金曜プレミアム・アンダーウェア 2015.11.27


(南上)10月のトランクショーはこの2人にプロデュースを任せようと思うの。
(繭子・宗介)え〜!?
(史香)Emは規模を大きくして全国展開したいと思います。
(瑞希)女性は憧れから物を買います。
その気持ちをくすぐれば商品は必ず売れます。
でもそこにストーリーはあるの?
(繭子)これですよ!今回のトランクショーのテーマは…。
「ストーリー」です。
いいショーになりそうね。
(猿橋)Emotionはヒット商品を作りたいわけではありません。
(藤村)ビジネスはそんな奇麗事じゃないよ。
「女にはストーリーがある」何これ…どういうことですか!?
(宗介)瑞希さんと史香さん…。
(宗介)訴えるって冗談じゃないですよ!
(猿橋)和解の条件として向こうはトランクショーの中止を求めてる。
証言でもしますか。
われわれが盗んだって。
(史香)私はこのまま行ける所まで行く。
(宗介)辞めさせてください。
彼はEmotionのためを思って辞めた。
このまま進んでいいのかしら?
(アヤ)もう30年も前のものだものね。
着けてみていただけませんか?
(アヤ)ありがとう。
自信と覚悟。
それさえあれば仕事はできるのよね。
(猿橋)Emotionはここを乗り切れば絶対にまだやれる。
もう一度挑戦したいんです。
セカンドラインをやらせてもらえませんか?一足飛びにセカンドラインってわけにはいかない。
今やれることにその情熱を注ぎなさい。
どんなにいい物を作ってても知ってもらわなきゃ存在してないも同じです。
だから…。
この全部に!Emotionの記事を載せてもらいます。

(猿橋)へぇ〜広報。
(繭子)社長が勝手にしろって言うんで作ってみたんですけど。
変ですかね?
(猿橋)メーカーには必要な存在だよ。
すごくいいと思うよ。
(梶)えっ名刺っすか?俺にも1枚下さいよ。
どうぞ。
わっ…携帯の番号あるし。
向こうがこうくるならこっちだって。
全誌に「Emotion」って載せてやりますよ。
(猿橋)期待してます。
猿橋さんは何やってんですか?
(猿橋)援護射撃。
まあいいじゃないっすか。
大丈夫っすよ。
ホントに?指示書どおりの材料揃えるなんて楽勝っすよ。
だからマユちゃん先輩は心配しないで広報の仕事してください。
材料選びってすっごく大事なんだよ。
分かってますよ。
俺らが最初に会った場所覚えてます?あっそっか。
梶君生地屋さんにいたね。
フフ…。
繊維業界のキャリアでいったら俺のが長いんですから。
多少の知識…。
いって!え〜?ちょっ…大丈夫?えっ?何?これ。
あっこれ…。
あっ!ああ…トランクショーのシャンパン!うわ〜私キャンセルすんの忘れた…。
社長怒るなぁ。
大丈夫大丈夫。
俺が何とかしますから。
どうすんの?
(藤村)STORYは全国で大ヒットしてます。
ですぐにでも第2弾の制作をと上からお達しがありました。
(瑞希)フミちゃんが言ってたことの意味が分かったわ。
プロセスはどうであれ私も今の自分に満足してる。
(史香)さすが瑞希さん。
のみ込みが早い。
広報になったんです。
でまずはやっぱりそれらしく見える服かなって。
(仲谷)それでご来店くださったんですか?ありがとうございます。
(仲谷)あらためまして仲谷凛と申します。
先日はありがとうございました。
えっ!?仲谷さんってマネジャーさんなんですか?銀座店の?はい。
へぇ〜。
すごいですね。
いえ。
あっあのう銀座店のマネジャーさんだとやっぱり女性誌の編集者さんと仲良しだったりします?あっ…いえ全然。
私たちがお相手するのは常にお客さまですし。
そうですよね。
すいませんいきなり。
いえ。
Emotionさんも雑誌に広告出されるんですか?あっ…いえ。
それはお金が掛かると思うので中の記事に書いてもらおうかと。
でも出版社につてがなくて。
あっ『Conscious』さんは?ランジェリーの記事私もよく読んでました。
編集部の方ご存じなんじゃ?ああ…『Conscious』はい…。
(竹内)《女はそれぐらいがカワイイ》
(女性)申し訳ございません。
竹内はただ今外出中でございまして。
お約束でいらっしゃいますか?あっ…いえ。
すみませんまた改めます。
(修子)こんにちは。
あっ…小山さん。
(修子)どうしたの?こんな所で。
あっ…えっと…。
(修子)そうね…まず電話して副編のアポ取って永井編集長に話を通してもらうのね。
私からも話しておくわ。
ありがとうございます。
一つ一つ当たってくしかないわね。
あっそうだ。
私の友達で…。
あ〜でもあれは違うかな。
いやいいんです。
どなたでもご紹介いただければ。
ティーン向けの雑誌なのよ。
ティーン…。
西尾さん。
(カメラマン)うん。
ナイス。
はいはいそのまま。
マリーちゃんいいね。
はーい。
もっと元気よくいこうか。
いいねいいね。
そうそうそうそう。
いいね。
あのう…。

