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日本文芸家協会、著作権侵害の非親告罪化には慎重であるべきと声明
法規】発信:2015/11/27(金)  

  日本文芸家協会は11月24日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で、「著作権保護期間は著作者の死後70年」、「著作権侵害に法定損害償制度の導入」、「著作物の複製に、著作者の告訴なく非親告罪導入」などを柱とする知的財産分野での協定案が公表されたことをうけ、「著作権侵害の一部を非親告罪化することには慎重であるべき」との声明を発表した。

  同協会は声明で、文芸・音楽・映画等の海賊版の摘発強化と拡大抑制が狙いといわれるが、国内ではパロディーを認める判決はなく、著作権侵害の判断がされており、コミックマーケットなど二次創作物が当局に摘発される可能性もある。また著作権者の意思とは関係なく、捜査機関が、特定人物を監視し著作権侵害の疑いで検挙する、さらには別件逮捕される可能性の指摘もあるとして、「非親告罪化については慎重であるべき」としてる。

  非親告罪化については、この問題をテーマに開催された、11月4日の文化審議会著作権分科会の法制・基本問題小委員会で、JASRACや日本映画制作者連盟などの著作権者側からも、「二次創作は非親告罪化の対象から除外する」との意見が表明され、この方向で議論を進めることでおおむね合意がなされている。なお、日本文芸家協会もこの会合で、今回の声明と同趣旨の意見を表明している。

  また、11月24日に開催された、政府の知的財産戦略本部の「知的財産分野におけるTPPへの政策対応について」の会合でも、「著作権法改正については、権利保護と利用のバランスに留意し、特に、一部非親告罪化については、二次創作への委縮効果等を生じないよう、対象範囲を適切に限定する。」との方針が示されている。但し、日本文芸家協会の声明は、その前に作成されたもので、知財戦略本部の会合の内容は反映されてはいない。



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