無罪を言い渡された、菊地直子元信者。
帽子を深くかぶり、その表情をうかがい知ることはできませんでした。
逮捕からおよそ3年半。
釈放の夜を迎えました。
平成7年に起きた地下鉄サリン事件。
その2か月後、菊地元信者は、特別手配されました。
名前を偽り、住む所を転々とし、逃亡生活は実に17年に及びました。
そしてきょうの無罪判決。
こんばんは。
ニュースウオッチ9です。
17年間の逃亡生活の末に逮捕され、きょう無罪判決で釈放された菊地直子元信者。
罪に問われていたのは、20年前、日本中をしんかんさせたオウム真理教の事件の一つでした。
20年前、月曜日の朝の地下鉄に猛毒のサリンがまかれた、地下鉄サリン事件。
サリンを使った世界初の化学テロによって、およそ6300人が被害を受けました。
実行したのは、オウム真理教。
元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚は、ハルマゲドン・最終戦争が近づいていると、信者の危機感をあおりました。
そして、信者の親たちの相談に応じていた弁護士の一家を殺害。
さらに、最初の無差別殺人、松本サリン事件。
次々に凶悪事件を起こし、社会に衝撃を与えたオウム真理教。
一連の事件で、29人の命が奪われ、今も多くの人が、後遺症などに苦しんでいます。
白っぽい霧状のものが薄く下に向かって吹き出しているのが。
その教団に18歳のときに入った、菊地元信者。
サリンを製造する実験棟で働いていました。
責任者は、教団の第2厚生省の大臣を務めていた土谷正実死刑囚。
しかし、菊地元信者の化学の知識は、一般の人と同じ程度で、助手として働いていたとされています。
教団では、陸上部にも所属。
長距離で3000が専門でした。
世界記録を目標にしています。
マラソン大会にも出場し、走る広告塔としての役割も担っていました。
そして平成7年、全国の教団施設に、警察の強制捜査が入ったあとに、姿を消した菊地元信者。
地下鉄サリン事件でサリンの製造に関わった殺人などの疑いで、特別手配されました。
それから17年がたった平成24年6月。
長い逃亡生活の末に、逮捕されました。
菊地元信者の顔つきは、教団にいたときとは大きく変わっていました。
当時、警視庁の調べには、こう供述していました。
その後、逮捕容疑になった地下鉄サリン事件と、VXを使った襲撃事件については、いずれも起訴できるだけの証拠が集まらなかったとして、不起訴に。
起訴されたのは、東京都庁の郵便物爆破事件で、殺人未遂のほう助の罪と、爆発物の製造・使用を手助けした罪でした。
その1審の裁判で、菊地元信者は、元幹部らのもとに運んだ薬品が、爆薬の原料とは知らなかったと述べて、無罪を主張しました。
一方、教団の幹部だった井上嘉浩死刑囚は、本人に爆薬を見せたと証言。
東京地方裁判所は、運んだ薬品で幹部らが人を殺害するかもしれないと認識していたとして、懲役5年を言い渡していました。
そしてきょうの2審判決。
東京高等裁判所の大島隆明裁判長は、1審の判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
判決理由では、1審で有罪の根拠になった井上死刑囚の証言について、不自然に詳細かつ具体的で信用できないと指摘。
その上で、菊地元信者は、指示されたことを実行する立場にすぎず、教団の実行犯が人を殺傷するテロ行為を行うことを認識して手助けしたと認めるには、合理的な疑いが残るとしました。
最後に裁判長は、菊地元信者に、こう語りかけました。
あなたが運んだ薬品で、重大な犯罪が行われ、指を失った被害者が出ています。
あなた自身が分からなかったとしても、あなたの行為が犯罪を生んだことを、心の中で整理してほしい。
菊地元信者は、裁判長に向かって深く頭を下げ、涙を流しながら法廷を後にしました。
判決のあとの様子について、菊地元信者の弁護士は、こう話しました。
ここからは、社会部の清永デスク、そしてオウム真理教の一連の事件を長年取材してきた、ジャーナリストの江川紹子さんにお話を伺っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
まずは清永さんに聞きますが、この菊地元信者、地下鉄サリン事件などに関わったとして、特別手配されて、殺人などの罪で逮捕されたという印象が強かったんですが、今もあったように、裁判となったのは、その郵便物爆破事件ということなんですね。
確かに特別手配されたときの容疑は、地下鉄サリン事件でした。
それから逮捕されたときも、地下鉄サリン事件と、それから猛毒のVXを使った殺害事件だったんですね。
ただ、これらについては、起訴できるだけの証拠が集まらなかったとして、不起訴になったわけなんです。
ところが、実際、起訴されたのは、その郵便物爆発の事件だけになったわけですね。
そうですね。
この郵便物を爆発させて、職員に大けがをさせた事件で、殺人未遂のほう助と爆発物取締罰則違反のほう助の罪に問われたわけですが、実はこれも1審では、爆発物取締罰則違反のほう助にも当たらないと判断して、殺人未遂のほう助の罪だけで、懲役5年となったんです。
ということになったわけですね。
永川さんはオウムの事件を、裁判をずっと傍聴されてこられて、今、清永デスクからあった、起訴事実というか、罪名が減っていくというかですね、こういう事態をどう見ていますか?
