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【ゴルフ】

前田子陽、シンデレラV再び 出場選手賞金最下位が首位発進

2015年11月27日 紙面から

1番でバーディーを決めギャラリーに応える前田陽子=宮崎CCで(神代雅夫撮影)

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◇LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ<第1日>

 ▽26日、宮崎市・宮崎CC(6448ヤード、パー72)▽晴れ、気温14・6度、風速4・7メートル▽賞金総額1億円、優勝2500万円▽28選手▽観衆1858人

 今季ツアー優勝者と賞金ランキング上位の28人が出場するツアー最終戦、26日が誕生日だった前田陽子(31)=伊藤園=が4バーディー、1ボギーの69をマーク、3アンダー単独首位発進を決めた。賞金ランクは今大会出場選手最下位の28位ながら、持ち前のシンデレラぶりを発揮して初メジャー制覇を目指す。1打差の2アンダー2位に申ジエ(27)、1アンダー3位にアン・ソンジュ(28)=ともに韓国、3週連続Vのかかる女王イ・ボミ(27)=韓国=らがイーブンパーの4位で続く。

◆前週までの不振一変

 いきなり変身するのが「シンデレラ」だ。10月1週目の日本女子オープン以降、前週までの8試合で予選通過は2回。前々週から2週連続予選落ちしていた前田が変わった。1番で7メートルのバーディーパットが決まると、安定したショットでボギーは13番での1つだけ。ただ一人60台でホールアウトだ。

 この日は31歳の誕生日だった。「今堀(りつプロ=師匠)さんに『おめでとう』って言われました。プレゼントはたくさんもらいました。同組のインジちゃん(田仁智)と写メ撮ってもらった」と素朴に笑った。

 「シンデレラV」と称された昨年11月、伊藤園レディスでの初優勝は賞金ランクシード圏外の68位から。昨年、賞金ランク上位25人と同年優勝者らしか出場できないこの大会に初出場した際は「またここに帰って来られるようにしたいですねぇ」と現実味なく話していたが、今年7月にサマンサタバサレディスでツアー2勝目を挙げ、堂々2年連続出場を果たした。

 プロテスト合格は受験5度目。昨年1月までの8年間は地元・小松島市内の段ボール工場で時給750円からのアルバイトをしながら成功をつかんだ。優勝、シード権、所属契約、用品契約などで生活は一変したはずだが、「う〜ん、食事の時に値段を気にせずメニューを選べるようになりましたかね」と、素顔は変わらぬままだ。

 「正直、まったく優勝なんてものは考えていません。強い選手が集まっている試合。その中で自分がどこまでできるか。挑戦的な気持ちです」。その謙虚さで、メジャータイトルでもシンデレラ・ストーリーをつくってしまうかも。 (月橋文美)

 

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