- カテゴリ:
- ウィンタースポーツ
2015年11月29日01:43
前人未踏、空前絶後、世界最高、絶対王者、羽生結弦!
27日から行なわれているNHK杯フィギュア。ショートプログラムを終えた段階での総括は「羽生氏の顔がスゴイ」でした。自身の持つショートプログラム世界最高得点記録を更新する106.33点の会心の演技。もちろん演技内容や得点も素晴らしかったけれど、それ以上に演技後の顔が凄まじかった。鬼が驚くほどの鬼の形相。すべてを上回る勢いで、「顔」がこの大会のインプレッションとなっていました。
あまりのインパクトで「こりゃ今大会は顔の記憶しか残らんな」と思ったもの。あの鬼以上の何かを起こすのは極めて難しいだろう、そう考えていました。もしあるとすれば前人未到の300点台到達が最低条件となるだろうと。ただ、それは「300点超えるまでは考える必要すらない」という意味であって、300点超えようが何しようが結局は「顔」がハイライトだろうと。タカをくくっていました。
しかし、そのタカを羽生氏は遥かに越えていった。
フリー演技216.07点はもちろん世界最高記録、当然ショートとの合計322.40点も世界最高記録。史上初めて300点の大台に乗せたばかりか、階段を2段くらい上まで一足飛びに駆け上がってしまった。そして何よりも、完璧だった!理想の中にある、こうできたら最高だなという完成形が現実のものとなった演技でした。現代フィギュアのひとつの到達点とさえ言えるでしょう。
それを如実に示すのがフリーのプロトコル。ジャンプやスピンなど全部で13の技術的要素がある演技構成で、9人のジャッジがその出来栄えをそれぞれ採点するわけですが、13×9=117のスロットすべてにプラスの評価がついたのです。ただのひとつのゼロもなく、マイナス評価と足し引きすることもなく、すべてのスロットがプラスになった。完璧なジャッジペーパーと評されたバンクーバー五輪のキムヨナの演技でさえ、出来栄え評価には2ヶ所の「0」があったのに、です。
「非の打ちどころがない」のではなく「加点の打ちどころしかない」演技。
この先、得点の基準が変わったり、技術が進歩することによって322.40点は抜かれることがあるかもしれない。ただ、スピンもステップも含めてすべてを加点で染め上げたという偉業まで同時に果たすのは困難でしょう。野球で言えば完全試合を達成するような、どれだけ誇っても差し支えない、史上最高の演技だったと思います。
このような真の「神演技」が、日本の長野で、日本の羽生結弦によって演じられた。僕らはもっとこの幸せを噛み締めるべき。ひとつの競技の歴史の頂きに、同じ国で育ち、同じ言葉を話し、同じ習慣や文化を共有した人間がいるなんてことはそうそうあるもんじゃありません。この選手を「ウチの羽生」と思いながら、愛で、慈しみ、楽しむことができる。ありがたいことですね。いいものを見ましたね。感謝しないといけないですね。この時代、この瞬間に。本当に!
ということで、「顔」をも凌駕した完全試合の偉業について、28日のNHK中継による「NHK杯フィギュア」よりチェックしていきましょう。
◆ゴメンなさい、さっとん!今日は新世界到達の話がメインになります!
