12.9インチのiPad Proを使い始めて数週間が経過しますが、大きなディスプレイであるゆえにサイズも12インチのMacBookを上回るものとなってしまい、使用する用途もかなり限られてしまいます。ということで、iPad Proを使って感じたメリットとデメリットをまとめたいと思います。
iPad Proを使って感じたメリットとデメリット
iPad ProはAppleのティム・クックCEOが「モバイルノートを置き代えることができる」と宣言しているデバイスでもあります。しかし、僕は少なくともモバイルノートである12インチのMacBookからiPad Proから置き換えることはできませんでした。
画面が大きくなり、外部キーボードのSmart Keyboardがどんなに素晴らしい打ち心地であろうと、根幹であるOSがiOSである限り、MacBookからの置き換えをするのはかなり難しい状況です。
ただし、これはiPad Proで何をするかによって大きく異なる部分ではあると思います。ということで、いろんな視点からiPad Proというデバイスがどのようなモノなのか、ブログの更新のし易さなども紹介したいと思います。
iPad ProとMacBookのスペック比較
最初にiPad Pro、iPad Air 2、MacBookのスペックを比較します。
| モデル | iPad Air 2 | iPad Pro | MacBook |
|---|---|---|---|
| OS | iOS9 | OS X El Capitan | |
| ディスプレイ サイズ |
9.7インチ | 12.9インチ | 12インチ |
| 解像度 | 2,048 x 1,536ピクセル 264ppi |
2,732 x 2,048ピクセル 264ppi |
2,304 x 1,440ピクセル 226ppi |
| デフォルト スケーリング 解像度 |
1,024 x 768ピクセル | 1,366 x 1,024ピクセル | 1,280 x 800ピクセル |
| CPU | Apple A8X 3コア 1.5GHz |
Apple A9X 2コア 2.25GHz |
Intel Core M 2コア 1.1GHz/1.2GHz |
| RAM | 2GB | 4GB | 8GB |
| ストレージ容量 | 16GB/64GB/128GB | 32GB/128GB | 256GB/512GB |
| タッチパネル | ○ | × | |
| キーボード | ○(社外製別売り) | ○(別売り) | ○(内臓) |
| トラックパッド | × | ○(内臓) | |
| スタイラスペン | ○(社外製別売り) | ○(別売り) | × |
| 背面カメラ | 800万画素 | × | |
| 前面カメラ | 120万画素 | 480p | |
| ポート | Lightningコネクタ | USB-C | |
| 価格 | 16GB:53,800円 64GB:64,800円 128GB:75,800円 |
32GB:94,800円 128GB:112,800円 |
128GB:148,800円 256GB:184,800円 |
| Apple Pencil | × | 11,800円 | × |
| Smart Keyboard | × | 19,800円 | × |
iPad ProはSmart KeyboardやApple Pencilを組み合わせることでMacBookとほぼ同じ価格にまでの高級品になってしまいます。iPad Air 2の128GBモデルが75,800円ということを考えると、12.9インチになったiPad Proはいかに高いか分かるでしょう。
iPad Proのメリット
①性能が高い
CPUプロセッサの性能をGeekbench 3を使ってベンチマークを測定してみました。
| シングルコア | マルチコア | |
| iPad Air 2 | 1835 | 4628 |
| iPad Pro | 3195 | 5419 |
| MacBook | 2451 | 4572 |
シングルコア、マルチコアの性能はiPad ProのA9Xプロセッサが圧倒的に高性能となっています。A8Xプロセッサは3コアであることからMacBookよりも高い性能を発揮しているようですが、iPad Air 2ですらノートブックのMacBookのCore Mプロセッサよりも高い性能を持っているということになります。
iPad Air 2も高性能なので、iPad Proとの違いを体感することはあまり出来ません。しかし、Safariのウェブブラウジングをしている時に前の画面を戻るときなどは圧倒的にRAMの容量の多いiPad Proはサクサクと動作していることが確認できています。
また4K動画の書き出しは15インチのMacBook Pro(Retina,Late 2013)と同じくらいの時間で処理できることが明らかになっています。
Watch the iPad Pro go toe-to-toe with a MacBook Pro when exporting 4K video
もう、完全にハイエンドタブレットであることは揺るぎない事実。iOSとOS X、異なるOSなので単純比較は出来ませんが、もともと軽いOSでもあるiOSデバイスがこれだけのハイスペックな性能を持っているということは、それだく軽快に動作するということは想像するのは容易でしょう。
②画面が大きい
とにかくiPad Proは画面が大きいです。iPadシリーズと並べてみるとその画面の大きさは一目瞭然。
12インチのMacBookよりもかなり大きいです。
なので、動画を見るときには迫力が他のデバイスとは違うのです。こちらの画像は左がiPad Proで右がiPad Air 2です。iPad Air 2がビックリするくらい小さく見えます。
また、iPad Proには先進的な4スピーカーシステムが搭載されており、このサイズからは想像できないほど音が良いのも大きな魅力となっています。
また、写真をみんなで見るときもこの大画面が生きます。
実際に家族と昔の写真をiPad Proで表示させてみんなあーだこーだ言いながら見ていたのですが、これはMacBookやiPad Air2では得ることができない体験と言えるかもしれません。
