【映画「白い約束」の台本 ③】
コテージに着いてみると、舞を待ち受けていた合唱部の部員達は、みんな全裸でした。
「ね、これなら舞も、恥ずかしくないでしょう」
合唱部の部員達は全員、夏合宿の間、舞と一緒に全裸で過ごすことにしたのです。
そのおかげで舞は、高校生活・最後の夏を心置きなく、みんなと一緒に過ごすことが出来ました。
でも、舞に残された時間は、後わずかだったのですが・・・
合宿中は5時起床です。
ひんやりとした高原の空気が、全裸の少女達を優しく包みます。
みんなは最初、産まれたままの姿でいることが恥ずかしかったのですが、これは病気の友人の為なんだと、自分に言い聞かせると勇気が湧いてきます。
毎朝、素っ裸のまま、合唱部の40余名、全員で高原をランニングして、それから体操です。
そして、ある朝、朝靄(あさもや)の立ち込める草原で、全裸の少女達は誓い合うのです。
「私達は必ず今年も、合唱コンクール全国大会で優勝する」と!
彼女達は、立ち込めていた朝靄(あさもや)に因(ちな)んで、この誓いを「白い約束」と呼んでいました。
でも、病気は回復したわけではなく、舞は合宿が終わると、また病院へ戻ります。
やがて秋になり、予選を勝ち抜いた桜花女子学院高校・合唱部は、全国大会に出場しました。
全国大会・当日
控室で、出番を待っている桜花女子学院高校・合唱部の顧問の先生のところに、病院から緊急連絡が入ります。
(次回へ続く)