通例なら時系列に沿って、印象的な場面を少しずつかいつまむのですが、残念ながら今日はすべてが神演技に持っていかれてしまいました。大健闘で5位に食い込んだ田中刑事さん(警視庁)も、3位表彰台を確保した広田さん(洋菓子が無料)も、そのタイミングで録画がストップするレコーダーが続出したことでとばっちりを受けたバルデ(カナダ)も、好演技で3位に食い込んだホクスタイン(乳牛ではない)も、鬼の闘気に当てられてグッダグダとなったボーヤン・ジン(修学旅行風)も、ちょっと残念だった浅田真央さん(一応休み明けですよ)も、200点の世界に踏み込んだ宮原知子さん(ドヤ顔ダブルピース)も、すべてがこの偉業に霞んでしまった。
一段上の世界、それは「人外」と呼ばれる領域かもしれませんが、今日はみんなでそれを見上げる日です。遠い国のどこかでは何人かの世界王者もひとつ目線を上げていることでしょう。「また抜いてやる」と燃えているのか、「こりゃかなわん」と慄いているのかはわかりませんが、誰一人見下ろしているものはいない。誰も知らない、未踏の世界に羽生氏は飛び立ったのです。
6分間練習に臨むとき、昨日確認された鬼は姿を消し、羽生氏には柔和な笑顔が宿っていました。余裕すら漂うたたずまい。ショートでの世界最高得点更新で揺るぎなき確信を得たのか、ひとつ殻を破ったかのような落ち着きを見せます。更衣室では衣装に着替える際のセミヌード姿を披露するサービスまで。コッチを向け。乳首を見せろ。我が家のスタンドからも大きな歓声が上がります。
↓やめて!日本中のOLが死んじゃう!羽生氏のセミヌードが!!
天使の翼はないけれど、そこそこデカめのほくろがあるのね!
あと、今気づいたんだけど、羽生氏が温泉旅館に泊まったら、僕は一緒に大浴場に入れるんだ!
僕はそこで裸の付き合いをして、ボディソープとか貸してあげられるんだ!
温泉いきてぇ!!羽生氏の温泉旅行に同行してぇ!!
ハッ…!!いかんいかん、何か昨日鬼が出てきたあたりから、ちょっと高ぶっているかもしれません。予感がある。本人にもあるんだろうけど、コッチにもある。地元のNHK杯、絶好調のショート、闘志を燃やしてくれるライバルたちの存在。そしてこれが20歳で戦う最後の試合というアニバーサリー感。今日じゃないか。今日なんじゃないか。一皮むけるのは。計算上、300点に届くプログラムはもうある。何か特別なことが起こりそうな予感で、鼓動が早くなります。
ほかの演技者が滑り終え、最終滑走に臨む羽生氏。ウォームアップから時間は空きましたが、動きは滑らかで、表情は緩みもこわばりもせず適度な緊張に満ちています。天地を司る構えからまずは冒頭の4回転サルコウへ。高さ、回転、幅、着氷、そこからの流れ、すべてが美しい。つづく4回転トゥループも軽々と跳び、少し浮く能力でもあるかのごとき。空中段階から陰陽師の顔となって、ふわりとリンクに降り立ちます。
一切のタメなどなく流れの中でアッサリ決めてしまうトリプルフリップ、よどみないスピン、流れるようにつづく演技。ステップシークエンスでは、音数の少なさを完璧なタイミングで動作を合わせることで、逆に印象的な場面に変えていきます。カカッと鳴るバチの音に合わせ、氷を叩き、身体を跳ねる。ただステップをこなすのではなく、曲と調和した舞へと高めている。静かに、ただ緩やかに漕ぐだけの場面さえ、音との連動が「闇の世界を探索する陰陽師の緊迫」を表現してしまう。
演技後半に入ってからの高難度4回転+3回転のコンボ。さらにトリプルアクセルのコンボではセカンドジャンプに腕をあげる動作を盛り込み、隙あらば難度上げの姿勢を見せつけます。難しい入り方からトリプルアクセル始まりの3連続ジャンプを決め、最後のジャンプとなるトリプルルッツを決めた段階ではガッツポーズも飛び出しました。
ジャンプ直後に間髪入れずにフライングで入るという鬼スピンは、スケートカナダでは直前のジャンプで転倒していたこともあって不十分なデキだったことが、改めて完璧な状態でのNHK杯を見直すと感じられます。ただ回るのではなく謎めいた動きで、音楽と物語を表現しながら回る。そして、300点超えを確信して臨むコレオシークエンスは、リンクの魔物をすべて蹴散らしたフィナーレの歓びに満ちていた。笛の音とともにリンクをバンと踏みつけたとき、鬼は消え、天使の笑顔がすでにある。勝ったとか負けたとかGPファイナルがどうとか、もはや興味はそんなところにはありません。300点の先、新世界をどこまで切り拓いたのかということのみ。
「次元が違う」という実況の声がまったくポエムに聞こえない、文字通り異次元の演技。本人の笑顔とガッツポーズ、カメラに向かって堂々と突き立てた一本指が物語っている。世界の誰が見ても、歴史上の誰が見ても、コレが男子シングル史上最高の演技だ。あれほど慎重で、あれほど他者への敬意を欠かさない男が、勝利を高らかに誇ったのはそれだけの演技なればこそ。「羽生結弦をも満足させた演技」なればこそです。
↓永遠に残る演技、その演目が「SEIMEI」だった!これが日本の誇りでなくてなんなのか!
