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「中国行軍」父をたどる 井上靖次女が取材、「日記」単行本に

(2015/11/28 14:44)
かつて井上靖が訪れた中国・保定市郊外で詩を読み上げる黒田佳子さん=10日(井上靖文学館提供)
かつて井上靖が訪れた中国・保定市郊外で詩を読み上げる黒田佳子さん=10日(井上靖文学館提供)
井上靖の中国行軍ルート
井上靖の中国行軍ルート

 長泉町の井上靖文学館は来年3月、開催中の「戦後70年 井上靖と戦争・家族・ふるさと」展で紹介している作家井上靖の1937年の中国出征の軌跡をたどる単行本「中国行軍日記」(仮題)を発刊する。行軍ルート周辺の風景を、当時といまの写真で比較し、2等兵としての出征経験が戦後の井上作品に及ぼした影響も検証する。
 11月上旬に井上の次女で詩人の黒田佳子さん(70)=横浜市=、同館の徳山加陽学芸員らが行軍ルートを車でたどり、周辺取材と写真撮影を行った。
 井上が手帳に記した記述などを手掛かりに、北京南西の町「豊台」から盧溝橋などを経由し、直線距離で約300キロ離れた町「元氏」を訪ねた。
 黒田さんは「町や田園の風景に父の姿を重ねた。22日間の行軍は、さぞやきつかっただろう」と行程を振り返る。手帳の記録で綿畑の美しさをたたえていた保定市郊外では、父の詩を読み上げた。

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