ドラフトに見る独立リーグの役割、石毛宏典氏が語る
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プロ野球
2015年のドラフト会議では四国アイランドリーグプラスから6人が、BCリーグからも6人が指名された。全88人の指名選手の中で合わせて12人が独立リーグから指名されている。これについて四国アイランドリーグを設立した石毛宏典氏に話しを聞いた。
ドラフトの結果について
編集部:「まず今年のドラフトの感想についてはいかがだったでしょうか?」
石毛:「真中のミスもあったけど、阪神は外野手でいいんだろうかねえ。外野手を1位指名したチームが多かったのも意外だった」
編集部:「その中で四国アイランドリーグでは香川オリーブガイナーズから4人、徳島インディゴソックスから2人が、またBCリーグでも武蔵ヒートベアーズから5人、石川ミリオンスターズから1人と、合計12人の選手が独立リーグから指名されました。」
石毛:「ほとんどが育成ドラフトでの指名だった。NPBはずるいというのが正直な感想」
編集部:「支配下で指名されたのは埼玉西武のドラフト10位・松本直晃選手1人だけで、他11人は育成ドラフトでの指名ですね」
石毛:「四国アイランドリーグを作る時、NPBへはドラフトではなく移籍で選手が行けるように提案していた。しかしNPBがドラフトでの指名にこだわった。こちらをプロ野球と認めていない。」
編集部:「確かに独立リーグもリーグでドラフトを行ってアマチュア選手を指名していますね。それでもチームでは武蔵から5人、香川から4人がNPBの選手となりました。チームで見るとJR東日本や明治大が3人ずつで、NPBの選手になるにしても独立リーグの方がなりやすい?」
石毛:「NPBからプロ野球として認められるまではまだまだです。」
育成ドラフトについて
石毛:「そもそも、NPBの育成ドラフトや育成枠には反対です。社会人野球選手は育成ドラフトでの指名が遠慮されているのに、同じように努力している独立リーグの選手だったり、大学まで野球をやって活躍をしている選手を育成として支度金300万円、年俸200万円台で契約するというのは失礼。」
編集部:「確かに支配下で契約する選手は高校生でも契約金は2000万円くらい、年俸も基準金額以上になりますね」
石毛:「仕事をしながらプレーをしている選手もいる。その努力はせめて契約金で認めてあげるべきでしょう。」
独立リーグの役割
編集部:「それでも、独立リーグからは今回、一度野球を辞めて介護などの職場で働いていた選手が、夢をあきらめられずに独立リーグの入団テストに合格してリーグでも結果を残し、今回のドラフトで指名された選手もいました。これまでは完全にプロ野球への道をあきらめざるを得なかった選手だったと思いますが、独立リーグがあった事でNPBの選手になりました。これは選手にとっても、そしてNPBにとっても素晴らしい事だと思いますが、独立リーグの役割については成功と言えますか?」
石毛:「選手の夢をかなえたこと、またNPBにも良い選手を送り出している。またNPBで戦力外になった選手が監督やコーチ、選手として独立リーグにいる。ラミレスも、日本での指導者を希望してBCリーグで監督を務め、横浜DeNAの監督になった。NPBの選手のセカンドキャリアとしても役割を果たしている。審判の育成などもしている。」
編集部:「独立リーグがこれから目指すものは何でしょうか?」
石毛:「野球以外の収入も得られるようにすることだろう。シーズンは野球を精一杯やって、シーズンオフは野球のこともそうだが地場の産業で働いて地域に貢献できれば良い。選手の生活の面でも良くなるだろう。」
編集部:「オーストラリアでは国の代表チームに普段は郵便配達員で仕事をしている選手などもいたりしますね」
石毛:「アメリカの独立リーグも農場で仕事をしていたり、大型トラックを運転している選手がシーズンになると野球をして夢を追いかけている。日本の独立リーグでもできる。特に農業に注目している」
四国アイランドリーグを立ち上げた石毛氏は、野球と地域をより強く繋がった形にしたいと考えています。日本野球のエコシステムの中に入ってきたと言って良い独立リーグですが、地方創生など日本の社会の中でさらに強力に回っていく事を思い描いています。
(記事:Professional-view Baseball 編集部:柄井)
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