかけだけじゃ。
わしとおまはんがやなこう身を1つずつつまんでわしが12の3と掛け声かけるさかいその拍子にパッとこう食べるんやで。
ええな?まあまあ適当にそこに薬味もネギもポン酢もあるさかいな。
ほんで1個ずつ同じようにつまんでやな1つずつ1切れずつ。
でわしが12…。
それは白菜やそれは!返しなはれ返しなはれ。
どんな根性してんのやほんまに。
そうそうそう!ええか?12の3やで。
卑怯な事は考えなはんなや。
いくで。
1…2の…3!」。
「はよ食べんかいなあんた」。
「旦さんどうぞお召し上がりを」。
「んな事ばっかり言うてんねや。
見てみ。
冷めてしもうたがな。
もういっぺんぬくめ直してこれな。
ええか?今度こそほんまに食べんのやで。
ほんまにほんまやで。
ほんまに。
ええか?1…2の…3!」。
「うっ…くっ…うっ…ああ!う〜うあうっ…。
うまい!」。
「うまいんですかいな。
びっくりしましたがな。
おかしな声出しなはんなこれ。
いやけど旦さん旦さん。
私も今初めて呼ばれましたがおいしいもんですな。
こないうまいもんやと思いまへんでしたがな。
私もこないだ小林の先生に誘われたんですけどこれ行っといたらよかった。
ふうふうあ〜熱…。
うんうん。
あ〜これ…。
また旦さんとこええポン酢使うてなはるさかいえ〜これやみつきになります気ぃが分かります。
熱…熱…う〜んう〜ん。
お〜これいける。
骨付きでおますなこれ。
骨付きはここからだしが出るっちゅう事は聞いてまんねんこれ。
あ〜熱い…。
ここが大好きで…シーシーして食べるってのが…。
熱いけどうまい。
うんうん。
あのこの骨ここの骨つぼ入れといたらよろしい?え?ガラ入れってんですか。
ほなここ入れさしてもろときます。
あっあ〜旦さんそれ私の分ですそれは。
ええあのね鍋ここ線引いときますんでね。
こっからこっちわたいの陣地やさかい取ったらあきまへんで。
これ楽しみにしといて横手の豆腐呼ばれまっせ。
お豆腐も好きでんねん。
またこれうまそうな豆腐や。
呼ばれまっせ。
あ〜あ〜…あ〜あ〜!熱い!うまい!」。
「やかましいな。
食べるかしゃべるかどっちかにしなはれ」。
さあわあわあ言いながら皆食べてしまいました。
あとは雑炊なんかにしておなか満腹でございまして。
「いや〜うまかったな」。
「おいしゅうございましたな。
いや〜こないうまいとは知りまへんでした。
こないだ断ってしもたんえらい悔やまれますわ」。
「そない言わいでまたわしがええとこ連れてったるやないか。
雑炊もよかったさかいな。
こらまた何べんかやらないかん。
またうるさい。
台所の方がゴチャゴチャ言うて。
どないしたんや静かにしなはれ」。
「あの旦さん。
最前のおこもがまた参りまして。
今度は『直接旦さんからお目にかかりたい。
旦さんとお話がしたい』。
こない言うてますの」。
「ほんまにもう!味しめてまた来とんのやがな。
もうないない。
そない言うて断ってしまいなはれ」。
「あの〜旦さん方」。
「あらあら。
厚かましいやっちゃな。
庭へ勝手に回ってきてるがな」。
「何や?」。
「あのもう皆お召し上がりになりましたかいな」。
「『お召し上がりになりましたかいな』やて。
このとおりすっくり食べてしもうたがな」。
「あ〜さよか。
ほなわたいもこれから安心してゆっくり頂戴を致します」。
(拍手)続きましては桂三金さんの登場でございますけどもこの三金さんも実は趣味が多いんですよ。
はあ〜多趣味。
多趣味。
それをまた落語へ引っ張り込んできてやったりしてるんでね。
何なんですか?まずゴスペル落語がありましてね。
ええ声出そうですね。
あの体つきからいくとね。
また意外なんはねストリートダンスという…。
体そんなに動くんですか?らしい。
私見た事ない。
ただただ暴れてるだけかも分からないけどもそういうダンス落語ってのもやってる訳。
なるほど。
それもやっぱり趣味を仕事に生かしてらっしゃる。
という事でネタもやはり関係ある…。
関係ないですね。
ごく普通のね「寿限無」という古典落語のはずなんですけどもまあ彼がやる事ですから多分普通やないと思います。
では桂三金版の「寿限無」です。
(拍手)よっこいしょっと。
よいしょ。
(笑い)
(拍手)はいどうもありがとうございます。
え〜それでは続きまして桂三金です。
よろしくお願いします。
念のため申し上げます。