そうですね、そもそも地下鉄サリン事件で逮捕したっていうこと自体が、やっぱりどうなのかなと思いました。
というのは、やっぱりオウムの裁判を見ていて、地下鉄サリン事件で彼女の名前はいっぺんも出てきてないんですね。
ですから、起訴できなかったのも、十分な証拠が集まらなかったというレベルではなくて、もうはっきり言うと、無関係だったのと等しいのではないかと思うんですね。
むしろ、あの地下鉄サリンで長々と特別手配を引っ張ってしまったということ自体を、もう一度今、振り返って、検証しなきゃいけないんじゃないかなと思うくらいです。
なるほどね。
まず清永さん、今回の事件の、今回の裁判の1審判決が無罪になった部分ですね。
結局、ポイントになった部分は、爆弾を作るためのものか分かってたかどうかというところの、認識の部分だということなんですが、これが1審と2審でやっぱり、裁判所の判断が変わったということですか?
いや、1審の段階では、殺人未遂のほう助のほうで、この事件は有罪に当たると判断したわけですので、2審とはちょっと、そこは違うんですね。
きょうの2審では、そもそも爆発物の原材料と分かって運んでたわけではないというふうに判断されたというのが、きょうの2審のポイントだったというふうにいえると思います。
分かっていたのか、認識していたのかというところが、今回の争点だったと?
はい。
弁護側は、実は何かものを運んだということは、認めていたんですね。
だけど、あくまでも当時、菊地元信者というのは何も知らされていなかった。
それがもとになって爆発物になるんだということは、到底知らなかったはずだという、そういう主張をしていて、きょうの2審の判決も、それが認められたという結論になったわけです。
江川さんは、この2審の無罪判決というのは、どのように見ていますか?
そうですね、極めてまっとうな判決だったと思うんですね。
刑事裁判の原則にもきちっと一致しているし、それからそのオウム事件をどう見るかという面でも、非常に正しい見方をしてたんじゃないかなと思うんですね。
1審の場合には、やっぱり、起きた結果が、それは重大な結果が出てるわけですから、そういうものから、そして裁判員の方たち、オウムが何やってたかって、知ってるわけですよね。
そういうような観点で、しかも裁判員の人たちは、自分だったらという感じで、物事を見るでしょうから、やっぱりそのオウム信者の特殊な環境というか、そういうことについて、あまり理解する機会も与えられませんでしたし、そういうこともあって、やっぱりその有罪ありきになってたところがあるとおもうんですね。
そのために、いろんな事実からですね、物事を推測、推認、そして可能性、これが1審の新キーワードだったと思うんですね。
推測、推認、可能性と。
いろんな推測、推認を働かせて、なんとか有罪に持っていくっていう、そういう構成だったんですね。
そのために、ものすごく論理の飛躍もあったと。
それについて2審は、論理則、経験則に基づいて、そういった推測とかではなくて、あくまでこしんたん懐に事実を見て、そして論理性と、今までの経験則を生かして、冷静に判断するということだったと思います。
そして、この菊地元信者なんですが、17年もの間、逃亡生活を続けていたんですね。
この逃亡生活を続けた心境についても、裁判で語っていました。
神奈川県相模原市です。
こちらの建物で、菊地元信者は生活していました。
今は明かりがついておらず、ひっそりとしています。