(モデルたち)お疲れさまでした。
(沢田)お疲れさまです。
ルミちゃんかわいかった。
ちーちゃんも。
マリーさん!マリーさんマリーさん。
(ルミ)あ〜沢田さんそれもしかして…。
(沢田)新作です!新作新作。
(ルミ)バッグだ。
(ちーちゃん・ルミ)カワイイ。
(沢田)ねえ見て見て。
カラー5色作ったの。
(ちーちゃん)カワイイ!
(沢田)マリーさん今回マリーさんのイメージにすっごくぴったりなの。
もしよかったら持ってもらえないかと思って。
・マユ?えっ?えっ…沙里衣ちゃん!?もしかして仕事?
(沙里衣)そうなの。
Cドールのオーディション受かったの。
おめでとう!よかった。
(沙里衣)うん。
えっ…マユは?あ〜…。
(女性)沙里衣ちゃん。
(沙里衣)はい。
ごめん。
またご飯食べようね。
うん。
頑張って。
(沢田)あのう関係者の方ですか?よかったらこれ。
あっ…いやいやいや。
(由梨)え〜!もらっちゃえばよかったのに。
もらわないよ。
だって私関係ないもん。
(由梨)で?その雑誌の人には会えたの?うん…。
まあでも若い子向けだからEmotionとは全然。
(由梨)確かに下着だしオーダーメードだしね。
うん。
でもホントびっくりした。
そのブランドだけじゃないんだよ。
次から次へとメーカーさんが来て商品置いてくの。
へぇ〜。
(三木)今はモデルさんに持ってもらうのが一番手っ取り早いから。
お金も掛からないしね。
お金?
(三木)モデルさんってブログに私服の写真とか載せたりするでしょ。
SNSとか。
そこにちょろっとでも写ってたりすると洋服でもバッグでも次の日には完売。
完売!?女の子は憧れで物を買うからね。
あ〜…それホントなんですね。
ん?あっいえ。
前に同じこと言ってた人がいたんで。
その人よく分かってる。
一流メゾンでもセレブに自社製品を持たせるのは広報の大事な仕事だって聞くよ。
う〜ん…。
でもEmotionは商品をあげるわけには…。
(三木)うん。
だからやっぱり雑誌なんじゃないのかなぁ。
『Conscious』みたいなですか?まあ実際にはブロガーの方が影響力あんだけどね。
えっ?えっ?ああ…いや。
あのう三木さんってやっぱり何かアパレルとかそういう関係のお仕事ですか?
(山)うん?
(山)ええっ!?
(由梨)どうしたの?山さん。
あっいやごめんなさい。
いやあのう…。
何?何?それ山さんが引っ掛かるポイントある?あのう…これ。
むむむ…娘!
(3人)え〜っ!?
(由梨・繭子)カワイイ。
あっいやいや…フフフ。
(繭子・由梨)嘘だぁ!
(藤村)ではSTORYのシリーズ第2弾は「フラワー」でいきます。
発売枚数は4万。
全国に先駆けて銀座店で新作発表会を開催。
その際はモデルの西川さんをお呼びして…。
ちょっと待ってください。
これいつ決まったんですか?
(藤村)先週の会議です。
マーケティングチームの数字とVANDERBILT’Sの来季のコンセプトを踏まえて企画開発室…。
(瑞希)私は聞いてません。
作るのは私たちですよね?
(史香)私はいいと思いますよ。
「フラワー」すごく女の子らしいコンセプトで。
(藤村)じゃあ時間もないことですし早速。
(瑞希)これは…。
(藤村)似たようなコンセプトで作られた他社の製品です。
売れてるそうなのでバラして研究してはどうかと。
研究?これ…。
(藤村)いいですよねこれ。
こんな感じでできたらいいと思うんですよ。
ぜひお願いします。
ビジネスですよ。
(瑞希)藤村さん。
(史香)瑞希さん…。
(藤村)言いたいことは分かってます。
(瑞希)これが目的ですか?「ストーリー」はEmotionが進めていたトランクショーのテーマだった。
盗んだんですよね?もういいじゃないですか。
(瑞希)納得した仕事ができるんなら私だって過ぎたことをいまさらどうこう言わない。
不本意でもマーケティングで決められたコンセプトに従います。
でもこれは違います!私は南上社長とは違う。
STORYはEmotionじゃない。
(藤村)フッ…。
いいですよ。
思うとおりにやってください。
マーケティングもコンセプトも無視して好きな物を作ってください。
でも…。
売れる物を作ってくださいね。
STORYはEmotionじゃないんですから。
(女性)11月の新作でございます。
よろしくお願いいたします。
ご無沙汰しております。
その節は大変失礼をして申し訳ありませんでした。
(永井)だいぶよくなったじゃない。
あっ…まだまだ。
あのう今日はこれなんですがよかったら。
(永井)えっ?でもEmotionさんとこは下着でしょ?えっ?キャミソール?下着ではなくてナイトウエアです。
へぇ〜そう。
奇麗ね。
さすがEmotionさん。
あっ…。
ありがとうございます。
身に着けていただいたらきっと良さが分かるかと。
(永井)ねえ竹内。
(竹内)はい。
(永井)どう?
(竹内)どうって…。
想像した?した方がいいんですか?しない方がいいんですか?どっちも気持ち悪いわね。
(笑い声)まっ私はこういうの好みじゃないけど。
(永井)で?予算はどれくらい?予算?あのういえ…広告を出すご相談ではなくて記事にうちの商品のことを書いていただけないかと。
タイアップ?なら予算は代理店さんと相談ね。
絵コンテは出すけど商品も内容も基本こちら主導になります。
あのう…。
すいません何度も。
予算って?竹内。
もしもし…。
ものを知らないにも程がありますよ。
えっ?表紙に「Emotion」って出してもらいたいですか?ええ。
はいぜひ。
だったら向こうと同じ額を出すんですね。
えっ?
(竹内)あなたが想像している金額よりも桁が2つぐらい違いますけど出せますか?失礼します。
失礼しました!この間ここの時田さんに会ったわ。
ついにEmotionもPR始めたのね。
(南上)幾ら?えっ?
(南上)STORYが全誌押さえたんでしょ?あなたは幾らもらったの?フッ…違うわね。
VANDERBILT’Sが出版社にがっつりお金を入れてるのよね。
それで編集部に指示されちゃ一介のライターなんか言われたとおりに書くしかないか。
「美しく力がある。
しかし軽くしなやか」「STORYのランジェリーはそのまま彼女たちの今を具現している」「この2人は現代女性の憧れであ〜る」もう大きな声で読まないでよ。
見せないでってば。
嫌だね〜!何よこの記事。
同じ写真。
同じ内容。
他の雑誌と書いてあることはまったく一緒。
ただ褒めて商品を買えって言ってるだけ。
これがランジェリー一筋の批評家小山修子の記事!?私は現代に順応してるの。
現場に行って取材して自分の目で見て感じたことも書けなくてそれで批評家と言えるの!?正論ね。
でも…。
だからあなたはここまでなのよ。
正しいことばかりしていると嫌われるわよ。
結局あなたはそうやって自分の道をふさいでいくの。
(仲谷)時田さん。
(仲谷)『Conscious』さんに行ったんですか…。
はい。
自慢していいですか?えっ?私去年とことしの販売売り上げ会社でナンバーワンだったの。
すごい…。
ううん。
銀座店の販売スタッフはみんないい成績よ。
だってアジアから来たお客さまもたくさん買ってくださるから。
自分の力だけじゃない。
でもね今すっごく人気で売れるの。
売れると私も勘違いしちゃうの。
本社も評価してくれるし。
自分はお客さまのお相手してるだけなのに流行をつくってる人々を動かしてるって思っちゃうのよ。
単純に全部お金が動いてるだけなのにね。
ホントはEmotionみたいな売り方が一番まともなのよ。
社長が正しかった。
いい物をまっとうに売りたいって思ったらEmotionの今の形が一番美しい。
お金が無ければこの雑誌のほんの小さな記事にもしてもらえないんです。
社長が正しいです。
・正しいことをしてるだけでいいんですか?猿橋さん…。
(猿橋)「女性にもっと下着を選ぶぜいたくを」これは社長がずっと目指してたことでしょ?金なら工面できます。
政策金融公庫に出す申請書と資料です。
訴訟問題も和解したし融資は受けられます。
社長が決断してくれるなら。
俺もセカンドラインをやりたい。
えっ!?
(梶)猿橋さんが?そう。
知らない間に融資の話とかつけてきちゃって「セカンドラインやりたい」って言うからびっくりしちゃった。
へぇ〜。
で社長は?そっか…。
大量生産は簡単じゃない。
やっと分かった。
でもひどいっすよね瑞希さんと史香さん。
バイトの俺でもムカつきますよ。
2人は分かってたんだと思う。
えっ?お金とか人とかタイミング揃うのは今しかないって。
だからって…。
そうだね。
どっか行きませんか?えっ?あっいや…単純に腹減ってないっすかって意味であっ…下心とかそういうのマジ全然ないですから。
行こっか。
あ〜おなかいっぱい。
梶君ってさすぐお店の人と仲良くなるんだね。
いや〜あの大将面白かったなぁ。
最悪っすよ。
バカな冗談ばっか言ってきて。
せっかく2人になれたのに…。
何かいっぱい笑ったから元気になった。
えっ?ああ…ならよかった。
ん?ああ…あれですか?宗介さんとは連絡取ったりしてるんですか?えっ?えっ?いや…あれ?いや…取ってないけど何で?えっ?だって…。
あっすいません。
今のなしで。
あのね私そういうの…。
いやホントなしで。
はい!元気に仕事戻りましょう!ちょっと。
間違ってないと思いますよ。
へっ?どんなにいい商品もみんなに知ってもらわなかったら存在しないも同じ。
えっ…。
(梶)俺手伝いますよ。
《売れる物を作ってくださいね》《ビジネスですよ》
(藤村)《STORYはEmotionじゃないんですから》・
(足音)えっ!?あっ…。
元気?はい。
おかげさまで。
フッ…。
おかげさまって…嫌み?そうですね。
瑞希さんは自分のブランドが持てて満足ですか?充実してるわ。
残念ですね。