世界にまったく伝わらない「陰陽師」という概念を、自らのチカラで世界に示してしまった!
歴史を変えたのではなく、新世界を創った!
羽生以前、羽生以後で世界が変わった!
↓金色の光さえ見える美しいプロトコル!ただのひとつのゼロもなくすべての要素にすべてのジャッジが加点をつけた神演技!
非なんか打てないんだよ!
褒めるところしかない、完璧な演技!
どこをどうひっくり返してもケチはつけられない!
「やってやるとは思ってましたけど」と自分の演技に酔いしれた上機嫌ぶりを見せる羽生氏。長野と名古屋を言い間違えたり、「絶対王者だぞという自信をすごく言い聞かせて」という強い言葉での意気込みを明かしたり、しゃべりたくてしゃべりたくてたまらないご様子。血のぬじむ努力から解き放たれ、ひとつ上の世界にのぼった達成感が、理性より先に感情を走らせたのでしょう。
よかよか、言え。好きなだけ言いたいことを言ってよし。誰もいない世界にたどりついた男が謙遜したら嫌味なだけ。世界のメディアからは「ハニュウの発言が長すぎて共同インタビューで質問2つしか消化できなかったんですけど(苦笑)」という声も上がりますが、今日は何を言っても許される日なのです。それだけのことをやったのだから。
放送を録画されたみなさん、これからスポーツニュースなどでご覧になるみなさん、どうぞスローで何度も静止と巻き戻しを繰り返しながら見てください。ジャンプに心奪われるライブ中継では気づかない部分に、いくつもの振り付けがあり、それが音楽と調和し、陰陽師の所作というものを作り出しています。「このタイミングでジャンプなの!」「こんなに回ってから跳ぶんだ!」「身体から音が鳴っているみたい!」と見返すほどに発見があります。
先ほどのプロトコルでもうひとつ凄まじい点があります。Interpretationという「曲の解釈」を評価する項目で、9人のジャッジのうち6人が10.00点を出しているのです。10点以上つけられない項目で3分の2が10点をつけてきた。技術的に素晴らしい演技であることはもちろん、素晴らしい舞踏であると認められなければ決して得られない評価です。
「ジャンプ決めた決めない」って話じゃないんです。要素を決めたかどうかではなく、要素を埋め込みながら、どのような美を描き出したかの勝負。世界はすでに切り拓かれて、先へと進んでいるのです。その濃密さは1回ではとても噛み締められません。何度も噛んで、じっくりと味わってください。100回見てもいいだけの価値が、この演技にはありますから。
↓驚くだけの価値がある!もっとみんなで、何度でも驚こう!
何だこの「うわっ…私の年収低すぎ…?」の広告のOLみたいなのwww
低過ぎとは言わないけど、高過ぎってことでもないからwww
真っ当に計算を積み上げたらそうなっただけ!
金メダリストですら驚く神演技、これが、それ!
これから300点の世界で戦いが始まる!羽生結弦が切り拓いた新世界で!