菊地元信者は3年前、こちらに帰宅しようとしたところ、捜査員に声をかけられ、17年間に及ぶ逃亡生活が終わりました。
この間、菊地元信者は、みずから出頭して事件への関わりを否定しようとは思わなかったのでしょうか。
逃亡生活が始まったのは、地下鉄サリン事件の2か月後、松本死刑囚が逮捕されてまもなくのことでした。
埼玉県内のアパートで、同じく特別手配されていた、高橋克也被告ら4人の信者と共同生活をしていた菊地元信者。
このとき、出頭すべきか話し合ったものの、見送ったといいます。
偽名を使って暮らす中、平成18年ごろからは、東京や神奈川で、教団とは無関係の男性と一緒に暮らすようになり、結婚も申し込まれました。
ヘルパーの資格も取って、介護施設の会社で働きました。
こうした教団の関係者以外との人間関係が出来るにつれ、出頭する考えは消えていったといいます。
一方で、特別手配のポスターを見たときの心境については。
逃亡生活が終わったとき、菊地元信者は警察に対し、もう逃げなくてもよいと思うと、ほっとしていますと話したということです。
素性を隠して暮らしていた相模原市の住宅周辺の住民は。
オウム真理教から名前を変えた教団、アレフの施設の近くの住民は。
判決について、東京高等検察庁の堺徹次席検事は、判決は意外であり、誠に遺憾である。
判決内容を十分に精査・検討し、適切に対処したいというコメントを出しました。
今のVTRの中にも、菊地元信者のさまざまな裁判での心境が語られていましたけれど、江川さんに聞きたいんですが、普通ですね、結果的に無罪となるようなものでしたら、17年間も逃亡せずに、みずから名乗り出るのではないかなという思いもあるんですが、江川さんはこの逃亡生活について、どう見てますか?
そうですね、さっき紹介されてましたけれども、やっぱり警察、検察、そして裁判所という日本のこの、法的なシステムですよね、それに対する不信感というのが、ものすごく大きかったと思うんですね。
もちろん最初は、教団の指示で逃げてるんですよ。
だけども、やっぱりそういった、自分が知ってる人、それで、サリンのことなんか知らなかったはずだと思ってる人が、それで有罪になっていくってなると、やっぱり自分がいくら言っても信じてもらえないんじゃないかとか、あるいはもう最初から有罪ありきだろうというような、やっぱり不信感は大きかったようなんですね。
だからこそ、今回のようにきちっと事実を見るっていうような判断で無罪になったということは、彼女にとってもそうですし、それから教団、今、残っている教団の人たちにも、やっぱりその、むしろプラスの影響だと思うんですね。
心配されてる方、ずいぶんいらっしゃると思うんですけれども。
というのは、やっぱり彼らは自分たちは弾圧されていると思ってますから、白のものも黒にすると思ってるわけですね。
だけども、やっぱりその白のものは白になる、だけど、動機的責任は別よっていう、そういう話をちゃんとできる裁判所があるっていうことが、やっぱり単に、あなたたち、被害者の意識持ってるけれども、そうじゃないでしょということに、むしろなって、彼女自身も、これから前向きに生きる、プラスの材料になるんじゃないかなと、私は思うんですけどね。
清永さん、今、江川さんの話に、白のものを白というふうにはっきり言う判決だったということなんですが、実際、きょうの判決の中に17年間の逃亡については、何か触れてる部分はあるんでしょうか?