えっ?コンセプトもデザインも一から全部自分で作ってたらもっと喜べたのに。
作れるわ。
これからいくらでも。
分かってます。
売るためには仕方なかったんですよね。
みんな仕方ないって思いながらやってるんですよね。
堅物のおばさん。
えっ?南上社長。
ああ…。
口悪いしわがままだし自分曲げないし。
そうね。
でも私…。
あの人は本物だって思います。
だから私は仕方ないって思わない売り方を探します。
「ストーリー」なんかあげます。
えっ?あんなアイデアいくらでも出てきますから。
だから謝ってるじゃないですか!うわっ逆ギレ!何?それ。
若者の特権?隠してたのは俺なんです。
ホントすいません。
そもそもキャンセルしなかったのは私だから。
キャンセルし忘れちゃったのはしかたがないわよ。
まあああいうときだから。
でも何!?これ!変なおっさんとか来ちゃったらどうすんのよ!?こうでもしなくちゃお客さまは増えません。
そうですよ!われながらすげえいいアイデアだって思ってます。
俺だったら絶対行く。
(猿橋)だからそれが違うんだって。
じゃあもっと他の何かを提案します。
とにかく世の中の人にもっと知ってもらうってことが大切なんですから。
そのとおり。
だからトランクショーだけじゃ駄目なんです。
もっと来たことがないような方にも来てもらわないと。
じゃないとSTORYには勝てません。
もうSTORYはいいわよ!思い出したくもないわ。
だいたいもとはこのシャンパン…。
(麗子)瑞希さん…。
お願いします。
ここで働かせてください。
えっ?
(猿橋)今何つった?俺の耳がおかしいのか?
(瑞希)どの面下げてって思いますよね。
私もそう思います。
何があっても私にこの店のドアを開ける資格はない。
(瑞希)分かってます。
でも…。
来るしかなかったんです。
近くまで来てもあの角が曲がれない。
もう何年も通った道なのに足が出ない。
何度も行ったり来たりして…。
(猿橋)あなたの心情なんかどうでもいいんですよ。
何やってるんだ。
自分で選んだ道じゃないかって帰ろうとするでもそうすると今度は足が勝手にこっちに向くんです。
もう頭と体がバラバラで訳が分かんない。
でも一つだけ分かってることがあって。
何にも出てこないんです。
自分の納得のいく物を作るって言い張って好きな物作れって言われて全部与えられて。
なのに私からは何一つ出てこない。
社長ならどうするだろう。
これは社長が作った物に似てるんじゃないか。
社長こういうの嫌いだな。
社長は…。
私はやっぱり…。
あなたが作る物が一番好きです。
(瑞希)許してくれとは言いません。
もう一度ここで働かせてください。
何でもします。
お願いします。
4月のトランクショー。
それやめて。
顔を上げてよ。
4月のトランクショー。
私は西沢瑞希のデザインを採用するべきだった。
あれはよくできてた。
Emotionの商品としてじゅうぶんあり得た。
あれを切らせたのは私の間違いだった。
後悔してるのよ。
すみません…。
フッ…。
やろっかセカンドライン。
えっ?こんなものやるくらいならセカンドラインやった方がましよ。
えっ!?サル資金のめどは立つのよね?はい。
うるさい広報もいる。
やたら前向きなバイト君もいる。
これまでの仕事を支えてくれている優しいベテランもいる。
デザイナーもいる。
2度も越えられなかった壁だけど今なら越えられそうな気がするわ。
ただし…。
私は正しいことをやって売れるわよ。
やりましょう。
正しいことやって嫌われましょう。
嫌われてるみたいに言わないでよ。
嫌われてるんじゃないんですか?何で!?こんな優しいのに。
ああそう。
だったら…。
飲みましょう。
優しい社長のおごりよ。
冷やそう早く。
(梶)よかったっすね。
うん。
あ〜ヤバい。
これマジなやつだ。
何?藤村でしょ?えっ?あいつは俺が倒しますよ。
(女性)すいませーん。
(麗子)あっ…はーい。
(麗子)あら塚本ひろみさま。
(ひろみ)すいません。
もう終わってるかなって思ったんですけど電気がついてたから。
(麗子)どうぞ。
どうぞどうぞどうぞ。
社長!社長!
(ひろみ)すいません…。
あっどうも。
まあ。
(ひろみ)お久しぶりです。
あのうこれを。
ありがとうございます。
いやうれしい!今これホントうれしい!えっでも2,500円ですよ?ううん…。
うれしいですね社長!あなたペース速いわね。
やっぱりこういうお客さまに来てもらいたいんですよ。
社長。
社長ってば!うるさいわね。
分かってるわよ。
もっと見てもらいたいんです。
こんな雑誌なんかじゃなくってもっと…。
社長…ショーやりませんか!?えっ!?会場です。
とにかく会場さえ押さえられればショーはできます。
でもうちの少ない予算だと借りられる会場も限られてて。
しかも…。
(梶)10月はジャパンファッションウィークがあってその前後は妥当な会場が全部埋まってるんです。
うちの少ない予算っでってなるともう…。
少ない予算少ない予算って言わないでよ。
これでも猿橋が頑張って融資引っ張ってきてくれたんだから。
(猿橋)少なくてすいませんね。
(繭子・梶)あっ…いえいえいえ。
でいつだったら空いてるの?
(梶)10月の最終週ならまだ候補が3つあって。
あ〜それじゃあその辺で。
あのう…一番手っ取り早くて安い所にしましょう。
…ってファストフードみたいだわ。
(麗子)今までのEmotionとは真逆ね。
(瑞希)でも早くても安くても出来上がった物がいい物ならそれはそれで最高じゃないですか?そうね。
瑞希さんの美しいセカンドラインみたいに。
えっ?そうですよ。
Emのサンプルめちゃくちゃカワイイです。
(猿橋)Emはショー当日に先行予約します。
縫製工場は押さえてありますから各シリーズ200は売りましょう。
うん。
だから先に数作っておくのは問題ないでしょ?Emはオーダーメードじゃないんだから。
(猿橋)売れ残って在庫抱えるリスクは避けたいんですよ。
会場と日にち決まりました。
10月31日恵比寿スクエアホールです。
(麗子)社長!社長!何よ?こっちも忙しいのよモデル探しで。
ねえ下着になれる子って何でこんな少ないの?日本じゃ下着モデルは低く見られるから。
下着になれるくらい完璧な体のモデルが何で洋服で体隠してるモデルよりも低く見られるのよ!?ごもっともごもっとも。
ほらマユちゃんから報告が。
何!?あっあのう…。
会場が10月31日恵比寿スクエアホールで決まりました。
予算は猿橋さんが取り付けてくれた融資1,200万のうち700万。
残りはEmの生産に充てさせてもらいます。
ですからワンステージ限定。
会場費も1日分しか出せないので建て込みも含めて1日でやります。
招待客数は200名。
Emotionのお得意さま60名。
一般の方40名。
プレス80名にセレブリティ20名をご招待する予定です。
Emotion初のランウェイショーできますよね。
えっと…。
ちょっといいかしら?
(麗子)何?どうしたの?先に断っとくけどこういうこと言うのあれだから二度と言わないわよ。
Emotionはこの小さな店が全てで私だけの世界だった。
だから絶対に妥協しないし作ってきた物は完璧だと自負してる。
でもそのこだわりが私に続こうとしてくれている才能ある人を追い詰めたり誇りを持って仕事をしている人にプライドを捨てさせたり社会に出ようと決めた若い人の希望を打ち砕いたりした。
分かったの。
やっぱり挑戦し続けなきゃ駄目。
自分で言うのは嫌だけどこの年の人間にとって怖いくらいのチャレンジなの。
でもやりたい。
だからお願い。
力を貸してね。
う〜んこれカッコイイ!でもお金掛かるんだろうなぁ。
ん?うんうんこれ斬新。
何これ斬新。
これぞ斬新!う〜んこれすてき…。
あっ違う違う。
テーマだテーマ。
テーマ決めないともう…。
「月」どうして?ホントは「フラワー」がよかったんですけど「フラワー」はSTORYに取られちゃったんで。
それ私に言う?冗談です。
ホントに「月」がいいって思ったんです。
理由は?月は女性的なイメージがあります。
満月の前後に出産する人が多いなんて話も聞きますし。
実際月は女性のバイオリズムに関係してると思うんです。
それに場面ごとに見せる顔が違うのも女性って感じがします。
確かにね。
Emotionには月がぴったりだって思ったんです。
テーマは「月」これでいきます。
すごい…。
(沙里衣)もうホント残念。
ホントタイミング悪いよね。
マユのショーは絶対出たかったのに。
仕方ないよ。
パリに行くんだったら。
もうあまりにも急で自分でも何が何だか。
SUMERAGIのイメージモデルに抜てきされるなんてすごいよね。
ホント奇麗。
アジア限定だけどね。
じゅうぶんすごいよ。
(ノック)
(マネジャー)沙里衣ちゃん5分後にテレビの取材。
その後午後の撮影に入るから。
(沙里衣)はい。
あっごめんね邪魔して。
(沙里衣)ううん。
あっ。
永井編集長に会うんでしょ?今日来てるよ。
うん…。
(沙里衣)『Conscious』はやっぱ影響力のある雑誌だから頑張った方がいいと思う。
うん。
ありがとう。
(カメラマン)うんいいね。
うんいいよ。
(カメラマン)OK。
どうでしょう?いいんじゃない。
OK。
(ディレクター)はいOKです。
撮影終了です。
永井編集長。
お忙しいところすみません。
Emotionの時田です。
以前から失礼ばかりしてホント申し訳ありません。
あのう今日は永井編集長にどうしても見ていただきたいショーのお知らせがありまして。
(永井)じゃあその件はよろしくね。
おはようございます。
先日は撮影見学させていただきましてありがとうございました。
であのう…ショーの方にご出席いただけるかどうかなんですが。
その日は予定が入ってるって言ったでしょ。
