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 政府は27日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先としている同県名護市辺野古周辺の3地区に対して、今年度1地区あたり最大1300万円を直接支出すると発表した。反対する沖縄県と名護市の頭越しに地元と直接交渉し、移設の流れを進める狙いだ。

 中谷元・防衛相が同日の記者会見で発表した。該当するのは辺野古周辺の「久辺(くべ)3区」(辺野古、豊原、久志〈くし〉)だ。

 補助対象は、伝統芸能事業やスポーツ大会といった「日米交流に関する事業」▽交通安全講習会や防災教育啓発、防犯灯設置などの「住民の生活の安全に関する事業」▽集会施設の改修や増築などの「その他生活環境の整備に関する事業」。いずれも経費の全額を補助する。

 3区からの申請に基づき年内にも支給する。今年度予算の在日米軍等駐留関連諸費を財源とし、来年度以降も支出する予定だ。

 沖縄県や名護市の頭越しに地元対策を進めることに県や名護市の反発が予想されるが、中谷氏は「久辺3区には最も大きな影響を与える。政府としてできる限り配慮する。地方自治に反するとの指摘は当たらない」と語った。(二階堂勇)