触れている部分はありました。
これは、1審はほとんど触れられていなかったんですね。
ただきょうの2審は、長年、逃亡を続けていたからといって、それを有罪の根拠にすることはできないというふうに判断してるんですね。
つまり、逃亡生活と事件とを明確に切り分けるという判断をしたということですね。
なるほどね。
そして菊地元信者なんですが、運んでいた劇物、危険なものを運んでいたことは、知っていたのではないかなと思うんですが、これ、危険なものに自分は関わっているんだという思考にいかなかったのは、どうしてなのかなっていうふうにも思うんですが、江川さん、そのあたりは。
きょうの判決は、例えば、濃硝酸とか、そういう劇物ですよね、そういうものを運んでたからといって、でも濃硝酸だからといって、それが爆弾とか、あるいは毒ガスだとか、そういうところにばーっと思考がいかないよね、普通ということは言ってるんですね。
むしろ手に触れたらそれは危険だという、そういう認識だっていうのは分かるよねっていってるわけですよ。
だけど、確かにおっしゃるように、触れたら危険なものなんですよね。
そういうものを、じゃあ何に使うのかというと、彼女が言うには、農薬の実験をしてたんじゃないかと思って、そのために運んだというようなことを言ってるわけですけれども、ただ、そういう弁明というのは、外から見ると、ちょっと不自然な感じがするんですね。
だから1審なんかは、それで信じてもらえなかったりっていうところがあるんですけれども。
ただ、オウムっていうのは、そういうふうな非常に外から見ると荒唐無稽なこと、例えばアメリカ軍がオウムに毒ガスをまいてるみたいなことをですね、信じてしまうわけですね。
それは、上が言うから、教祖が言ったり、上司が言ったりしたことは、やっぱりそれは全く疑問の余地なく信じてしまう。
疑問を持たないということですか。
そうなんです。
疑いを持つということは、あるいは自分で考えるっていうこと自体が、やっぱり教団としてはいけない行為、あるいはそういうことをやってると、どんどん自分の環境が下がっていくということになっていくわけなので、ものを考えない、あるいは上から言われたことについて疑問を持たない、あるいはその理由を詮索しない。
そして、特に、こういう違法なものについては、上の者も下の者になるべく情報を与えないっていう、そういうような所だったんですね。
非常に特殊な状況、特殊な環境になってたということですか?
そうなんですね。
そういうふうにものを考えないというところが、いわゆるこのカルトマインドといいますかね、オウム真理教のやっぱり一番の怖いところだったと思うんですね。
しかも彼女は、もともとそういうようなマインドの人だったわけではないわけで、以前は、ごく普通に、例えば高校生として学校に通い、クラブ活動をしっていう、そういうことだったわけですけれども、そういう人でも、いったんあそこに入ってしまうと、そういう思考に、どんどんどんどん引っ張り込まれるというところが、やっぱりオウム真理教の怖さですし、誰もがそういうのに引っ掛かりうるというところが、やっぱりこのカルトの問題を気をつけなきゃいけないとこだと思うんですね。
20年前の事件っていうと、もう若い世代は知らない人もいるとは思うんですけれど、今、お話を聞くと、やっぱり改めてそのオウム真理教、カルト集団の怖さみたいなものは感じますよね。
そうですね。
だからイスラム国なんかを見てても、あそこは極めてカルト的ですよね。
だからこそ、やっぱりわが国で起きたカルト団体によるテロ事件というものを、やっぱりちゃんと考えて、次の世代に、その怖さと手法を教えていくっていうことは大事だと思うんですよ。
だから学校の、例えば高校の現代社会などでですね、このオウムの問題というのを、ちゃんと若い世代に伝えるっていうことをやっぱりやってこないと、やってこなかったんですね、今まで。
私はやっぱり必要だと思うんですね。
なるほど。
清永さん、今回、1審の判断を2審が翻した形になるわけですけれども、覆した形になるわけで、最高裁に上告をすると、そこでまた見直しが行われるということは、ありうるんでしょうか?
まずこの判決に対して、検察側が不服がある場合は、上告をすることはできます。
そして検察はこのあと、そういった検討を行うんだと思うんですね。
その際には、この裁判というのはさらに最高裁で続くということになりますね。
結論がどうなるかというのは、ちょっと今の段階では、まだ分かりません。
なんとも言えない?
