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【ゴルフ】

片山ジワリ3打差 逆転して連覇&ツアー30勝だ

2015年11月29日 紙面から

第3日、9番でバーディーパットを沈めギャラリーの歓声に応える片山晋呉(右)15番でパーパットを外す石川遼=黒潮CCで(市川和宏撮影)

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◇カシオ・ワールドOP<第3日>

 ▽28日、高知県芸西村、Kochi黒潮カントリークラブ(7315ヤード、パー72)▽晴れ、気温14・3度、西3・1メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽64選手(アマチュア1人)▽観衆4181人

 7位から出た昨年大会覇者の片山晋呉(42)=イーグルポイントGC=が6バーディー、3ボギーの69で回り、通算7アンダーで首位と3打差の4位に浮上した。大会2連覇、史上6人目のツアー通算30勝目に向け「チャンスはある」と逆転を狙う。石川遼(24)=カシオ=は73とスコアを落としながらも、通算10アンダーで単独首位をキープ。1打差の2位にB・ジョーンズ(オーストラリア)と韓国の黄重坤(ハン・ジュンゴン)が続いた。

 シーズン最佳境。直近8戦で優勝を含むトップ10入りが5回と後半戦の主役を演じている片山は「キツイですよ。心地良い疲れなんてない」と疲労困憊(こんぱい)。ただ、コースに出ればいつもの戦闘モードだった。

 1番パー4。2打目をピンそば10センチに寄せ、バーディーで好発進。5、7番でともに4メートル、9番では3メートル、10番では7メートルを決めた。ショットの安定感は際立ち、3日間のフェアウエーキープ率73・81%、パーオン率83・33%は1位。自慢のショットでつくった好機を、パットできっちりスコアにつなげた。

 16番パー4では1打目を曲げ、球はフェアウエーバンカーのアゴへ。だが、そこから持ち直して傷を最小限にとどめ「最高のボギー」と胸を張った。生命線の技術力、ここぞの精度はやはり一級品。チャンスで淡々と、ピンチで堂々と−。まさに、片山らしい王道のようなゴルフだった。

 勝てない時期を経て、片山の考え方は大きく変化した。強気な性格そのままに勝ち気なゴルフを貫いてきたが、「自分のため、お金のために戦うのはもう無理。今は応援してくれる人を喜ばせたい、興奮させたい。その思いしかない」

 感謝の思いが探求心に火を付けた。昨年1月、武術家と出会い、体の使い方を知り、学んだ。「体格では外国人に勝てないから」。体のメカニズム、細かな動かし方や意識付けをスイング動作に取り入れることで、加齢による筋力の衰えに負けぬ技術を身に付けた。

 片山にとって4大会目の2連覇、2008年以来となる年間複数回優勝に向け「ビッグスコアを出せれば面白いね」。顔は笑っていたが、射るようなまなざしは熱く、ぎらついていた。(松岡祐司)

 

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