辺野古周辺:移設先振興へ補助金新設 政府
毎日新聞 2015年11月27日 21時23分
政府は27日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古周辺の3地区の自治会向けに地域振興のための補助金を新設した。1地区当たり1300万円を上限にする。年内の交付を目指している。移設に反対する沖縄県や名護市の頭越しに地元住民へ直接補助することで、移設への住民の賛同を取り付ける狙いがある。
新設したのは「再編関連特別地域支援事業補助金」で、財源は防衛省の在日米軍駐留関連経費。補助対象は、米軍再編によって保有航空機が40機、部隊人員が1000人を超える基地の所在地域の自治会としており、防衛省は該当するのは辺野古、豊原、久志の3地区のみと説明した。
当初は1区当たり上限1000万円で検討していたが、1300万円に増やした。防衛相の決定で上限額の変更が可能で、来年度以降はさらに増額する方針だ。
政府が自治体を通さずに地元自治会に直接補助金を交付するのは極めて異例で、県からは「地方自治の趣旨に反する」と批判の声があがっている。中谷元(げん)防衛相は27日の記者会見で「代替施設建設を進めるに当たり、久辺3区には最も大きな影響を与え、できる限り配慮をする。地方自治との関連の批判はあたらない」と述べた。
補助金支出は申請に基づいて防衛省が可否を判断して決定する。3地区が要望している防災備蓄倉庫や運動公園などの整備に支出される見通しだ。【村尾哲】