(修子)確かに『Conscious』の永井編集長は外せないわね。
彼女が来るならって集まってくるセレブもいるし。
はい。
海外のコレクションじゃね何が何でも呼びたい人がいる場合はその人のスケジュールに合わせて日程をずらすぐらいするってよ。
でも会場が…。
えっ?どういうこと?永井編集長に来ていただけないのならこのショーをやる意味がありません。
ですのでもう10月31日はキャンセルしました。
キャンセル…したの?永井編集長のご都合に合わせてショーの日にちを変更することにしました。
あらためてお伺いいたします。
何日ならお時間頂けますでしょうか?えっ…そうね…。
翌日の11月1日なら…。
ありがとうございます!では11月1日にいたしますね。
あ〜よかった。
これで来ていただけますね。
そうですか。
すいません。
11月1日です。
どうですか?ううん…。
分かりました。
会場はあと俺が何とかします。
えっ?マユちゃん先輩はショーの内容決めないと。
もう時間ないんだし。
でも…。
(梶)だってほら肝心なのは会場じゃなくて中身でしょ?うん。
(猿橋)演出はプロに頼んだ方がいいんじゃないか?金少しそっちに回そうか?猿橋さん言ってる顔が余裕なさ過ぎですよ。
(猿橋)ああそうだよ。
今の俺は1円だって惜しい。
大丈夫です。
演出は自分たちでやります。
だってEmotionの良さを一番分かってるのは私たちですから。
ランジェリーショー?
(藤村)知り合いのカメラマンから聞いたんですけど。
Emotionがやろうとしてるって。
プレスも呼んで結構規模もでかいみたいですよ。
(史香)へぇ〜。
そう。
えーっと修正が出たのはバラの白だけでしたよね?その辺は今週中には対応できると思います。
(藤村)すがすがしいほどの割り切り方だ。
えっ?
(藤村)失礼ですけど飯田さんがこれほどデザインができる人とは思ってませんでした。
マーケティングの数字にも忠実。
企画室の意見も盛り込んでくれるし素晴らしいですよ。
ありがとうございます。
西沢さんがいなくなって飯田さんまでつぶれたらSTORYはおしまいだって心配してたんですけど。
フッ…まさか。
個人の力なんてさほど影響ないでしょ。
私がつぶれたら代わりを見つけてくるだけ。
分かってます。
だから私はどんなことがあってもSTORYにしがみつくしEmotionにも負けません。
わあ!すごい。
やっぱカワイイ。
(麗子)いいわね。
全然セカンドラインって感じじゃないわ。
自信作ですから。
(猿橋)これは売れるよ。
売りますよ。
(梶)ありました〜…。
梶君!?おい梶大丈夫か!?キャパ200〜300。
使用料1日120万。
追加費用30万のところ20万に値切って椅子代込みガーデンホール青山11月1日押さえました〜!・お〜!すご〜い!梶君…。
よしやれるな?はい。
やった〜!お金用意お願いしますね。
(猿橋)どこだっけ?ホールの名前。
(梶)ガーデンホール青山です。
ショーに出す商品はモデルさん12人で30ルック。
うち瑞希さんのEmは6ルックです。
ショーの流れ的には最初にEmotionの商品が15点。
その間に瑞希さんのEmが6点入ってラストにもう一度Emotionが9点。
Emotionだけで24ルックか。
やるからにはSTORYを越えなきゃ意味がありません。
分かってる。
ただ一つ気になってるんだけど…。
はい。
演出は誰がやるの?分かってます。
でもこれ以上お金は出せないし自分たちでやるしかありません。
勉強します!やります。
根性でつくってみせます。
あっ靴。
そうですよね。
靴いりますよね。
あっはい。
モデルさんのオーディションのときには用意しておきますので。
使用料ですか?そうですよね。
音楽かけるにも権利が発生しますもんね。
メークする人と髪やる人って別々なんですか?10人必要ってことですか?アシスタントも!?フィッターさんって何ですか?・
(通話の切れる音)どうしよう…。
あ〜どうしようどうしよう!招待状はあと出すだけだしプレスキットもできてるし永井編集長も来るしセレブも出席押さえたしプレスも大勢呼んでるしなのに!どうしよう1週間前なのに…。
1週間…。
ああ…。
(由梨)ちょっと大丈夫?
(山)ブランデー。
気付けのブランデー。
(三木)幾ら出せるの?えっ?相場だと企画料込みで1ステージ最低100万なんですけど。
タダではや〜んない。
プロだから。
プ…プロ?えっ…何か見たことある名前。
三木恒彦…三木恒彦…。
えっ!?三木さんってあの三木恒彦!?
(山)あった。
ほら。
あったこれ。
えっ…この演出三木さんがやったんですか?これも?このこれぞ斬新ってやつも!?私すごい見てました。
勉強しようと思って。
フッ…勉強って。
でどうするの?あっいや…。
もう人様に頼るわけには…。
(三木)バカじゃないの。
えっ?
(机をたたく音)
(三木)何が我慢ならないってね素人のくせしてお金も掛けずに人をあっと言わせるスケールでハートをズキュンと射抜くような魅力にあふれた洗練されたショーを自分で!ハッ!クソど素人の分際でそれができると思ってるその甘っちょろい考えが我慢ならないのよ!学生の文化祭じゃないのよ。
人の仕事なめんな。
人をあっと驚かせる仕事はねスキルを持ったプロフェッショナルにしかできない。
あなたEmotionにいて散々見てきたでしょ?やるなら根性じゃなくてお金を出しなさい。
金額は…。
相談に乗るわ。
(三木)このランウェイは実にシンプル。
インヴィテーションカードは!?は…はい。
座席表は?えっ!?えっと…。
招待客のリストを出しなさーい!!は…はい。
はいはい。
あ〜やっと着きましたか。
はいはい。
はい分かりました。
はいはい。
コーヒー豆って今日アフターパーティーに出すやつですか?うんそうなのよ。
ホントはね昨日成田空港に届くはずだったんだけども今着いて。
取りに行くんですか?成田まで?大丈夫車だから。
あっじゃあ何かあったら連絡下さい。
(バイブレーターの音)あっもしもし?沙里衣ちゃん?
(麗子)貸して。
すいません。
(沙里衣)マユ?あのねさっき連絡が入ってパリのコレクションの仕事もらえたの。
ホント!?やったおめでとう!自分でも信じられなくて。
世界のトップモデルだよ。
すごいよ!ううんまだ分かんない。
チャンスもらえただけだし。
でもどうしても知らせたくて。
ごめんね今日ランウェイショーだよね?うん今から準備。
私今シンガポールなの。
撮影終わってこれから帰国するけどたぶんギリ間に合わないよ。
ごめんね。
いいっていいって。
今度ビデオ見せるからね。
とにかくおめでとう。
えっ!?サボってる暇ないわよ。
ちょっといらっしゃい!
(三木)いよいよショー当日です。
ご覧のようにフロアは私が100%信頼してる優秀なチームが完璧に仕上げてくれますから安心してください。
本日のEmotionのランウェイショー進行は表も裏も全て私が仕切ります。
ただ本番中私は2階の調整室に入っててバックステージには一切手が出せません。
モデルのフィッティングから誘導出のタイミングまで全て裏は皆さんでやってもらいます。
まあ本来ならうちの有能なアシスタントが仕切るんですが…。
すいません。
ギャラがどうにも。
だからといって失敗は許されません。
実際のポジションで確認できるのはランスルーの一回きり。
自分の動きを頭にたたき込んでください。
いいですか?
(三木)ここが最終チェックポジション。
デザイナーはここで最終チェックをします。
モデルさんをパーフェクトな状態で仕上げてくださいね。
分かりました。
(三木)ここが出しスタッフ位置。
私がキューを出したらあなたがモデルにゴーサインを出す。
いい?私とあなたでこのショー仕切るからね。
(瑞希)私こう見えて本番に弱い…。
じゃあ吐きながらでもやって。
そういう世界だから。
(三木)猿橋さんは呼びスタッフ並べスタッフ兼任ね。
進行表どおりにモデル並ばせて。
とにかく急がせること。
モデルの尻たたいてでも間に合わせなさい。
俺がモデルの尻たたいちゃまずくないですかね?
(三木)今日は大丈夫。
(三木)あなたはフィッティングエリアとの連絡係。
あなたモデルの裸見てうろたえるようなタイプじゃないでしょ?
(梶)実家の姉風呂上がりにマッパで俺をまたいでいきます。
フフ…最高。
頼んだよ。
(三木)あなたは何が何でもパーフェクトな配置でゲストを着席させなさい。
一番前ファーストロウがセレブと業界関係者で埋まればショーは9割方成功よ。
はい。
力ずくでも座らせます。
(三木)困ったら助けてもらいなさい。
お願いしますね。
(麗子)はい。
Emotionのお客さまと一般の方は私が誘導するからマユちゃんはゲストのアテンドに専念して。
よろしくお願いします。
(三木)いい?持ち場は把握した?
(猿橋)ええ。
だいたい。
(三木)ではデザイナーから一言。
えっ…今?えっ?まだ10時半ですけど。
本番前はこんなのんびりしゃべってられませんから。
面白い。
こんな日が来るなんて。
私が死ぬときに思い出す一日になるわ。
お客さまに最高に美しいEmotionの世界を見ていただきましょう。
(三木)ではショーのスタートは19時30分。
皆さんケガのないようにパーフェクトを目指しましょう。
ゴー!
(猿橋)よしいくぞ!
(瑞希)おー!
(麗子)はい!お昼のお弁当です。
お茶かコーヒーか選んでください。
(バイブレーターの音)もしもし。
(山)あっ今成田空港の税関なんですけど輸入許可がまだ下りなくて。
ああでも絶対に間に合わせるので心配しないでください。
ああ…。
あの最悪今あるコーヒーで構いませんけど。
(通話の切れる音)あれ?う〜ん…。
あっ。
何か違うのよね。
うわ出た…。
これ作り直すわ。
(3人)え〜!もういいかげんにしてください。
いっつも土壇場で。