落語家です。
(笑い)決して相撲取りではありませんのでお間違えのないようによろしくお願い致します。
まあ太ってましてですね体重が120キロ。
体脂肪率が51%で…。
(笑い)皆さん笑ってはりますけど膝も笑ってるんです既にこれが。
しかしこんだけ太ってますとね言われるんですよ。
健康は大丈夫ですかって言われるんですけどもこういう体形ですから逆に健康には非常に気を遣っておりましてね。
半年に一回は人間ドックに行きましてCT…ご存じですか?こういうふうな機械がありましてこの中にガ〜ッと入っていって体の輪切りの写真が出てくるあのCTの検査を半年に一回は受けてるんでございます。
何か疑問が湧いてる方が…。
(笑い)この人は機械に入れるんだろうか。
今のところぎりぎり体は入るんです。
これ以上大きくなったら入らなくなるんです。
その場合は競走馬用の機械に入るという…。
そういう事になってますんでね。
でまあお医者さんにはですね「これ以上太っちゃ駄目ですよ。
毎日体重を量ってこれをキープしなさい。
これ以上太らないようにしなさい」と言われまして最近は毎日体重を量ってます。
しかも最新の体重計を使って。
最新の体重計どんなかご存じですか?最新の体重計はね声で体重を教えてくれるんですよ。
我々針の体重計ど〜んって乗ったら針がプルプルプルッと震えたままね正確な体重が出ないんですよ。
その点最新の体重計は例えば60キロの人が乗りましたらピピッ「60キロです」とかね声で体重を教えてくれるんですよ。
非常に正確で便利でね。
その体重計買いましてど〜んって飛び乗ったら体重計がピピッ「お一人ずつお乗り下さい」。
(笑い)たたき潰したろかなと思いましたけどもね。
もうしかし本当に世の中デブには優しくない世の中ですね。
本当に何なんでしょうね。
デブに対する扱いが皆さんひどすぎるんじゃないかなと思いますけども。
何なんでしょう。
デブは傷つかないというふうに誤解されてるんでしょうかね。
子どもさんに会いましたら本気でパンチをぶち込んでくるんですよ。
デブにも神経は通ってるんですけどもね。
大人の場合は言葉で傷つけますから。
デブには何を言っても大丈夫と思うんでしょうか。
というのはですねこの間もエレベーター乗ろうと思ったらおばちゃんが3人乗ってはったんです。
全然見ず知らずのおばちゃんですよ。
そこへ私が乗り込んでいってエレベーターの扉がパ〜ンって閉まったらおばちゃん3人が一斉にこっち見て「いやっこの人乗ったけどブ〜いえへんかったわ」。
ほっといてくれたらいいじゃないですか。
しかもそこで終わらないんです。
そのエレベーターが上がっていく時ね別のおばちゃんが「ちょっとにいちゃんにいちゃん。
今日エレベーターの上がり方遅いと思えへん?」ってここまで言う。
ほんなもう一人のおばちゃんが「そんなかわいそうな事言うたりないな。
そのかわり下りは速いわなにいちゃん」。
何のフォローにもなってないんですよ。
好き放題ですからね。
我々学校寄席とかそういうとこ行く事もあるんですけども学校寄席なんかでもそうですよ。
この間ね小学校の低学年の前で落語をするというのがあってね。
出囃子に乗ってこういうふうに出してもうたんですよ。
ほんなら子どもたちが前でうわ〜って騒いでるんですよ。
うわ〜騒いで「ちょっとちょっと落ち着いて」って言わないかんぐらいうわ〜騒いでて何か僕に言うてくるんですよ。
何を言うてくんのかなと耳を澄まして聞いたら子どもたちがね「鏡餅〜!鏡餅〜!」って僕に言うてくるんですよ。
「いやいや違う。
人間だよ」って言うと「うそつき〜!」。
何でやねんと思いますけど。
それでもね落ち着いてですね小ばなしとかやってですね必ず学校寄席でよくやるのがねしぐさというのをやる訳ですね。
うどんの食べ方なんかをする訳なんです。
こちらに丼を持ってこちらにお箸を持ってねこういうふうにこううどんを食べるんですよ。
こうやって「ふうふう…」。
(うどんを食べる音まね)「あ〜うまいなあ」みたいな事をする訳なんです。
これは何をしてるとこでしょうかというふうにね子どもたちにクイズを出したんですよ。
「これ何をやってるとこか分かるかな。
今からやるよ」。
(うどんを食べる音まね)「あ〜おいしいなあ。
これは何をやってるとこでしょうか」って聞いたらですね子どもたちが一斉に「デブが豚骨ラーメン食べてるところ」。
