昨日、友人が亡くなった。
とはいっても、最後に会ったのは数年前だし、会った回数も数回しかない。
なので、図々しく友人なんて呼んでいいのかなと迷ったりもするのだけど
深いだとか浅いだとか、そういう境目をどうこう言う人じゃないと思うから、友人と書く。
(※バリバリ関西弁だったけど、沖縄のイメージが強かった)
彼との出会いは、とあるセミナーのボランティアスタッフとして。
彼は何年もやっており、大が100個ぐらい付くほどのベテランだった。
訃報を受けて
彼からもらった2つの言葉を思い出していた。
1つ目は、ボランティアスタッフをやっている時のことだった。
ボランティアスタッフも、組織だ。
彼は存在感がすごかったので、彼が言葉を発すると、誰もが耳を傾けた。
彼の言葉はとても貴重な意見として、聞き入れられているように見えた。
たいしたことを言えない私にとっては
その組織で影響力なんて持てていない私にとっては
重要人物として扱われている彼がとても羨ましかった。
「さんちゃんは、すごいね。影響力があって、話すのもきっと楽しいだろうね」
と素直に本人に伝えた。
そうしたら彼は言った。
「それはありがたいことではあるんだけどね。影響が強いからこそ、発言には気をつけてる。自分が言った意見に組織が流されちゃうこともあるから。前に比べると、好き勝手言えんくなったわ。」
影響力の使い道。
ふと、そんな言葉が頭をよぎった。
持つ者ゆえの、苦悩というものもあるのだった。
もう1つ思い出深いのは、私が悩みを相談した時だ。
たしか、4年か5年ぐらい前。独立してしばらくした頃だったと思う。
彼が東京に来ていたタイミングで、銀座でランチを食べていた。
私が実際、何を相談したのかは思い出せない。
独立したもののこの先が不安だとか、好きな人とうまくいかないだとか、多分そんなようなことじゃないかな。
その時に彼が私に言った言葉は、今でも覚えている。
「その悩みを消したい?だったら、それより大きな悩みを抱えることだね。そしたら、小さい悩みは悩みじゃなくなるよ。」
その時の私は「はー!?それじゃ解決にならないじゃん!」と思ったし
今でも彼の言うところを全て理解できているわけじゃないのだけど
昔よりは、なんとなく言わんとしていることを噛みしめられているように思う。
私が彼から与えられたものは、もっとたくさんあるけれど
今は、この言葉を反芻しながら、彼を偲ぼうと思う。
安らかに、お眠りください。
出会ってくれて、ありがとう。