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 2014年の自民党への企業・団体献金が前年比13%増の約22億1千万円となり、09年に民主党に政権を譲る以前の水準に戻ったことが、27日公表の政治資金収支報告書で明らかになった。経団連が5年ぶりに会員企業への政治献金の呼びかけを再開したことが大きい。企業・団体献金を将来なくそうと、税金による政党交付金が導入されたが、制度の趣旨に逆行している。

 自民の14年の収入総額は約239億円。このうち企業・団体献金は、12年末の安倍内閣の発足を受け、13年に前年比42%増の約19億円に伸びていたが、14年はさらに増えて約22億円。09年の約22億円と同じ水準になった。現在、国会に議席を持つ全政党が集めた企業・団体献金のうち自民が98%を占めた。

 経団連の榊原定征会長は14年9月、会員約1300社に政治献金再開を呼びかけた。榊原氏が相談役最高顧問を務める東レは、08年を最後に自民に献金していなかったが、14年は4千万円を献金。企業・団体で6番目の額だった。

 一方、議員数と国政選挙での得票割合に応じ、税金から配分される政党交付金は約157億円。13年の参院選で議席を増やしたため約7億円増え、借入金をのぞく収入の68%だった。