泣きながら帰った事がありますけどね。
正直なんですわね子どもたちというのは。
え〜まあ私もですね小さい頃からこういうふうなブクブクブクブクと割と太ってましてですね。
というのはおじいさんとおばあさんがパン屋さんをやってたんですね。
自分で作るパン屋さんじゃなくてパン工場とかで出来たパンを売ってるそういうふうなパン屋さんやったんですけどもそらもうパン屋さんですから昔コンビニとかありませんからパンのほかにですねお菓子を売ってたりカップ麺売ってたりですねそれから缶詰とか洗濯のり牛乳とかアイスクリームとかそういうのをよろず屋的に売ってる店で育ったんですよ。
ですから家へ帰ったら必ず毎日賞味期限切れのパンが山のようにあったと。
それを食べてイースト菌のようにどんどん膨らんでいってこういう体になったんですけどもね。
私忘れもしないのが小学校の時はですねお菓子を仕入れに行く係やったんですよ。
私のおじいちゃんおばあちゃんのパン屋が東大阪の長瀬というとこにあってね。
私はその小阪という所に…ちょっと離れた所に自転車でいつもお菓子を仕入れに行くの。
駄菓子とかそのほかですねアメちゃんとかですねガムとかそういうふうなのを仕入れに行くんですよ。
これがうれしかったのがですねそのお手伝いしてたんですけど何がうれしかったかといいますと私遠足のおやつ300円分を仕入れ値で持っていってたんです。
(笑い)せやから人よりちょっと多いんですよ。
「奥野何でそんなあんねん」。
「仕入れ値です」。
「え〜!」てな感じでねこれやってたんですけどね。
ですからもう小さい頃から食べるのとかそういうの好きでしたね。
ほんで遠足行った時にですねカマキリの卵をね拾って帰ってきたんですよ。
こう…カマキリの卵があったんでそれを持って帰って家の玄関の水槽に置いてたんですけども一向にかえる気配がなかったんで「こらもう死んでんねんな」と思ってそのまま諦めて学校へ行ってたんです。
ほんならある日帰ってきたらですね玄関の戸ガラガラッと開けたらうちのお母さんが掃除機をブオ〜ッて振り回しよるんですよ。
「お母さん一体何してんの」。
「あんたえらい事になってるやないか」ってパッて上見たらカマキリがかえって小さいカマキリが天井にビヤ〜ッてひっついてハラハラハラ〜ッと落ちてきてるんですよ。
お母さんはそれをシロアリと間違えて掃除機でシュボボボボボボ〜ッて吸うてるんです。
「お母さんかわいそうやんか!」。
「何言うてんのあんた!」ってえらい事になってでまあまあそれでも残ったカマキリを集めて水槽に入れてね小学校4年生の私は公園で放してあげようと思って公園持っていったんです。
ところが途中に池があって橋が架かってましてね。
そこをこう歩いてる時にそこで蹴つまずいて私この水槽をバ〜ンと落としてそのままガランガランガランガラン池ん中にドボンブクブクブクブク沈んでいってカマキリ全滅したんです。
3匹だけが水槽落ちた時にパ〜ッとこぼれたやつがおってそれを丁寧に集めて草むらに帰したんです。
ほな次の日理科の授業でねちょうどカマキリの話になって「カマキリはたくさん卵を産みますがそのうち生き残るのは3匹ぐらいです」。
この事かと。
(笑い)ものすごい合点合点やったんでございますけども。
そういうふうな幼少時代を過ごした訳なんですけども。
まあでも子どもが生まれるというのは非常にこのうれしい事でございましてね。
私ら夫婦子どもはまだなんですけども生まれたらさぞかしかわいらしい子どもができるんやないかなと思いますがそういうふうなお子さんのお噺でおつきあいを願いたいと思いますが。
「すいませんすいません。
うち子ども生まれましてな」。
「お〜そらおめでとうおめでとう。
よかったやないかいな。
長い事でけへんかってんやろ」。
「そうですねん。
遅い子どもやってんでね。
せやからねもうええ名前を付けたりたい思てほんであんたに相談しに来たんですわ」。
「おう何や。
わしに相談てその事かいな」。
「そうですねんええ。
できるだけ長生きするようなまためでたい名前これをあんたに考えてほしいと思て」。
「お〜なるほどなそういう事かいな。
よしよし教えたろ。
まあちょっと書きや」。
「ええ分かりました。
ほな書かしてもらいます」。
「まずな『寿限り無し』と書いて『寿限無』というのはどうや?」。
