ロシア旅客機:エジプトで墜落、224人乗り…全員死亡
毎日新聞 2015年10月31日 18時01分(最終更新 11月01日 00時16分)
【カイロ秋山信一、モスクワ杉尾直哉】エジプト政府によると、同国東部シャルムエルシェイクからロシア西部サンクトペテルブルクに向かっていた民間航空機(乗客217人・乗員7人)が31日午前6時15分(日本時間同日午後1時15分)ごろ、エジプト・シナイ半島北部ハサナ郊外で交信を絶ち、墜落した。生存者はいない。エジプト当局によると、機体に技術的問題があり、テロの可能性は低いという。
◇エジプト当局「機体に技術的問題」
墜落したのは、ロシアの航空会社「コガリムアビア」のチャーター便エアバスA321。AP通信は複数のエジプト当局者の話として、生存者はいない、と報じた。乗客は大半がロシア人で、3人がウクライナ人。在エジプト日本大使館によると、日本人が死傷したとの情報はない。
エジプト政府の発表によると、同機は離陸して約23分後に交信が途絶え、レーダーから機影が消えた時点の高度は約9450メートルだった。エジプト軍などが、シナイ半島北部の山岳地帯で大きく二つに切断された機体と150体以上の遺体を収容した。ロイター通信によると、機体はほぼ垂直に落下したとみられ、大部分が焼け焦げており、遺体は半径5キロの範囲に散らばっていた。また、飛行データを記録したブラックボックスも発見された。
地元メディアは「エンジンの不調が原因で操縦不能に陥った」と報じた。米CNNテレビによると、離陸直後、パイロットが管制官に、機体に技術的問題があると伝え、航路の変更を要請していた。
エジプト政府はイスマイル首相をトップとする危機対応チームを設置し、検察当局も捜査を開始した。
シャルムエルシェイクは紅海に面したリゾート地で、ロシアからの観光客も多い。コガリムアビアはモスクワに本社を置き、「メトロジェット」のブランドで運航するチャーター便主体の航空会社。