自称祈とう師「腹の中に死に神が」薬投与中断 糖尿病男児死亡させる
2015年11月27日6時0分 スポーツ報知
栃木県警は26日、1型糖尿病を患う男児へのインスリン投与を中断させて死亡させたとする殺人容疑で同県下野市の自称祈祷(きとう)師で会社役員の近藤弘治容疑者(60)を逮捕した。
県警によると、近藤容疑者は今年4月、宇都宮市の小学2年・今井駿君(7)の40代の両親に「腹の中に死に神がいるからインスリンでは治らない」などと告げて投薬を中断させ、同27日に県内の病院で衰弱死させた疑い。容疑者は「龍神」を名乗り、駿君の体をさすったり、ロウソクを並べて「死に神退散!」との呪文を唱えるなどの行為を「治療」と称し、両親から200万円以上を受け取っていた。「ハンバーガーを食べ、スポーツドリンクを飲みなさい」とも命じた。
駿君は昨年11月、1型糖尿病と診断。「不治の病を治せる」と話す近藤容疑者に母親が相談を持ち掛けた。調べに対し、容疑者は「(同様の行為を)十数年以上やった」と供述。駿君の両親以外からも多額の報酬を得ていたとみられる。
保護責任者遺棄致死容疑の可能性があるとして県警から任意聴取された両親は「インスリンの注射を嫌がりかわいそうだった」と説明している。