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 日本臓器移植ネットワークは29日、宮崎県都城市の病院に入院していた10歳以上15歳未満の男児が臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。心臓や肺などの臓器が10代の男女3人を含む5人に移植される予定。15歳未満からの脳死臓器提供は9人目となる。

 移植ネットによると、入院先は都城市郡医師会病院。男児は低酸素脳症となり、24日夕に脳死状態と診断された。29日午前までに2回の脳死判定を終えたという。警察の検視や児童相談所への照会で虐待がなかったことを確認しているといい、関係者によると、事故が原因という。小、中学生のどちらにあたるかは公表していない。

 30日午前から臓器を摘出し、心臓は東京大病院の10代男性、肺は岡山大病院の10代女性、肝臓は京都大病院の10代女性に移植される予定。膵臓(すいぞう)と片方の腎臓は大阪大病院の40代女性、もう片方の腎臓は宮崎県立宮崎病院の60代女性に提供される。

 移植ネットによると、男児は臓器提供の意思を示していなかったが、母親は以前から提供の意思があったこともあり、両親が臓器提供を申し出たという。両親は「一人でも多くの人が助かり、元気になるのならば喜ばしいことだと思う。何もなくなるよりは、どこかで生きていて欲しい」と話しているという。