電子書籍を読むのもiPad Proでは生きるように感じます。横向きにして表示させると漫画の単行本とほぼ同じ大きさ(実際にはiPad Proの方が少し大きい)になります。
膝の上の乗せるのがちょっと重いと感じるかもしれませんが。スタンドを使って読むことができるので、それぞれのスタイルで楽しむことができるのではないでしょうか。
③直感的な操作は健在
iOSは直感的に操作ができるように開発されたOSということもあり、その精神はiPad Proにも引き継がれています。基本的にはiPhoneを使える人であれば違和感なく使うことはできるでしょう。
Apple Pencilを利用することで絵を描いたりメモを取るということも今まで以上に直感的にすることが可能となりました。そして、Smart Keyboardを組み合わせることで文章を書くという作業もiPadでし易いように改善されています。
確かに、Smart Keyboardを使った文字入力はOS Xを基盤としたMacBookの操作性に比べるとかなり劣る部分はありますが、iPhoneを使っていたユーザーがiPad Proを使うことを考えると納得する部分でもあります。
iPad Proのデメリット
①大きい、重い、ダサい
iPad Proのメリットでもありデメリットでもあります。サイズは12インチのMacBookよりも大きいです。
厚みはiPad Proの方が薄いので、これだけで利用するのであれば良いと思うのですが。
Smart Keyboardを装着することで厚みもMacBookよりも分厚くなります。
そして、何よりMacBookと比較しても見栄えがカッコよくない。
Smart Keyboardを装着してキーボードスタイルにして並べてもMacBookの方が断然、カッコイイんです。どうしても、Smart Keyboardは付属品って感じに見えます。
MacBookは全体がアルミボディなのでカッコイイ。キーボードの文字盤が光るのもポイント高し。スタバでドヤるならMacBook。
iPad Proって横向きで使う場面が多いのにAppleのロゴマークは縦向きのままというのも違和感を感じます。
②ブログの更新がイマイチ
iPad Proを購入して試してみたかったのが「ブログを更新を問題なくすることができるか」です。
結論から先に書くとWordPressのブログなら問題なく更新ができますが、はてなブログに関しては、はてなブログのアプリを利用してブログ記事を書いて、最終的なアップはブラウザ側から行う必要があります。
なら最初からブラウザではてなブログの管理画面にアクセスして記事を書けばいいのではないかと思うかもしれませんが、それが出来ないんです。
まず、Smart Keyboardを利用した文字入力で変換窓の位置がおかしいです。
写真を入れても表示がバグってます。
そしてHTML表示もバグってます。
ちょっと使い物にならないのです。ちなみに、画像はカメラアプリから直接写真を撮ってそのままアップしたり、フォトライブラリ、さらにiCloud Driveを利用することでアップすることができるので問題はありません。(Googleフォトからのアップロードは出来ませんでした)
なので、はてなブログの公式アプリで記事を書いて保存してベースを作ってから記事を更新するという流れになるのかなと。
ただし、アプリの方はiCloud Driveからの写真のアップロードが出来ないのでちょっと曲者かも。
ちなみにiPad Proで写真のサイズを変更したい場合はサードパーティ製アプリを利用することで可能です。こちらは「imageResizi」というアプリを利用したものです。
ただ、はてなブログはフォトライフの設定でアップロードするときに写真サイズを変更することができる機能が備わっているので、そちらで1000pxとかに設定しておけばリサイズの問題はなくなるかと思います。
ワードプレスに関してはウェブブラウザからの更新は特に問題なく操作ができました。
③文字の切り替えがダメ
文章を書くときには日本語や英語の切り替えをすると思います。iPad ProとSmart Keyboardの組み合わせでは地球儀マークをタップすることで切り替えが可能となっています。
これは慣れでどうにでもなる部分かと思うのですが、ソフトウェアが問題。切り替えをすると「日本語 → 絵文字 →English(US)」と切り替わるので、日本語からEnglish(US)に切り替えるには地球儀マークを2回押さないといけないのです。
これが非常に手間。こんなに絵文字使わないですから!iOS9の次期アップデートで改善して欲しいところでもあります。
③マルチタスクでできる作業が少ない
iOS9よりマルチタスク機能が見直され、Split Viewを使うことで2画面同時に作業を行うことができるようになりました。しかし、対応しているアプリが限定していることや連携機能が充実していないことなど、まだまだ使いにくいのは事実。
MacBookならウィンドウは好きなだけ表示させることができ、クリエイティブなアプリもガンガン同時にストレスなく使うことができます。やはり、作業性と重視するのであればMacBookという選択になってしまうのです。
iPad ProはあくまでiPad
iPad ProはあくまでiPadであることを忘れてはいけません。
MacでできるようなことをiPad Proに求めてはいけないのです。iPad Proはタッチパネルを生かした操作性をベースに発展してきたデバイスであり、Apple Pencilを追加することでクリエイティブな作業ができる環境を拡充したいユーザーなどに受け入れられるものになりそうです。
また、パソコンを持っていないユーザーがiPad Proを選択するということも考えられるのかもしれません。普段は動画やウェブブラウジングをする程度の使用用途だけど、動画や電子書籍などを大画面で見たい、また文章作成なんかもちょっとだけしたいといったユーザーなんかにも良いデバイスと言えるかもしれません。
iPad Pro - Appleオンラインストア
Smart Keyboard - Appleオンラインストア
Apple Pencil - Appleオンラインストア