27日から行なわれているNHK杯フィギュア。ショートプログラムを終えた段階での総括は「羽生氏の顔がスゴイ」でした。自身の持つショートプログラム世界最高得点記録を更新する106.33点の会心の演技。もちろん演技内容や得点も素晴らしかったけれど、それ以上に演技後の顔が凄まじかった。鬼が驚くほどの鬼の形相。すべてを上回る勢いで、「顔」がこの大会のインプレッションとなっていました。
あまりのインパクトで「こりゃ今大会は顔の記憶しか残らんな」と思ったもの。あの鬼以上の何かを起こすのは極めて難しいだろう、そう考えていました。もしあるとすれば前人未到の300点台到達が最低条件となるだろうと。ただ、それは「300点超えるまでは考える必要すらない」という意味であって、300点超えようが何しようが結局は「顔」がハイライトだろうと。タカをくくっていました。
しかし、そのタカを羽生氏は遥かに越えていった。
フリー演技216.07点はもちろん世界最高記録、当然ショートとの合計322.40点も世界最高記録。史上初めて300点の大台に乗せたばかりか、階段を2段くらい上まで一足飛びに駆け上がってしまった。そして何よりも、完璧だった!理想の中にある、こうできたら最高だなという完成形が現実のものとなった演技でした。現代フィギュアのひとつの到達点とさえ言えるでしょう。
それを如実に示すのがフリーのプロトコル。ジャンプやスピンなど全部で13の技術的要素がある演技構成で、9人のジャッジがその出来栄えをそれぞれ採点するわけですが、13×9=117のスロットすべてにプラスの評価がついたのです。ただのひとつのゼロもなく、マイナス評価と足し引きすることもなく、すべてのスロットがプラスになった。完璧なジャッジペーパーと評されたバンクーバー五輪のキムヨナの演技でさえ、出来栄え評価には2ヶ所の「0」があったのに、です。
「非の打ちどころがない」のではなく「加点の打ちどころしかない」演技。
この先、得点の基準が変わったり、技術が進歩することによって322.40点は抜かれることがあるかもしれない。ただ、スピンもステップも含めてすべてを加点で染め上げたという偉業まで同時に果たすのは困難でしょう。野球で言えば完全試合を達成するような、どれだけ誇っても差し支えない、史上最高の演技だったと思います。
このような真の「神演技」が、日本の長野で、日本の羽生結弦によって演じられた。僕らはもっとこの幸せを噛み締めるべき。ひとつの競技の歴史の頂きに、同じ国で育ち、同じ言葉を話し、同じ習慣や文化を共有した人間がいるなんてことはそうそうあるもんじゃありません。この選手を「ウチの羽生」と思いながら、愛で、慈しみ、楽しむことができる。ありがたいことですね。いいものを見ましたね。感謝しないといけないですね。この時代、この瞬間に。本当に!
ということで、「顔」をも凌駕した完全試合の偉業について、28日のNHK中継による「NHK杯フィギュア」よりチェックしていきましょう。
◆ゴメンなさい、さっとん!今日は新世界到達の話がメインになります!
通例なら時系列に沿って、印象的な場面を少しずつかいつまむのですが、残念ながら今日はすべてが神演技に持っていかれてしまいました。大健闘で5位に食い込んだ田中刑事さん(警視庁)も、3位表彰台を確保した広田さん(洋菓子が無料)も、そのタイミングで録画がストップするレコーダーが続出したことでとばっちりを受けたバルデ(カナダ)も、好演技で3位に食い込んだホクスタイン(乳牛ではない)も、鬼の闘気に当てられてグッダグダとなったボーヤン・ジン(修学旅行風)も、ちょっと残念だった浅田真央さん(一応休み明けですよ)も、200点の世界に踏み込んだ宮原知子さん(ドヤ顔ダブルピース)も、すべてがこの偉業に霞んでしまった。
一段上の世界、それは「人外」と呼ばれる領域かもしれませんが、今日はみんなでそれを見上げる日です。遠い国のどこかでは何人かの世界王者もひとつ目線を上げていることでしょう。「また抜いてやる」と燃えているのか、「こりゃかなわん」と慄いているのかはわかりませんが、誰一人見下ろしているものはいない。誰も知らない、未踏の世界に羽生氏は飛び立ったのです。
6分間練習に臨むとき、昨日確認された鬼は姿を消し、羽生氏には柔和な笑顔が宿っていました。余裕すら漂うたたずまい。ショートでの世界最高得点更新で揺るぎなき確信を得たのか、ひとつ殻を破ったかのような落ち着きを見せます。更衣室では衣装に着替える際のセミヌード姿を披露するサービスまで。コッチを向け。乳首を見せろ。我が家のスタンドからも大きな歓声が上がります。
↓やめて!日本中のOLが死んじゃう!羽生氏のセミヌードが!!
