群馬県との県境にほど近い山あい。
過疎化が進んだ集落の一軒の家になぜか車やバイクが次々とやってきます。
そんなへんぴな場所へ…。
と県外から来た人も多数。
なかにはなんと…。
えっ滋賀!?正直なとこねう〜ん。
皆さんのお目当てはここにあるダントツにうまいもの。
さてそれはいったい何でしょう?わ〜。
こちらがお野菜の…。
そう蕎麦です。
お客をうならせるその蕎麦とは?ズバリ命は麺。
やや細めかすかに緑がかり透き通るような手打ちのそばにはこの山奥の店でしか吹き込むことのできない秘伝あり。
香り甘みコシ喉ごし。
どれもが一度食べたら忘れられなくなると言われています。
その類まれなるそばを作り出すのが眼光鋭いこちらの男性。
厨房では常にこんな調子。
ちょっと…。
それでもあのうまさの秘訣を知りたいと食い下がると…。
こちとらお前…。
いやぁごもっともです。
そこでなんとかその神髄に迫ろうとそば一筋の男の素顔とは?常に一生懸命。
だからそばを食べてもらえることが喜び。
しかしこの密着のさなか…。
蕎麦畑を見つめ立ちつくす神山さん…。
見えてきたのは一直線にそばと向き合う家族の物語。
そこには唯一無二。
一度は食べたい蕎麦。
その秘密に迫ります。
山の中の名店手打そばかみやま。
そのどこか懐かしい佇まいは築100年以上の古民家を改築したもの。
実はこちら店主の神山さん自身が生まれ育った家。
今でもお母さんと弟夫婦がここで暮らしています。
朝7時神山さんが店にやってきました。
早いよ朝…。
今は佐野市外に暮らす神山さん。
毎日車で1時間かけて店に通っています。
かみやまでは2名の従業員以外は基本家族で切り盛りしています。
店に飾る花を生けるのはわかりました。
地元で採れた野菜をカラっと天ぷらに。
担当は妻の浩美さん。
いつもふんわり笑顔。
お店のムードメーカー的存在です。
明るい女性陣に対し神山さん同様寡黙に蕎麦と向き合うのは…。
朝10時半。
開店30分前だというのに店の外にはすでにお客さんが。
タカハシ様。
はいどうぞ。
11時開店。
するとわずか15分で100人座れる店内は早くも満席。
かみやまの一番人気はもりそばと5種類の天ぷらのセット。
でも他のお店とはどこが違うんですか?こちらのお客さんも…。
かみやまでは出来たてを出すという基本が徹底的に追求されています。
しかしそれは家族経営だからこそ実現できているのだと言います。
どういうことでしょうか?店のすぐ隣にあるのは製麺所。
ここで毎朝弟の明久さんがその日の天候などからお客さんの数を予測して蕎麦粉を挽きお客さんの来店にあわせ麺を打ちます。
このとき麺を打つタイミングだけではなくこんなところにもこだわりが。
麺の断面は縦横均等の2ミリ。
打ち終えた麺は甘みを浸透させるためおよそ10分寝かせてから店主の神山さんが茹でるのですが…。
その目線はある一点に集中。
時計です。
茹で時間がたった1秒ずれただけでコシの強さは変わってしまう。
弟明久さんが太さと形を均等に調えた麺を神山さんが1秒の誤差もなく茹で上げることで絶妙なコシと喉ごしの良さが生まれるのです。
そして蕎麦の茹で上がりにぴたりと合わせて妻の浩美さんが天ぷらを仕上げれば人気の天もりそばの完成。
はいお待たせしました。
お蕎麦になりますね。
天ぷらもお持ちします。
こうしてかみやまの蕎麦はすべて打ち上がりから15分以内でお客さんに提供されています。
そう蕎麦を最高の状態でお客さんに出せるのは家族の阿吽の呼吸があるから。
そんなかみやまに事件が。
厨房ではいつも寡黙な神山さんがこの日は…。
もり4枚のところは2番です。
いつにない大声と険しい表情。
どうしたんでしょう?食べ残された蕎麦めったにないことです。
そして神山さんその食べ残しを口へ。
お客さんがなぜ残したのか気になってしかたがない。
思わず味を確かめずにはいられなかったそうです。
それにしてもすさまじい一食へのこだわり。
そのこだわりはこんなときにも。
番組で紹介する蕎麦を撮影させてもらっていると神山さんつきっきりで状態をチェック。
神山さんにとって蕎麦は大切な我が子なのです。
今日は店の定休日。
神山さんどこかへお出かけのよう。
ついていってみると2時間かけ到着したのは長野県小諸市。
ちなみにプライベートでは最近こんな和装スタイルがお気に入りだそうです。
訪ねたのは小諸のそば店。
休みの日もやっぱりそば。
はいどうぞ。
すみません。
以前から評判を聞き気になっていたというこの店。
その味を自らの舌で確認したかったそうです。
他人が打ったそばもおいしければ素直にその実力を称賛。
この日は更に2軒食べ歩いた神山さん。
更なる高みを目指し日々これ精進。
どこまでもそば一直線。
その日の夜。
ただいま。
神山さんの自宅におじゃましました。
帰宅するタイミングに合わせさっと夕食を並べる浩美さんに聞いてみました。
家での神山さんはどんな人ですか?もちろん家での食事にもこだわりが。
(笑い声)夕食後神山さんはソファーで爆睡。
その横で浩美さんは。
お店の帳簿も浩美さんが担当。
帰ってきちゃう。
日中はお店で働き帰れば家事もしっかりと。
神山さんがそばに一途になれるのはすてきな内助の巧があってこそですね。
翌朝6時。
神山さんは決まってこの時間に家を出ます。
のどかな田園地帯を越え更に山道を走り家から約1時間で実家でもある店に到着。
過疎化が進んでいます。
でもなぜこの地で店を続けるのでしょうか。
