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核のごみ、21道府県拒否 処分地受け入れ

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定をめぐり、福井県、岐阜県、三重県など十三府県が候補地に選ばれても一切受け入れる考えがないことが、共同通信の調査で分かった。八道県も受け入れに否定的で、全体の半数近い二十一道府県が事実上拒否の姿勢を示した。

 「検討する段階にない」など方針を明確にしなかったのが愛知県など二十四都府県、「情報収集から始め、受け入れの可否を慎重に検討する」が二県、受け入れに前向きな自治体はなかった。

 政府は五月、処分地選びを自治体の公募に頼る方式から、国が主導して有望地を提示し自治体に調査の受け入れを求める方式に変更。今後、候補地として適性が高い地域(科学的有望地)を示す方針だが、選定の難しさがあらためて浮き彫りになった形だ。

 「一切受け入れない」とした十三府県のうち四県は原発立地県。全国最多の原発がある福井県は「発電は引き受けたが、ごみまで引き受ける義務はない」と指摘、石川県は「電力を大量に消費する地域を優先すべきだ」との見解を示した。

 二〇〇七年に文献調査に全国で初めて応募し、その後撤回した東洋町のある高知県は「受け入れる余地はない」と回答。当時、県議会が東洋町の応募に反対の決議をした隣の徳島県も「方向性は変わらない」と答えた。

 「受け入れは難しい」などと回答した八道県では、使用済み核燃料再処理工場がある青森県が「最終処分地にしない確約を国から得ている」と強調。核のごみを地下に埋める「地層処分」の研究施設がある北海道も、道条例を理由に受け入れには否定的な立場だ。

 国が前面に立ち責任を持って対応するよう求める声が目立つ半面、不安な点(複数回答可)では十県が「国の押しつけによる立地」を挙げた。「風評被害」「施設の安全性」がもっとも多く二十県、「地震や火山などの自然災害」が十七県だった。

 調査は十月下旬から十一月上旬にかけ書面で行い、全都道府県から回答を得た上で担当者に電話で追加取材した。

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