(三木)そんなの普通でしょ。
あっ三木さん…。
デザイナーが自分の作品に最後までこだわるのは当然のことだし極限までトライするのがプロの仕事だと思うけど。
まあ確かに…。
そういうこと。
あとあなた。
ちょっと来なさい。
(梶)えっ?あっはい。
熱い。
何?これ。
あなた一刻も早く帰りなさい。
(梶)大丈夫です。
さっき薬飲んだしできます。
(三木)駄目。
誘導係のあんたが本番裏で倒れてショーが台無しになったらあんた責任取れるの?倒れません。
できます。
(三木)できない。
早く出ていきなさい。
三木さん帰れって…。
梶君の気持ちも考えてください。
このホールが押さえられたのだって梶君のおかげ…。
(三木)私の今日の行動基準はただ一つ。
ショーの完成度が限りなくパーフェクトに近づくように最善のことをするだけ。
人の気持ちなんてどうだっていいの。
あっ…大丈夫?タクシー呼ぼうか?
(梶)大丈夫です。
歩けます。
大丈夫なんすよ。
なのに…。
でも三木さんの言うことも…。
分かってます。
悔しいな…。
今晩の打ち上げでマユちゃん先輩絶対いい感じに持ち込めるって思ってたのに。
持ち込めないよ。
じゃあ成功を祈ってます。
テクニカルリハーサル始まってます。
ランスルーは時間どおり17時開始でお願いします。
(カオル)だから痛いっつってんの!
(カオル)ここが当たんのよ!
(瑞希)中敷きを入れたので。
あとばんそうこうも…。
(カオル)これじゃ歩けない。
サイズ変えてよ。
オーディションではこれ履いてOKもらってます…。
(カオル)あのときは大丈夫だったけど今日は駄目なの!少しお待ちください。
(舌打ち)モデルさんってさオーディションのときは無理してでも靴履くのよ。
仕事が欲しいから。
でも当日これじゃあ…。
文句言いたいだけかもしれないわよ。
他の子に聞いたらカオルさん午前中別のメゾンのオーディションでめちゃめちゃにへこまされて機嫌悪いんだって。
(瑞希)最近売れ始めてるからね。
プライドもあるんでしょ!でも実際カオルさんがいるとバリューも出ますから。
彼女メーンとラスト…。
一番の見せ場よね?とにかく靴何とかしなきゃ…。
あっちょっと…ちょっと待っててください。
これでどうでしょう?大丈夫です。
まだ1回しか履いてないんで。
えっ?お客さまお迎えするときに履き替えようと思って持ってきてたんです。
同じブランドのものです。
フィッティング見てていいな〜って思って思い切って買っちゃいました。
高かった〜くぅ〜!
(カオル)はっ!?ならそれも試してみてよ。
(カオル)あっ…南上さん。
(瑞希)これも。
昨日下ろしたばっかり。
今日絶対履こうと思ったんだけどどうせ裏方だし。
私のじゃ地味だと思いますけど…。
じゃあこれも。
試してみて。
(瑞希)じゃあこれも。
それで駄目ならどれか靴のストラップ切るから言って。
リボンでも何でも付け替えて歩けるようにする。
あなたにはどうしても歩いてもらわなきゃならないのよ。
あっそうだストラップ。
ストラップがもしかしたら…。
あ〜この金具がこうなってないから。
あ〜もう。
すいません。
これでどうでしょう?ハァ…。
(三木)ストップストップ。
スト〜ップ!タイミングずれまくり!瑞希さん私がゴーと言ったらモデルの肩をたたく。
何でそんな簡単なことができないの?すみません。
もう一度お願いします。
あのう…すいません。
裏俺一人じゃどうにもなんないっすよ。
そこ大丈夫。
今エンジェルが舞い降りるから。
はっ!?・こんにちは。
(由梨)三木さんに呼ばれて来ました。
マユの友人の鴻野由梨です。
えっ由梨!?華のある子だわ。
同じ田舎の子とは思えない。
バックステージに華必要ですか?
(三木)じゃあ出順の13番からいくよ。
(三木)モデルスタンバイ。
(三木)ゴー。
(瑞希)どうぞ。
フィッティングエリア内は私が指示を出します。
(猿橋)頼みます。