はい。
ここまで社会部の清永デスク、そしてジャーナリストの江川紹子さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
ここまでオウム真理教の元信者が、無罪判決を受けたニュース、お伝えしました。
次です。
北日本や北陸の沿岸部を中心に、荒れた天気になっています。
気象庁は、あす朝にかけて暴風や高波に警戒し、北海道では猛吹雪にも警戒するよう呼びかけています。
降り続く雪。
そして風も。
北日本や北陸の沿岸部を中心に、荒れた天気になっています。
新潟県佐渡市では、看板がこのとおり。
電線に接触し、東北電力によりますと、一時、およそ180世帯が停電したということです。
一方、金沢市では。
突然降り始めたあられで、路面が白く覆われました。
北日本や北陸に大荒れの天気をもたらした低気圧。
その影響で、西日本にも寒気が流れ込み、冷え込みが強まりました。
南国、鹿児島の桜島では初冠雪。
地元の中学生は。
大阪市でも、今シーズン一番の冷え込みになりました。
最低気温は6度4分、マフラー姿が目立ちました。
各地で初雪も。
和歌山市で11月に雪が降ったのは、平成元年以来。
広島市でも、平年より14日早く初雪を観測しました。
日本各地で厳しくなる寒さ。
備えも進んでいます。
車から取り出したのは、冬用タイヤ。
このガソリンスタンドでは、きょう一日、タイヤ交換の予約でいっぱいだということです。
行政の動きも。
静岡県富士宮市では、国などが大雪を想定して、道路に立往生した車両を、移動させる訓練を行いました。
去年、法律が改正され、緊急車両を通行させるために、持ち主の同意がなくても車を移動できるようになりました。
今後の見通しです。
あすは北日本を中心に風の強い状態が続き、北海道ではあすの朝にかけて雪を伴って非常に強い風が吹き、猛吹雪となるおそれがあります。
最大瞬間風速は35メートルに達すると予想されています。
また、あすにかけて北日本を中心に雪が降り続き、東日本や西日本の標高の高い地域でも雪が積もる所がある見込みです。
気象庁は、北日本では暴風や高波に警戒し、北海道では猛吹雪にも警戒するよう呼びかけています。
財政の再建に向けて、むだを省き、メリハリの効いた予算案にできるでしょうか。
政府はきょうの臨時閣議で、来年度・平成28年度予算案の編成の基本方針を決定しました。
一億総活躍社会の実現と、TPP・環太平洋パートナーシップ協定の大筋合意を受けた対応を、重要な政策課題としています。
夕方の経済財政諮問会議。
そして政府は臨時閣議で、来年度・平成28年度予算案の編成の基本方針を決定しました。
一億総活躍社会の実現とTPPの大筋合意を受けた対応について、将来の成長と発展を見据えた重要な政策課題であり、着実に整合的に進めていくことが必要だと明記しています。
そしてデフレ脱却に向けて取り組むとともに、国の一般歳出の増加分を、今後3年間で1兆6000億円程度とするという目安を十分に踏まえ、予算編成を行うとしています。
このあと開かれた全国知事会議。
来年度予算案などを巡って、意見が交わされました。
知事会側からは。
さらに。
その補正予算。
安倍総理大臣は、一億総活躍社会の実現やTPPについて、必要な対策を速やかに実行するため、今年度の補正予算案の編成を指示しました。
所得の低い年金受給者に対し、1人当たり3万円を支給するための予算措置などを盛り込む方向で、調整が進められています。
本格化する予算編成。
閣僚からは。
政府は今月、秋のレビューも行ってね、国の事業にむだがないか検証もしてますので、こうした結果も反映して、予算案を作ってほしいところです。
続いて、トゥデーズウオッチです。
非常事態宣言が出されている中、初めての大規模な追悼行事です。
今月13日、130人が死亡したパリの同時テロ事件。
事件から2週間となる27日、政府主催の追悼式典には、事件の犠牲者の遺族など、1000人以上が出席しました。
今月30日からは、パリで地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21が開かれる予定で、フランス政府はテロへの警戒を続けています。
大手電機メーカー、東芝のむろまちまさし社長は、原子力事業の子会社の多額の減損処理について、開示が不十分だったとして陳謝しました。
これまで会計ルール上、公表する必要がないと主張していた、アメリカにある子会社、ウェスチングハウスの事業の詳細について、東京証券取引所から、事業開示の基準に該当するという指摘を受け、今月17日になって、ようやく減損処理を行ったことを正式に発表していました。