あああああああ!嘘だろおおおお! pic.twitter.com/UYwuabwmp3
— は る な❁ (@YuZuRu__0208) 2015, 11月 28
天使の翼はないけれど、そこそこデカめのほくろがあるのね!
あと、今気づいたんだけど、羽生氏が温泉旅館に泊まったら、僕は一緒に大浴場に入れるんだ!
僕はそこで裸の付き合いをして、ボディソープとか貸してあげられるんだ!
温泉いきてぇ!!羽生氏の温泉旅行に同行してぇ!!
価格:1,512円 |
ハッ…!!いかんいかん、何か昨日鬼が出てきたあたりから、ちょっと高ぶっているかもしれません。予感がある。本人にもあるんだろうけど、コッチにもある。地元のNHK杯、絶好調のショート、闘志を燃やしてくれるライバルたちの存在。そしてこれが20歳で戦う最後の試合というアニバーサリー感。今日じゃないか。今日なんじゃないか。一皮むけるのは。計算上、300点に届くプログラムはもうある。何か特別なことが起こりそうな予感で、鼓動が早くなります。
ほかの演技者が滑り終え、最終滑走に臨む羽生氏。ウォームアップから時間は空きましたが、動きは滑らかで、表情は緩みもこわばりもせず適度な緊張に満ちています。天地を司る構えからまずは冒頭の4回転サルコウへ。高さ、回転、幅、着氷、そこからの流れ、すべてが美しい。つづく4回転トゥループも軽々と跳び、少し浮く能力でもあるかのごとき。空中段階から陰陽師の顔となって、ふわりとリンクに降り立ちます。
一切のタメなどなく流れの中でアッサリ決めてしまうトリプルフリップ、よどみないスピン、流れるようにつづく演技。ステップシークエンスでは、音数の少なさを完璧なタイミングで動作を合わせることで、逆に印象的な場面に変えていきます。カカッと鳴るバチの音に合わせ、氷を叩き、身体を跳ねる。ただステップをこなすのではなく、曲と調和した舞へと高めている。静かに、ただ緩やかに漕ぐだけの場面さえ、音との連動が「闇の世界を探索する陰陽師の緊迫」を表現してしまう。
演技後半に入ってからの高難度4回転+3回転のコンボ。さらにトリプルアクセルのコンボではセカンドジャンプに腕をあげる動作を盛り込み、隙あらば難度上げの姿勢を見せつけます。難しい入り方からトリプルアクセル始まりの3連続ジャンプを決め、最後のジャンプとなるトリプルルッツを決めた段階ではガッツポーズも飛び出しました。
ジャンプ直後に間髪入れずにフライングで入るという鬼スピンは、スケートカナダでは直前のジャンプで転倒していたこともあって不十分なデキだったことが、改めて完璧な状態でのNHK杯を見直すと感じられます。ただ回るのではなく謎めいた動きで、音楽と物語を表現しながら回る。そして、300点超えを確信して臨むコレオシークエンスは、リンクの魔物をすべて蹴散らしたフィナーレの歓びに満ちていた。笛の音とともにリンクをバンと踏みつけたとき、鬼は消え、天使の笑顔がすでにある。勝ったとか負けたとかGPファイナルがどうとか、もはや興味はそんなところにはありません。300点の先、新世界をどこまで切り拓いたのかということのみ。
「次元が違う」という実況の声がまったくポエムに聞こえない、文字通り異次元の演技。本人の笑顔とガッツポーズ、カメラに向かって堂々と突き立てた一本指が物語っている。世界の誰が見ても、歴史上の誰が見ても、コレが男子シングル史上最高の演技だ。あれほど慎重で、あれほど他者への敬意を欠かさない男が、勝利を高らかに誇ったのはそれだけの演技なればこそ。「羽生結弦をも満足させた演技」なればこそです。
↓永遠に残る演技、その演目が「SEIMEI」だった!これが日本の誇りでなくてなんなのか!
