【コラム】誇らしい歴史、恥ずかしい史料

帝国主義時代の日本と左派が発掘した恥ずかしい史料が山ほどある
これらを取り除かなければ誇らしい歴史は空念仏に終わるだろう

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は「誇らしい歴史を正しく教えるべきだ」と言う。当然、韓国の歴史は誇らしい。だが、誇らしい歴史を書くには、まず誇らしい史料を発掘しなければならない。現代史も同じだ。故・金泳三(キム・ヨンサム)大統領在任時に始まった「歴史の立て直し」は、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を経て韓国現代史全体に影響を及ぼした。しかし、だからといって今の政府のように歴史を解釈の見直しをすべきだと食ってかかっているわけではない。まず、史料発掘に人材や資金を投じた。盧武鉉政権時に活動が始まった「真実・和解委員会」の場合、投入された人材は230人、予算は759億ウォン(現在のレートで約81億円)に達した。同委員会がまとめた資料を見ると、解放後の韓国は暗黒の国だった。もちろん恥ずかしい歴史も韓国史の一部だ。史料発掘を通じて悔しさを晴らした国民も多い。しかし、歪曲された部分もあった。朴大統領があれほど憤慨する教科書の左派寄りの主張は、多くの部分でそうした史料に基づいている。帝国主義時代の日本の史料を克服できずに誇りを持って韓国近代史を書くことができないのと同様、左派寄りの史料を克服できずに誇りを持って現代史を書くことはできない。苦労して書いたとしても、権力の流れと共に消えるだろう。

 朴大統領は、学者たちが「誇らしい史料」を発掘できるよう、これまでのどのような支援をし、どのような成果を得てきただろうか。帝国主義時代の日本や過去の政権が総力を挙げ山のように積み上げてきた恥ずかしい史料を、どのように取り除いてきたのか。歴史は解釈の見直しだけで新たに書けるものではない。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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