【三笠】捨てられた犬や猫の保護活動を行っている市民団体「みかさワンニャンボランティア」(伊佐治知子代表)が、収容能力を超える受け入れ数に危機感を募らせている。2013年9月施行の改正動物愛護法で、保健所が犬や猫の引き取りを原則拒否できるようになり、団体への持ち込みが急増。メンバー5人では20匹程度の受け入れが限界だが、27日現在、60匹に達している。メンバーからは「見捨てざるを得ない命も出てくる」との声すら出ている。
同団体は、保健所などから殺処分前の犬や猫を引き取って、一時的な保護と新しい飼い主を捜す活動を行っている。2001年の発足以降、救った犬や猫は計約930匹。自作カレンダーの売り上げなどを原資にして保護活動を続けている。
しかし、改正動物愛護法施行後、1カ月に5件程度だった新規の受け入れ数が、10件程度に倍増。この1年間の飼育数は、常時60匹程度で推移している。
今月20日、三笠市内のメンバーの女性(60)宅を訪れた。保護されていたのは犬と猫計15匹。屋内の4個のケージに8匹が入り、7匹は家の中で「放し飼い」だ。エサ代などで月に約4万円かかるという。半分は寄付などで賄うが、残りはメンバーの持ち出しだ。この女性は「病気の状態で持ち込まれるケースも多く、治療費だってかかる」とため息をつく。
それでも、保護の依頼は途切れない。今月10日には美唄市内で子猫2匹が捨てられているのが発見され、美唄市役所から保護の要請があり、引き取った。伊佐治代表によると、捨てられる犬や猫の数は年末にかけて増える傾向にあり、「来月はさらに数が増えるのでは」と話している。
同団体はメンバーの高齢化もあり、これ以上の保護は難しくなっている。伊佐治代表は「飼い主は最後まで責任を持ってほしい」と訴える。
問い合わせは伊佐治さん(電)01267・2・3795へ。(堀田昭一)