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H2A 海外受注の人工衛星を初打ち上げ
11月24日 15時53分

H2A 海外受注の人工衛星を初打ち上げ
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日本のロケットとして初めて海外の民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケット29号機は、24日午後3時50分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。ロケットは打ち上げから4時間半後の午後8時すぎに衛星を切り離し、軌道に投入する予定です。
H2Aロケット29号機は1段目のメインエンジンに点火したあと、4本取り付けられた補助ロケットにも点火して、午後3時50分、ごう音とともに発射台を飛び立ちました。そして、燃焼を終えた補助ロケットを切り離しながら上昇を続けました。
ロケットにはカナダの「テレサット」社の通信放送衛星が搭載されています。衛星の打ち上げを巡る国際市場はヨーロッパやロシアが大きなシェアを占め、さらにアメリカも加わって競争が激化していて、今回は日本のロケットとして初めて海外の民間企業から受注した衛星の打ち上げとなります。
これまで静止衛星の打ち上げでは、高度300キロ付近で衛星を分離していて、ここから高度3万6000キロの静止軌道までは衛星に搭載された燃料でたどり着く必要がありました。これに対して今回の打ち上げでは、衛星の燃料を節約して寿命を延ばすため、ロケットが4時間半も飛行を続け、静止軌道に近い高度3万4000キロで衛星を分離する計画です。飛行時間・飛行高度ともにこれまでにない打ち上げとなるため、H2Aロケット29号機は2段目のエンジンなどに改良が施されています。
衛星を軌道に投入するのは、打ち上げからおよそ4時間半後の午後8時17分ごろの予定で、日本が悲願としてきた衛星の打ち上げを巡る国際市場への参入に弾みがつくか、成否が注目されます。

これからもアピール続けていきたい

三菱重工業で衛星打ち上げビジネスを担当する小笠原宏営業部長は、種子島宇宙センターでH2Aロケット29号機の打ち上げを見守りました。小笠原部長は打ち上げの直後、インタビューに応じ、「緊張して打ち上げを見ていましたが、衛星の分離はしていないのでまだまだハラハラしています」と述べました。そのうえで、「今回の打ち上げは海外のお客様に日本のロケットについて知ってもらういい機会なので、これからもアピールを続けていきたいです」と抱負を語りました。また、打ち上げの直前に警戒区域に船舶が入り、打ち上げが遅れたことについては、「『あれっ』とは思いましたが、トラブルがあってもスタッフがしっかり対応できることがよさでもあると思います」と話していました。

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