JAが販売した、有機肥料の成分が偽装されていた問題で、肥料を製造した秋田市のメーカーがきょう、秋田地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
秋田市の肥料メーカー、太平物産は、JA向けに製造し、東日本の11の県で販売された有機肥料の成分を偽装していたことが、今月、明らかになりました。
出荷を自主的に停止し、その後、農林水産省からも出荷停止などの指導を受けたため、資金繰りに行き詰まって経営破綻し、きょう、秋田地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
終戦直後の昭和天皇と家族の未発表の写真が新たに見つかりました。
昭和天皇が、今の天皇陛下と一緒に英字新聞を読んでいる写真。
家族と一緒に、乳母車を囲んでいる昭和天皇。
今回見つかったのは、太平洋戦争の終戦から4か月後の、昭和20年12月23日に、皇居内で撮影された写真90枚です。
当時の写真で、昭和天皇の笑顔が写ったものは知られておらず、極めて異例だということです。
専門家は、天皇制の歴史を知るうえで、貴重な資料だと話しています。
見つかった写真は、来月1日から、東京・千代田区の日本カメラ財団のサロンで一般公開されます。
去年1年分の政治資金収支報告書が、きょうまでに公表されました。
NHKが調べたところ、国会議員の政治活動に必要な支出としては疑わしいものが、数多くあることが分かりました。
NHKは、総務省などがきょうまでに公表した、国会議員が関係する1134の政治団体の政治資金収支報告書を調べました。
香典に結婚祝いなどの支出。
選挙区内で渡す行為は、違法な寄付として禁止されていますが。
今回公表された収支報告書では、北澤元防衛大臣が代表を務める政治支部が、香典など、政党支部が選挙区内で香典など25件、62万円を支出していました。
北澤元大臣の地元事務所は、政党支部からの寄付は原則、禁止されていないと理解していたと説明しています。
また、ほかにも香典が2団体で4件10万円、結婚式のお祝い金が2団体で2件6万円、見舞い金の名目でも、1団体が1件3万円を出していました。
さらに、政治活動にどこまで必要な支出なのか、疑いのある記載も。
ある団体は、プロレスチケット代として2万円、さらに7回のゴルフプレーでおよそ10万円を使っていました。
そして別の団体は、飲食費だけで1か月におよそ300万円を支払っていました。
銀座や赤坂の高級料亭などを頻繁に利用していたのです。
自民党の派閥の政治団体が、支援者から提供された政治資金について、事実と異なる記載が見つかりました。
政治団体、清和政策研究会の政治資金収支報告書です。
清和政策研究会が去年5月13日に開いた、政治資金パーティー。
このパーティー券を購入した、カンボジアにある日系の商社、TAG・トライアジアグループの横井朋幸代表です。
購入した金額について尋ねると。
しかし、収支報告書に書かれていたのは、本来のパーティー券収入の欄ではなく、寄付の欄。
購入金額の多くが、寄付として扱われていたのです。
なぜ、こうした記載になっているのか。
取材を進めると、資金の流れが明らかになってきました。
これはTAGのカンボジアにある銀行口座の記録です。
まず政治団体側に150万円が送金されています。
さらに、2つのグループ法人からも、それぞれ150万円が送金。
横井代表の個人名義でも50万円の、合計500万円が振り込まれていました。
合計の金額は、横井代表の主張と合致します。
ところが。
外国法人の名義で振り込んだ450万円は、その後、政治団体からいったん返されていたのです。
政治団体は、外国法人からの入金は前例がないため、返金したとしています。
一連の資金のやり取りには、双方の仲介役となった議員関係者がいました。
NHKは、この議員関係者が横井代表側に送ったメールを入手しました。
清和研事務局長より連絡がありました。
改めてお振り込みをいただきます5名の方をご連絡願いたいとのことです。
100×4名。
50×1名。
このメールを横井代表は、返金された450万円を、5つの口座に分けて、別の名義で振り込み直すよう依頼されたと受け止めたのです。
そのため、知人から送金用に4つの口座名義を借りたのです。
借りた口座の取り引きの記録です。
去年8月、横井代表から口座にそれぞれ100万円が振り込まれ、その翌日までに政治団体側に送金されたことが分かります。
パーティーの開催から3か月。
いったん、政治団体から返金された450万円が、名義を変え、再び振り込まれたのです。