世界にまったく伝わらない「陰陽師」という概念を、自らのチカラで世界に示してしまった!
歴史を変えたのではなく、新世界を創った!
羽生以前、羽生以後で世界が変わった!
↓金色の光さえ見える美しいプロトコル!ただのひとつのゼロもなくすべての要素にすべてのジャッジが加点をつけた神演技!
All the scores of the Free Skating NEW WORLD RECORD: 216,07 points!! Good job Yuzuru Hanyu!! pic.twitter.com/oBOvxvXdnX
— GPF Barcelona 2015 (@gpfbarcelona) 2015, 11月 28
非なんか打てないんだよ!
褒めるところしかない、完璧な演技!
どこをどうひっくり返してもケチはつけられない!
羽生結弦「覚醒の時」【通常版】【Blu-ray】 [ 羽生結弦 ] 価格:4,568円 |
「やってやるとは思ってましたけど」と自分の演技に酔いしれた上機嫌ぶりを見せる羽生氏。長野と名古屋を言い間違えたり、「絶対王者だぞという自信をすごく言い聞かせて」という強い言葉での意気込みを明かしたり、しゃべりたくてしゃべりたくてたまらないご様子。血のぬじむ努力から解き放たれ、ひとつ上の世界にのぼった達成感が、理性より先に感情を走らせたのでしょう。
よかよか、言え。好きなだけ言いたいことを言ってよし。誰もいない世界にたどりついた男が謙遜したら嫌味なだけ。世界のメディアからは「ハニュウの発言が長すぎて共同インタビューで質問2つしか消化できなかったんですけど(苦笑)」という声も上がりますが、今日は何を言っても許される日なのです。それだけのことをやったのだから。
放送を録画されたみなさん、これからスポーツニュースなどでご覧になるみなさん、どうぞスローで何度も静止と巻き戻しを繰り返しながら見てください。ジャンプに心奪われるライブ中継では気づかない部分に、いくつもの振り付けがあり、それが音楽と調和し、陰陽師の所作というものを作り出しています。「このタイミングでジャンプなの!」「こんなに回ってから跳ぶんだ!」「身体から音が鳴っているみたい!」と見返すほどに発見があります。
先ほどのプロトコルでもうひとつ凄まじい点があります。Interpretationという「曲の解釈」を評価する項目で、9人のジャッジのうち6人が10.00点を出しているのです。10点以上つけられない項目で3分の2が10点をつけてきた。技術的に素晴らしい演技であることはもちろん、素晴らしい舞踏であると認められなければ決して得られない評価です。
「ジャンプ決めた決めない」って話じゃないんです。要素を決めたかどうかではなく、要素を埋め込みながら、どのような美を描き出したかの勝負。世界はすでに切り拓かれて、先へと進んでいるのです。その濃密さは1回ではとても噛み締められません。何度も噛んで、じっくりと味わってください。100回見てもいいだけの価値が、この演技にはありますから。
↓驚くだけの価値がある!もっとみんなで、何度でも驚こう!
#NHK15: THE WINNER! #YuzuruHanyu broke all the records! Amazing. pic.twitter.com/9upCSQXm2f
— iFigure Skating.com (@iFigureSkatingc) 2015, 11月 28
何だこの「うわっ…私の年収低すぎ…?」の広告のOLみたいなのwww
低過ぎとは言わないけど、高過ぎってことでもないからwww
真っ当に計算を積み上げたらそうなっただけ!
金メダリストですら驚く神演技、これが、それ!
価格:1,944円 |
これから300点の世界で戦いが始まる!羽生結弦が切り拓いた新世界で!
ただただすごいです
人間本当にすごいものを見ると「すごい」としか言えなくなるんだなということを今日羽生氏が教えてくれました
生きてるうちにSP100点越えFS200点越えトータル300点越えのフィギュアスケート史に残る神演技を見れるなんて…
しかも日本の大会で日本の選手が日本のプログラムを滑った結果ですよ…
生きてて良かった…