「へえ〜それなかなかめでたそうな名前ですな。
『寿限り無し』と書いて『寿限無』。
これなかなかええ名前ですな。
ほかに何かありますか?」。
「『五劫の摺り切れ』っちゅうのはどうや?」。
「何です?その『五劫の摺り切れ』いうのは」。
「つまりなこの天に天女がいてるわな。
それが1,000年に一回下界に降りてきてこの衣のな裾の所で岩をサ〜ッとなでるらしい。
その時に岩がちょっと削れるんやて」。
「そんなこんなん削れますか?」。
「ほんま僅かやて。
僅かながら削れるらしいわ。
それが1,000年に一回降りてきて削れて削れて削れて岩が無くなってしまうまでを一劫という単位や。
それが5回も繰り返される。
つまり五劫という長〜い長〜い年月これが長生きの象徴めでたいとされてるな」。
「はあ〜なるほどね『五劫の摺り切れ』。
なかなか面白いですな。
あ〜ほかには?」。
「うん。
『海砂利水魚』というのはどうや?」。
「何です?その『海砂利水魚』というのは」。
「つまりこのな海の砂とかな水の中の魚これには数限りがないからめでたいというふうにされてるなあ」。
「へえ〜『海砂利水魚』ね。
ほかにございますか?」。
「『雲行末風行末水行末』いうのはどうや?」。
「ななな…何です?それは」。
「雲の行く末とかな水の行く末また風の行く末というのはなめでたい限りがないめでたいというふうにされてるわな」。
「はあなるほど。
え〜なるほど。
ほかにございますか?」。
「うん。
何と言うても人間な衣食住というのが一番大事。
『食う寝るところに住むところ』。
これは大事な事やで」。
「なるほど。
そらそのとおりですわな」。
「『食う寝るところに住むところ』。
ほかにございますか?」。
「『やぶらこうじのぶらこうじ』いうのはどうや?」。
「何ですねん?それは」。
「つまりお正月の藪柑子というのは非常にめでたいもんとされてるな」。
「藪柑子だけでよろしいんと違いますか?」。
「まあそこは語呂や」。
「語呂?語呂ですかいな。
『やぶらこうじのぶらこうじ』。
ほう。
ほかにありますか?」。
「あ〜今度はちょっと難しいで。
昔なパイポという国があってな。
そこにシューリンガンという国王とグーリンダイというお后がいててな。
その子どもにポンポコピーという子どもとなポンポコナという子どもがいてたんや。
この家族というのが非常に幸せに長生きして暮らしたという伝説があんねん」。
「はあはあはあはあ。
それがどういうふうなってますの?」。
「うんつまりな。
『パイポパイポのパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナ』というふうに書いとき」。
「ややこしい書き方ですな。
これ書きますんかいな。
え〜ほかにおまへんのかいな」。
「うん。
『長く久しい命』と書いて『長久命』というのはどうや?」。
「やっとまともになってきましたな。
『長久命』」。
「『長く助ける』で『長助』」。
「あ〜『長助』。
なるほど。
いろいろありますな」。
「まあそんなところや。
そっからな適当に選んで付けとき」。
「はっありがとうございます」。
「という事でこれ聞いてきたんやけどどない思う?」。
「あんたまたぎょうさん聞いてきてんなあ。
その中からどういう名前付けんの?」。
「そこやがな。
この名前を付けてこの名前を付けへんかったいうてやなこれ後先な『あ〜しもた!あの名前にしといたらよかった』というふうになったら困るやろ。
せやからいっその事な皆付けるっちゅうのはどうや?」。
「皆付ける?どういう事なん?」。
「せやからこの子の名前はやな『寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助』いう名前にすんねん」。
「長い名前やな!あ〜そう。
いや〜それまあええかも分かれへんな。
ほんならそういう名前にしましょうか」。
という事で長い長い名前の子どもが出来上がります。
さあこの子どもがですね名前のおかげかどんどんどんどん成長して元気にわんぱくに育ちまして学校なんかでもガキ大将になって子どもの頭パ〜ンとどついてこぶこしらえたりそんな子どもになりましてその子どもがですね中学高校といくとどんどんどんどん成長していって体も大きくなる。
また強い。
そうなってくるとほっとかないのが相撲界でございますね。