理由を聞くとあるところに案内してくれました。
神山さんは目立ちたがりの少年だったそうです。
高校生のとき憧れたのは矢沢永吉さん。
その影響かリーゼント頭の中には漠然とこんな思いが。
高校卒業後は営業マンとして好成績を上げプライベートでは3人の子宝にも恵まれて公私ともに順調な日々を送っていました。
そんな時父銀治さんが需要の低下から家業の林業を辞め土地の恵みを活かした再出発を決意。
山からの湧き水が豊富なこの地は昔から蕎麦の産地として地元では知られていた場所でした。
しかし問題も。
そんな思いから父の店を手伝い始めた神山さん。
そして試行錯誤すること4年。
父と息子は独自の蕎麦粉の比率を導き出します。
更科と呼ばれている甘みの強さが特徴である一番粉と蕎麦の香りを感じる二番粉を絶妙にブレンドすることで甘みと香りが際立つ蕎麦を生み出したのです。
しかし…。
66歳の若さで…。
家族を守るためおいしい蕎麦作りに力を注いだ父。
その思いを神山さんは今引き継いでいるのです。
私の名前も永治というんですけども永く治めるというふうに書くんでね。
神山家を永く治めろと。
ところで独自のおいしい蕎麦粉ってどんな比率なんですか?9月上旬の日曜日。
天候にも恵まれかみやまはいつにも増して大繁盛。
この日の目標は400食と言っていた神山さん。
終わってみれば…。
心地よい疲れですはい。
目標をはるかに超え上機嫌の神山さん。
今日はある場所へ。
そこは…。
家の近所のスナック。
仕事が充実すればお酒もおいしい。
そして手にはマイク。
「時代おくれの男になりたい」神山さん歌声もなかなかのもの。
何かやるときは何であろうと一生懸命。
熱い54歳。
その数日後。
1年でいちばん大切なときに予想もしなかった事態が。
栃木の山奥の名店手打そばかみやま店主神山さんが向かったのは契約している地元農家の新そばの畑。
そこで目にしたのは…。
新そばの苗が無残になぎ倒されてしまっています。
実はこの前日あの大災害が起きたのです。
まもなく茨城県の常総市の上空です。
そう今年9月北関東から東北を襲った大豪雨です。
さすがに気落ちした様子の神山さん。
しかしそれから…。
そば畑にはいちめん白い花が咲いていました。
逆境に強い作物そば。
あの豪雨にも持ちこたえてくれたのです。
そして10月下旬。
例年よりは多少収穫量は減ったものの納得のいくそばの実が確保できました。
こうして迎えたこの日。
神山さん心を込めて新そばを打ちます。
茹でると新鮮さが一目瞭然。
透き通るようなそばができました。
神山さん今年の新そばの味はどうですか?今年最初の新そばを先代父銀治さんに供えます。
家族のためそば作りに挑んだ父。
その思いを継ぎ神山さんも切磋琢磨してきました。
そしてこの日は心強い助っ人の姿も。
私の娘の鮎美です。
こちらは妹の香奈江さん。
東京で暮らす愛娘も毎年この日は帰郷。
家族総出で店をもり立てます。
神山家のこれからの1年を占う新そば。
お客さんの反応はどうでしょうか?すると…。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
おかわりもしちゃいました。
ありがとうございます。
お客さんの声にほっとしたようです。
今年の新そばも大好評。
しかし神山さんは…。
10月のある日店に子供たちがやってきて…。
神山さんの新たな挑戦が始まりました。
手打ちそばかみやま。
この日そばを打っていたのは地元の小学生です。
それでツルツルになるまで。
神山さんそば作り体験の指導役を買って出たのです。
自分たちで作ったのどう?おいしい。
おいしい?毎日食べたい。
毎日食べたい?こんなにおいしいおいしい言って食べるとほんと嬉しいな。
思いはきっと伝わっているはず。
地元の恵みと家族の恵みでおいしいそばを作る神山家を応援します。
2015/11/28(土) 23:00〜23:30
テレビ大阪1
クロスロード【神山永治/そば職人】[字]
「どこよりも美味い!」と今、話題の栃木県にある手打ちそば「かみやま」の2代目店主・神山永治に密着。客がわざわざ何時間もかけて山奥のそば店に集まる理由とは?
詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
手打ちそば「かみやま」2代目店主の神山永治に密着。店は都心から100キロほど離れた栃木県佐野市の山奥の築100年の古民家!だが週末になると辺りは車であふれ、店前には人々の大行列ができるほど「美味い」と言われている。店の駐車場に並ぶ車のナンバーは栃木県内のものだけでなく県外ナンバーが目立つ。なぜ客は、わざわざ何時間もかけて山奥のそば店に集まるのか!?
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなクロスロード(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
音楽
【エンディングテーマ】
「youth」竹原ピストル
(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)
ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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