法律で禁止されている他人名義での送金で、金額も法律の上限を超えるものでした。
政治団体は取材に対し、政治団体の事務局長が返金後に議員関係者に、振り込み直してほしいなどと指示した事実は全くない。
改めて提供された450万円が、その代わりだという認識もなく、他人名義の資金提供だとは、全く知らなかったとしています。
きょう公表された収支報告書。
さらに詳しく見てみると。
法人名義の100万円は、受け取った日付が事実と異なることも分かりました。
口座の記録では、実際に振り込まれたのは8月20日。
しかし報告書の記載は5月2日。
パーティーの開催前に受け取った形になっていました。
こうした事実と異なる記載について、専門家は。
収支報告書について政治団体は、意図的に誤った記載をしたわけではない。
調査したうえで、必要があれば訂正するとしています。
これは政治活動に本当に必要なことをね、適切に記載していけば、疑わしい事態ということにはならないはずですからね。
ですから専門家も指摘していましたけれども、政治団体は、疑わしい点について、しっかりと説明する責任があると思います。
ニュースを続けます。
旭化成建材のほかにも、6社でくいのデータの流用が行われていました。
業界団体のコンクリートパイル建設技術協会が、各社が自主的に点検した2845の物件を調査した結果を発表しました。
くいのデータ流用が行われたのはご覧の会社で、合わせて22件のデータの流用が確認されたということです。
これまでのところ、横浜市のマンション以外に、建物が傾くなどの異常は報告されていないということです。
続いて気象情報は、井田さんです。
こんばんは。
荒れた天気が続いています。
北海道ではあすの朝にかけて、猛吹雪に警戒をしてください。
こちらは北海道帯広市の今の様子です。
湿った雪が降っていまして、道路はぬれています。
北海道ではあすの朝にかけて暴風となり、猛吹雪となる所もありそうです。
交通の影響や、着雪などによる停電にも十分お気をつけください。
では風の予想を見ていきましょう。
この時間は、東北では西からの風、そして北海道では北からの暴風となっている所があります。
このあとあしたの朝にかけてが、この暴風のピークとなりそうです。
ただ、あすの午前中いっぱいは、非常に風の強い状況が続いていきますので、警戒をしてください。
雪や雨の予想です。
この時間も北海道や東北から北陸の標高の高い所で雪となっています。
北海道ではあしたの朝にかけて、暴風を伴って猛吹雪となる所がありそうです。
そのあとも、北海道のオホーツク海側や日本海側、東北から北陸の標高の高い所、雪が続きそうです。
そして日曜日の予想です。
日曜日、昼ごろにかけて雪の続く所がありそうです。
午後はだんだんと雪の範囲は狭くなりますが、今度は西から雨雲が広がってきます。
午後になりますと、夜にかけて九州や四国では、雨の範囲が広がってきそうです。
では、天気図で見ていきましょう。
あすは低気圧が発達した状態で北海道の東の海上へ進む見通しです。
北日本では、冬型の気圧配置が強いでしょう。
北海道ではあしたの朝にかけて、猛吹雪に警戒をしてください。
東北でも暴風が明け方ごろまで続きそうです。
また北海道から北陸にかけて、海上では大しけの状態が続きますので、沿岸でも警戒を続けてください。
各地の天気と気温を詳しく見ていきましょう。
こんばんは。
もうなんといっても、きょうはフィギュアスケートですね。
NHK杯が開幕しました。
男子シングルの前半で、羽生結弦選手が驚異的な得点をマークしました。
自身初の演技構成で挑んだ、オリンピックチャンピオンの羽生。
最初の4回転。
4回転サルコー、決まりましたね。
空中姿勢が傾きながらも、こらえました。
続く4回転3回転の連続ジャンプ。
流れるような美しい出来栄えを見せます。
演技の後半に入れたトリプルアクセル、しっかり決めました。
ステップでも最高レベルの評価を受け、抜群の表現力で観客を引き込みます。
みずから提案した高難度のプログラムを、ほぼ完璧にこなしました。
羽生は、自分が持つ世界最高を5点近くも更新する脅威の得点で、トップに立ちました。
浅田真央は、大歓声に包まれる中、2年ぶりのNHK杯です。
練習で好調だったトリプルアクセル。
着氷の力が足りなかったと、まさかの転倒。
さらに、3回転ジャンプが1回転になります。
それでも、すべてを見てほしいと、ジャンプ以外の要素はしっかりと滑りました。
浅田は4位。
悔しさをあすのフリーにぶつけます。
一方、初優勝を狙う宮原知子。
よいものが全部出たと、ジャンプにキレがありました。