(物音)
(三木)ストップ!止めて!
(猿橋)またか…。
(三木)カオル落ちた!
(三木)シーリングライトつけて。
(三木)大丈夫?カオルさん!?大丈夫ですか?
(カオル)ライトが目に入っちゃって…。
(麗子)あ〜これは目立つわねぇ。
(瑞希)一番目立つとこ…。
ファンデーションで隠しますから出させてください。
お願いします。
代わりのモデルを探しましょう。
はいそうなんです。
何とかお願いできませんか?
(瑞希)あっ厳しいですよね。
そうですよね。
急過ぎましたもんね。
ちょっと無理ですね。
分かりました。
(瑞希)駄目だわ。
下着はやらないって。
こっちも駄目。
社長代わりのモデルさんつかまりません。
そう。
メーンとラストなので誰でもいいというわけにも…。
(カオル)私できます。
(カオル)さっきは本当にすいませんでした。
午前中のオーディションが散々で気持ちコントロールできなくて…。
恥ずかしいです。
絶対失敗しません。
ちゃんと歩きます。
だから出してください!遠くからならあざ見えないんじゃないですか?立てる?
(カオル)はい。
(瑞希)これなら…。
もうすぐ開場でしょ?頼むわね。
はい。

(山)今輸入許可書が出たんです。
で今から荷物引き取って急いでそちらに…。
あのうごめんなさい。
えっ?コーヒーもういいです。
えっ!?お願いがあるんです。
(三木)チェックOK。
客電に切り替えて。
どうぞお取りくださいませ。
あっ。
(スタッフ)三木さんウェイティングエリアには67名のお客さまが入ってます。
プレスから先入れますね。
(スタッフ)こちらにお願いします。
ゲストへのインタビューはウェイティングエリアでお願いします。
OK。
(三木)オンタイムでいきます。
(三木)スタートは19時30分。
(三木)じゃあ皆さんよろしくお願いします。
(三木)開場します。
順番にご案内しております。
恐れ入りますがインヴィテーションカードをご提示ください。
(猿橋)本日はありがとうございます。
(猿橋)玉置さまこちらへどうぞ。
玉置さま本日はありがとうございます。
どうぞこちらへ。
指示系統がバラけると混乱しますからこの中では私に従ってください。
ラックの写真必ず確認。
お願いします。
過呼吸にならないでよ。
あっ社長。
堂々としてなさいよ。
デザイナー西沢瑞希のショーでもあるのよ。
はい。
勘のいいおばさんだわ。
あっ…。
お嬢さん?
(瑞希)ええ。
頑張りましょう。
はい。
いらしてくださったんですね。
(藤村)当然ですよ。
Emotionさんのショーですから。
(猿橋)モデルさんスタンバイするよ。
いよいよだな。
藤村が来た。
史香さんは?ああ…。
彼女は今とても忙しくて。
すみません。
よろしくお伝えくださいと。
そうですか。
フミちゃんは?ううん。
見てもらいたかったなぁ…。
(永井)あら遅かったかしら。
えっ?フゥ…。
パーフェクト。
じゃあ始めるわよ。
フゥー。
OKいいわよ。
(三木)モデル大丈夫ね?いくよ。
はいどうぞ。
どうぞ。
2巡目準備ができしだいすぐにあちらに並んでください。
(由梨)順番とスタイリング必ず確認してください。

