――2013年に緑の島で行った5万人ライブは、函館がGLAY特需に沸きました。来年3月の北海道新幹線開業以降、再び行う予定はありますか。
TAKUROさん(タクロウ)「もちろんです。日本全国で同じようなライブをやってきたけれど、函館でやった時の気持ちは、ほかの地域とまったく別でした。『これほど人に喜ばれて、マチを全国にアピールできる機会はなかなかない』と思えたんです。観光の一環としてライブが位置づけられ、地域の経済に活を入れることもできる。私たちとしても、もっともっと函館のために役に立ちたいと思っているんですよ。2年前は霧がひどくて、ファンの方々に函館の景色をちゃんと見ていただけていないですし。次回も緑の島でやりたいですね」
――今年7月の函館アリーナのこけら落としライブの時も、濃霧で飛行機の到着が遅れました。
HISASHIさん(ヒサシ)「あの時、ファンのためにライブの開始を20分遅らせることをツイッターで周知してみました。初の試みでしたが、すぐに伝わったようで良かったです」
TAKURO「あの時、TERU(テル)は『函館中のジャンボタクシーを集めて、函館駅に待機させたらどうか』とも提案していたんですよ。飛行機での到着をあきらめて列車で来る人のことを考えたようです。『(タクシー代は)おれのおごりだ』なんて言うので、TERUもHISASHIもすごい人だなって思いましたね」
――新幹線開業後は、函館を訪れる人がさらに増えそうです。どんなことを期待しますか。
HISASHI「函館に住んでいたころ、好きなアーティストはみんな札幌でコンサートをしていたので、わざわざ札幌まで足を運んで聴きに行く選択肢しかなかったんですよ。でも今度は東京から4時間で函館に行けるようになるので、アーティストが函館を全国ツアーの会場に組み込むようになるかもしれませんね」
TAKURO「新幹線は人を運ぶだけではなく、大きな仕事やアイデア、文化などの往来も、今よりスムーズにしていくと思うんですよ。そうした中で、さまざまな分野の受け入れ態勢を整備していかなければならないとも感じています。例えば、新幹線開業後に函館でコンサートをした場合、青森に宿泊したり、新幹線で日帰りしたりするお客さんも多いかもしれない。コンサートを主催する側としても、北海道を盛り上げるために今後何ができるのか、スタッフと話し合っているところです」
――北海道に滞在してもらう努力が大切だということですね。
TAKURO「今はコンサートだけを楽しむ時代じゃないと思うので、道南のほかのまちや、札幌などに足を伸ばしてもらう工夫を考えなければならないと思うんですよ。あと、新幹線駅ができる北斗市もぜひ頑張っていただきたいと思います。函館には現時点でいろいろな観光資源があるので、北斗市も、B級グルメを作ったり、コミュニティーFMを立ち上げたりするなど何か新しいものを生み出してほしいですね」