磨いている表現力では、力強さを出します。
浅田不在の去年、全日本を制した17歳が、トップに立ちました。
きょうの羽生選手、河野さん、4回転2回、楽しみにしていらっしゃいましたけど。
完璧でしたね。
インタビューでも、自信たっぷりでしたね、あれね。
そうですね。
決めたぞ!っていう気持ち、感じましたよね。
指導するブライアン・オーサーコーチ、もう少し保守的な演技構成にするつもりだったそうなんですが、みずから選んだ挑戦、見事ものにしました。
フリーとの合計得点でも、300点超えと、世界最高得点の更新に期待がかかります。
宮原選手もね、ほかの選手の転倒が相次ぐ中、伸び伸びと滑りました。
あすも楽しみです。
プロ野球です。
ロッテからFA・フリーエージェントを宣言した今江敏晃選手。
楽天に入団することが決まりました。
今江選手はプロ14年目の32歳。
ロッテではサードのレギュラーとして活躍。
勝負強いバッティングが持ち味です。
今シーズンも主軸として、2割8分7厘の打率を残しました。
今江選手はFAの権利を行使し、今月17日には、楽天の星野仙一副会長などと交渉を行って、移籍に前向きな姿勢を示していました。
入団が決まった今江選手は、東北でみなさんと共に、新たな歴史の1ページを作れるよう、精いっぱい頑張りますとコメントしています。
続いては、新入団選手の動きです。
ロッテのドラフト1位、仙台育英高校の平沢大河選手が、球団と仮契約を結びました。
平沢選手は仙台市内でロッテと入団交渉を行い、仮契約を結びました。
持ち味は夏の甲子園で見せた長打力です。
3本のホームランを打って、チームの準優勝に貢献しました。
安定感のある守備も、高い評価を受けています。
球団からは、日本を代表する選手になってほしいと、大きな期待を寄せられています。
DeNAは、新人選手の入団発表を行いました。
ドラフト1位、駒沢大の今永昇太投手の背番号は21。
17年前、前身の横浜が日本一になったときの主力投手、野村弘樹さんがつけていた背番号です。
背番号1をもらったのは。
ドラフト2位、仙台大の熊原健人投手です。
ピッチャーがつけるのは、球団では66年ぶりです。
サッカーJ1は、あす、年間優勝を争うチャンピオンシップの準決勝。
浦和レッズとガンバ大阪が、最後の調整です。
第1ステージを制し、年間2位のレッズ。
きょうはリラックスした雰囲気の中、およそ1時間の軽めのメニューでした。
ガンバの強力攻撃陣に対する守備陣。
主力の森脇選手と、那須選手もけがから復帰し、日本代表の槙野選手も含めた3人を中心に、連係した守りで抑えます。
一方のガンバ大阪は、きょうは非公開で最終調整。
セットプレーなどを確認したということです。
ガンバは第2ステージ最終戦で年間3位となり、逆転でチャンピオンシップ進出。
その勢いのまま、あすに臨みます。
お伝えしていますように、20年前に起きたオウム真理教による東京都庁の郵便物爆破事件で、殺人未遂のほう助の罪に問われた菊地直子元信者に、2審の東京高等裁判所は、1審の判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
菊地元信者はきょう夕方、釈放されました。
釈放されたのは、オウム真理教の菊地直子元信者です。
菊地元信者は、平成7年に東京都庁で郵便物が爆発し、職員が大けがをした事件で、爆薬の原料の薬品を教団の元幹部らのもとに運んだとして、殺人未遂のほう助の罪に問われました。
2015/11/27(金) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
ニュースウオッチ9▽オウム真理教の菊地直子元信者に無罪判決▽北日本 荒天続く[二][字]
オウム真理教の菊地直子元信者に無罪判決・江川紹子さんらと解説▽北日本で荒天続く・北海道は猛吹雪に警戒▽フィギュア男女ショートプログラム・羽生選手・浅田選手結果は
詳細情報
番組内容
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
出演者
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
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ニュース/報道 – 定時・総合
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スポーツ – スポーツニュース
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