杉良「地味でも長く続けたい」北見市で第9回アジア子ども映画祭

2015年11月29日6時0分  スポーツ報知
  • 「アジア国際子ども映画祭2015」にゲスト出演する(左から)杉良太郎、西内まりや、千葉涼平、橘慶太、緒方龍一、高橋みなみ、石田純一、Aya、ナナ、Ami、ミーナ、伍代夏子
  • 今後の映画祭の発展へ決意を語った杉良太郎

 歌手で俳優の杉良太郎(71)が創設したアジア国際子ども映画祭が28日、北海道・北見市民会館で行われ、17か国・地域の子供たち280人が参加した。9回目を迎えた今年は南あわじ市(兵庫)から北の大地に場所を変えて初開催。開催に尽力した櫻田真人前市長(享年52)が8月に自殺するという悲劇を乗り越えての実現だ。名誉会長の杉は「メジャーな映画祭に上がればいいが、地味であっても堅実に長く続けたい」。2020年の東京五輪・パラリンピックをメドに更なる発展を目指す。

 11月の月間記録としては観測史上1位となる積雪量36センチを記録した北見市。一面銀世界の景色とは対照的に、場内は熱気に包まれた。来年の節目の10回目に向けて、杉は「メジャーな映画祭に上がればいいが、地味であっても堅実に長く続けたい映画祭にしたい。長く続けることが一つの大きな目標」と力説した。

 杉が文部科学省、外務省に働きかけて創設した同映画祭は、小学生から高校生までを対象に、子供たちがビデオカメラで撮影した3分間の作品を、小室哲哉(57)ら各界の著名人が審査するものだ。4回まで鹿児島・指宿市、8回(昨年)まで兵庫・南あわじ市で行ってきたが、今年から北見市に開催地を変更した。その裏には、8月に自殺した櫻田前市長の尽力があったという。4年前から熱心に杉を説得するその姿に、杉は「『絶対にやるんだ。できます』と。すごく熱心な方だった」としのんだ。かじ取り役を失い、地元の関係者には動揺が広がったが、来年の同市での開催も決まった。

 映画祭のたち上げ当初は協力者が現れず、資金繰りにも苦労したが、過去最多タイの17か国・地域から394作品、280人が参加するまでに成長を遂げた。「アジアの国々に行くと、この映画祭の格式の高さを実感する。(お金の)負担の問題が出てくるかもしれないが、アジア(の冠)を取ってでも国を増やしていければ」と地域の拡大も視野に入れている。

 ベトナムでは26年間、社会支援活動を行ってきたが、ハノイ郊外の孤児院に入所する養子は90人を超えた。「障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟」のチーム顧問として、EXILE・HIRO(46)らと20年の東京大会に向けて施策を練っていく。活動が国内外で多岐にわたるが、「20年までには映画祭も各国での認知度も高めたい」と意欲を見せた。

 Ami「子供たちが、一生懸命頑張ってこの日を迎えたんだ、というのが、ステージ上からも伝わってきた。自分が思っていることを、こんなにも素直に表現できるというのは素晴らしいと思ったし、逆に、勉強させてもらうことが多かった」

 Aya「ステージと客席との距離感が近くて、いい雰囲気だった。子供たちに歌やダンスを届けている立場にあるんだと、改めて認識した。自覚が芽生えたし、勉強になりました。大先輩の杉さんが、子供たちのために始められた映画祭。私たちの世代も将来、しっかりと子供たちの叫びを受け止めていかないといけない(立場にある)と強く思いました」

 西内まりや「北海道開催で環境、空気感も変わって新鮮でした。子供が作ったと思えないようなクオリティー、映像技術がすごいと思った。受賞をした時の喜ぶ姿を見ると、子供たちにとって大事な時間だなって感じた。少しでも、毎年参加できていることがうれしい。自分もいつか、杉さんのようにたくさんの人のために行動を起こせたら。一番伝えたいことは何だろう、と考えて、私自身も(楽曲を)作って行った方がいいな。海外の子たちの言葉は分からないけど、表情、映像から伝わるメッセージ性、すごく可能性を感じました。自分もいろいろな経験をして伝えていきたい」

 ミーナ「子供たちが作った作品に対して、思い入れがあって感激しているのを見ると、思わず一緒に感情移入してしまった。忘れていた何かを思い出させてもらった」

 ナナ「ここまで感受性を持って考えているんだと、感動した。目を伏せたくなるけど、(貧富の格差など)アジア各国の現状を受け入れなきゃいけない意味でも、いい機会を与えてもらってた」

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