(猿橋)最終的にこっちで直しますから取りあえず来てください。
(カオル)はい。
(猿橋)お願いします。
(カオル)はい。
あっ…大丈夫?いけるの!?いけます!後ろ向いて。
お願いね。
どうぞ。
次Emいくよ。
さあいよいよ瑞希さんのデビューね。
はい。
こっち向いて。
OK。
頼むね。

(麗子)いいじゃないEm。
はい。
あっ…あっ!麗子さんすいません。
ちょっとここお願いしててもいいですか?すいません。
もうちょっとこっち来て。
来い。
来い。
来い。
来い!あのう…。
何?慌てて。
カオルさんすいませんあのう…。
今日のあなたはプロフェッショナルじゃない。
カオルさん今日のあなたのお仕事はここまでです。
私はショーの完成度が限りなくパーフェクトに近づくように最善のことをする。
それだけ。
人の気持ちなんてどうだっていい!でもモデルはどうするの?えっ?お願いね。
町田沙里衣?
(拍手)
(拍手)
(観客)ブラボー!
(拍手)
(観客)ブラボー!
(拍手)
(観客)ブラボー!ブラボー!ブラボー!
(拍手)・
(拍手)
(拍手)
(梶)あのうすいません。
中にいた方ですか?あの…どうでしたか?ショー。
ちゃんとできてましたか?
(史香)すいません…。
ごめんなさい。
すごく美しいショーでした。
ホントですか。
ええ。
あっ…。
ホントにありがとう。
無理させてごめんね。
(沙里衣)ううん。
出たかったから。
事務所の人怒ってないかなぁ。
あ〜沙里衣ちゃんの出演料高いよね。
大丈夫だよ。
半年前にもらった仕事だもん。
半年前?う〜んあのころの私の相場だとハンバーガー5個分かな。
フッ…フフフ。
今日はお世話になりました。
ああ…。
成田から町田沙里衣さんを急きょこちらに連れてきてくださったって。
おかげで助かりました。
いや…まあたまたまだから。
何年ぶりかしら。
あなたが銀座でコーヒー屋さんをやっているとはね。
ねえ。
あの人は元気?まあたぶん。
呼べばよかったのに。
今日のショー。
まるで夢を見たようだわ。
はい。
今日はあなたの一人勝ちね。
えっ?見事な立ち回りだった。
知らないうちに成長しちゃって。
憎らしい子よ。
社長もすごかったですよ。
私は自分の実力どおりにしただけよ。
物足りないわ。
私だって…。
人に助けてもらってばっかりで何にも作れてない。
次こそは自分のこの手で何か作ってみせます。
フッ…。
さあさっさと片付けましょう。
おなかすいたわ。
ハァ…。
いらっしゃいませ。
こちらがEmotion。
こちらがEmになっております。
Emotionのオーダーメードをご希望のお客さまいらっしゃいますか?この売れ方は予想以上ね。
よかったです。
ショーの反響があって。
とにかく今の流れを途切れさせたくないのでEmは早急に再生産の発注をかけます。
材料は押さえられてるのよね?はい。
AGNのプラスチックボーンだけあした入荷で他は縫製工場に入ってます。
準備はいいですか?いいから早く見せて。
早く。
では…。
これも。
これも。
これも。
これも。
これも。
これも。
これも。
(瑞希)ホントに!?全部にEmotionの記事が出てます。
どれどれ?おっすごい!わっあった。
結構大きく出てんじゃない。
えっそっちは?
(猿橋)こっちもすごいっすよ。
(梶)あ〜俺もショー見たかったなぁ。
社長これ。
『Conscious』ね。
これはあのおばさんが書いてくれてるんでしょ?小山さんです。
でも…。
(麗子)すごい…。
表紙にEmotionのロゴ。
えっ!?どこ!?あっあった!
(猿橋)これ金払ったの?いいえ。
永井編集長かしら。
うれしいわね。
はい。
Emotionの新規のお客さま昨日いらした分の材料です。
もう揃えたの?社長のお好みの生地もレースも全部ここに入ってますから。
ミシンも踏めないくせに。
えっ!?
(女性)今日からEmotionの一員として働かせていただきます。
仲谷凛です。
瑞希さんも麗子さんももう限界でしょ?だから彼女に入ってもらうことにしました。
(仲谷)これでも服飾系の専門学校出てます。
縫製だってパターンだってできます。
えっ!?即戦力になりますね。
どこぞの繊維バカとはものが違うのよ。
なっ!?
(猿橋)Emの第1シリーズ予約受け付け分1,200配送完了。
今日中にこれを郵送すれば…。
ひとまず今シーズンの山越えます。
でもあれよね。
もうちょっとすると次の秋冬物のトランクショーが。
そっか…3月ですもんね。
休みましょう。
(猿橋)えっ?2月まで2週間。
Emotionは夏休みにします。
やった〜!重っ。
ファッション誌って何でこんな重いかな…。
素材?これもランジェリーなんです。
私にとっては。
(修子)あなたはEmotionをどうしたいの?原点回帰したい。
成長した今だからこそ。
社長の本心が知りたいんです。
(麗子)全部なくしたのよ。
仲間も家族も。
結婚してたことなんか忘れてたわよ。
(男性)変わってませんね。
ぶざまな姿は1ミリも見せない。
あなたに感情はないんですか?
(梶)最後ぐらいちゃんと向き合わないときっと後悔する。
本心を言いなさいよ。
Emotionはもう私のいる場所じゃない。
2015/11/27(金) 21:00〜22:52
関西テレビ1
金曜プレミアム・アンダーウェア[字][多]