(笑い)日本人の横綱早い事作らないかんというのでスカウトに来ましてその子が相撲界にと入ります。
またそこでもとんとん拍子に出世してもうスピード出世で幕内入り。
横綱と対戦するまでになります。
まあ出世が早すぎるもんでまげを結う事は間に合わない。
またしこ名付くのは間に合わない。
本名のまま相撲を取るという。
そういう事になりますと非常に大変な事になりまして。
「東白鵬〜。
西寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助〜」。
「かたや白鵬〜白鵬〜。
こなた寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助。
寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長久命の長助」。
バタ〜ン。
行司が倒れたりなんか致しますが。
「東方白鵬。
モンゴル・ウランバートル出身宮城野部屋。
西方寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助。
大阪府大阪出身阿武松部屋。
呼出は秀男。
行司は木村庄之助。
本日結びの一番であります」。
「白鵬〜頑張れ〜!白鵬〜!」。
「寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助負けるな〜」。
観客倒れてまっせ〜。
「さあ本日結びの一番になりました。
楽しみな取組ですね。
解説は舞の海さんに来て頂いております。
舞の海さんどうですか?この〜初挑戦。
横綱初挑戦ですね」。
「そうですね。
寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風…食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助どんな相撲を取るか楽しみですね」。
「さあ楽しみな一番でございます。
さあおっとお〜時間が迫ってまいりました。
あっと。
今時間いっぱいでございます。
場内割れんばかりの大歓声。
さあ行司軍配をジリッジリッジリッとお互いが歩み寄ってあっ今両者手をついてさあ立った。
おっと白鵬張り出した。
あ〜っとそのまま寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助のまわしに手がかかった。
そのまま白鵬寄って出る。
さああっと寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助うっちゃった〜!あ〜行司は東方白鵬に上がりましたがここで物言いがついたようでございます」。
「ただいまの協議の結果について申し上げます。
行司軍配は東方白鵬に上がりましたが白鵬の手がつくのと寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助の足が出るのを同体と見て取り直しと致します」。
「さあ取り直しとなりました。
場内割れんばかりの大歓声。
さあ取り直しの一番両者どういうふうに出るか。
おっと今さあ時間いっぱい。
さあ両者手をついてさあ立った。
おっと今度は寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助まわしに手がかかった。
おっとそのまま寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲行末風行末食う寝るところに住むところやぶらこうじぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイポンポコピーのポンポコナの長久命の長助寄って出る。
寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末…」。
「すいませんすいません。
もうとうに放送時間が終わっております」。
(拍手)桂三金さんの「寿限無」でございました。
はい。
ね?普通の「寿限無」違いましたやろ?違いました。
特に最後のお相撲の場面は彼のオリジナルですから。
彼の名誉のために付け加え…。
オリジナルなんですけれどもあの臨場感と迫力。
本当にNHKの相撲中継見てるような気分になりましたね。
