イスタンブール=春日芳晃
2015年11月29日19時49分
トルコ南東部ディヤルバクルで28日、少数民族クルド系の人権派弁護士として国際的に有名なタヒル・エリチ氏が会見中に警官隊と犯人グループの銃撃戦に巻き込まれ、射殺された。一連の銃撃で警官2人が死亡、弁護士や報道陣ら11人が負傷した。犯人の素性は不明だ。イスタンブールなど各地で「治安対策が不十分だった」と政府を批判するデモが起きている。
トルコのメディアによると、ディヤルバクルにある歴史の古いモスクの塔(ミナレット)が27日に銃撃を受けていた。エルチ氏が会長を務める地元弁護士会は28日午前、約40人が参加してミナレットの前で会見。ミナレット保護を訴える声明を読み上げ、会見が終了した直後、近くにいた警官隊と犯人グループの間で銃撃戦になった。会見には弁護士ら約40人が参加。エルチ氏は会見の際は中央に立ち、頭を撃たれたという。
エルチ氏は10月、トルコのニュース専門局の番組で「(クルド系の非合法武装組織)クルディスタン労働者党(PKK)はテロ組織ではない」などと発言。「テロ組織のプロパガンダをした」罪で拘束され、司法の監視下という条件で解放されていた。
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朝日新聞国際報道部
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