出演 桐谷美玲、大地真央 高級ランジェリー業界の舞台裏を描くお仕事ドラマ。大きな下着ショーを開催するために悩む新人、そして社員達。新たな展開が始まる!

詳細情報
番組内容
 大学時代に繊維の研究をしていた“繊維オタク”の時田繭子(桐谷美玲)。繊維メーカーに就職を希望するも、ひょんなことから、銀座にあるオーダーメードの高級下着メーカーEmotionで働くことに。そこでは、創業25年にして日本のランジェリー業界を引っ張るアイコン的存在のEmotion社長・南上マユミ(大地真央)のもと、一流ブランドをしょって立つスタッフたちがそれぞれの仕事にプライドを持って働いていた。
番組内容2
田舎から出てきた繭子は、自分の人生で接したことのない価値観に戸惑いながらも、次第にこの仕事に魅せられ、周りに助けられながら成長していく。

【〜今週のあらすじ〜】
第3週:「ランジェリー・ファッションショー開催!」
 銀座にあるオーダーメードの高級下着メーカー・Emotionは、今まで行ってきた店内で行う新作発表会をやめ、大きなファッションショーを開催することになる。ショーのプロデュースを
番組内容3
任されたのは新入社員の時田繭子(桐谷美玲)。大規模なショーの準備は予想できないハプニングばかり。初めての仕事で、なおかつ大きいプロジェクトを仕切るのに四苦八苦。開催1週間前になっても準備がはかどらないでいた。完全に行き詰まった繭子だったが、そんな彼女の元に助っ人が現れて・・・。
出演者
桐谷美玲
 / 
酒井若菜 
千葉雅子 
マイコ 
海東健 
佐藤めぐみ 
桜田通 
竹内寿 
蘭寿とむ 
折井あゆみ 
石田ニコル 
河北麻友子
 / 
田島令子
 ・ 
野間口徹 
野村宏伸 
小倉久寛
 / 
大地真央
スタッフ
【脚本】
安達奈緒子 

【プロデュース】
関口大輔 

【演出】
尾形竜太 
葉山浩樹 

【音楽】
Tim Wynn 

【制作著作】
フジテレビジョン 

【制作協力】
FILM

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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