またあの体やしね。
そうそうそれもあるんです。
本当にあったらアナウンサーさんは大変やろなと思いながら…。
まず怒られますやろから。
怒られますし…。
まあでもあの体形もお得ですよね。
座っただけで爆笑が来るっていうのが…。
前に台置きました見台っていうのを。
これもっと大きい…。
普通に大きいもんなんですよ。
小そう見えましたやろ?おままごとの…。
ちっちゃいかわいいもんに見えるんですけれども。
キャラクターがすばらしいですね。
三金さん初めて会うたんちゃうんのやろ?そうなんですよ。
実は我が家がやってるカフェで落語会をやった時にゲストで来て下さって…。
だから三金さんの名前の由来も私知ってますよ。
えっ何ですの?三に金っていうのは信金で働いてたからもともと。
信用金庫で?そうです。
その金が…。
それが付いて三金っていうのを文枝師匠が付けはったんですよね。
あ〜なるほど。
三はそうか三枝の三や。
そうそう。
三枝さんの三に金ですよ。
それをすごく鮮明に覚えてるんですけど申し訳ないんですけどネタがね何…。
それが肝心や。
名前覚えてもろてありがたいけど…。
名前のイメージやっぱり強いです。
一回聞いたら忘れないですよね。
一回聞いて忘れへんいうたらあみるさんの名前もそうでしょ?そうですかね。
うん。
私忘れませんもん。
ほんまですか。
うれしいです。
何であみるになったんですか?由来は?芸名は平仮名であみるなんですけど本名は漢字で亜細亜の美しい瑠璃って書くんです。
難しい字や。
難しいんですが…。
試験の時大変や。
実は父の河島英五が作曲活動のためにアフガニスタンを放浪してたんですね私が母のおなかの中にいる時に。
それで出会った湖の名前がバンディ・アミールっていう湖でなので女の子がもし生まれたら亜美瑠にしようっていう事で…。
ええ名前やなあ。
それで亜美瑠になったんです。
もし父が滋賀を旅してたらもう私琵琶子です。
河島琵琶子でやってたかもしれない。
べたな名前で…。
それはそれで面白うてええけど。
一回聞いたら忘れないかもしれないですけど。
アフガニスタンですか?アフガニスタンです。
そこは行かれました?今ちょっとなかなかね情勢がね。
あっそうかそうか。
一回行くのが夢なんですけれども…。
でもやっぱりそういう由来も話すと覚えてくれやすいのでありがたいです。
やっぱり名前気ぃ付けて付けなあきまへんな。
そうですねうれしいですね。
名前つながりでここまで話が…。
思わず話が外れちゃいましたけども久しぶりに聴いた落語はどうです?新しい発見みたいなのありました?ストレス発散になりました。
でも何か皆さんの落語以外の趣味の部分がにじみ出るような感じがして人柄ですとかね。
温かい気持ちになりましたし是非うちのカフェで皆さんの特技を生かしたイベントをやってもらいたいと思います。
売り込みます。
しん吉君も笛吹いたりしますからね。
「ぐんきち」いうてねお囃子カントリーやってますから是非ともそちらで。
趣味持つの大事ですね。
という事で「上方落語の会」こういうところで今日は落ちがつきました。
ではまた。
失礼します。
さよなら。
さよなら〜。
2015/11/27(金) 15:16〜16:00
NHK総合1・神戸
上方落語の会 ▽「ふぐ鍋」桂しん吉、「寿限無」桂三金[字]
▽「ふぐ鍋」桂しん吉、「寿限無」桂三金 ▽第354回NHK上方落語の会(27年7月2日)から▽ゲスト:河島あみる▽ご案内:小佐田定雄(落語作家)
詳細情報
番組内容
第355回NHK上方落語の会から、桂しん吉の「ふぐ鍋」と桂三金の「寿限無」をお届けする。▽ふぐ鍋:旦那が知り合いからもらったふぐをふぐ鍋にして出入りの男と一緒に食べようとしたが、毒に当たるのが恐くて…。▽寿限無・生まれた男の子にめでたい名前を付けて欲しいと、男がお寺の坊さんに頼んだ。やがてこの子どもが成長して…、という後日談を加えたオリジナル版▽ゲスト:河島あみる、ご案内:小佐田定雄
出演者
【ゲスト】河島あみる,【案内】小佐田定雄,【出演】桂しん吉,桂三金
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劇場/公演 – 落語・演芸
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