米国債(27日):上昇、中国株の値下がりで安全需要高まる (1)
2015/11/28 06:46 JST
(ブルームバーグ):27日の米国債は上昇。10年債利回りは3週ぶり低水準に落ち込んだ。中国株の値下がりで比較的安全とされる米国債の需要が高まった。
週間ベースの国債利回りは3週連続で低下。12月に予想される初回利上げ後の金利上昇は漸進的なペースになるとの見方が背景にある。中国の大手証券会社の一角が当局から調査を受けたと公表したことが嫌気されて、中国株は大幅安となった。感謝祭の祝日から明けたこの日の米国債市場は、午後2時までの短縮取引だった。
ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は「世界的に株式相場は下げている。特に中国株の下落が目立っている」と述べ、「これが国債を朝から支えている。欧州債利回りが低下し、米国債も追随した」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時15分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.22%。一時は11月4日以来の低水準となる2.20%まで下げた。同年債価格(表面利率2.25%、償還期限2025年11月)は1/8上昇して100 1/4。
米国債は過去1カ月間で約1%下落。ブルームバーグとEFFASが追跡対象とする世界26市場の中で、最も悪いパフォーマンスとなっている。
金融政策当局が12月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き上げる確率は72%として、市場で織り込まれている。この確率の計算は初回利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮定に基づく。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フォンメイレン氏は「中国発のネガティブなニュースがいくつかあった」と述べ、「商品相場にもまだ圧力が見受けられる。それが米国債利回りの押し下げ圧力につながっているのだろう」と続けた。
フォンメイレン氏は「12月の利上げはかなり明らかなようだが(行動するペースは)極めて漸進的になるだろう」と述べた。同氏は10年債利回りには「まだ上昇の余地」があるとして、今後2-3カ月で2.5%をつける可能性があるとみている。
原題:Treasuries Rise as China’s Stock Slide Drives Demand for Safety(抜粋)
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更新日時: 2015/11/28 06:46 JST